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66・友情を壊した女が憎い2
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66・友情を壊した女が憎い2
ある日、別にチャンスだと考えなくてもいいのかもしれないが、チャンスだ! と思う事が生じた。英が風邪で学校を休んだわけだが、それにより太一は少しばかり華夜と2人で話ができると思った。
「あのさぁ、ちょっと頼みがあるんだ」
昼休みのとき、先に言っておきたいと思った。学校が終わったらいっしょに帰ろうと。それはさっくり心地よく受け入れられるとも思った。
「え、なに?」
華夜が見せた一瞬の表情、それは太一が考えていたのとはちがった。え? なに? と、どこかよそよそしいと感じさせられた。英がいて3人のときは、太一は大事な友人と言って豊満なふくらみ具合に負けない大きな笑顔を見せるのに、いまここでは心ここにあらず的な顔を見せた。
「ちょっとだけ聞いて欲しい話があるんだ」
ムカつく、このクソ巨乳女……という思いは心の奥にしまい込んで伝える。
「えぇ……
イヤだなぁって顔をチラっと見せた華夜曰く、学校が終わると英の家に行くらしい。なんでも付き合っている事は親も知っているから、だいじょうぶですか? と見舞いに行くのだという。
「だったら、学校から波多野の家にたどり着くまででいいよ」
「でも……」
「く、聞いて欲しい話があるって言ってるだろう!」
腹立たしさのあまり思わず教室のドアを叩いた。しかし何より声がデカかったので、華夜はもちろん他の連中も思いっきりびっくりさせてしまった。
「ご、ごめん……でもほんとうに聞いてほしくて……」
ここまでしてやっと確約にこぎつけたが、それは太一の中にあった華夜へのいら立ちを何倍も加速させる出来事だった。
「で、話ってなに?」
学校が終わり2人並んで歩き、学校から出るとこれ以上は待っていられないと華夜が問う。
「い、いや……前から聞きたかったんだけど、波多野のどこがいいのかな? と思って」
「え?」
なんとなく太一と2人だけでの会話はイヤだなぁって表情をしていた華夜だったが、この流れは予想していなかったらしくおどろいた。
「え、どこがって……英はかっこういいしやさしいからだけど?」
そんなの太一が一番よく知っているでしょう? と声にはない声でが聞こえた。すると太一は言わずにいられない。
「戸泉みたいに……ま、まぁかわいくて巨乳って女子だったら、他のいい男なんてすぐに見つかる。波多野? あいつはダメダメ、あいつ意外とバカだから。絶対……戸泉をシアワセになんかできない」
言った、言ってやった、しかし……言ってしまったという気がして胸がはげしく痛いのも事実な太一だった。
「え、太一、どうしたの? 英の大親友でしょう? どうしてそんなひどい事を言うの?」
立ち止まっただけでなく、真剣なまなざしを太一に向ける華夜。その目力は太一の淡くゲスな心では勝てない。なぜなら英の心とつよく結びつくのは華夜の心であるからして、今の太一は幼稚な男のクズみたいにされてしまう。
「太一……」
「な、なに?」
「あんたわたしの事が好きとかいうの?」
「そ、そんなわけ……ない」
「だったらどうして英の悪口を言うの? それって最低じゃないの? ケンカでもしたの?」
このとき一本の危険電流が走った。ケンカしていると言えばまだよかったのであるが、そんなウソはすぐにバレて恥をかくだけ。そう思った太一は反射的に一番言ってはならない事を口にした。
「お、おれはそんなに言うほど波多野の事は好きじゃない。ずっとそう思っていた」
言った……心にもない事、そして言ったが最後って感じの事、そういう事を華夜に向かって言ったら、明日からはちがう人生が始まる。
「そう、てっきり心からの親友とか思っていたら違ったんだね。そんなひどい話、だまっていられないから英に言うよ。そして二度とわたしとにも英にも近寄らないで」
華夜がそう言って英の家方面に歩いていく。その後姿を見ながら太一はかがみ込んでしまった。靴の紐がほどけたから結ぶって演技をかましているが、心の中では泣き声を繰り返す。
(なんであんなこと……なんでなんで……)
そうして翌日、思った通りに太一は英に校舎裏に呼び出される。小学1年生からずっと続いていた友情が壊れる瞬間の到来。
「残念だよ太一、だっておれ……おまえの事が好きだったから。小学1年生のときから大親友と思っていたんだ。そしておまえも同じようにおれを好いてくれていると勘違いしていた」
「ぅ……」
「太一よぉ……」
グッと太一の胸倉をつかむ英の顔には、およそ8年ほどかけて培った友情への思いがなくなっている。
「おれが好きじゃないならそれでもいい。でもだからって華夜に変な事をいうのはおかしいだろう。おまえ、そんな奴だったか? なんだよおまえ、人の心を裏切りやがって!」
英に殴られた。ケンカして殴られるなら男同士の友情と言えるのだが、その一発は人が人に愛想を尽かしたもの。10年近くもかけて作り上げた友情とかいうのも、あっさり壊れるという証明。
「同じ学校にいるから顔を合わすのは仕方ないけど、以後二度とおれに話しかけるな。もちろん華夜にもな」
地面に仰向けで転がる太一、英のその声を聞くと心臓がつぶれそうだった。そして英が立ち去って一人にされると、たまらずブワっと涙があふれ出る。そして誰も見ていないからって事で声を出して泣いてしまうのだった。
「ぅ……あぁぁぁうぅ……」
ある日、別にチャンスだと考えなくてもいいのかもしれないが、チャンスだ! と思う事が生じた。英が風邪で学校を休んだわけだが、それにより太一は少しばかり華夜と2人で話ができると思った。
「あのさぁ、ちょっと頼みがあるんだ」
昼休みのとき、先に言っておきたいと思った。学校が終わったらいっしょに帰ろうと。それはさっくり心地よく受け入れられるとも思った。
「え、なに?」
華夜が見せた一瞬の表情、それは太一が考えていたのとはちがった。え? なに? と、どこかよそよそしいと感じさせられた。英がいて3人のときは、太一は大事な友人と言って豊満なふくらみ具合に負けない大きな笑顔を見せるのに、いまここでは心ここにあらず的な顔を見せた。
「ちょっとだけ聞いて欲しい話があるんだ」
ムカつく、このクソ巨乳女……という思いは心の奥にしまい込んで伝える。
「えぇ……
イヤだなぁって顔をチラっと見せた華夜曰く、学校が終わると英の家に行くらしい。なんでも付き合っている事は親も知っているから、だいじょうぶですか? と見舞いに行くのだという。
「だったら、学校から波多野の家にたどり着くまででいいよ」
「でも……」
「く、聞いて欲しい話があるって言ってるだろう!」
腹立たしさのあまり思わず教室のドアを叩いた。しかし何より声がデカかったので、華夜はもちろん他の連中も思いっきりびっくりさせてしまった。
「ご、ごめん……でもほんとうに聞いてほしくて……」
ここまでしてやっと確約にこぎつけたが、それは太一の中にあった華夜へのいら立ちを何倍も加速させる出来事だった。
「で、話ってなに?」
学校が終わり2人並んで歩き、学校から出るとこれ以上は待っていられないと華夜が問う。
「い、いや……前から聞きたかったんだけど、波多野のどこがいいのかな? と思って」
「え?」
なんとなく太一と2人だけでの会話はイヤだなぁって表情をしていた華夜だったが、この流れは予想していなかったらしくおどろいた。
「え、どこがって……英はかっこういいしやさしいからだけど?」
そんなの太一が一番よく知っているでしょう? と声にはない声でが聞こえた。すると太一は言わずにいられない。
「戸泉みたいに……ま、まぁかわいくて巨乳って女子だったら、他のいい男なんてすぐに見つかる。波多野? あいつはダメダメ、あいつ意外とバカだから。絶対……戸泉をシアワセになんかできない」
言った、言ってやった、しかし……言ってしまったという気がして胸がはげしく痛いのも事実な太一だった。
「え、太一、どうしたの? 英の大親友でしょう? どうしてそんなひどい事を言うの?」
立ち止まっただけでなく、真剣なまなざしを太一に向ける華夜。その目力は太一の淡くゲスな心では勝てない。なぜなら英の心とつよく結びつくのは華夜の心であるからして、今の太一は幼稚な男のクズみたいにされてしまう。
「太一……」
「な、なに?」
「あんたわたしの事が好きとかいうの?」
「そ、そんなわけ……ない」
「だったらどうして英の悪口を言うの? それって最低じゃないの? ケンカでもしたの?」
このとき一本の危険電流が走った。ケンカしていると言えばまだよかったのであるが、そんなウソはすぐにバレて恥をかくだけ。そう思った太一は反射的に一番言ってはならない事を口にした。
「お、おれはそんなに言うほど波多野の事は好きじゃない。ずっとそう思っていた」
言った……心にもない事、そして言ったが最後って感じの事、そういう事を華夜に向かって言ったら、明日からはちがう人生が始まる。
「そう、てっきり心からの親友とか思っていたら違ったんだね。そんなひどい話、だまっていられないから英に言うよ。そして二度とわたしとにも英にも近寄らないで」
華夜がそう言って英の家方面に歩いていく。その後姿を見ながら太一はかがみ込んでしまった。靴の紐がほどけたから結ぶって演技をかましているが、心の中では泣き声を繰り返す。
(なんであんなこと……なんでなんで……)
そうして翌日、思った通りに太一は英に校舎裏に呼び出される。小学1年生からずっと続いていた友情が壊れる瞬間の到来。
「残念だよ太一、だっておれ……おまえの事が好きだったから。小学1年生のときから大親友と思っていたんだ。そしておまえも同じようにおれを好いてくれていると勘違いしていた」
「ぅ……」
「太一よぉ……」
グッと太一の胸倉をつかむ英の顔には、およそ8年ほどかけて培った友情への思いがなくなっている。
「おれが好きじゃないならそれでもいい。でもだからって華夜に変な事をいうのはおかしいだろう。おまえ、そんな奴だったか? なんだよおまえ、人の心を裏切りやがって!」
英に殴られた。ケンカして殴られるなら男同士の友情と言えるのだが、その一発は人が人に愛想を尽かしたもの。10年近くもかけて作り上げた友情とかいうのも、あっさり壊れるという証明。
「同じ学校にいるから顔を合わすのは仕方ないけど、以後二度とおれに話しかけるな。もちろん華夜にもな」
地面に仰向けで転がる太一、英のその声を聞くと心臓がつぶれそうだった。そして英が立ち去って一人にされると、たまらずブワっと涙があふれ出る。そして誰も見ていないからって事で声を出して泣いてしまうのだった。
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