38 / 46
いざ城に乗り込み・対戦
しおりを挟む
38・いざ城に乗り込み・対戦
今日という日、それは予告したとおり城へ乗り込むデーである。予報通り雨は振っていない。でも予報とちがいやや曇っている。ホリーが言うところによれば、ポニーはこういうやや曇ってグレーな感じが好きらしい。
多貴、ホリー、エリスの3人が城の前に到着すると、事前に承知していた門番が女子2人に挨拶をしてから門を開けた。もちろん多貴もふつうに通すが、この少年に対しては頭を下げたりはしない。
「王玉広場にポニーたちはいるらしいですよ」
先頭に立つホリーは姉に教えてもらった情報をつぶやく。王玉広場というのは、超広大なお城スペースの中にあって、一番の面積を誇る広場。特に何かがあるわけではないがポニーが昔からとても気に入っていたところ。なぜ? と問われたら、ポニーはこう答えるだろう。お城という狭められがある中で無限のように広いという感じが、不健康で魅力的に見えるからと。
「ものすごく久しぶりって感じがするわ」
城から追い出されていたエリスは感慨深そうだった。卒業して何年もした後、ふっと学校に戻った卒業生みたいな顔をしている。
「多貴、肩に力が入りすぎ」
ホリーは何にも喋らない多貴の横に位置すると、そんなに硬いと本来の動きができなくなるよ? とアドバイス。そして3人はポニー達が待っている王玉広場に到着した。それはもう夢の世界かと思うような広さであって、わざわざ作らせた舞台がある。高いところにステージがあり、そこへ向かっていく階段が印象的。そして階段の前にはエリーが立ち、さらにその前には親衛隊の3人が立つ。
3人が随分高いところにあるステージに目を向けると、そこには玉座が2つあって片方にはポニーがいて、もう片方にはグレーのドレスを着た詩貴が座っていた。
「詩貴!」
妹の姿が目に入るや黙っていられず叫ぶ。
「お、お兄ちゃん……」
詩貴もそれなりの大きな声を出した。でも体がぐぐっと不自由な動きしかできず立ち上がれないのはイスに縛られているせいである。
「いらっしゃーい、待っていたわ」
玉座にゆったり腰掛けるポニーは白いドレスに身を包んでいる。片足をもう片方に乗っけるようにして組み、意外とある? って感じの谷間を見せながらつぶやきを続けた。
「ホリー、ご苦労さん。あなたには1年くらいの休暇とボーナスをあげたいキブン。で、多貴……随分と凛々しくなって。最初に会ったときのブタとは別人。かっこういいよ、だからって妹は返さないけどね。だけどホリーよりも多貴よりも問題なのは、お姉ちゃんだよ。わたしの前で今までの自分を反省して見せるために来た? だったら階段の前で跪いてちょうだい。そしたら笑ってから許してあげるけど」
フフっと姉に笑みを見せた。これまで通り相手は年上のくせに情けない顔をするんだと思った。ところが思わぬことにエリスの顔は凛々しく安定している。やわらかい笑みの中に強さがあるようだ。そしてポニーを見上げながらハッキリとした声で言った。
「謝ってもいいけど、その前にわたしの力を見せたい。そう思うからやってきた。そして早くそうしたいって疼いてる」
この発言にはポニーだけでなくエリーも目を丸くした。なぜならその声というのはエリスのモノであって異なるような感じにあふれていたから。
「はぁ? 城から追い出されて頭がパーになったの? ったく……どこまでも世話が焼けてうざいんだから……」
こんな風に前置きが展開されていたわけであるが、ジッとしていられないのが親衛隊の一人であるエンミ。いつまで話をしてるんだよ! ってな思いが吹きそうになる。それを察知したのか、ポニーがエンミに言った。
「親衛隊、とりあえずお客さんをもてなしてちょうだい」
それを聞いたら待ってました! とばかりエンミが剣を抜く。それとはちょっと色合いが異なるが、かなりやる気でイタミも剣を抜く。そして親衛隊ナンバーワンのグラマーで爆乳のイロミも、ややドキドキしつつ剣を抜くのだった。
「む!」
多貴も剣を抜こうとした。するとその前にホリーが進んでから、ここはわたしが引き受けると口にする。
「え、ホリー?」
「多貴は妹を助けるためにやってきた。前置きの戦いは少ない方がいい。その燃えるような思いはちょっと保留しておいて」
言って剣を抜くホリー、その目は親衛隊の3人を見ているが、実際にはその後ろに立っている姉に重点が置かれていた。
ジャマするか? と姉から心の声が流れてくる。だから妹は身構えながら姉に心の声で返事をした。多貴とエリスにも活躍させてあげたいんだよ、いいでしょう? と。
「今度は負けない」
ここで横から割って入るように言ったのは、レストラン前でのリベンジだ! という目をホリーに向ける親衛隊のエースことエンミだった。
今日という日、それは予告したとおり城へ乗り込むデーである。予報通り雨は振っていない。でも予報とちがいやや曇っている。ホリーが言うところによれば、ポニーはこういうやや曇ってグレーな感じが好きらしい。
多貴、ホリー、エリスの3人が城の前に到着すると、事前に承知していた門番が女子2人に挨拶をしてから門を開けた。もちろん多貴もふつうに通すが、この少年に対しては頭を下げたりはしない。
「王玉広場にポニーたちはいるらしいですよ」
先頭に立つホリーは姉に教えてもらった情報をつぶやく。王玉広場というのは、超広大なお城スペースの中にあって、一番の面積を誇る広場。特に何かがあるわけではないがポニーが昔からとても気に入っていたところ。なぜ? と問われたら、ポニーはこう答えるだろう。お城という狭められがある中で無限のように広いという感じが、不健康で魅力的に見えるからと。
「ものすごく久しぶりって感じがするわ」
城から追い出されていたエリスは感慨深そうだった。卒業して何年もした後、ふっと学校に戻った卒業生みたいな顔をしている。
「多貴、肩に力が入りすぎ」
ホリーは何にも喋らない多貴の横に位置すると、そんなに硬いと本来の動きができなくなるよ? とアドバイス。そして3人はポニー達が待っている王玉広場に到着した。それはもう夢の世界かと思うような広さであって、わざわざ作らせた舞台がある。高いところにステージがあり、そこへ向かっていく階段が印象的。そして階段の前にはエリーが立ち、さらにその前には親衛隊の3人が立つ。
3人が随分高いところにあるステージに目を向けると、そこには玉座が2つあって片方にはポニーがいて、もう片方にはグレーのドレスを着た詩貴が座っていた。
「詩貴!」
妹の姿が目に入るや黙っていられず叫ぶ。
「お、お兄ちゃん……」
詩貴もそれなりの大きな声を出した。でも体がぐぐっと不自由な動きしかできず立ち上がれないのはイスに縛られているせいである。
「いらっしゃーい、待っていたわ」
玉座にゆったり腰掛けるポニーは白いドレスに身を包んでいる。片足をもう片方に乗っけるようにして組み、意外とある? って感じの谷間を見せながらつぶやきを続けた。
「ホリー、ご苦労さん。あなたには1年くらいの休暇とボーナスをあげたいキブン。で、多貴……随分と凛々しくなって。最初に会ったときのブタとは別人。かっこういいよ、だからって妹は返さないけどね。だけどホリーよりも多貴よりも問題なのは、お姉ちゃんだよ。わたしの前で今までの自分を反省して見せるために来た? だったら階段の前で跪いてちょうだい。そしたら笑ってから許してあげるけど」
フフっと姉に笑みを見せた。これまで通り相手は年上のくせに情けない顔をするんだと思った。ところが思わぬことにエリスの顔は凛々しく安定している。やわらかい笑みの中に強さがあるようだ。そしてポニーを見上げながらハッキリとした声で言った。
「謝ってもいいけど、その前にわたしの力を見せたい。そう思うからやってきた。そして早くそうしたいって疼いてる」
この発言にはポニーだけでなくエリーも目を丸くした。なぜならその声というのはエリスのモノであって異なるような感じにあふれていたから。
「はぁ? 城から追い出されて頭がパーになったの? ったく……どこまでも世話が焼けてうざいんだから……」
こんな風に前置きが展開されていたわけであるが、ジッとしていられないのが親衛隊の一人であるエンミ。いつまで話をしてるんだよ! ってな思いが吹きそうになる。それを察知したのか、ポニーがエンミに言った。
「親衛隊、とりあえずお客さんをもてなしてちょうだい」
それを聞いたら待ってました! とばかりエンミが剣を抜く。それとはちょっと色合いが異なるが、かなりやる気でイタミも剣を抜く。そして親衛隊ナンバーワンのグラマーで爆乳のイロミも、ややドキドキしつつ剣を抜くのだった。
「む!」
多貴も剣を抜こうとした。するとその前にホリーが進んでから、ここはわたしが引き受けると口にする。
「え、ホリー?」
「多貴は妹を助けるためにやってきた。前置きの戦いは少ない方がいい。その燃えるような思いはちょっと保留しておいて」
言って剣を抜くホリー、その目は親衛隊の3人を見ているが、実際にはその後ろに立っている姉に重点が置かれていた。
ジャマするか? と姉から心の声が流れてくる。だから妹は身構えながら姉に心の声で返事をした。多貴とエリスにも活躍させてあげたいんだよ、いいでしょう? と。
「今度は負けない」
ここで横から割って入るように言ったのは、レストラン前でのリベンジだ! という目をホリーに向ける親衛隊のエースことエンミだった。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
花鳥見聞録
木野もくば
ファンタジー
花の妖精のルイは、メジロのモクの背中に乗って旅をしています。ルイは記憶喪失でした。自分が花の妖精だったことしか思い出せません。失くした記憶を探すため、さまざまな世界を冒険します。
SSSレア・スライムに転生した魚屋さん ~戦うつもりはないけど、どんどん強くなる~
草笛あたる(乱暴)
ファンタジー
転生したらスライムの突然変異だった。
レアらしくて、成長が異常に早いよ。
せっかくだから、自分の特技を活かして、日本の魚屋技術を異世界に広めたいな。
出刃包丁がない世界だったので、スライムの体内で作ったら、名刀に仕上がっちゃった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる