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怪獣が出た 4
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怪獣が出た 4
(着物か、やけに赤くてちょっと怖い感じ)
直進、女が道路の真ん中を歩いて来るから、自分は左側に寄って歩き出す。
(女……女?)
顔が外灯によって見えたとき、直進の両足がピタッと止まった。いや、止まらない方が絶対におかしいのだった。
「ゆ、雪?」
そう、それはつい最近に死んだと聞いていた雪にしか見えなかったのである。ドックン・ドックン、おびえる心臓の音がうるさく聞こえてきた。他人のそら似だろうと思いながら歩く直進だが、その足取りは速まっていた。
「う!」
ちょっとだけ下を向いて、すぐ顔を上げたとき、眼前に着物姿の女が立っていて直進はストップさせられた。
「ん……」
雪にしか見えないが、それでも直進は心で思う、これは他人、よく似た別の女だと。
「ちょっとだけ久しぶり、直進」
眼前の女がそう言ったとき、直進の神経はズワーっと逆なでされてしまう。
「ゆ、雪?」
自然と体を後ずさりさせる男。
「まさか……こんな短期間で元彼女を忘れるって事はないよね?」
ドキッとする男の首に伸ばされた女の手が軽く当てられる。それは生温かく……やわらかいと感じさせるのだが、女より先に別のモノをイメージさせた。たとえば猫の肉球みたいなモノ。
「雪……」
「なぁに?」
「し、死んだって聞いたんだけど……」
「死んでいないよ、だからここにいる。ちょっと見ないだけでおかしな事を言うようになったね直進、わたしが死んでいると思うわけ」
怪しくニコっと笑う雪だが、その両目がクゥっと青色になって何か力みたいなモノを発し始める。
「青い目?」
「直進、わたしを捨てた。そして今度は死んだとか言う。そうなると……わたしも直進を殺したいとか思わずにいられない」
フフっと笑いながら雪の両手が力を入れて男の首を絞め始める。
「ゆ、雪?」
「直進、わたしに言ったよね、おれも幸せになりたいとかなんとか」
「い、言った」
「幸せになるのは女だけでいいの、男なんて幸せになる必要はない」
ググっと力を強める最中、雪の顔がずいぶん怖い感じになっていく。
「ひぅ……」
首を絞められながら眼前にある女の顔が魔物的になっていく様に直進がガタガタおびえる。
「男が、男が幸せになる必要なんてないんだよ、わかる? 直進!」
雪の声が急におかしくなった。音色の脱皮崩壊という感じが恐怖を伝える。
「ぅ……」
首を絞められる直進が見たモノ、それは雪の顔がだんだん猫になっていく流れだった。
「直進、殺してやる!」
目が細く吊り上がり耳が頭の上に出て、グワっと開いた口からは殺気丸出しな犬歯が出てきた。ここで苦しむ直進は思い出す。そういえば先輩は猫女は巨乳だと言っていた、雪であれば巨乳なのは当然だ! と。
「ぅぬ!」
猫女が一瞬ドキッとして顔を赤くしたのは、着物の中に手を入れられ……豊満な乳房をギュウゥっと鷲づかみにされたからだ。はんぅ! と不覚にもかわいい声を出したあげく、両手を男から離してしまう猫女がいた。
(いまだ)
乳揉みされ感じてしまった猫女を突き飛ばした直進、夜道を猛烈にダッシュし始めた。
「おのれ直進……女に恥をかかせたな!」
怒りに震える猫女からボッと赤いオーラが立ち上がった。そしておそろしい声で言った。
「逃がすわけなかろう、絶対に殺す!」
そんな声を聞く余裕などあるわけがなく、直進はすさまじい勢いで走る。
「ハァハァ……」
この夜道を抜けて十字路に出れば少ないではあろうが車も人も通るだろう。そしてすぐ近くにコンビニだってある。それを心の支えにして直進が小さな光に向かって進んでいく。
「直進!」
大きな声が聞こえた、そして突然に暗い中にブン! と横振りされるモノが出現。そして次の瞬間、ズヌ! っと残酷な音がした。肉に包丁を刺したような音と言えるようなモノ。
「ひゃぅ……ぅ……」
直進が立ったままブルブル震えている。なんとかして右手を首に当てようとしているらしいが、それができない。
「言ったじゃん、絶対に殺すって」
猫女が直進の前に立つ。そしてグッと相手の髪の毛を掴んだら、大きな声で叫ぶ。
「さようなら直進!」
そして事が成された。グワっと勢いよく猫の手が直進の首をビキビキと引き裂き胴体から離す。実は先ほど、猫の巨大な手が横振りされた時、爪が直進の首に入っていたのだ。
ブッシュ―! っと暗い中で豪快に血の噴水を上げる胴体。そして猫女の手には両目を丸くして叫んでいるような表情で固まっている首がひとつ。
「ふふ、やった、やっと直進を殺した。憎き直進を葬った」
ポタポタっと血を落とす首を持ちながら、猫女は勝利の美酒に酔う。が、しかし……猫女に少しさみし気な、心に穴が開いたという感じの表情が浮かぶ。
「な、なぜ……急にさみしくなる、哀しくなる、心に穴が開いたみたいでたまらない。これは……直進を殺して満たされた代わり、自分の相手がいなくなったという報いなのか」
暗い夜道に少しばかり立ち尽くす猫女と、首のない血だらけの死体が道路に転がって存在していた。
(着物か、やけに赤くてちょっと怖い感じ)
直進、女が道路の真ん中を歩いて来るから、自分は左側に寄って歩き出す。
(女……女?)
顔が外灯によって見えたとき、直進の両足がピタッと止まった。いや、止まらない方が絶対におかしいのだった。
「ゆ、雪?」
そう、それはつい最近に死んだと聞いていた雪にしか見えなかったのである。ドックン・ドックン、おびえる心臓の音がうるさく聞こえてきた。他人のそら似だろうと思いながら歩く直進だが、その足取りは速まっていた。
「う!」
ちょっとだけ下を向いて、すぐ顔を上げたとき、眼前に着物姿の女が立っていて直進はストップさせられた。
「ん……」
雪にしか見えないが、それでも直進は心で思う、これは他人、よく似た別の女だと。
「ちょっとだけ久しぶり、直進」
眼前の女がそう言ったとき、直進の神経はズワーっと逆なでされてしまう。
「ゆ、雪?」
自然と体を後ずさりさせる男。
「まさか……こんな短期間で元彼女を忘れるって事はないよね?」
ドキッとする男の首に伸ばされた女の手が軽く当てられる。それは生温かく……やわらかいと感じさせるのだが、女より先に別のモノをイメージさせた。たとえば猫の肉球みたいなモノ。
「雪……」
「なぁに?」
「し、死んだって聞いたんだけど……」
「死んでいないよ、だからここにいる。ちょっと見ないだけでおかしな事を言うようになったね直進、わたしが死んでいると思うわけ」
怪しくニコっと笑う雪だが、その両目がクゥっと青色になって何か力みたいなモノを発し始める。
「青い目?」
「直進、わたしを捨てた。そして今度は死んだとか言う。そうなると……わたしも直進を殺したいとか思わずにいられない」
フフっと笑いながら雪の両手が力を入れて男の首を絞め始める。
「ゆ、雪?」
「直進、わたしに言ったよね、おれも幸せになりたいとかなんとか」
「い、言った」
「幸せになるのは女だけでいいの、男なんて幸せになる必要はない」
ググっと力を強める最中、雪の顔がずいぶん怖い感じになっていく。
「ひぅ……」
首を絞められながら眼前にある女の顔が魔物的になっていく様に直進がガタガタおびえる。
「男が、男が幸せになる必要なんてないんだよ、わかる? 直進!」
雪の声が急におかしくなった。音色の脱皮崩壊という感じが恐怖を伝える。
「ぅ……」
首を絞められる直進が見たモノ、それは雪の顔がだんだん猫になっていく流れだった。
「直進、殺してやる!」
目が細く吊り上がり耳が頭の上に出て、グワっと開いた口からは殺気丸出しな犬歯が出てきた。ここで苦しむ直進は思い出す。そういえば先輩は猫女は巨乳だと言っていた、雪であれば巨乳なのは当然だ! と。
「ぅぬ!」
猫女が一瞬ドキッとして顔を赤くしたのは、着物の中に手を入れられ……豊満な乳房をギュウゥっと鷲づかみにされたからだ。はんぅ! と不覚にもかわいい声を出したあげく、両手を男から離してしまう猫女がいた。
(いまだ)
乳揉みされ感じてしまった猫女を突き飛ばした直進、夜道を猛烈にダッシュし始めた。
「おのれ直進……女に恥をかかせたな!」
怒りに震える猫女からボッと赤いオーラが立ち上がった。そしておそろしい声で言った。
「逃がすわけなかろう、絶対に殺す!」
そんな声を聞く余裕などあるわけがなく、直進はすさまじい勢いで走る。
「ハァハァ……」
この夜道を抜けて十字路に出れば少ないではあろうが車も人も通るだろう。そしてすぐ近くにコンビニだってある。それを心の支えにして直進が小さな光に向かって進んでいく。
「直進!」
大きな声が聞こえた、そして突然に暗い中にブン! と横振りされるモノが出現。そして次の瞬間、ズヌ! っと残酷な音がした。肉に包丁を刺したような音と言えるようなモノ。
「ひゃぅ……ぅ……」
直進が立ったままブルブル震えている。なんとかして右手を首に当てようとしているらしいが、それができない。
「言ったじゃん、絶対に殺すって」
猫女が直進の前に立つ。そしてグッと相手の髪の毛を掴んだら、大きな声で叫ぶ。
「さようなら直進!」
そして事が成された。グワっと勢いよく猫の手が直進の首をビキビキと引き裂き胴体から離す。実は先ほど、猫の巨大な手が横振りされた時、爪が直進の首に入っていたのだ。
ブッシュ―! っと暗い中で豪快に血の噴水を上げる胴体。そして猫女の手には両目を丸くして叫んでいるような表情で固まっている首がひとつ。
「ふふ、やった、やっと直進を殺した。憎き直進を葬った」
ポタポタっと血を落とす首を持ちながら、猫女は勝利の美酒に酔う。が、しかし……猫女に少しさみし気な、心に穴が開いたという感じの表情が浮かぶ。
「な、なぜ……急にさみしくなる、哀しくなる、心に穴が開いたみたいでたまらない。これは……直進を殺して満たされた代わり、自分の相手がいなくなったという報いなのか」
暗い夜道に少しばかり立ち尽くす猫女と、首のない血だらけの死体が道路に転がって存在していた。
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