87 / 223
87・好きな女の子へ告白するに必要な言葉2
しおりを挟む
87・好きな女の子へ告白するに必要な言葉2
日曜日、午前9時、伊吹は昨晩に降って湧いた約束を破ろうかと思いながらできなかったので、結局はマックに来てしまった。
「あ、伊吹さん、やっぱり来てくれましたね、おはようございます」
足図は屈託のない笑顔を見せると、ではとばかり先頭に立って店内に入る。そして奥の席を確保し互いに注文した品がそろった所で、足元に置いていたカバンよりノートを取り出す。
「なんだよ」
何か面倒くさいモノを見せられるのかなぁと思った伊吹が怪訝な顔をすると、告白の練習を兼ねた恋文だとかいう。それを採点してくださいとか言って、ズイっと力強く前に差し出す。
「見てもいいのか?」
「はい」
足図の顔は一見すれば微笑ましく照れているが、どこかに実は自信を隠し持っているような感じでもあった。
「ちょっと待った、これってなんだ、あたなみたいなズュースな人にドキドキしますって、いきなりわけがわからない」
「ズュースはドイツ語です」
「なんでドイツ語なんだよ」
「日本の女性はドイツ語が好きだってよく聞くので」
「いや、しかしだからといって……」
「え、イタリア語の方が良かったとかですか?」
「そうじゃなくて、日本人なんだから日本語で好きです! であるべきだろう。ドイツ語とかそういう中二病みたいな事はやらない方がいいと思うけどな」
「で、でも……」
「でも?」
「なんていうかその、ドイツ語とかでシャレていると安心できるって気がするんですよ。日本語だと貧弱な日の丸弁当しか思い浮かばないという感じで」
「いいじゃねぇかよそれで。だいたいシャレいるから安心って話じゃないだろう。好きだってキモチを伝えるのにかっこう付ける方が間違っているとおれは思うけどな」
ったく……と伊吹がぼやくと、足図はとあるヒット曲の話を引っ張り出した。その歌の歌詞において、きみに7つの言葉と宝石を捧げたいみたいな個所があるらしく、そういうセンスで告白したいのだという。
「いや、おまえ……他人が作った歌詞なんか丸ごと引っ張り込むなよ」
「え、ダメなんですか?」
「影響を受けるのはいいけど自分のモノにしろよ。結局最後にモノをいうのは自分の言葉とかセンスなんだから」
「あ、あれ……伊吹さんってクズな割にはけっこうかっこういいんですね」
「おれがかっこういいとかいうより、おまえの意識がダサすぎるって事だろう。それじゃぁせっかくのステキな女子、エリっちにフラれるぞ」
「あ、でも……ぼく恵理さん事を毎日思って熱いハートで告白文をこしらえているんです。それを見てください、そして何点くらいか採点して欲しいと思います」
足図はそう言うと別のノートを取り出す。一見素直に教えを乞う人間という微笑ましさだが、伊吹にしてみれば押せ押せの図々しいやつだと言いたくなってしまう。
それから数分間、伊吹は渡されたノートにつづられている告白文というのを見た。その間はだまっており何も言わないから、コーラをズズっと啜るしかやる事のない足図はかなり緊張してしまう。
「おい、琴場足図」
「は、はい……」
「おまえ、これなんのために書いた?」
「な、なんのためって恵理さんに告白するその瞬間のために」
「ったく、アホか」
伊吹はノートをテーブルの端っこに置くと、書かれている文章のおぞましさにダメだししてやった。
琴場足図がエリっちに告白するための練習として書いた告白文、それはもうひどいモノだと伊吹は批判する。それは自分の文章力や表現力がどのくらい評価されるかを期待して小論文みたいとしか思えず。むずかしい表現を使えば偉人だと信じて疑わない感じがあり、おっさんみたいな感覚が端々にあふれかえっている。
「つまりおまえの書いた告白文は、おっさんのクサい吐息をぶっかけられるエッセイもどきな論文って感じで、格好付けるのが重要だってオナニーが見え見え。読んでいてゾッとしたぞ、マジで」
「そ、そんな……ちょ、ちょっと待ってください」
慌ててノートを手にして開いた足図、これはけっこうラフに書いてみた奴なんですとか言って別のを見て欲しいと伊吹に突き出す。
「んぅ……」
仕方ないなぁとばかり伊吹はノートに目を通した。そして数分が経過すると、なんかペンか何かを貸してくれと口にする。そうして受け取った鉛筆の先を紙面に押し当てると横に動かしたりした。それを何回かくり返してからノートを返しわけであるが、ほとんどの言葉が横線で消されているではないか。
「これってどういう意味ですか?」
「消されていない言葉があるだろう、きみが好きです、大好きです! というところ。それだよ、告白するならそれしかないって事だよ」
「そ、そんなこんなシンプルな告白って」
「おまえはマジでクソに何もわかっていない」
「ぼくが何をわかっていないと言うんですか!」
「おれはモノ書きじゃないから詳しいことはわからないと断ってから話をするのだが、おれはある女から聞いた事がある。ひとつの文章をいかに短くまとめるのが重要かと。それによると1000文字よりは200文字程度がいいらしいぞ。200文字くらいでまとめられる能力、つまり余計な贅肉のないコンパクトがいいのだと。そうかもしれないとおれも思う。音楽だってそうだろう、7分とか8分とかダラダラ聞かされるのはうざい。それをためらいなく必要な分だけで構成し3分にまとめたら、ひたすらそれで名曲ばかりだったら天才って事になるのかもしれない」
「つまり?」
「つまり、おまえの告白文はいらない言葉が多すぎだ。服装で言えばTシャツを10枚くらい重ね着しているブタみたいなモノ。おまえ、知らないのか? 人間って真っ先に結論を聞きたいと思うんだぞ。結論なんか一言、二言でいいんだよ、好きです、大好きです! で決まりだよ。それからほかの事を付け足すように語ればいいんだよ。でもおまえの場合、結論の前に何千語も語り、重要な部分にいらぬ装飾を施しまくる。それはもう苦痛なんだよ、聞かされる側にしてみれば、まちがいなく」
「太陽みたいなきみのまぶしさがぼくの心をとらえて離さないから、ぼくは臆病をやめるために告白するんだ、この世界で誰よりきみを海より深く愛しているんです……とか言ったらダメですか?」
「言いたきゃ言えよ。でも多分……おまえの心はエリっちに届かないという気がするけどな」
足図は伊吹に言われた事がかなりショックだったらしい。冷静なときはなかなか図々しい感じを出すのに、冷静さを失うとアタフタして弱い感じがつよくなる。伊吹に言わせればそれは根性のないエリートみたいなモノ。
「い、今から告白文を書きます。だから採点してください、お願いします」
足図は本気でそうしようと思った。しかし時間が彼の味方になってくれない。悪い魔法でもかかったかの如く、時計の針がおそろしく進んでいた。
「いいのか? 時間」
「え? 時間?」
伊吹に言われて店内にある丸い時計の顔面を見てみた。するとどうだろう、なんと時刻は午後12時20分になっている。つまりいとしい女子との待ち合わせ時間まで40分しかないってこと。
「うっそぉ! なんで……」
慌ててノートをカバンに突っ込む足図、立ち上がると伊吹についてきてくださいと言う。
「なんでついていかなきゃいけないんだよ」
「見守ってください、お願いします」
「なんだよ見守るって……」
「伊吹さんが陰で見守り応援してくれていると思えば、ぼくは熱い心で頑張れます。それに伊吹さんだって、恵理さんがどんな女の子か見てみたいでしょう?」
「まぁな、おまえの行く末はどうでもいいけどエリっちがどんな女の子か見てみたい気はする」
「じゃぁ、見守っていてください。ぼくと恵理さんの大切な恋ドラマが愛のドラマへ発展するようにと」
「あぁ、わかった、わかった」
こうして伊吹は致し方なく、マックを出てもなお足図についていく事となった。
日曜日、午前9時、伊吹は昨晩に降って湧いた約束を破ろうかと思いながらできなかったので、結局はマックに来てしまった。
「あ、伊吹さん、やっぱり来てくれましたね、おはようございます」
足図は屈託のない笑顔を見せると、ではとばかり先頭に立って店内に入る。そして奥の席を確保し互いに注文した品がそろった所で、足元に置いていたカバンよりノートを取り出す。
「なんだよ」
何か面倒くさいモノを見せられるのかなぁと思った伊吹が怪訝な顔をすると、告白の練習を兼ねた恋文だとかいう。それを採点してくださいとか言って、ズイっと力強く前に差し出す。
「見てもいいのか?」
「はい」
足図の顔は一見すれば微笑ましく照れているが、どこかに実は自信を隠し持っているような感じでもあった。
「ちょっと待った、これってなんだ、あたなみたいなズュースな人にドキドキしますって、いきなりわけがわからない」
「ズュースはドイツ語です」
「なんでドイツ語なんだよ」
「日本の女性はドイツ語が好きだってよく聞くので」
「いや、しかしだからといって……」
「え、イタリア語の方が良かったとかですか?」
「そうじゃなくて、日本人なんだから日本語で好きです! であるべきだろう。ドイツ語とかそういう中二病みたいな事はやらない方がいいと思うけどな」
「で、でも……」
「でも?」
「なんていうかその、ドイツ語とかでシャレていると安心できるって気がするんですよ。日本語だと貧弱な日の丸弁当しか思い浮かばないという感じで」
「いいじゃねぇかよそれで。だいたいシャレいるから安心って話じゃないだろう。好きだってキモチを伝えるのにかっこう付ける方が間違っているとおれは思うけどな」
ったく……と伊吹がぼやくと、足図はとあるヒット曲の話を引っ張り出した。その歌の歌詞において、きみに7つの言葉と宝石を捧げたいみたいな個所があるらしく、そういうセンスで告白したいのだという。
「いや、おまえ……他人が作った歌詞なんか丸ごと引っ張り込むなよ」
「え、ダメなんですか?」
「影響を受けるのはいいけど自分のモノにしろよ。結局最後にモノをいうのは自分の言葉とかセンスなんだから」
「あ、あれ……伊吹さんってクズな割にはけっこうかっこういいんですね」
「おれがかっこういいとかいうより、おまえの意識がダサすぎるって事だろう。それじゃぁせっかくのステキな女子、エリっちにフラれるぞ」
「あ、でも……ぼく恵理さん事を毎日思って熱いハートで告白文をこしらえているんです。それを見てください、そして何点くらいか採点して欲しいと思います」
足図はそう言うと別のノートを取り出す。一見素直に教えを乞う人間という微笑ましさだが、伊吹にしてみれば押せ押せの図々しいやつだと言いたくなってしまう。
それから数分間、伊吹は渡されたノートにつづられている告白文というのを見た。その間はだまっており何も言わないから、コーラをズズっと啜るしかやる事のない足図はかなり緊張してしまう。
「おい、琴場足図」
「は、はい……」
「おまえ、これなんのために書いた?」
「な、なんのためって恵理さんに告白するその瞬間のために」
「ったく、アホか」
伊吹はノートをテーブルの端っこに置くと、書かれている文章のおぞましさにダメだししてやった。
琴場足図がエリっちに告白するための練習として書いた告白文、それはもうひどいモノだと伊吹は批判する。それは自分の文章力や表現力がどのくらい評価されるかを期待して小論文みたいとしか思えず。むずかしい表現を使えば偉人だと信じて疑わない感じがあり、おっさんみたいな感覚が端々にあふれかえっている。
「つまりおまえの書いた告白文は、おっさんのクサい吐息をぶっかけられるエッセイもどきな論文って感じで、格好付けるのが重要だってオナニーが見え見え。読んでいてゾッとしたぞ、マジで」
「そ、そんな……ちょ、ちょっと待ってください」
慌ててノートを手にして開いた足図、これはけっこうラフに書いてみた奴なんですとか言って別のを見て欲しいと伊吹に突き出す。
「んぅ……」
仕方ないなぁとばかり伊吹はノートに目を通した。そして数分が経過すると、なんかペンか何かを貸してくれと口にする。そうして受け取った鉛筆の先を紙面に押し当てると横に動かしたりした。それを何回かくり返してからノートを返しわけであるが、ほとんどの言葉が横線で消されているではないか。
「これってどういう意味ですか?」
「消されていない言葉があるだろう、きみが好きです、大好きです! というところ。それだよ、告白するならそれしかないって事だよ」
「そ、そんなこんなシンプルな告白って」
「おまえはマジでクソに何もわかっていない」
「ぼくが何をわかっていないと言うんですか!」
「おれはモノ書きじゃないから詳しいことはわからないと断ってから話をするのだが、おれはある女から聞いた事がある。ひとつの文章をいかに短くまとめるのが重要かと。それによると1000文字よりは200文字程度がいいらしいぞ。200文字くらいでまとめられる能力、つまり余計な贅肉のないコンパクトがいいのだと。そうかもしれないとおれも思う。音楽だってそうだろう、7分とか8分とかダラダラ聞かされるのはうざい。それをためらいなく必要な分だけで構成し3分にまとめたら、ひたすらそれで名曲ばかりだったら天才って事になるのかもしれない」
「つまり?」
「つまり、おまえの告白文はいらない言葉が多すぎだ。服装で言えばTシャツを10枚くらい重ね着しているブタみたいなモノ。おまえ、知らないのか? 人間って真っ先に結論を聞きたいと思うんだぞ。結論なんか一言、二言でいいんだよ、好きです、大好きです! で決まりだよ。それからほかの事を付け足すように語ればいいんだよ。でもおまえの場合、結論の前に何千語も語り、重要な部分にいらぬ装飾を施しまくる。それはもう苦痛なんだよ、聞かされる側にしてみれば、まちがいなく」
「太陽みたいなきみのまぶしさがぼくの心をとらえて離さないから、ぼくは臆病をやめるために告白するんだ、この世界で誰よりきみを海より深く愛しているんです……とか言ったらダメですか?」
「言いたきゃ言えよ。でも多分……おまえの心はエリっちに届かないという気がするけどな」
足図は伊吹に言われた事がかなりショックだったらしい。冷静なときはなかなか図々しい感じを出すのに、冷静さを失うとアタフタして弱い感じがつよくなる。伊吹に言わせればそれは根性のないエリートみたいなモノ。
「い、今から告白文を書きます。だから採点してください、お願いします」
足図は本気でそうしようと思った。しかし時間が彼の味方になってくれない。悪い魔法でもかかったかの如く、時計の針がおそろしく進んでいた。
「いいのか? 時間」
「え? 時間?」
伊吹に言われて店内にある丸い時計の顔面を見てみた。するとどうだろう、なんと時刻は午後12時20分になっている。つまりいとしい女子との待ち合わせ時間まで40分しかないってこと。
「うっそぉ! なんで……」
慌ててノートをカバンに突っ込む足図、立ち上がると伊吹についてきてくださいと言う。
「なんでついていかなきゃいけないんだよ」
「見守ってください、お願いします」
「なんだよ見守るって……」
「伊吹さんが陰で見守り応援してくれていると思えば、ぼくは熱い心で頑張れます。それに伊吹さんだって、恵理さんがどんな女の子か見てみたいでしょう?」
「まぁな、おまえの行く末はどうでもいいけどエリっちがどんな女の子か見てみたい気はする」
「じゃぁ、見守っていてください。ぼくと恵理さんの大切な恋ドラマが愛のドラマへ発展するようにと」
「あぁ、わかった、わかった」
こうして伊吹は致し方なく、マックを出てもなお足図についていく事となった。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
訳あり冷徹社長はただの優男でした
あさの紅茶
恋愛
独身喪女の私に、突然お姉ちゃんが子供(2歳)を押し付けてきた
いや、待て
育児放棄にも程があるでしょう
音信不通の姉
泣き出す子供
父親は誰だよ
怒り心頭の中、なしくずし的に子育てをすることになった私、橋本美咲(23歳)
これはもう、人生詰んだと思った
**********
この作品は他のサイトにも掲載しています
YESか、はいか。〜守護者と少女の記録〜
MisakiNonagase
恋愛
返事は『YES』か『はい』。
あの日、少女がかけた魔法...
「君を一人前の大人にする。それが、あの日僕が兄夫婦と交わした、唯一の約束だった」
北関東の静かな街で、22歳の青年・輝也は、事故で両親を亡くした7歳の姪・玲奈を引き取ることになった。
独身の身で突如始まった「父親代わり」の生活。
不器用ながらも実直に玲奈を守り続ける輝也と、彼の背中を見つめて育つ玲奈。
二人の間には、血の繋がりを超えた、けれど名前のつかない絆が育まれていく。
しかし、玲奈が成長するにつれ、その絆は静かに形を変え始める。
叔父を「一人の男」として愛し始めた少女。
一線を越えぬよう、自らに「保護者」という呪縛をかけ続ける男。
「大学に合格したら、私のお願い、一つだけ聞いてくれる? 返事は『YES』か『はい』しか言っちゃダメだよ」
少女が仕掛けた無邪気な約束が、二人の関係を大きく揺らし始める。
進学による別れ、都会での生活、そして忍び寄る「お見合い」の影——。
共同生活を経て、玲奈が選んだ「自立」の答えとは。
そして、輝也が頑なに守り続けた「プライド」の先に待っていた結末とは。
これは、不器用な守護者と、真っ直ぐな少女が、長い歳月をかけて「本当の家族」を定義し直す、切なくも温かい愛の物語。
完結【強引な略奪婚】冷徹な次期帝は、婚姻間近の姫を夜ごと甘く溶かす
小木楓
恋愛
完結しました✨
タグ&あらすじ変更しました。
略奪された大納言家の香子を待っていたのは、冷徹な次期帝による「狂愛」という名の支配でした。
「泣け、香子。お前をこれほど乱せるのは、世界で私だけだ」
「お前はまだ誰のものでもないな? ならば、私のものだ」
大納言家の姫・香子には、心通わせる穏やかな婚約者がいた。
しかし、そのささやかな幸福は、冷徹と噂される次期帝・彰仁(あきひと)に見初められたことで一変する。
強引な勅命により略奪され、後宮という名の檻に閉じ込められた香子。
夜ごとの契りで身体を繋がれ、元婚約者への想いすら「不義」として塗り潰されていく。
恐怖に震える香子だったが、閉ざされた寝所で待っていたのは、想像を絶するほど重く、激しい寵愛で……?
「痛くはしない。……お前が私のことしか考えられなくなるまで、何度でも教え込もう」
逃げ場のない愛に心が絡め取られていく中、彰仁は香子を守るため、「ある残酷な嘘」を用いて彼女を試す。
それは、愛するがゆえに彼女を嫉妬と絶望で壊し、「帝なしでは息もできない」状態へ作り変えるための、狂気じみた遊戯だった。
「一生、私の腕の中で溺れていろ」
守るために壊し、愛するために縛る。
冷酷な仮面の下に隠された、
一途で異常な執着を知った時、香子の心もまた甘い猛毒に溶かされていく――。
★最後は極上のハッピーエンドです。
※AI画像を使用しています。
与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし
かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし
長屋シリーズ一作目。
第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。
十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。
頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。
一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。
10秒で読めるちょっと怖い話。
絢郷水沙
ホラー
ほんのりと不条理な『ギャグ』が香るホラーテイスト・ショートショートです。意味怖的要素も含んでおりますので、意味怖好きならぜひ読んでみてください。(毎日昼頃1話更新中!)
『専属メイド全員が重すぎる愛で迫ってくる!~大学生の僕、10人の美女に24時間甘やかされ尽くす生活~』
まさき
青春
僕は、ちょっと普通じゃない日常を送ることになった――それは、専属メイドが全員僕のことを溺愛してくれる暮らしだ。
朝は髪を整えてくれるリナ、朝食で笑顔を見せてくれるミユ、どの瞬間も全力で僕を甘やかす。掃除、料理、悩み相談まで、僕のためだけに動くメイドたち。
「ご主人様の笑顔が見たいんです」
その一言で、僕の毎日はちょっとドキドキ、ちょっと幸せ。
全員が僕を独占したいと競い合う日常の中、僕はどうやってこの溺愛地獄(?)を生き抜けばいいのか――!?
甘々、至れり尽くせりの日常ラブコメ、開幕。
前の野原でつぐみが鳴いた
小海音かなた
恋愛
鶫野鹿乃江は都内のアミューズメント施設で働く四十代の事務職女性。ある日職場の近くを歩いていたら、曲がり角から突然現れた男性とぶつかりそうになる。
その夜、突然鳴った着信音をたどったらバッグの中に自分のものではないスマートフォン入っていて――?!
『ほんの些細な偶然から始まるラブストーリー』。そんなありきたりなシチュエーションにもかかわらず、まったく異なる二人の立場のせいで波乱含みな恋愛模様をもたらしていく――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる