息吹アシスタント(息吹という名の援護人)

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190・息吹争奪戦(巨乳ばっかりのバトル大会)6

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190・息吹争奪戦(巨乳ばっかりのバトル大会)6

 
「おれは家満登息吹っていうのだけど、そっちは?」

「わたしはリディエ・クライン」

「リディエ……おれはリディエが思うような男じゃないから、リディエは他のいい男を探すべきと思う」

「わたしリディエは運命の落雷を信じています。日本という国が好きで日本語に格闘技も学んでいる身としては、運命の落雷を否定する理由など持ち合わせていません」

 ヤバいこの感じ……と息吹は思った。マジメで一本通った気質を浮かべるリディエからは、いっさいの冗談が通用しません! というオーラが浮かんでいる。

「ちょっと待ったぁ!」

 かすみ、リディエと息吹の間に割って入りクッと両腕を横に伸ばして見せる。それは立ち入りするべからずという宣告。

「息吹くんはわたしと結婚する予定ですから、邪魔しないでくれます?」

 言ったかすみは婚約者然という感じをリディエに見せつける。必要とあらばバトルだって大歓迎という意を目で伝える。

「ちがう、ちがう!」

 ここで横から割り込むは団子、かすみを突き飛ばしリディエとにらみってはっきりとした口調で伝える。

「この子ども巨乳は頭がおかしいから無視。息吹はわたしの旦那になる人ってこと。わかる? そんなに日本語がうまくて空手? もできるリディエなら礼儀は知っているはず。だから回れ右して消えてちょうだい。そうすればみんなが平和で丸く収まるから」

 決まった! と、ニンマリやって息吹の腕を豊満な胸に抱き寄せぴったりくっつく団子。

「婚約者? 旦那になる人?」

 リディエはズイっと一歩前に出ると、あざとい女という感じの団子って爆乳女子と、ノリの良さが魅力という感じのかすって巨乳女子を交互に見る。そうしてぶっ太い武器みたいな真剣さで言う。

「あなたたちからは女としての本気が伝わってきません。女という言葉を息吹に捧げた者というオーラが全然浮かんでいません。ただ欲望のために息吹にまとわりついているだけの女子虫という気がしてなりませんが」

 リディエが言った事にかすみと団子の2人がそろってカチン! となった。だから図らずも同じことを同じ口調で言い返す。

「はぁ? 女の欲望で動いているのはそっちも同じでしょうリディエぇ! 日本語でいうところの女狐」

 そんなことを言われたリディエがカチン! となったら、この場で女3人の乱闘が発生するような予感が巻き上がってくる。

「おいおい……」

 息吹、にらみ合う3人の女を落ち着かせようとするが、3人ともプライドがかかっていると引き下がる気配なし。そこで仕方なく、かなり子どもっぽい言い方だと思いつつ、これしかないとつぶやく。

「こんなところで暴れたら人に迷惑がかかるだろう。おれは人に迷惑をかけるっていうのが嫌いなんだ、そういう事をする女も好きじゃない」

 言って、やれやれ……と訴えるような顔をし、開けた左手を下から上にクッと軽く動かして見せたりする。そうするとそれは効果があったらしく、3人の女は今にも暴れ出すって勢いにストップをかけられた。

「よし、ひらめいた、わたしはひらめいたぞ!」

 ここで突然に団子が大きな声を出す。パン! と両手を合わせリディエとかすみに注目するようにと促す。

「こうなったら女だけのバトル大会を開こう」

「女だけの? どういう事ですか?」

「優勝した女は息吹と結ばれる! という事にする」

 団子曰く、どうせならハデにやって盛り上がりたいらしい。手元にある1億円をくらいを使えば夢のステージを作るくらいはできるはずで、つまらない人生に一花咲かせられるとする。

「団子さん、それっておもしろい話だけど……主催者の団子さんも出場するんですか? 主催するだけにしませんか?」

「そんなつまらない裏方一本とかイヤだし、やるなら目立ちたいし、主催者が優勝すれば、世界だってわたしと息吹が愛し合うことを認めてくれる」

 えっへん、我ながらすばらしいアイデア! と団子は豊かな胸を張った。いきなりだがもう頭の中にはバトル大会の絵が浮かんでいるらしい。だからどんどん勢いづいて止まらなくなる。

「そうだ! さらに良い事をひらめいた。女が一人の男を賭けて争っても世間は注目してくれないよね。だから出場できるのは巨乳もしくは爆乳って女だけにしよう。そうすれば数多くの男性が大会に注目するはずだから」

 団子の恥知らず的な勢いで勝手に話がどんどん進められそうになっていく。もちろん息吹としてはそれをだまって聞き続けられはしない。

「アホか、ちょっと待て、ちょっと待て!」

 3人の女が向け合っている目線のど真ん中に立った息吹、変な話を勝手に決めるんじゃねぇ! と物申す。

「息吹、わたしはやるよ。もう決めたから」

「いや、団子……おまえ暴走するなよ。それだったらおれが女をその気にさせる悪者になるじゃんかよ」

「いいじゃんか。息吹は前世ホストで女ったらしでやりまくったやつでしょう? だったら今度は罪の償いをするべし。大会で優勝した女と一生添い遂げればいいんだよ」

「いやいや、勝手に都合良く話を結びつけるよな。リディエ、リディエだって思うだろう? なんてバカげた話だとか……」

 息吹は3人女の中では一番まともな話が出来るであろうリディエに期待した。リディエが反対してくれれば心強いと思った。

「わたしは大会をやって欲しいです、そして参加します。相手が誰であろうと打ち負かし息吹と結ばれます」

「えぇ……」

 リディエが見せる期待とは真逆の反応に息吹は青ざめる。だから団子に向かって、今度は金の大切さを説く戦法に出る。

「団子、だいたいおまえ大会なんか開くような金を持ってんのかよ」

「持ってるよ。予算は1億だけど、足が出るとしても1億2000万くらいまでは良しとするつもり」

「なんでそんな金を持ってんだよ……っていうか、金は大事に使わなきゃいけない。おれだって金は尊いモノと理解している。だからわかる、一瞬の気迷いとか心の燃え上がりに金を突っ込むと必ず後悔する。だから止めておけ、その1億円は自分がささやかな生活をするために使え。金はいくらあってもいいんだからさ」

「いや、わたしは後悔なんかしない」

「おまえ、人の話を聞けってば……」

「息吹、わたしは自分の人生を一度くらいは面白くしたいと思っていたんだ。そして柔道をやっていても、恋し合う相手がいないからさみしいってキモチも持っている。そんなわたしが手持ちの1/3こと1億円を使う事に迷いはない。むしろここで使うために3億円を得たのだとしか思わない」

 ったくもう……と舌打ちした息吹、最後の砦とばかりかすみの方を向く。そして女として気の毒な女の暴走を止めてくれとお願いしたりする。しかしそれに対してかすみはきっぱりと言い返す。

「息吹くん、やらせてあげようよ。わたしも大会に出たいし」

「女として団子が気の毒とか思わないのか?」

「そんなことはないよ。むしろやりたい事はやるべきだと思うから、その姿勢には共鳴できちゃう」

「えぇ……」

「だいじょうぶ、安心して最後にわたしが勝つから。このビューティーかすみが世間の見ている前で優勝するから。そうすればわたしと息吹くんがどれだけ愛し合っても誰も文句は言わなくなるから」

「あぁ……」

 なんだこの狂った展開は……と息吹が空を見上げると、団子がかすみと話をしている声が聞こえた。

「かすみ、息吹の画像とか持ってる?」

「持ってますけど? 言っとくけどあげませんよ!」

「ちゃうちゃう、ポスター作るために必要なんだよ」

「ポスター?」

「優勝すればこの男、家満登息吹の妻になれますって書くだけでは女が寄って来ないでしょう。息吹ってけっこうイケメンだから写真を載せなきゃいけないってこと。だから協力しよし」

「あ、そういう事ならよろこんで協力しましょう」

 どうやら本気でやるつもりらしいと思ってため息を吐いた息吹とリディエの目が合う。すると相手はニコっと微笑んだ。その表情には大会で優勝して見せますという声が乗っていた。こうして息吹の都合とかいうのはカンペキ度外視で、変な大会が行われることになったのである。
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