息吹アシスタント(息吹という名の援護人)

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208・(Σの輝き)身長40mになった爆乳女子、団子を食い止めろ 2

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208・(Σの輝き)身長40mになった爆乳女子、団子を食い止めろ 2


「あぁ、憂鬱……なんかもう胸いっぱいに哀しくなる」

 午前10時過ぎの繁華街を鬱なフィーリングをあまり顔に出さないよう努力しながら歩く御手洗団子がいた。

 巨乳ばっかりのバトル大会(195話~206話)を開催し自らも出場し、そして決勝までコマを進めた。そう、確かにそこまで行ったのである。そしてヨーロッパ美人の爆乳たるリディエと熱い戦いを展開した。

 しかし! 決勝でリディエと戦っていたその真っ最中、自分が勝つと信じていたあのとき、突然に建物が大爆発の崩壊を起こした。幸い一人として死者は出ていないが、あそこまでやった大会はつぶれてしまったのである。

「あれっていったい何……ありえない落雷でも落ちた? 冗談抜きでミサイルでも撃ち込まれたみたいだったけど、原因はいまだ不明。ふざけんなよって話だ、わたしの優勝間近だったんだからさぁ」

 いま、爆乳女子たる団子はさまよっていた。ひとまず一般人が一生かかっても貯められない事は確実な金を残しているので、フラフラっとしても有罪にはならない。

 だが金はあっても心は満たされぬ。せっかく息吹と結ばれたいと思って熱量を上げていたゆえ、それがあんなカタチで白紙にされてしまったら、もはや柔道に対してもやる気が湧かない。

「さみしいよぉ……」

 団子、特に行きたいと思う場所があるわけでもなく、誰かと会う約束があるわけでもない。

「くぅ……息吹と結ばれたい……息吹の彼女になりたい……」

 歩くだけで袖パールカットソー:ホワイトの豊満でやわらかそうなふくらみがユッサユッサ揺れる。それはIカップの悩め香しい呼吸であり、通り過ぎる者の多くがチラッと目をやったら、鼻の下を伸ばしたり感情移入したりする的でもある。

「ん?」

 濃硫酸のようにゆらめくさみしさにおぼれていたら、ふっと路上の手相占いが目に止まった。なんとなく今の自分を占ってもらおうかなと思った、いや……落ち込むキブンを少しなぐさめてもらおうと思ったのかもしれない。

「あの……」

 声をかけられた占い師が反応しクッと顔を上げる。あぁ、お客さんと思うより先に、立っている豊満でやわらかそうな弾力って部分に目が行く。

(で、デカ……爆乳!)

 中年女である占い師、次は相手の顔を見る。

(なんだ……顔は月並み……いや……ちょいブス。ブスなくせに豊満な乳を持っているとか、いるんだよなぁ、こういう神に擁護されているような女)

 一瞬マジにムッとしかける占い師だった。しかしそれをやっては仕事に支障をきたす。だからプロとしておだやかにまったりな笑顔と口調で、忌々しい爆乳女に接する。

「お客さんですか?」

「あ、はい……」

 占い師、客である女の豊満な胸ばっかり見ないよう努力しながら、実にフレンドリーな面持ちで言った。

「いまね、ちょうど100人目のお客さんを待っていたところ。記念すべき100人目ですもの、格安で占ってあげます」

「えぇ、ほんとうに?」

「ほんとうなら15000円を1500円で!」

「やった!」

 占い師がウソを吐いた。しかもそれ自分の利益にはつながらない。それでもうれしそうな顔でイスに腰掛ける団子をやさしく見つめるのは、この女のキモチをドロドロのヘドロに突き落としてやろうと考えるから。

(く……色白なむっちり爆乳とか……)

 団子が差し出した手を見ると、さっそく嫉妬で腹が立つ。しかしそれをプロ意識で表には出さない。虫眼鏡でいかにも仕事熱心な人という姿を見せる。

「あら?」

 あえてこんな声を出す。すると当然ながら手を出している客は不安なキモチにされる。

「え? な、なにか?」

 客がそう言ったらすかさず無言に入る。それで熱心に、ちょっと心を痛めるという表情をつくれば場の空気は占い師に主導権を渡す。

「ん……」

 占い師、意図して思わせぶりに苦悩めいた声をこぼす。

「あ、あの? それで結果は……」

 手を戻した団子、結果が知りたいとウズウズ。もうこの時点で頭は冷静な回転がほとんどできない。

「心苦しいわ……あなたみたいに若くてかわいい女の子に言うのは、ちょっと憚られてしまう。どう? 今ならまだ間に合う。この占いはなかったという事で、結果を聞かずに退散しては?」

 占い師がいかにも親切心に満ちた声で言うと、もはや団子はそれを良しとはできない。

「聞きたい。っていうか、教えなかったら詐欺だって叫ぶ」

「いいのね? ほんとうにいいのね?」

「いい、わたしは心をつよく持って生きる女だから」

 団子がきっぱりと言えば、占い師は心の中でこう返した。それだったら思いっきりキモチを沈めてやろうと。

「えっとね、気の毒だけど……あなたはとっても幸が薄い女なのよ」

「え?」

「手を見ると……これから30年、あなたには特別な誰かという人はできない。つまり30年独身のまま」

「さ、30年? え、だってわたしいま19歳で……」

「あなたの手には神さまのメッセージが書かれている。言ってもいい? もし聞きたくないなら言わないけれど」

「言って、聞かせて!」

「じゃ、じゃぁ……おちついて聞いてね。神さまはあなたに言っている。おまえには豊満な爆乳って特徴を与えたから、それ以上はもう何もやれない! 平凡な容姿に不満を抱くな。独身でさみしくてもメス犬みたいに飢えたりするな。シアワセな女になりたいとか思うな。それが出来ないなら早々と自殺すればよろしい」

 ドーン! 占い師が言い終えると同時に、団子の脳はすさまじい衝撃を食らった。

「か、神さまがそんな事を、そんなひどい事を神さまが?」

 キズついた団子が吠えるように言うと、占い師は何て気の毒な女の子だろうって言いた気な目を団子に向ける。これで団子の傷心は深みにハマり込んでいく。そして占い師は追い討ちをかける。

「で、でも……いいじゃない」

「はぁ? いいって何が!」

「ごめんなさい。でもあなたにはその、爆乳って特徴があるから、相手がいなくても一人でも十分たのしく生きられるはずよ?」

 ドーン! 面と向かってなんとひどい事を……と思った団子が両目を丸くして固まってしまう。

「あなた、名前は? 苗字は要らない、下の方だけ言ってみて」

「わ、わたしは団子……」

「あぁ、やっぱり……」

「やっぱりってなに……どういうこと?」

「特別に教えてあげるわ。女の名前には、その女が巨乳や爆乳になりやすい名前があるの。団子っていうのもそのひとつで爆乳になりやすい」

「うっそ、そんな話ってほんとうにあるの?」

「それでその……巨乳や爆乳になりやすい名前の女はそうなる可能性がとても高い代わり、他のところには幸せ数値が振り分けられない事が多いの。つまりその……おっぱいの大きさ以外は何の取り柄もないという……」

 ドーン! また団子の胸にぶっ太いショックがぶつかった。そんな団子の表情を目にした女占い師、申し訳なさそうな顔をしながら内心でこう思う。

(決まった! 憂鬱の沼にハマりやがれ、ブス爆乳がぁ!)
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