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プールの授業にビキニで殴り込み1

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プールの授業にビキニで殴り込み1

「あぁ、くっそ憂鬱ぅ」

 学校帰り、相棒の美和をとなりに歩いているユリがぼやいた。

「え、なに? ブルーな日?」

「ちゃうちゃう、もうすぐプールの授業が始まるって事。だいたいあれだよ、室内プールだからって夏以外にも泳ぎが多いとかうざくない?」

「え、ユリって泳ぎきらいだった?」

「いや、泳ぎはいいんだよ、お泳ぎはね」

「あぁ、あれか?」

「そうそう、スク水がイヤなんだよ」

 チッと舌打ちするユリは小学生の頃よりスク水が嫌いだった。ユリが言うにスク水はロリが発明した水着であり、それをいつまでも強要するのはロリコンのために女子が犠牲になるだけのとの事。

「ま、ユリみたいな巨乳にスク水は特につらいね」

「わたしにとってはマジで屈辱なんだよね、それならエロい水着で恥をさらす方がよっぽど建設的っていうか」

 美和は知っている、ユリはスク水の否定に入るとネチネチしつこく語る女子であると。そこで安心させてやろうと親切心を放つ。

「ま、まぁでも、巨乳だからスク水でダサくなるという点では、由良の方が上じゃん、だからユリは気にしなくてもいいじゃん」

 とりあえず美和の親切心のつもりってセリフだったが、それを聞いたユリは余計に機嫌を悪くするのだった。

「そういう言い方をすると、由良に巨乳具合で現時点ではちょっとだけ負けているわたしがみじめって話になるじゃんか」

「いやいやそんな、ユリって油っぽくねっとりしつこく考えすぎ、もっとサラっと流そうよ」

「くっそぉ……スク水なんてぶざまな水着を強制されるあげく、そこでもおっぱいの大きさが由良に負けると周囲にさらさなきゃいけないなんて。わたしだって中1でDカップなのに、Fカップなんて由良みたいなのがいるから……」

 だんだんとユリの怒りが冗談通じませんみたいなフンイキになってきた。

 あ、これはやばい、ユリの巨乳発作! とか思った美和、致し方ないと封じ込めな色合いって発言に切り替える。

「そんなに言うんだったらさ、学校でビキニとかやればいいじゃん」

 美和が言ったらユリが立ち止まった。そして、それはそうだけど……って態度を軟化させると思われた。でも実際はちがって開眼したって表情になる。

「そうだよ、それだよ」

「え?」

「もう中1なんだし、それくらいやってもいいんだよ、なんでそう思わなかったんだろう」

「ちょちょ、ユリ?」

「決めた、わたしはビキニになるわ」

「うっそぉ! 学校の授業でそれをやるの?」

「やる! もう小学生じゃないんだから、スク水なんてキモイ水着には抵抗しなきゃいけない」

 うわぁ、なんという展開と思うだけでなく、これってわたしのせい? と軽い罪悪感を抱かずにいられない美和だった。

「よし、今日はさっそくビキニを買いに行く」

「え、ほんとうに買うの?」

「わたしがこういう話で冗談を言うと思うわけ?」

「いやいやそうじゃなく、わたしも行くよ」

 美和はユリという巨乳女子のビキニ姿を見た事がない。水泳の授業が始まるまで待てないと同時に、ちょっとおせっかいをやりたくもなっていた。

「わたしが参謀になるよ、ユリ」

「参謀?」

「ユリが魅力的なビキニ姿になるようアドバイスをする」

 ユリ、そんなものはいらない! と言いかけた。だがその瞬間、たまには素直に教えを乞うのもありかなぁと謙虚な意識が沸いたので、それにしたがってみることにした。

「ただいま」

 帰宅したユリ、手洗いとうがいを済ませるとすぐさま母に相談を持ち掛ける。

「あたらしい水着がいるんだ」

「あたらしい水着? え、サイズが合わなくなったわけ? って、中学の水泳授業はまだ始まってないでしょうが」

「そうじゃない、ダサい水着に女心を殺されるのはもうやめにすると決めたってこと」

「え、なにその革命でもやろうって感じは」

「ビキニをやろうと思うんだ」

「べ、別にいいわよ、女子だし、ましてユリは中1でDカップって巨乳だからやりたい意識がつよいだろうから。でもいますぐ買いに行かなくてもいいんじゃないの?」

「明日水泳の授業があるんだよ」

「えぇ……まさかビキニで授業に殴り込みをかけるわけ?」

「そうだよ、日本中の女子がやりたいと思っている事を、このわたしが切り込み隊長としてやるんだ。歴史に名を刻むつもり」

「ちょっとユリ……」

 母は娘が革命女子になろうとしていることにストップをかけようと説得を試みた。しかしユリは説得されればされるほど燃え上がるタイプだった。そしてここぞという場面での演説能力は高めだった。

「だいたいね、個人差とかいうのを教育の現場は無視しすぎなんだよ
。これは多様性とかいう腐れな話とはちがうから、もっと基本的にして尊重される人権の骨格だよ。スク水が好きって言える女子はそれをやればいいけれど、みんながスク水好きってわけじゃない。しかもスク水ってどう考えてもロリだし、そんなのは小学4年生くらいで終わりにしなきゃいけないモノだよ。そうでなきゃ女子の心の成長を無視していると言えるんじゃないの?」

 ユリはガンガン火を噴くように演説した。ちょっと待って……と思っていた母も、たしかにユリの言う通りだと押し負かされた。

「ユリ……やりなさい、いまこそ先陣を切ってあたらしい風を世の中に吹き込みなさい」

 目に涙うかべる母が言って買い物資金を差し出すと、それをありがたく受け取ったユリは誓った。

「日本全女子の代表として戦う」

 こうしてユリは気合を胸に押し込めながら家を出た。巨乳だから乳ゆれが目立ってイヤだとする自転車に張り切って乗ったのは、運転している間にTシャツのふくらみがフルフル揺れまくっても気にしないのは、それだけ女子の気分が高ぶっていたせい。

「美和、お待たせ!」

 待ち合わせ場所に到着すると、ユリの自転車がドリフトをかけて停止。白いTシャツに浮かぶ巨乳って特徴が勢いよく揺れ動く。

「ユリ、気合入りまくりだね」

 美和は自転車を押しながら近づいてきたユリとタッチで手を合わせる。

「わたしがやらないとダメなんだ。これはわたしだけの話じゃない、日本の女子が自由になるための戦いなんだ」

 それを聞いた美和、妙に感動して思った。明日の自分は歴史が動く瞬間を見ることになるのかも! と。

 こうして2人はランジェリーショップ「乙女のバラ色吐息」に到着し店内へと入っていった。
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