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イケメン星人、イケメンデス登場2
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イケメン星人、イケメンデス登場2
「ちくしょう!」
夜、警察から解放された大吾がいた。警察署を後に紫、すっかり暗くなった道を歩き出す。
フラれた、イケメンを自称する男だというのに、イケメンにあらず! とか、性格が悪い! とか、散々に言われてフラれてしまった。
「あぁ、くっそマジでイラつく」
自販機で缶ジュースを買った大吾、そのつめたく甘い液体をグビグビやりながら歩いていると、向かいからひとりの男がやってくると見た。
(ん!)
大吾がドキッとして固まったのは……向こうからやってくる男の顔が人間ではないと見えたから。それは最近話題になっている存在としか思えない。
(カエル人間……)
ヤバい、これはマジ糞にヤバい! と、怒りが焦りに変換された大吾、缶ジュースを片手に向きを変える。そして速足で歩きながら横道に入ったら、そこでダッシュして近くの公園にたどり着く。
「ハァハァ……ほ、ほんとうにカエル人間がいた」
手に持つ缶ジュースをグイっとやったら、ハァハァが収まるまで休憩だとしてベンチに腰掛ける。だがそのとき上から声がした。
「おい」
「ひぅ……」
「顔を上げろ」
大吾、ブルブル震えながら言われたとおりに顔を上げる。すると人間が身に纏うべく服装をして二本足と二本腕を持つ男ならぬカエルが自分を見下ろしているのだった。
「か、カエル……」
「おれはイケメン星からやってきたイケメンデスだ。おまえと話がしたい」
「い、イケメン星?」
この恐怖しかない状況において、ほんの少しギャグが混ざったように感じた大吾、こうなったら話には応じるしかないと腹をくくる。
「おまえの名前は?」
「お、おれは大吾だけど」
「そうか、大吾、おれはおまえから並々ならぬ負の気を感じたのだ」
「負の気?」
「そうだ、まるでドブ水に油をたっぷりぶち込んでネトネトの団子をこしらえるみたいな感じの」
「なんだよそれ……」
「でも当たっているだろう? おまえ、何かあっただろう?」
「まぁ……な」
「何があった? 聞かせてみろ」
「じ、実は女にフラれたんだ」
「おぉ、それはそれは」
イケメンデスは大吾のとなりに座ると、大吾が何度もくり返すイケメンという言葉に思わず笑ってしまった。
「おまえがイケメンとか愉快だな」
「人のこと言えんのかよ! だいたいなんだよ、イケメンデスとか名前、自分をかっこういいと勘違いしているだろう!」
「いいね、いいね、最高だよ大吾」
立ち上がったイケメンデス、カエル顔にニヤッと笑みを浮かべると、おまえの体をおれによこせ! とか言い出した。
「はぁ?」
「いやなに、このイケメンデスも人間の女と恋愛がしたいのだよ。だがすべての女はこの顔を見ると逃げる、こんなにイケメンなのにといつも辛い思いをしている」
「そりゃぁ、そんな不細工だとあたりまえだろう」
「おまえも人のこと言えないだろうが!」
イケメンデス、ここでおほん! と咳払いしてから話を続けた。
「このイケメンデスだけでは人間の男に変身する事ができん。だがおまえの体をもらい、なおかつおまえとおれのマイナスエネルギーをかければ人間のイケメンになれる」
「なんだそれ、どういう原理だよ」
「マイナスとマイナスはかければプラスになるのだ、そんなの中学生でも知っているだろう」
「で、おれはどうなるんだよ」
「おまえはイケメンデスの養分になる、どうだ、光栄な話だろう」
養分……この言葉に薄れていた恐怖の濃さが戻された。大吾は慌てて立ち上がって後ずさり。
「養分って……おれを食うのか」
「食うって言い方は下品だ。吸収すると言った方が語彙力は高い」
「アホか、こっちにしてみれば同じなんだよ。なんでおれが食われる方なんだ」
「当たり前だ、こっちには超能力がある。だが大吾、おまえはただの人間。つよい者が弱い者を食らう、それは宇宙の真理」
「お、おまえ……そうまでして人間の男になって、いったいどうしようっていうんだ」
「我がイケメン星はいま女が不足状態なのだ。だから人間の女と結婚し子孫を産ませようと思った。なんせこのイケメンデスはメンデス家の長男だからな、早く孫の顔を見たいと身内からせがまれて大変なのだ」
「人間とカエルが交わるなんてそんな……そんなおそろしい話」
ここで大吾がダッシュ、月夜に照らされるステージみたいな公園内を出口に向かって猛スピードで走っていく。
「大吾、逃がさんぞ! おまえはこのイケメンデスの養分になる存在なのだ!」
イケメンデスの口が醜くグワっと開く、そして長い舌が感情ある生き物みたいに伸びて大吾の体を縛り上げる。
「ひぃぃ!」
青ざめる大吾、ヌメェっとする熱い舌と唾液に体が拘束され、あげくそのまま勢いよく引っ張られ始める。それは大吾がイケメンデスに食われる瞬間の到来につながる。
「ひゃんぅ!」
それが大吾の発した最後の言葉だった。顔面だけが巨大化したイケメンデスの口内に引きずり込まれ、そして口がふさがれると……その後どうなった? など誰も知るはずがない。
「よし、これで我もイケメンの人間男子になれるはず、そして人間の女を孕ませられる」
イケメンデス、両腕を広げ月を見上げる。そして大吾が持っていたマイナスエネルギーと、自分の中にあった負のエネルギーをミックスさせ変身! と大声で叫んだ。
するとどうだ、パーっと光がひとつ発生してはじけて新しい存在がそこにいた。
「よし確認だ!」
イケメンデス、立てた左右の人差し指で縦長の四角というカタチをなぞる。すると眼前にスタンドミラーが出現。
「おぉ……」
イケメンデスは実を言うと目が少し悪い。だがそれでもミラーに映る己はすごいイケメンだと身震いが止まらない。
「これだ、これならどんな女もイチコロだ。そして喜んで我の子どもを身ごもり出産するだろう」
イケメンデス、鏡面に手を当てると、うれしくてたまらないと自分で自分にブッチューっと熱い口づけを施すのだった。
「ちくしょう!」
夜、警察から解放された大吾がいた。警察署を後に紫、すっかり暗くなった道を歩き出す。
フラれた、イケメンを自称する男だというのに、イケメンにあらず! とか、性格が悪い! とか、散々に言われてフラれてしまった。
「あぁ、くっそマジでイラつく」
自販機で缶ジュースを買った大吾、そのつめたく甘い液体をグビグビやりながら歩いていると、向かいからひとりの男がやってくると見た。
(ん!)
大吾がドキッとして固まったのは……向こうからやってくる男の顔が人間ではないと見えたから。それは最近話題になっている存在としか思えない。
(カエル人間……)
ヤバい、これはマジ糞にヤバい! と、怒りが焦りに変換された大吾、缶ジュースを片手に向きを変える。そして速足で歩きながら横道に入ったら、そこでダッシュして近くの公園にたどり着く。
「ハァハァ……ほ、ほんとうにカエル人間がいた」
手に持つ缶ジュースをグイっとやったら、ハァハァが収まるまで休憩だとしてベンチに腰掛ける。だがそのとき上から声がした。
「おい」
「ひぅ……」
「顔を上げろ」
大吾、ブルブル震えながら言われたとおりに顔を上げる。すると人間が身に纏うべく服装をして二本足と二本腕を持つ男ならぬカエルが自分を見下ろしているのだった。
「か、カエル……」
「おれはイケメン星からやってきたイケメンデスだ。おまえと話がしたい」
「い、イケメン星?」
この恐怖しかない状況において、ほんの少しギャグが混ざったように感じた大吾、こうなったら話には応じるしかないと腹をくくる。
「おまえの名前は?」
「お、おれは大吾だけど」
「そうか、大吾、おれはおまえから並々ならぬ負の気を感じたのだ」
「負の気?」
「そうだ、まるでドブ水に油をたっぷりぶち込んでネトネトの団子をこしらえるみたいな感じの」
「なんだよそれ……」
「でも当たっているだろう? おまえ、何かあっただろう?」
「まぁ……な」
「何があった? 聞かせてみろ」
「じ、実は女にフラれたんだ」
「おぉ、それはそれは」
イケメンデスは大吾のとなりに座ると、大吾が何度もくり返すイケメンという言葉に思わず笑ってしまった。
「おまえがイケメンとか愉快だな」
「人のこと言えんのかよ! だいたいなんだよ、イケメンデスとか名前、自分をかっこういいと勘違いしているだろう!」
「いいね、いいね、最高だよ大吾」
立ち上がったイケメンデス、カエル顔にニヤッと笑みを浮かべると、おまえの体をおれによこせ! とか言い出した。
「はぁ?」
「いやなに、このイケメンデスも人間の女と恋愛がしたいのだよ。だがすべての女はこの顔を見ると逃げる、こんなにイケメンなのにといつも辛い思いをしている」
「そりゃぁ、そんな不細工だとあたりまえだろう」
「おまえも人のこと言えないだろうが!」
イケメンデス、ここでおほん! と咳払いしてから話を続けた。
「このイケメンデスだけでは人間の男に変身する事ができん。だがおまえの体をもらい、なおかつおまえとおれのマイナスエネルギーをかければ人間のイケメンになれる」
「なんだそれ、どういう原理だよ」
「マイナスとマイナスはかければプラスになるのだ、そんなの中学生でも知っているだろう」
「で、おれはどうなるんだよ」
「おまえはイケメンデスの養分になる、どうだ、光栄な話だろう」
養分……この言葉に薄れていた恐怖の濃さが戻された。大吾は慌てて立ち上がって後ずさり。
「養分って……おれを食うのか」
「食うって言い方は下品だ。吸収すると言った方が語彙力は高い」
「アホか、こっちにしてみれば同じなんだよ。なんでおれが食われる方なんだ」
「当たり前だ、こっちには超能力がある。だが大吾、おまえはただの人間。つよい者が弱い者を食らう、それは宇宙の真理」
「お、おまえ……そうまでして人間の男になって、いったいどうしようっていうんだ」
「我がイケメン星はいま女が不足状態なのだ。だから人間の女と結婚し子孫を産ませようと思った。なんせこのイケメンデスはメンデス家の長男だからな、早く孫の顔を見たいと身内からせがまれて大変なのだ」
「人間とカエルが交わるなんてそんな……そんなおそろしい話」
ここで大吾がダッシュ、月夜に照らされるステージみたいな公園内を出口に向かって猛スピードで走っていく。
「大吾、逃がさんぞ! おまえはこのイケメンデスの養分になる存在なのだ!」
イケメンデスの口が醜くグワっと開く、そして長い舌が感情ある生き物みたいに伸びて大吾の体を縛り上げる。
「ひぃぃ!」
青ざめる大吾、ヌメェっとする熱い舌と唾液に体が拘束され、あげくそのまま勢いよく引っ張られ始める。それは大吾がイケメンデスに食われる瞬間の到来につながる。
「ひゃんぅ!」
それが大吾の発した最後の言葉だった。顔面だけが巨大化したイケメンデスの口内に引きずり込まれ、そして口がふさがれると……その後どうなった? など誰も知るはずがない。
「よし、これで我もイケメンの人間男子になれるはず、そして人間の女を孕ませられる」
イケメンデス、両腕を広げ月を見上げる。そして大吾が持っていたマイナスエネルギーと、自分の中にあった負のエネルギーをミックスさせ変身! と大声で叫んだ。
するとどうだ、パーっと光がひとつ発生してはじけて新しい存在がそこにいた。
「よし確認だ!」
イケメンデス、立てた左右の人差し指で縦長の四角というカタチをなぞる。すると眼前にスタンドミラーが出現。
「おぉ……」
イケメンデスは実を言うと目が少し悪い。だがそれでもミラーに映る己はすごいイケメンだと身震いが止まらない。
「これだ、これならどんな女もイチコロだ。そして喜んで我の子どもを身ごもり出産するだろう」
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