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第七章 忙しいが、呆気なく都市ルーセントに向かう事になりました。
第九十二幕 海底遺跡出発と博打
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「ねぇ、旦那様」
「どうした?」
「優しいわね」
千夜の隠れた優しさに笑みを浮かべるエリーゼだが、
「なんの事だ?」
「あの子の犯罪履歴を隠蔽してあげたんでしょ。惚けなくても良いわよ」
「いや、俺は何もしてないぞ」
「え、本当に?」
「ああ、俺は何もしていない。真相は分からないが本当に誤射として判断されたんだろう」
「そ、そうなの」
千夜の言葉に驚きを隠せないエリーゼ。だが、千夜は別の事で頭を悩ませていた。
(俺にも犯罪履歴が無いのはなんでだ?)
グレータースケルトンとバンシーから借りたアンデッド軍団で海賊の一人を殺すことに成功はしたが、そのせいで無関係な冒険者を負傷させてしまった。
つまり千夜にも殺人未遂として犯罪履歴に表示されてもおかしくはないにも拘らず表示されることはなかった。
(まさか海底遺跡内での犯罪行為は犯罪として確認されないということか?)
「また考えごと?」
「あ、ああ。ちょっとな」
思考の深海に行く前に引き上げられた千夜は考えるのを止めた。
結局その後はベッドで横になって疲れを癒したのだった。
次の日になり、朝日と潮風の匂いで目を覚ました千夜はいつものように朝の鍛錬を始めようとしたが、エルザに止められてしまう。
毎日のように行ってきた事をしないというのは体が疼いて仕方が無い気分に駆られるが我慢するのだった。
朝食を終えた千夜はウィルの稽古を行うため外に出ていた。勿論見るだけで対峙してはいない。
夜には最後の会議を行った。
会議の内容は明日の出航時間の連絡と船に乗り込む再編成の話し合いである。だが、その話し合いは主にベノワ、バレル、千夜の三人で決めた。
また次の日がやってきた。
今日はいよいよダラへ向けて出航する日だ。
朝の鍛錬を昨日の分を取り返すかのように行ったあと、朝食を済ませた。
「忘れ物はないな?」
「ええ、何も無いわ」
「こちらもありません」
室内に忘れ物がないか最終確認をした千夜はエリーゼたちとともに一週間前に上陸した港へと向かった。
そこまで離れているわけでもないが、一週間ぶりにやってきた港は懐かしさを覚えた。
十五分ほどして全員が集まり終えたのか、ベノワが前に立つ。
「皆様、一週間の探索おつかれ様でした。後はダラに戻るだけとなります」
まるで修学旅行最終日でバスガイドかのような口調と内容だな。と思いながら千夜はベノワの話に耳を傾ける。
「ですが、毎回帰還中に海賊に襲われますので冒険者の皆様には頑張って貰わなければなりませんがよろしくお願いします。では、ここにきた時と同じ船に乗り込んで下さい」
最後の言葉で全員がそれぞれの船に乗船し始める。
「それじゃ、ダラで会おうぜ」
「ああ、そうだな」
再編で乗船する船が変わったバレルと僅かな間だけ別れを言い合った。因みに千夜たちは行きと乗る船は同じだ。が人数は少し減ってしまった。それでも戦闘に支障を来たすことは無い。
乗船した千夜たちは甲板から人工島を見下ろす。
「まるでゴブリンの大群から逃げるために放置される村みたいね」
エリーゼの例えに同意する千夜。
昨日までは煩く笑い合う声や喧嘩の声が飛び交い冒険者っちが沢山いたが、今は殺風景の一言だ。
沢山の色彩に溢れる光景の中一部だけモノクロのように映った。
「それでは出航致します!」
ベノワの一言で千夜たちは一週間以上生活した人口とを去るのだった。
出航して一時間もうすでに人工島は見えなくなった。
「それじゃ、何をする旦那様?」
「何をすると言われてもな。海の上じゃすることがないしな」
「なら、私たちも混ぜて貰う?」
エリーゼが指差した方向には冒険者数人が賭け事をしていた。
(エリーゼたちにさせたら後悔しそうだが、暇だし構わないか)
「ああ、別にいいぞ。ただしこれ以上は無理だと判断したら直ぐに止めるからな」
「分かっているわ」
千夜たちは賭け事に参加させて貰いダラへつくまでの間時間をつぶす事にした。
この日の結果だけで言えばエリーゼとクロエが見事に惨敗した。で初心者のエルザが一人勝ちというビギナーズラックを起こしたのだった。
冒険者たちは手を組んでると思ったが、口喧嘩を始めてしまうエリーゼたちの姿にそれは無いなと決断つけた。因みに本当に手など組んではおらず、仲間や家族であろうと勝負事に手を抜かないのが月夜の酒鬼の決まりだ。それと今回千夜とウィルは観戦していた。理由としてはルールを知らないのとウィルにはまださせられないということだ。
結局この日は満面の笑みを浮かべるエルザと憂鬱なオーラを発するエリーゼとクロエという陰と陽を目の前で見せられる事になった千夜は内心やっぱりこうなるか。と思いながら嘆息しつつエリーゼとクロエを宥めるのであった。
「どうした?」
「優しいわね」
千夜の隠れた優しさに笑みを浮かべるエリーゼだが、
「なんの事だ?」
「あの子の犯罪履歴を隠蔽してあげたんでしょ。惚けなくても良いわよ」
「いや、俺は何もしてないぞ」
「え、本当に?」
「ああ、俺は何もしていない。真相は分からないが本当に誤射として判断されたんだろう」
「そ、そうなの」
千夜の言葉に驚きを隠せないエリーゼ。だが、千夜は別の事で頭を悩ませていた。
(俺にも犯罪履歴が無いのはなんでだ?)
グレータースケルトンとバンシーから借りたアンデッド軍団で海賊の一人を殺すことに成功はしたが、そのせいで無関係な冒険者を負傷させてしまった。
つまり千夜にも殺人未遂として犯罪履歴に表示されてもおかしくはないにも拘らず表示されることはなかった。
(まさか海底遺跡内での犯罪行為は犯罪として確認されないということか?)
「また考えごと?」
「あ、ああ。ちょっとな」
思考の深海に行く前に引き上げられた千夜は考えるのを止めた。
結局その後はベッドで横になって疲れを癒したのだった。
次の日になり、朝日と潮風の匂いで目を覚ました千夜はいつものように朝の鍛錬を始めようとしたが、エルザに止められてしまう。
毎日のように行ってきた事をしないというのは体が疼いて仕方が無い気分に駆られるが我慢するのだった。
朝食を終えた千夜はウィルの稽古を行うため外に出ていた。勿論見るだけで対峙してはいない。
夜には最後の会議を行った。
会議の内容は明日の出航時間の連絡と船に乗り込む再編成の話し合いである。だが、その話し合いは主にベノワ、バレル、千夜の三人で決めた。
また次の日がやってきた。
今日はいよいよダラへ向けて出航する日だ。
朝の鍛錬を昨日の分を取り返すかのように行ったあと、朝食を済ませた。
「忘れ物はないな?」
「ええ、何も無いわ」
「こちらもありません」
室内に忘れ物がないか最終確認をした千夜はエリーゼたちとともに一週間前に上陸した港へと向かった。
そこまで離れているわけでもないが、一週間ぶりにやってきた港は懐かしさを覚えた。
十五分ほどして全員が集まり終えたのか、ベノワが前に立つ。
「皆様、一週間の探索おつかれ様でした。後はダラに戻るだけとなります」
まるで修学旅行最終日でバスガイドかのような口調と内容だな。と思いながら千夜はベノワの話に耳を傾ける。
「ですが、毎回帰還中に海賊に襲われますので冒険者の皆様には頑張って貰わなければなりませんがよろしくお願いします。では、ここにきた時と同じ船に乗り込んで下さい」
最後の言葉で全員がそれぞれの船に乗船し始める。
「それじゃ、ダラで会おうぜ」
「ああ、そうだな」
再編で乗船する船が変わったバレルと僅かな間だけ別れを言い合った。因みに千夜たちは行きと乗る船は同じだ。が人数は少し減ってしまった。それでも戦闘に支障を来たすことは無い。
乗船した千夜たちは甲板から人工島を見下ろす。
「まるでゴブリンの大群から逃げるために放置される村みたいね」
エリーゼの例えに同意する千夜。
昨日までは煩く笑い合う声や喧嘩の声が飛び交い冒険者っちが沢山いたが、今は殺風景の一言だ。
沢山の色彩に溢れる光景の中一部だけモノクロのように映った。
「それでは出航致します!」
ベノワの一言で千夜たちは一週間以上生活した人口とを去るのだった。
出航して一時間もうすでに人工島は見えなくなった。
「それじゃ、何をする旦那様?」
「何をすると言われてもな。海の上じゃすることがないしな」
「なら、私たちも混ぜて貰う?」
エリーゼが指差した方向には冒険者数人が賭け事をしていた。
(エリーゼたちにさせたら後悔しそうだが、暇だし構わないか)
「ああ、別にいいぞ。ただしこれ以上は無理だと判断したら直ぐに止めるからな」
「分かっているわ」
千夜たちは賭け事に参加させて貰いダラへつくまでの間時間をつぶす事にした。
この日の結果だけで言えばエリーゼとクロエが見事に惨敗した。で初心者のエルザが一人勝ちというビギナーズラックを起こしたのだった。
冒険者たちは手を組んでると思ったが、口喧嘩を始めてしまうエリーゼたちの姿にそれは無いなと決断つけた。因みに本当に手など組んではおらず、仲間や家族であろうと勝負事に手を抜かないのが月夜の酒鬼の決まりだ。それと今回千夜とウィルは観戦していた。理由としてはルールを知らないのとウィルにはまださせられないということだ。
結局この日は満面の笑みを浮かべるエルザと憂鬱なオーラを発するエリーゼとクロエという陰と陽を目の前で見せられる事になった千夜は内心やっぱりこうなるか。と思いながら嘆息しつつエリーゼとクロエを宥めるのであった。
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