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164・キャラクターの反乱バトル8
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164・キャラクターの反乱バトル8
「多分……ゲロゲロに批判されているという気がする……」
本日、それは衝撃的な展開の後半をアップしてから13時間くらいが経過した午前10時頃、書矢はパソコンを前に過剰なほどドキドキしまくっていた。
「いや、待てよ……もしかすると予想に反して高評価って事もありうる」
きれいなクリーム色マウスを右に、ノートパソコンの画面を見つめながらやっとの思いでポチっとクリック。
「ん……」
昨晩に投稿した小説、後半分の反応はどうか……色んなところから見ていくわけだが、まずはPVとユニークの数から目にした。
「あぅ……伸びてない……クソ! って思うけど……仕方ないんだろうなぁ、やっぱりこうなっちまうんだろうなぁ」
書矢は悔しさと恨めしいって音色が混じった顔になる。昨日、ビアンカが登場して自分を脅した。それに屈した作者たる自分は、ドロドロの展開だった後半を大幅に書き換えてしまう。
すでに完成していた書き換える前の原稿……そこではトチ狂ったブルーノがビアンカの温もりに挿入し荒々しい爆走を成し遂げるという鬼畜な内容だった。しかしそれをアップするなよ? というビアンカの声にしたがったので、修正された内容は実に薄っぺらい。
修正された原稿……ハッ! っと我に返ったブルーノが罪悪感に陥り、ひたすら苦悩して気絶しているビアンカに詫びるだけ。これは前半に衝撃を受けた読者への裏切り的なテンション下げな内容。
「レビューを見るのが怖い……でも見ないと……もしかすると心理描写が上手だってお褒めの言葉が多いかもしれないし」
書矢が勇気を出してポチっとな! そうする画面に新着レビューの一覧が生々しく表示される。
―つまんねぇぞ! 前半で作品を汚すとか期待させておきながら、いきなりビビってチキンな内容にするんじゃねぇよー
―作者は何が書きたかったんですか? 自分で自分に問うてくださいー
―ただ一言、ヘタレー
―あ~あ、ビアンカが汚されるシーンが見れると思ったのになぁー
―心理描写ってさ、書くのは楽しいんだろうけど、読むのはめっちゃ苦痛。それだけで7000文字も使うとか正気かよー
―もうこの小説はダメだなー
―読者数もブクマもごっそり減っていますね、自業自得でしょうー
―さようなら、もうあなたの作品は読みませんー
まさに……ズドーン! と心臓に直撃食らうような内容ばかり。内容をホメてくれたレビューは一つもなし。
「あぁ……」
よろよろっと悲壮感いっぱいに立ち上がった無名の小説家は、ベッドの上にばったりと倒れた。うつ伏せになったものだから心地よい脱力に襲われ、もう二度と立ち上がれないと小声で嘆く。
「おれの人生終わった……おれは……おれはただ小説家になりたかっただけなんだよ……それが叶うならテンプレ丸出しの小説でもいいと思ったのに、どいつもこいつも横からそれはダメとか注文つけやがるから、それに従ったらこのザマ。なんだよ、成功ってなんだよ、人生っていったい何なんだよ」
ブチブチと愚痴った。目の前が真っ暗になりそうだった。書籍化という夢がもはや宇宙的に遠ざかってしまったと悲しくなる。
「で、でも……カルロスを戻せば……予定よりずいぶん早いけど、もうアデリーヌが活躍する展開は終わりにすればいいんだ。カルロスが意識を取り戻したとして、ひたすらカルロスが魔物をぶっ殺して舞うようなエピソードばかり書けば、そうすれば離れた読者だって戻って来るんじゃないか?」
あきらめの悪い声がベッドから床に落ちる。でもそれは致し方のない事。なんだかんだ愚痴っても、やはり夢はそうかんたんにはあきらめられない。
「そうだ、アデリーヌが調子に乗り過ぎだ。もういいだろう、もうそろそろ本来の主人公であるカルロスを復活させればいいだろう」
急に元気が湧いてきた。まだ望みはある! という上向きの勢いが生じてきた。
「アデリーヌが活躍するってエピソードはまだ数十本あって、これを捨てるのはもったいないから……番外編みたいな感じで使えるようにストックしておけばいいんだ」
ゆっくり自分を落ち着かせるようにつぶやきながら原稿の改変に着手。主人公のカルロスが意識を取り戻し戻ってくるためには、現在の流れにちょっと小賢しい修正を入れねばならない。それでまた批判されるかもしれないが、男の主人公が戻ってきさえすれば、読者が戻ってくると信じる。
「えっと……いきなりカルロスが戻ってくるとさすがにちょっとな……だからもっともらしい感じとしては、アデリーヌがピンチになってカルロス! って甘えたな声を出したことで復活が成されるとかすればいいや。どうせ読者なんて大したストーリーを追いかける奴らじゃないんだから」
こうして原稿の改変はちゃくちゃくとずる賢く進んでいった。だからカルロスが復活というエピソードを予約しておく。待機状態させて送信ボタンを押すだけ状態にしておけば、作者にはほどよい緊張感と責任が生じるというもの。
「よし、ちょっと気が楽になった!」
ここでちょい休憩だ! と、ウォーキングをしに行こうと家の外に出た。今は無職、適当にアルバイトを探している最中なので、小説を書くこそが命。だがそれでも気分がちょっと上向きって時に外出すると、やっぱり健康はいいよなぁとか思うのだった。
「よし、おれはまだ死なない。待ってろよ読者のクソ野郎ども、絶対見返してやるからな。おれの作品にシビれさせてやるからな」
なかなかキブンがよい。よって歩行速度もいい具合に速い。1時間くらい歩いたら、再び元気いっぱいな状態で執筆活動だ! と盛り上がっていく。
「ただいま」
帰宅したらそう言って手洗いを済ませる。そうして全然衰えていない興奮を胸に執筆するぜ! とばかり階段を上がっていき、自部屋のドアを開けた。
「あ……」
ドアを開け室内に目が行った瞬間、スーッと心臓が冷えてドキッとなる。だから慌ててドアを閉め、焦りながらつぶやく。
「い、いまのは……」
そう、室内に誰かがいる。いや、それは誰かなんて不特定な者じゃない。あの顔と姿は脳内情報にばっちり保管されており、それによると名前はカルロス。つまり執筆中で奮闘中でもある小説の主人公。
「おい、作者なんだろう? 早く入って来いよ。待っていたんだぜ」
室内より誘いの声が聞こえる。
「か、カルロスか?」
ドアに顔を近づけボリュームを下げた声で言ってみた。
「そうだ、カルロスだ。作者に言いたい事があって出てきた」
今度は主人公かよ! と思いつつ、自分の部屋に入らないわけにはいかないので、素直にドアを開けるしかない書矢だった。
「多分……ゲロゲロに批判されているという気がする……」
本日、それは衝撃的な展開の後半をアップしてから13時間くらいが経過した午前10時頃、書矢はパソコンを前に過剰なほどドキドキしまくっていた。
「いや、待てよ……もしかすると予想に反して高評価って事もありうる」
きれいなクリーム色マウスを右に、ノートパソコンの画面を見つめながらやっとの思いでポチっとクリック。
「ん……」
昨晩に投稿した小説、後半分の反応はどうか……色んなところから見ていくわけだが、まずはPVとユニークの数から目にした。
「あぅ……伸びてない……クソ! って思うけど……仕方ないんだろうなぁ、やっぱりこうなっちまうんだろうなぁ」
書矢は悔しさと恨めしいって音色が混じった顔になる。昨日、ビアンカが登場して自分を脅した。それに屈した作者たる自分は、ドロドロの展開だった後半を大幅に書き換えてしまう。
すでに完成していた書き換える前の原稿……そこではトチ狂ったブルーノがビアンカの温もりに挿入し荒々しい爆走を成し遂げるという鬼畜な内容だった。しかしそれをアップするなよ? というビアンカの声にしたがったので、修正された内容は実に薄っぺらい。
修正された原稿……ハッ! っと我に返ったブルーノが罪悪感に陥り、ひたすら苦悩して気絶しているビアンカに詫びるだけ。これは前半に衝撃を受けた読者への裏切り的なテンション下げな内容。
「レビューを見るのが怖い……でも見ないと……もしかすると心理描写が上手だってお褒めの言葉が多いかもしれないし」
書矢が勇気を出してポチっとな! そうする画面に新着レビューの一覧が生々しく表示される。
―つまんねぇぞ! 前半で作品を汚すとか期待させておきながら、いきなりビビってチキンな内容にするんじゃねぇよー
―作者は何が書きたかったんですか? 自分で自分に問うてくださいー
―ただ一言、ヘタレー
―あ~あ、ビアンカが汚されるシーンが見れると思ったのになぁー
―心理描写ってさ、書くのは楽しいんだろうけど、読むのはめっちゃ苦痛。それだけで7000文字も使うとか正気かよー
―もうこの小説はダメだなー
―読者数もブクマもごっそり減っていますね、自業自得でしょうー
―さようなら、もうあなたの作品は読みませんー
まさに……ズドーン! と心臓に直撃食らうような内容ばかり。内容をホメてくれたレビューは一つもなし。
「あぁ……」
よろよろっと悲壮感いっぱいに立ち上がった無名の小説家は、ベッドの上にばったりと倒れた。うつ伏せになったものだから心地よい脱力に襲われ、もう二度と立ち上がれないと小声で嘆く。
「おれの人生終わった……おれは……おれはただ小説家になりたかっただけなんだよ……それが叶うならテンプレ丸出しの小説でもいいと思ったのに、どいつもこいつも横からそれはダメとか注文つけやがるから、それに従ったらこのザマ。なんだよ、成功ってなんだよ、人生っていったい何なんだよ」
ブチブチと愚痴った。目の前が真っ暗になりそうだった。書籍化という夢がもはや宇宙的に遠ざかってしまったと悲しくなる。
「で、でも……カルロスを戻せば……予定よりずいぶん早いけど、もうアデリーヌが活躍する展開は終わりにすればいいんだ。カルロスが意識を取り戻したとして、ひたすらカルロスが魔物をぶっ殺して舞うようなエピソードばかり書けば、そうすれば離れた読者だって戻って来るんじゃないか?」
あきらめの悪い声がベッドから床に落ちる。でもそれは致し方のない事。なんだかんだ愚痴っても、やはり夢はそうかんたんにはあきらめられない。
「そうだ、アデリーヌが調子に乗り過ぎだ。もういいだろう、もうそろそろ本来の主人公であるカルロスを復活させればいいだろう」
急に元気が湧いてきた。まだ望みはある! という上向きの勢いが生じてきた。
「アデリーヌが活躍するってエピソードはまだ数十本あって、これを捨てるのはもったいないから……番外編みたいな感じで使えるようにストックしておけばいいんだ」
ゆっくり自分を落ち着かせるようにつぶやきながら原稿の改変に着手。主人公のカルロスが意識を取り戻し戻ってくるためには、現在の流れにちょっと小賢しい修正を入れねばならない。それでまた批判されるかもしれないが、男の主人公が戻ってきさえすれば、読者が戻ってくると信じる。
「えっと……いきなりカルロスが戻ってくるとさすがにちょっとな……だからもっともらしい感じとしては、アデリーヌがピンチになってカルロス! って甘えたな声を出したことで復活が成されるとかすればいいや。どうせ読者なんて大したストーリーを追いかける奴らじゃないんだから」
こうして原稿の改変はちゃくちゃくとずる賢く進んでいった。だからカルロスが復活というエピソードを予約しておく。待機状態させて送信ボタンを押すだけ状態にしておけば、作者にはほどよい緊張感と責任が生じるというもの。
「よし、ちょっと気が楽になった!」
ここでちょい休憩だ! と、ウォーキングをしに行こうと家の外に出た。今は無職、適当にアルバイトを探している最中なので、小説を書くこそが命。だがそれでも気分がちょっと上向きって時に外出すると、やっぱり健康はいいよなぁとか思うのだった。
「よし、おれはまだ死なない。待ってろよ読者のクソ野郎ども、絶対見返してやるからな。おれの作品にシビれさせてやるからな」
なかなかキブンがよい。よって歩行速度もいい具合に速い。1時間くらい歩いたら、再び元気いっぱいな状態で執筆活動だ! と盛り上がっていく。
「ただいま」
帰宅したらそう言って手洗いを済ませる。そうして全然衰えていない興奮を胸に執筆するぜ! とばかり階段を上がっていき、自部屋のドアを開けた。
「あ……」
ドアを開け室内に目が行った瞬間、スーッと心臓が冷えてドキッとなる。だから慌ててドアを閉め、焦りながらつぶやく。
「い、いまのは……」
そう、室内に誰かがいる。いや、それは誰かなんて不特定な者じゃない。あの顔と姿は脳内情報にばっちり保管されており、それによると名前はカルロス。つまり執筆中で奮闘中でもある小説の主人公。
「おい、作者なんだろう? 早く入って来いよ。待っていたんだぜ」
室内より誘いの声が聞こえる。
「か、カルロスか?」
ドアに顔を近づけボリュームを下げた声で言ってみた。
「そうだ、カルロスだ。作者に言いたい事があって出てきた」
今度は主人公かよ! と思いつつ、自分の部屋に入らないわけにはいかないので、素直にドアを開けるしかない書矢だった。
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