異世界✕兄妹✕姉妹

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多貴を15歳の剣士にさせる計画

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6・多貴を15歳の剣士にさせる計画


「わ、若返り?」

 多貴はとりあえず的におどろいた次、頭の中に穴が開いた! というような顔で両目をパチクリさせた。

「そ、若返り」

「そ、って普通に言ってるけど、どういうこと? そんなのできるの?」

「出来るわ」

 エリスは白いカップに口を当て少々ヌルくなったモノを飲んだら、追加を店員にお願いしてから説明に入る。母を幽閉し我こそが! と女王になったポニー、同性愛なので自国民の女から彼女を作ろうとした。しかし感性がつよいキャラなのでフィーリングの合う女子が見つからない。そこでこう考えた。別の世界から女子をムリヤリ引っ張り込めばいい、それなら彼女がなかなか出来ないって恥をかく事もないと。

「多貴と妹さんをこの世界に連れてきた穴、あれは時空を歪める機械によって作られたもの。その機械は腕に自身のある技術系女子の集まり、通称ポニー技術団によって作られた。もちろんポニーが信じられないほどのお金を注入しているからできるって面もあるんだけどね」

 エリスはここで店員が持ってきたコーヒーを受け取る。なんとも上品な手付きでミルクやシュガーを入れてかき混ぜた後、ポニー技術団が歪めた時空を折り曲げるという発想の具現化に成功したのだと説明を続けた。

「折り曲げる?」

「そ、折り曲げて合わせることで、その人の現在と過去をリンクさせられるんだって。で、その時空から若さエキスを吸収して若返ると」」

「うそ、そんな事が出来たの?」

 信じられないなぁって言いかけたものの、異世界をつなぐトンネルを実際に通った以上、若返りって話を本当なのでは? と思って聞くしかない。

「ただ、ポニーが言うには折り曲げた空間のつなぎは今のところ一時しかできないんだって。だから昔の自分に戻っても空間のリンクが解除されると若返る前の元に戻ってしまうと、わたしはそういう風に聞いた」

 そう言ってニコっと笑った後、エリスは自分を少しあざとい女だと表現。なぜなら若返った多貴に剣術を覚えさせポニーと戦う自分の援護をさせようと思っているのだと正直に打ち明ける。

「いや、ムリムリ! いくら若返ってもだよ? 剣術で強くなるなんてすぐにできるわけないよ」

 多貴はブンブンと顔を左に右に振った。しかしエリスに返し説明によれば、若返っている者は、正確には若がっている者は時の流れが変わるのだと言う。時間が重い、すなわち時間経過の密度が通常より2倍ほど増しになるのだという。

「つまり若返った多貴の1日は、ふつうの人でいう2,3日になるのよ」

「えぇ……」

「お願い! 初対面で厚かましいとか図々しいのは分かってる。だけど、どうしてもお願いしたくてたまらないの」

 美人で巨乳で切な気なエリスが頭を下げる。そこに隣にいて黙っていたホリーが参戦してきた。

「多貴、エリスみたいな美人を泣かせたらわたしが許さない」

「泣かしてない、ぼく何もしてない……」

「で、やるよね? まさか断ったりしないよね?」

「え、えぇ……何この展開……」

 多貴は顔を赤め両手を横に動かしイヤだと意思表示。するとホリーは腕組みをしてノンノンとつぶやく。

「多貴、妹……詩貴をポニーに取られちゃってるんだよ? 兄を敬愛する妹のために動けないなんて、そんな兄なんて夜空の星にでもなればいいんだよ。だからさ、今こそ立ち上がるべき。エリスのために力を貸し妹のために動けば、多貴の株が上がるじゃん。まぁ、わたしはポニーのこと好きだから、多貴よりはポニーを応援するけどさ」

 ここまで言われると多貴に退路というのはなかった。突然の話を引き受け前進する以外にできることはないって感じだった。

「ちょ、ちょっと数分だけちょうだい」

 ホリーのマネをするわけではないが、そんな風に腕組みをして目を閉じた。そして多貴は色んな事を手短にまとめ考える。ポニーに妹を取られたという事実。妹を取り戻させねばならないという事実。そして元の世界に戻らねばならないという事実。

(ぅ……ん)

 一瞬ブルッと震えたのは……若返ってみたいという願望に背中を突かれるせい。どう考えてもファンタジーなそれが叶うなら、しかも力がみなぎって頃の姿になれるなら、どんなモノだろう? と考え、考えれば考えるほどドキドキ引っ張られていき、今一度活力に満ちた自分になってみたいと思っていく。

「若返れるってどのくらいの間?」

 恐る恐る聞いてみると2,3ヶ月くらいだと言う。ついでに言えば時空の歪ませと異世界トンネルって2つを同時にやれば、こちらにやってきた日に向こうの世界へ戻れるのだともいう。

「だいじょうぶ。お金は全部わたしが面倒みる」

 落ち着き余裕すら見せるエリスによれば、いずれもやるならおそろしい金額がかかるのだという。それは宇宙旅行レベルの金額らしいが、価格設定はポニーの命令によるのだと教えてもくれた。

「ポニーが言うには値段を安くして庶民が群がったら価値が下がるんだって。まずは自分たちセレブがやってから、それから値段を下げるよう指示したとつぶやいていたわ」

 そう言ったエリスがコーヒーを飲むと、多貴が話を引き受けることは確定ってフンイキが出来上がっていた。

「よし、ぼくはやるよ、若返ってつよくなってみせるよ!」

 グィーンと来た勢いに多貴は乗っかった。そして胸の内側で少しばかり緊張したものの、言ったからには逃げられないと手をにぎる。

「ごめんね、わたしたちの話に付き合わせて」

 今さらだけど……なんて感じに謝るエリス。

「さて、多貴のかっこういい姿っていうのを拝見!」

 ホリーは確定した物語の展開に期待しているようだった。そのかわいい顔という目には、以前の多貴がどれほどのモノか期待して止まないってメッセージが込められている。
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