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90・とっても大事な報告を聞いてください
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90・とっても大事な報告を聞いてください
「合気道?」
わたしから、わたしは合気道をやることにした! という報告を聞いた光が帰り道の中で少し目を丸くした。
「光、ちゃんと聞いてくれるかな? 大事な事なんだけれど……」
わたしは歩きながら光の腕を軽くつかんだ。なぜならたんにやり始めたと報告するだけが目的ではないから。真の目的は、なぜ合気道をやろうとしたかってその4つの理由、それを光に聞いて欲しいから。
「聞くよ、うん!」
「えっとねぇ……わたしは小説家になりたいと思ってがんばる光を見守って応援するのが大好物なんだ。それはこれからも続けていって、結婚して妻になってもやり続けるから」
「う、うん……いつも応援してくれてありがとう」
「だけど……光ががんばっているのに、自分はこれといって何もせず、ただがんばれ! とか言うだけっていうのは、それはなんかちょっとという気がした。で、わたしも何かやりたいなと思ったとき……自分のお祖母ちゃんが合気道の超達人となれば……真っ先に合気道と思いついた」
「おぉ、なるほど」
「いまのがひとつめの理由。で、ふたつめというのは……ほんとうは言うのが少し恥ずかしいとは思ったのだけど、言えば引き下がれない。言ってしまったらやるしかない! の精神で頑張れると思ったから、だから報告した」
「うん、いいね」
「で、次の3つめ、これってけっこう大事なんだけれど……」
「なに、ぜひとも聞かせて、ちゃんと聞くから」
「べ、別にさ、光に甘えたいとかそんな風には思っていないよ。だけどわたしも一回くらいは光から……マリーはがんばっているなぁって、そんな風に言われてみたいと思って……」
「マリーががんばるなら、おれ無条件でよろこんで応援する。マリーが言わないでくれとか思っても、おれは何回でも言うぞ」
「甘えん坊! とか言わないんだ?」
「冗談でなら言ってもいいとは思うけれど、本気では言わない。だってそういうキモチってよくわかるから。おれ、マリーに応援してもらっていつもものすごくうれしいんだから」
「きゃんぅ……み、光……そ、それで最後の4つめというのはさ、わたしがつよくなって光を守ってあげたいと思った」
「え?」
「光って創作に感性とか何やかんやが振り向けられているから、つよい男になってと求めるのは酷かなぁって。だったらわたしがつよくなって、あなたを守る! で行こうかなぁって」
「そ、それは……ど、どうも……ありがとうっていうか、なんていうか、いや、やっぱりありがとう……か」
「あ、だけど光、安心して!」
「安心?」
「わたし、合気道をやったからって変わらないから。この巨乳女子としてのクオリティーとか、巨乳女子としてさらに成長する可能性とか、そういうところに悪影響なし! としてつよい女になるから」
「ぅ……うん」
言えた、言いたい事を全部言った。そして光は途中に冗談とか茶化しを入れたりせず話を聞いてくれた。ちょっとテレくさかったけれど、胸がクゥっと熱くなる。
「マリー」
「なに?」
「そ、その……よかったら手を……」
「あ、もちろん」
こうして手をつないだのけれど、いつもとやっていることは同じはずなのに、いつもより相手の手から伝わるモノが多いとかいうか温かい感じに満ち溢れていた。こんなキモチ、外を歩きながら味わうと冷静なそぶりをするのが大変……と思った。
「合気道?」
わたしから、わたしは合気道をやることにした! という報告を聞いた光が帰り道の中で少し目を丸くした。
「光、ちゃんと聞いてくれるかな? 大事な事なんだけれど……」
わたしは歩きながら光の腕を軽くつかんだ。なぜならたんにやり始めたと報告するだけが目的ではないから。真の目的は、なぜ合気道をやろうとしたかってその4つの理由、それを光に聞いて欲しいから。
「聞くよ、うん!」
「えっとねぇ……わたしは小説家になりたいと思ってがんばる光を見守って応援するのが大好物なんだ。それはこれからも続けていって、結婚して妻になってもやり続けるから」
「う、うん……いつも応援してくれてありがとう」
「だけど……光ががんばっているのに、自分はこれといって何もせず、ただがんばれ! とか言うだけっていうのは、それはなんかちょっとという気がした。で、わたしも何かやりたいなと思ったとき……自分のお祖母ちゃんが合気道の超達人となれば……真っ先に合気道と思いついた」
「おぉ、なるほど」
「いまのがひとつめの理由。で、ふたつめというのは……ほんとうは言うのが少し恥ずかしいとは思ったのだけど、言えば引き下がれない。言ってしまったらやるしかない! の精神で頑張れると思ったから、だから報告した」
「うん、いいね」
「で、次の3つめ、これってけっこう大事なんだけれど……」
「なに、ぜひとも聞かせて、ちゃんと聞くから」
「べ、別にさ、光に甘えたいとかそんな風には思っていないよ。だけどわたしも一回くらいは光から……マリーはがんばっているなぁって、そんな風に言われてみたいと思って……」
「マリーががんばるなら、おれ無条件でよろこんで応援する。マリーが言わないでくれとか思っても、おれは何回でも言うぞ」
「甘えん坊! とか言わないんだ?」
「冗談でなら言ってもいいとは思うけれど、本気では言わない。だってそういうキモチってよくわかるから。おれ、マリーに応援してもらっていつもものすごくうれしいんだから」
「きゃんぅ……み、光……そ、それで最後の4つめというのはさ、わたしがつよくなって光を守ってあげたいと思った」
「え?」
「光って創作に感性とか何やかんやが振り向けられているから、つよい男になってと求めるのは酷かなぁって。だったらわたしがつよくなって、あなたを守る! で行こうかなぁって」
「そ、それは……ど、どうも……ありがとうっていうか、なんていうか、いや、やっぱりありがとう……か」
「あ、だけど光、安心して!」
「安心?」
「わたし、合気道をやったからって変わらないから。この巨乳女子としてのクオリティーとか、巨乳女子としてさらに成長する可能性とか、そういうところに悪影響なし! としてつよい女になるから」
「ぅ……うん」
言えた、言いたい事を全部言った。そして光は途中に冗談とか茶化しを入れたりせず話を聞いてくれた。ちょっとテレくさかったけれど、胸がクゥっと熱くなる。
「マリー」
「なに?」
「そ、その……よかったら手を……」
「あ、もちろん」
こうして手をつないだのけれど、いつもとやっていることは同じはずなのに、いつもより相手の手から伝わるモノが多いとかいうか温かい感じに満ち溢れていた。こんなキモチ、外を歩きながら味わうと冷静なそぶりをするのが大変……と思った。
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