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正義の味方、パイ・マイ・ミー7

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正義の味方、パイ・マイ・ミー7

 いま、悠人という少年、それは由良という巨乳女子の幼馴染みであるが、ブックオフの中にいてある買い物をしようとドキドキしていた。

 天才おっぱい星人の悠人が何を買おうと思ってときめいているのか? それはずばり爆乳アイドルの豪華写真集の美品大特価である。

 その爆乳アイドル、バスト110cmの海外製IカップことJカップ、豊満、ふっくら、むっちり、やわらかい美爆乳と揃っており、あげくの果てにはどことなく由良に似ていた。つまり悠人の目からすると、数年後の由良を連想させられてたまりません! という話。

(よし、レジの店員がチェンジした)

 天才おっぱい星人とはいえ中1の恥じらいは大きい。レジで女性店員だと気恥ずかしいので、男性店員に代わるのをピュアな思いで待っていたのだ。

 豪華仕様、ビキニ姿が満載のみならず、フルカップブラジャー姿までたっぷり拝めるという神のような一冊、それが800円なのだ、それを買わないおっぱい星人などおっぱい星人にあらずだった。

「そこのきみ」

 突然に声をかけられて悠人はびっくりした。写真集に伸ばしかけていた手が反射的に引っ込んでしまったりする。

「え?」

 ドキドキしながら振り返るとセーラー服の女子、見た感じは高校生くらいだろうか、そして悠人はもう一つ大事な事を瞬時に見抜く。

(すごい巨乳さんだ)

 セーラー服に浮かぶ一見すると控え目っぽいボリュームが実はカモフラージュで、内側は相当に豊満なふくらみがあるとわかる、それこそが天才おっぱい星人の眼力。

「おほん!」

 女子が咳払いをしたので、思わず相手の胸に見惚れていた悠人は慌てて目線を外す。

「な、なんですか?」

「きみ、いくつ? 小学生でしょう?」

「ちがいます、もう立派な中学1年生です」

「中1なんて小6と変わらないわよ。そんな子どもがいったい何を買おうと言うの?」

「え、えっとそれは」

 悠人が赤い顔をして適当にごまかそうとしたら、セーラー服の女子は外側も中身も立派な写真集を手に取り、これでしょう? と言う。

「は、はい、それを買うつもりです」

「ダメよ、いけないわ」

「え、どうしてですか?」

「きみのような少年が、こんな悪質な巨乳に心を汚されるなんて黙認出来ない」

 ここで悠人は、反射的に思った事が声にしてしまうのだった。

「え、自分だって巨乳のくせに?」

 あっとしまった! と思った悠人が赤い顔でオドオド顔をつくると、セーラー服の女子はあきれながら、でも心のどこかでかわいいやつと言ったみたいな表情で話を続けた。

「こんな写真集を見て何をするの?」

「な、なにって……ドキドキするんです」

「そのドキドキって価値とかあるの?」

「あります」

「え、どんな風に?」

「このドキドキが味わえるから生きていてよかった! とか思えるんです」

「でも、そうやってドキドキすることで大事なことがおろそかになるでしょう?」

「大事なこと?」

「勉強、健康、人間関係、学びなど、そっちの方が大事でしょう」

「それはちがいます」

「はい?」

「勉強も健康も人間関係も学びも、そしてエロも全部が人間にとっては大事なんです」

「む、子どものくせに口答えする気?」

「口答えじゃありません、ただ真実を述べているだけです。だってそうでしょう? 人間は肉しか食べなかったら体が汚れて不健康になる。でもだからって、菜食主義とかいい格好しても栄養不足で健康を害するだけじゃないですか。どっちもたいせつなんです。肉を食べ野菜で清めるという風に」

「でもね、きみね、こんな写真集を見ていたら女にモテなくなるわよ? 男の子が女子にモテるためには勉強と出世なの、わかる?」

「別にモテなくてもいいです」

「ん? 同性愛なの?」

「ちがいます、そういう意味じゃありません」

「じゃぁ何、ちゃんと語ってみなさい」

「要するにすべての女性からモテる必要なんかないんです。自分から見ていいなって思う感じの女性とご縁が持てればそれでいいのです。100人中99人に相手されなくても、1人に好いてもらえるならこっちもがんばって相手に想いを返さなきゃ! って、それでいいんじゃないでしょうか」

「うっそ、きみってすごい生意気」

「でもまちがってはいないと思います」

 悠人、内心はドキドキしているが、ここで気圧されてなるものかと奮闘。だから眼前のセーラー服がちょっと油断したスキに写真集を奪い取る。

「きみ、1人に好いてもらえるならいいとか言ったわよね?」

「はい、言いました」

「その1人でどんな女よ?」

「そ、それはこの写真集の人みたいな、目の前にいるセーラー服のお姉さんみたいな人とか……」

 悠人はこのとき、幼馴染みの巨乳女子に思い焦がれているって事を言おうかと思ったが、見ず知らずの相手にそこまで述べる必要はないだろうと思ったので言わなかった。

「む……ぅ……」

 セーラー服の顔が赤らむ。

「とにかくお姉さんがぼくの買い物を止めることはできません。走り出した列車を止められないのと同じで、ぼくのまっすぐな情熱も止めることはできないのです」

 セーラー服の巨乳女子、こんな風になると目の前の少年にちょっと興味が沸きそうになる。だがダーク・パイ・マイ・マミーとして、色ボケに転落するなど許されないと気を引き締める。

「少年」

「なんですか?」

「なんか残念だという気はするけれど……こんなキモチになるのは初めてなのだけれど、でもやっぱり放っておけない。だからあなたはこれより去勢させてもらう」

「去勢?」

 ここですかさず女の色白むっちりな右手人差し指が動く。そしてドキッとした悠人の額に当たるか当たらないかギリギリのところに止める。

「あぅ……」

「少年、きみはけっこう立派な意識の持ち主だわ。だけどね、その立派な意識は人としての高みを目指すために使いなさい」

 女はいつも通りの作業をこなしたと思った。そして手を離したら、少年が別人になると信じて疑わなかった。

「じゃぁ、ぼくはこれで」

 悠人、自分の人生とエロスは自分で決めるのだ! と顔を赤らめ、写真集をカゴに入れて歩き出す。

「え、ちょっと、きみ」

「なんですか?」

「え? その写真集買うの?」

「しつこいですよ、お姉さん」

「え? エロは恥ずべき事とか……そんな意識が沸いたりしないの?」

「余計なお世話。エロが恥ずかしいとか言うんだったら、お姉さんこそ図書館に行けばいいでしょう」

 ふん! と歩き出す悠人、それは天才おっぱい星人という情熱のオーラが磁場のような働きをしたのだ。通常の男なら去勢されるところだが、天才たるこの少年には利かないのだった。地球が太陽からの攻撃を自らの能力で防いでいるのと同じように。

「ちょっと待ちなさい」

 こんなことは初めてなので納得ができないとするセーラー服が悠人を追いかける。

「しつこい!」

 イライラして振り返った悠人だったが、この時うっかりと足を滑らせてしまう」

「あぅ……」

 ドキッとした悠人が顔を真っ赤にした。でもすでに生じたこの流れを巻き戻すような能力を持っているわけではない。

 ムニュゥっと……すごい豊満でやわらかい弾力に顔を埋めてしまった。それはセーラー服の下にあるふっくら巨乳ってふくらみがもたらすモノ。

「ぅ……」

 顔面を真っ赤にしてビクン! となるセーラー服、今まで味わったことのない恥じらいに捕獲される。

「ご、ご、ごめんなさい!」

 悠人、めちゃくちゃ大きくてやわらかくてキモチいい! という喜びを早急に切り捨て、赤飯のごとく赤い顔を巨乳から離して謝る。

「む……ぅ……」

 悠人にビンタ一発かますつもりだった。実際っセーラー服の右手は少し動きかけた。だが自分のふくらみに顔を埋めて真っ赤になった悠人の顔を見たとき、たまらずこう思ってしまった。

(なんて……かわいい……)

 それは女子の胸が弾丸を食らってズキューン! って音を聞いたみたいな衝撃だった。

 一方の悠人、お会計を済ませ写真集をゲットすると、急いで店から出る。

「少年」

 店を出たら店の前にセーラー服が立っていた。

「ご、ごめんなさい……あ、あれはほんとうにわざとじゃなかったんです」

 悠人は必死に謝り声を震わせた。すると女子はそれはもういいのよと言って、ちょっといっしょにお茶しない? と誘った。

「お、お茶?」

「そうよ、喫茶店でおしゃべりしない?」

 悠人、眼前のセーラー服を見て……けっこうかわいいとか、先ほどの顔面パイズリがもたらした豊満なふくらみ具合を思い出したりもする。だが返事はノーだった。

「はぁ? なんで断るの? おかしいでしょう」

「おかしいって何がですか?」

「だってきみ言ったじゃない、その写真集の女とか、わたしみたいな女とかが好みだって」

「言いましたけれど、だからってお茶するわけではないでしょう」

「む……」

 セーラー服、肝心なところでなびかないという悠人に豊かな胸をイラつかせる。

「きみ、彼女とかいるの?」

「い、いません」

「だったら、わたしとお茶しても罪にはならないでしょう」

「でも、気になる女子はいます」

「誰?」

「そ、それはお姉さんに関係ありません」

 悠人という少年からは、気にしている女子の事をペラペラしゃべって名誉を傷つけるようなことはしたくないって、そんな思いやりが浮かんでいた。

「く……ぅ……」

 セーラー服、初めての苦悩を味わう。これまで男子やら男を去勢しまくってきたのに、悠人という少年を自分に引き寄せたいなんて、忌み嫌っているエロスな感覚に陥っていた。

「ね、ねぇ、少年」

「はい?」

「ん……わたし、お、おっぱい大きいよ?」

「ぅ……」

「ちょっと親しい間柄にならない?」

 これならイケるだろうとセーラー服は思った。恥ずかしくて死にそうだと思いながらも、悠人の気を引くため胸に片手を当ててみせたりもした。

「イヤです」

「どうして!」

「た、たしかにお姉さんは魅力的って見えるけれど、でもこの流れはおかしいからダメなんです」

「おかしい?」

「だってそうでしょう、いきなり出現して意味不明なやり取りをしただけじゃないですか。そんなの親しくなる流れとはちがいます。ひとつ、言わせてもらってもいいですか?」

「なに、言いなさい」

「ぼくはたしかにおっぱい星人だしエロいけれど、でもそんなとりあえずやっちゃえ! 的な流れでサクっと恋を始めるような感じって好きじゃないんです。だって安っぽいじゃないですか」

 ガーン! とセーラー服はすごいショックを受けてしまった。いま悠人が放ったセリフはまるでブーメランみたいだと感じたからだ。

 これまでセーラー服はエロスを噛みしめる男を安っぽいとして去勢してきた。だからどこかで自分は神に近い存在って意識があった。それが年下の少年から、しかもおっぱい星人から安っぽいと批判されたのだからたまらない。

「彼女になってあげるとか言ってもダメ?」

「いらないです」

「この胸に抱いてあげるとか言っても?」

「い、いらないです」

「そう、わかったわ、きみって立派だ。だからそれをホメるためにひとつ手品を見せてあげる。それできれいさっぱりお別れしましょう」

「て、手品?」

「きみにだけ見せたいから、下の駐車場に行きましょう」

 こうして悠人はホイホイと付いていった。彼は時に身内や友人、さらには幼馴染みの巨乳女子からも言われたりするのだ。最後の詰めが甘いとか、最後でダメになるキャラクターとか。

 ひっそりひんやりした駐車場にたどり着いた。そこで女子は白くきれいなハンカチを取り出す。そしてよーく見てみて欲しいと言って差し出す。

「こ、これ?」

 悠人、きれいでやわらかいハンカチを見ていたら、それは特別な匂いがするんだよと言われ、つい反射的にニオイを嗅いでしまった。

「ぅ……」

 突然に悠人は目が回った。こ、これは……と思った時には遅く、その場にばったり倒れてしまう。

「不覚とはいえ……気に入ってしまった。2人っきりで話がしたいわ」

 セーラー服は気絶している悠人をお姫様抱っこすると歩き出す。そして顔を赤くしながら、罪悪感を持ちながら小声でつぶやいた。

「1回くらいなら……この少年と愛し合っても罪にはならないはず」
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