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イケメン星人、イケメンデス登場8
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イケメン星人、イケメンデス登場8
「ユリ?」
こんな大事なところで何を言い出すわけ? と由良が少しおどろく。
「これはわたしの親友である美和を守るための戦い、由良に手柄を取られたくない」
ユリの言い分は一応わからなくもないと思う由良だった。だがやはり、それはまちがっていると言わざるを得ない。
「ユリ、カン違いしないで」
「カン違い?」
「重要なのは戦いに勝利する事、自分の食らうダメージを最小限にすること、そうでしょう? 死にそうになりながら勝てばいいってものじゃない!」
由良の正論に今度はユリが言葉を詰まらせる。しかしどうしても美和にいい格好を見せたいって思いは捨てられないらしい。
「スキあり! 敵を前にして呑気な会話をやっている場合じゃねぇんだよ!」
イケメンデスの口から出る舌、なんとそれが4つに分かれた。そして由良とユリ、双方の両足に絡みつくなんて芸当をやってみせる。
「ひゃんぅ!」
グワーっと体を振り回される由良。
「ぅ……」
弱っていたユリは追い討ちをかけられたみたいに大きなダメージを食らう。
「ち、血の気が……」
回されまくって意識がくらくらしてきた由良の手から刀が落ちる。
「く……」
ユリは気絶寸前な状態に追い込まれてしまい、だから手から武器が落ちる。
ドシーン! と痛々しい音が響いたのは、由良とユリの2人が地面に叩きつけられてしまい、どちらもかなりのダメージをもらってしまったせい。
「ゆ、由良……わたしはどうしても美和の前でいい格好をしてみせたい、だから……お願い……」
懸命に這いずって由良に近づくユリ、それはパイジョンを求めていた。つまり2人の融合によって生まれる戦士、ゆらりになりたいという訴え。
「ゆ、ユリ……」
由良も這いずりながらユリに近づいていく。そして2人が指輪する手を合わせて声を出した。
「パイジョン!」
すると光が発生した。あまりのまぶしさにイケメンデスも美和も少し目線を光から逸らす。そして輝きが収まったとき、そこには新しい戦士が立っていたのである。
ミリタリーチャイナジャケットにミリタリーパンツというかっこうのゆらり、ボッとライラック色のオーラを立てる。
(え、あれってユリと由良の共同体なの? っていうか、たまらないんだけど)
ゆらりの見た目に胸キュンしまくりの美和、イケメン大好きな女子という自分の設定を忘れてしまったみたいに顔を恋色に赤くする。
「誰だおまえは!」
「わたしはゆらり、正義と正しいエロスを愛する戦士」
「なーにがゆらりだ、くらえ!」
イケメンデスが長い舌を出す。それはすごいスピードで迫りながら4つに分かれた。しかしゆらりはそれを避けようとはしない。だから両手首と両足首の4ヵ所に巻き付く。
「こんなモノ!」
ここでゆらりの体が空中へと飛ぶ。それはイケメンデスに言わせれば無意味だった。なぜならどれほど高く、もしくは遠くに逃げようと舌はどこまでも伸ばせるのだから。
しかし空中で停止したゆらり、突如としてグルグルっと高速回転し始めたではないか。
回る、回る、どんどん速く回る、あまりにも速いので熱が輝きを持ち始める。
「ぅあぅ!」
超高回転によって舌が切られた。焦りの表情で固まるイケメンデスが大量の血を吐く。
「くらえ、ゆらりローリングスパーク!」
ゆらりが叫んだとき、金色の浮き輪みたいなモノが空中からすさまじいスピードでイケメンデスに向かっていく。
「し、しま……」
避けられなかったイケメンデス、飛んできた輪とモロに衝突。
―ドカーン!-
大爆発! 夜空を染めるような火柱が劇的に立ち上がっていく。スタっと宙から地面に下りるゆらり、終わったとつぶやき両目を閉じてから顔を下から上に向ける。するとフーっと風に顔を撫でられると同時に、由良とユリの2人が元に戻る。
「ユリ、由良」
大興奮しながら2人に歩み寄る美和、ずっとゆらりのままでいて! なんて事はさすがに言えなかったが、言いたくてたまらないってキモチが表情に浮かんでいる。
「美和は相手がイケメンだとスキを作りやすい。そういう悪いところは直していかないとね」
ユリはそう言って美和の頬に軽く手を当てる。そうして美和がポッとなったのを見たり、以後気をつけるよと言ったりするのを聞くと、正義の味方ってキブン最高だなぁと酔う。
「由良」
「ん?」
「由良がパイジョンに応じてくれたおかげで、美和にいい格好を見せる事ができた。とりあえず言っておくよ、ありがとう」
「ま、無事に解決してよかった。これでカエル人間事件も終了だね」
こうして世間をゾッとさせてカエル人間事件は幕を下ろし、世の中に平和が戻ったのであった。
「ユリ?」
こんな大事なところで何を言い出すわけ? と由良が少しおどろく。
「これはわたしの親友である美和を守るための戦い、由良に手柄を取られたくない」
ユリの言い分は一応わからなくもないと思う由良だった。だがやはり、それはまちがっていると言わざるを得ない。
「ユリ、カン違いしないで」
「カン違い?」
「重要なのは戦いに勝利する事、自分の食らうダメージを最小限にすること、そうでしょう? 死にそうになりながら勝てばいいってものじゃない!」
由良の正論に今度はユリが言葉を詰まらせる。しかしどうしても美和にいい格好を見せたいって思いは捨てられないらしい。
「スキあり! 敵を前にして呑気な会話をやっている場合じゃねぇんだよ!」
イケメンデスの口から出る舌、なんとそれが4つに分かれた。そして由良とユリ、双方の両足に絡みつくなんて芸当をやってみせる。
「ひゃんぅ!」
グワーっと体を振り回される由良。
「ぅ……」
弱っていたユリは追い討ちをかけられたみたいに大きなダメージを食らう。
「ち、血の気が……」
回されまくって意識がくらくらしてきた由良の手から刀が落ちる。
「く……」
ユリは気絶寸前な状態に追い込まれてしまい、だから手から武器が落ちる。
ドシーン! と痛々しい音が響いたのは、由良とユリの2人が地面に叩きつけられてしまい、どちらもかなりのダメージをもらってしまったせい。
「ゆ、由良……わたしはどうしても美和の前でいい格好をしてみせたい、だから……お願い……」
懸命に這いずって由良に近づくユリ、それはパイジョンを求めていた。つまり2人の融合によって生まれる戦士、ゆらりになりたいという訴え。
「ゆ、ユリ……」
由良も這いずりながらユリに近づいていく。そして2人が指輪する手を合わせて声を出した。
「パイジョン!」
すると光が発生した。あまりのまぶしさにイケメンデスも美和も少し目線を光から逸らす。そして輝きが収まったとき、そこには新しい戦士が立っていたのである。
ミリタリーチャイナジャケットにミリタリーパンツというかっこうのゆらり、ボッとライラック色のオーラを立てる。
(え、あれってユリと由良の共同体なの? っていうか、たまらないんだけど)
ゆらりの見た目に胸キュンしまくりの美和、イケメン大好きな女子という自分の設定を忘れてしまったみたいに顔を恋色に赤くする。
「誰だおまえは!」
「わたしはゆらり、正義と正しいエロスを愛する戦士」
「なーにがゆらりだ、くらえ!」
イケメンデスが長い舌を出す。それはすごいスピードで迫りながら4つに分かれた。しかしゆらりはそれを避けようとはしない。だから両手首と両足首の4ヵ所に巻き付く。
「こんなモノ!」
ここでゆらりの体が空中へと飛ぶ。それはイケメンデスに言わせれば無意味だった。なぜならどれほど高く、もしくは遠くに逃げようと舌はどこまでも伸ばせるのだから。
しかし空中で停止したゆらり、突如としてグルグルっと高速回転し始めたではないか。
回る、回る、どんどん速く回る、あまりにも速いので熱が輝きを持ち始める。
「ぅあぅ!」
超高回転によって舌が切られた。焦りの表情で固まるイケメンデスが大量の血を吐く。
「くらえ、ゆらりローリングスパーク!」
ゆらりが叫んだとき、金色の浮き輪みたいなモノが空中からすさまじいスピードでイケメンデスに向かっていく。
「し、しま……」
避けられなかったイケメンデス、飛んできた輪とモロに衝突。
―ドカーン!-
大爆発! 夜空を染めるような火柱が劇的に立ち上がっていく。スタっと宙から地面に下りるゆらり、終わったとつぶやき両目を閉じてから顔を下から上に向ける。するとフーっと風に顔を撫でられると同時に、由良とユリの2人が元に戻る。
「ユリ、由良」
大興奮しながら2人に歩み寄る美和、ずっとゆらりのままでいて! なんて事はさすがに言えなかったが、言いたくてたまらないってキモチが表情に浮かんでいる。
「美和は相手がイケメンだとスキを作りやすい。そういう悪いところは直していかないとね」
ユリはそう言って美和の頬に軽く手を当てる。そうして美和がポッとなったのを見たり、以後気をつけるよと言ったりするのを聞くと、正義の味方ってキブン最高だなぁと酔う。
「由良」
「ん?」
「由良がパイジョンに応じてくれたおかげで、美和にいい格好を見せる事ができた。とりあえず言っておくよ、ありがとう」
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