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85・2人濡れ濡れデートやろう
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85・2人濡れ濡れデートやろう
まだまだ暑いが続いている。世界は残暑フォーエバーって感じがダラダラ続いているのだけれど、昨日の天気予報では昼から大雨になるだった。降水確率は90%とかだった。
(よし! 予報どおり!)
わたしが雨降りに対してガッツポーズを取ったのは、これで光とラブラブな相合傘ができると、計画通りなラブストーリーが描けると思ったからだ。
「光ぅ、いっしょに帰ろうか」
学校が終わったらラブな時間の始まり! とばかり、わたしは光に擦り寄る。で、いい感じ! がトロっと漂った辺りで、傘に入れて! と言えば2人でトロピカルな時間が味わえるんだ。
「そういえばマリー、傘は?」
「ん? 今日はあえて持ってこなかったんだ」
「あえて?」
「だってぇ、だってぇ」
「なんだよ変な声出して」
「光の傘に入れてもらうという物語は、それは昨晩よりこしらえていたんだよ」
「え、おれの傘?」
「光、あれでしょう? 今は手に傘を持っていないけれど、仕方ないなぁもう! とか言いながらカバンより折りたたみの傘を男らしく取り出すってオチでしょう?」
「え、ちがうんですけれど……」
「え?」
「なんていうかその、たまにこうしてみたい! って意味なく燃える時ってあるじゃん?」
「まぁ……ね」
「そうだ、雨降りならレインコートをしてみたい! って急に興奮したからレインコートしかもってきていない」
「はぁ? なんでレインコートしたいって興奮するわけ?」
「レインコートがぼくのハートを掴んだから……的な?」
「ほんとうやだぁ、光って女心にうとすぎ! ふつうは、雨だったら彼女と相合傘でイチャラブ! と考えるべきでしょう」
「そんなこと言われても……」
「光のせいでわたし気の毒な人になっちゃった」
あぁ、言わなくても通じるとか思ったのが失敗だった。明日はわたし傘を持って来ないからとか言うべきだった。でもほら、言わない方が甘いサプライズだと思うのは仕方のないことだと思うんだ。
「いいよね、光だけ濡れなくて……幸せで」
「ん……」
光はここで考える人となり、それから一度足元に下ろしていたカバンを再び手に持って急ににっこりとなった。
「よし! こうなったらおれも気の毒な人になる」
「え?」
「これだけの大雨だったら逆に濡れてキモチいい! となるはずだから、濡れて帰ろう。2人でなら濡れてもハッピーとか歌が作れるかもしれないし」
「おぉ、光、最高! よし!」
わたしはたとえ雨が降っても夏みたいに蒸し暑い事と、どうせ濡れるならスッパリしちゃおうぜ! の精神に乗っ取りブレザーを脱ぐ。
「え、脱ぐの?」
「ブレザーぬらしたくない。それに……」
「それに?」
「シャツでびしょ濡れだと下が濡れ見えになるけれど、光が見て喜んでくれるならいいか! というやさしい考えもあるよ」
「ぅ……」
「だから光もブレザー脱げ。彼女だけ悲惨な姿にさせるなんて、そんなひどい事言わないよね」
「わかった。おれもブレザーぬらしたくないし」
こうしてわたしと光は、ザーザーではなくドワーって滝のように落ちてくる大雨の中に飛び出した。
「すげぇ、まさに人生の修行ってキブンに浸れる」
「光ぅ、いっしょに修行しよう」
わたしと光はバカみたいな大雨の中を意図してはしゃぎながら帰り道ってコースにのっかる。
「マリー」
「え、なに?」
大雨だから大声を出さなきゃいけないという事実が、青春だなぁってキモチを後ろから押してくれる。
「いま、思った……」
「なに?」
「マリーって前髪が濡れたら……いつもの3倍はかわいいなって……」
「え、なに、もっとデカい声で!」
「前髪の濡れているマリーはステキだ!」
「きゃんぅ! 光、もっとリピートして!」
「アホか……」
とにかく大雨だから全身びしょ濡れになるのに1分もかからなかった。もうね、全身余す所なくびしょ濡れだから逆にキモチいいわけで、もう一生このままでいいよ! って胸が弾んでしまう。
そんなこんなで遠回りをし1時間くらい、それこそ水をたっぷり含んだ雑巾みたいな状態になって、まずはわたしの家前に到着。
「たのしかった、たまにはこういうのもいいね」
「ま、マリー」
「ん、どうした? まだいっしょに濡れたいか?」
「そ、そうじゃなくて……」
光は洪水みたいな大雨の中でわたしを見つめた。うす暗い上に大粒って雨腺がいっぱいだけれど……光がドキドキして顔を赤くしているっていうのが見えたら、こっちも急に胸をドキドキに持っていかれる。
「か、髪の毛が濡れてるマリーって……」
「な、なに?」
「いつもかわいいんだけれど、それはもう1プラス1は2ってくらい確実なことなのだけれど、でも……いま髪の毛が濡れているマリーもすごくいいなぁと思って……見ていたら……こう……ドキドキしちゃって」
光は突然女心に攻め込んでくるというのをよくやる。ついさっきまで2人で子どもみたいにはしゃいでいたのに、急にこういうことをする。
「ん……」
やばい……この巨乳って胸にズキュンと来たから返せなくなった。そして大雨の中で見つめ合ういま、急にものすごく息苦しくなってきて、わたしはふっと当たり前のように思ったりする。
キスしたい……あぁ、いまのこの感じ、きっとこれがキスするにぴったりな感じなんだ……と、胸がギュウッと締められていく。
「あ、あぁ、お、おれ帰る」
ここで光が2人の金縛りを破った。そのとき……正直、さみしいってキモチがどっぷり胸にわいてしまった。
「光」
「な、なに?」
「風邪ひいたらダメだよ? ちゃんと明日も学校で再会するんだよ」
「マリーも風邪ひかないように!」
終わった、ズブ濡れになるというたのしい修行が終わった。そのあとわたしは玄関まで出てきたお母さんにめちゃくそ怒られた。なんでそうなるわけ? と心底あきれるって目を向けられた。
でも……わたしはどんなに怒られても気にならなかった。なぜなら他の事でアタマがいっぱいだったからだ。
「シャワーするよ」
そう言って洗面所に入ってドアを閉めたら、待ってました! 的な勢いで鏡を見る。わたしは自分の顔を鏡でジーっと見つめる趣味はないのだけれど、今はそれを濃密にやりたくてたまらない。
「前髪が濡れているとか、髪の毛が濡れているマリーはすごくいいってかぁ、見ていたらドキドキしちゃうってか……くふぅ! 光め、鈍いくせに女心を刺激してくれちゃって!」
いやぁ、まるで番外編みたいなたのしい時間を味わえてすごくハッピー。いまのこのキモチ、これはわたしと光、2人だけのモノだ。そう思ったらシャワーしている間ひたすらニヤニヤが止まらなかった。
まだまだ暑いが続いている。世界は残暑フォーエバーって感じがダラダラ続いているのだけれど、昨日の天気予報では昼から大雨になるだった。降水確率は90%とかだった。
(よし! 予報どおり!)
わたしが雨降りに対してガッツポーズを取ったのは、これで光とラブラブな相合傘ができると、計画通りなラブストーリーが描けると思ったからだ。
「光ぅ、いっしょに帰ろうか」
学校が終わったらラブな時間の始まり! とばかり、わたしは光に擦り寄る。で、いい感じ! がトロっと漂った辺りで、傘に入れて! と言えば2人でトロピカルな時間が味わえるんだ。
「そういえばマリー、傘は?」
「ん? 今日はあえて持ってこなかったんだ」
「あえて?」
「だってぇ、だってぇ」
「なんだよ変な声出して」
「光の傘に入れてもらうという物語は、それは昨晩よりこしらえていたんだよ」
「え、おれの傘?」
「光、あれでしょう? 今は手に傘を持っていないけれど、仕方ないなぁもう! とか言いながらカバンより折りたたみの傘を男らしく取り出すってオチでしょう?」
「え、ちがうんですけれど……」
「え?」
「なんていうかその、たまにこうしてみたい! って意味なく燃える時ってあるじゃん?」
「まぁ……ね」
「そうだ、雨降りならレインコートをしてみたい! って急に興奮したからレインコートしかもってきていない」
「はぁ? なんでレインコートしたいって興奮するわけ?」
「レインコートがぼくのハートを掴んだから……的な?」
「ほんとうやだぁ、光って女心にうとすぎ! ふつうは、雨だったら彼女と相合傘でイチャラブ! と考えるべきでしょう」
「そんなこと言われても……」
「光のせいでわたし気の毒な人になっちゃった」
あぁ、言わなくても通じるとか思ったのが失敗だった。明日はわたし傘を持って来ないからとか言うべきだった。でもほら、言わない方が甘いサプライズだと思うのは仕方のないことだと思うんだ。
「いいよね、光だけ濡れなくて……幸せで」
「ん……」
光はここで考える人となり、それから一度足元に下ろしていたカバンを再び手に持って急ににっこりとなった。
「よし! こうなったらおれも気の毒な人になる」
「え?」
「これだけの大雨だったら逆に濡れてキモチいい! となるはずだから、濡れて帰ろう。2人でなら濡れてもハッピーとか歌が作れるかもしれないし」
「おぉ、光、最高! よし!」
わたしはたとえ雨が降っても夏みたいに蒸し暑い事と、どうせ濡れるならスッパリしちゃおうぜ! の精神に乗っ取りブレザーを脱ぐ。
「え、脱ぐの?」
「ブレザーぬらしたくない。それに……」
「それに?」
「シャツでびしょ濡れだと下が濡れ見えになるけれど、光が見て喜んでくれるならいいか! というやさしい考えもあるよ」
「ぅ……」
「だから光もブレザー脱げ。彼女だけ悲惨な姿にさせるなんて、そんなひどい事言わないよね」
「わかった。おれもブレザーぬらしたくないし」
こうしてわたしと光は、ザーザーではなくドワーって滝のように落ちてくる大雨の中に飛び出した。
「すげぇ、まさに人生の修行ってキブンに浸れる」
「光ぅ、いっしょに修行しよう」
わたしと光はバカみたいな大雨の中を意図してはしゃぎながら帰り道ってコースにのっかる。
「マリー」
「え、なに?」
大雨だから大声を出さなきゃいけないという事実が、青春だなぁってキモチを後ろから押してくれる。
「いま、思った……」
「なに?」
「マリーって前髪が濡れたら……いつもの3倍はかわいいなって……」
「え、なに、もっとデカい声で!」
「前髪の濡れているマリーはステキだ!」
「きゃんぅ! 光、もっとリピートして!」
「アホか……」
とにかく大雨だから全身びしょ濡れになるのに1分もかからなかった。もうね、全身余す所なくびしょ濡れだから逆にキモチいいわけで、もう一生このままでいいよ! って胸が弾んでしまう。
そんなこんなで遠回りをし1時間くらい、それこそ水をたっぷり含んだ雑巾みたいな状態になって、まずはわたしの家前に到着。
「たのしかった、たまにはこういうのもいいね」
「ま、マリー」
「ん、どうした? まだいっしょに濡れたいか?」
「そ、そうじゃなくて……」
光は洪水みたいな大雨の中でわたしを見つめた。うす暗い上に大粒って雨腺がいっぱいだけれど……光がドキドキして顔を赤くしているっていうのが見えたら、こっちも急に胸をドキドキに持っていかれる。
「か、髪の毛が濡れてるマリーって……」
「な、なに?」
「いつもかわいいんだけれど、それはもう1プラス1は2ってくらい確実なことなのだけれど、でも……いま髪の毛が濡れているマリーもすごくいいなぁと思って……見ていたら……こう……ドキドキしちゃって」
光は突然女心に攻め込んでくるというのをよくやる。ついさっきまで2人で子どもみたいにはしゃいでいたのに、急にこういうことをする。
「ん……」
やばい……この巨乳って胸にズキュンと来たから返せなくなった。そして大雨の中で見つめ合ういま、急にものすごく息苦しくなってきて、わたしはふっと当たり前のように思ったりする。
キスしたい……あぁ、いまのこの感じ、きっとこれがキスするにぴったりな感じなんだ……と、胸がギュウッと締められていく。
「あ、あぁ、お、おれ帰る」
ここで光が2人の金縛りを破った。そのとき……正直、さみしいってキモチがどっぷり胸にわいてしまった。
「光」
「な、なに?」
「風邪ひいたらダメだよ? ちゃんと明日も学校で再会するんだよ」
「マリーも風邪ひかないように!」
終わった、ズブ濡れになるというたのしい修行が終わった。そのあとわたしは玄関まで出てきたお母さんにめちゃくそ怒られた。なんでそうなるわけ? と心底あきれるって目を向けられた。
でも……わたしはどんなに怒られても気にならなかった。なぜなら他の事でアタマがいっぱいだったからだ。
「シャワーするよ」
そう言って洗面所に入ってドアを閉めたら、待ってました! 的な勢いで鏡を見る。わたしは自分の顔を鏡でジーっと見つめる趣味はないのだけれど、今はそれを濃密にやりたくてたまらない。
「前髪が濡れているとか、髪の毛が濡れているマリーはすごくいいってかぁ、見ていたらドキドキしちゃうってか……くふぅ! 光め、鈍いくせに女心を刺激してくれちゃって!」
いやぁ、まるで番外編みたいなたのしい時間を味わえてすごくハッピー。いまのこのキモチ、これはわたしと光、2人だけのモノだ。そう思ったらシャワーしている間ひたすらニヤニヤが止まらなかった。
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