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第七章 忙しいが、呆気なく都市ルーセントに向かう事になりました。
第百九幕 メソポタミア神話と森の神
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「でも思いのほかあの遺跡、いえ、ダンジョンは少ない階層でしたね」
「いや、それは分からない」
ミレーネの言葉に千夜はキッパリと否定する。
「今回はあそこがダンジョンあることは分かったが、全ての場所に行ったわけじゃない。それにダンジョンには必ず居るフィールドボスやダンジョンボスも見ていない。となると」
「まだあそこは序盤と言う事ですか?」
「そういう事になるだろう。あのレベルのモンスターが平然と出てくるとなるとダンジョンレベルは煉獄の宝物庫と同じもしくはそれ以上だろう」
「そんなにですか……」
「となると最低でもBランク冒険者のパーティーでないと攻略は厳しいね。もしも一般開放するならBランク未満の冒険者は禁止にしないと」
「それじゃ完全に高ランク冒険者の稼ぎ場になりますね」
「仕方が無いじゃない。そうでもしないと大量に死者が出るわよ」
「そうですね」
高レベルダンジョンとなるとどうしてもランク制限をしなければ死者が出てしまう。そうなれば勿論制限に達していない冒険者から不満が出るだろうが、それならさっさと制限をクリアすれば良いだろとギルド側は言い返すだろう。
冒険者ギルドは冒険者の命の保障は一切しない。依頼で失敗して死ねばそれは力不足、自業自得と言われるだけだが、最初から死ぬと分かっている冒険者たちを行かせるほど冒険者ギルドは鬼でも悪魔でもない。
「ま、俺たちが考えていてもそれは冒険者ギルドや国、そしてあの遺跡の所有者であるベノワの商会がすることだ」
「それもそうね」
(俺としてはそんな事より船の中で見つけた暗霧の十月リーダーの名前の方が気になる。ギルガメッシュ。確かメソポタミア神話に出てくる英雄だよな)
前世で好きなアニメを見ていた時、偶然に気になり調べた内容を思い出す。
(森の神フンババを倒した事で神殺しとなった男。神殺し……たしか十月って言い換えれば神無月って言うよな。諸説の大半は神様を祭り上げる月だったが、一部では神が居なくなる日って書いてあったはず。まさか暗霧の十月のリーダーは神を憎んでいる?だがこの世界に神と言われる存在が本当に存在するかどうかも分からない。前世では色々な神話があったがそれが本当かどうかも分かりはしない。実際に神様に会ったわけじゃないからな。だが、もしもこの世界に神様が存在するとしたらどうして憎む?リーダーが転生者であることは間違いない。新たな人生を与えてくれた存在にどうして憎しみを覚える?何か呪いでも与えられたのか?それとも前世と同じで神様は1人ではないとするなら分かる。魔神や邪神と言った神様に呪いを貰ったのなら誰だって憎しみを覚えても仕方が無い。だがどうやって神を殺す?)
「旦那様どうかしたの?」
「ん?いや、少し考えていただけだ」
「旦那様が考え込む時はあまり良いことじゃないって私たちは知っているんだから。教えてくれないかしら?」
エリーゼの言葉に一瞬迷うが千夜は隠し事をするべきじゃないと思い正直に話すことにした。
「暗霧の十月のリーダーの事を少し考えていたんだ」
「確かギル……」
「ギルガメッシュです」
思い出せないエリーゼに代わってエルザが答える。
「そうだ。ギルガメッシュとは俺が元居た世界に出てくる英雄なんだ」
「平和な世界にも英雄って居るんじゃの」
「最初から平和だったわけじゃない。それにギルガメッシュが英雄と言われていた時代は俺が居た時代から2000年以上前の話だからな」
「それでそのギルガメッシュは一体何をしたのじゃ?」
「神殺しさ」
千夜の口から呟かれた言葉にエリーゼたちは絶句する。
「これまた大それた事をしもんじゃのぉ」
「神殺しってよく教会が黙っていなかったわね」
「あの時代に神を信仰する教会があったかは知らないが、ギルガメッシュ自信も偉大な神々が姿を造ったと言われるほど神々しいしく偉大な存在だったみたいだからな。それにギルガメッシュ自身はよく神に祈りを捧げていたとも諸説が残っているから強ち神を嫌っていたわけではないと思う。ま、祈る神の種類も沢山いたからな。それに神と言えど人間にとって都合が悪ければ悪神や邪神と変わりはない。その証拠にギルガメッシュが倒した森の神様は森の番人と言われていた神様だからな。どうして森の神フンババを殺さなければならなかったのかは分からないが」
「なるほどね。でもどうして暗霧の十月のリーダーはギルガメッシュって名乗っているのかしら?旦那様みたいに前世の世界から転生した人や勇者たちみたいな人が居る事は知らなかったわけないし」
「理由としては本当に知らなかったのか、または自分が生きる世界は闇の世界だから気にしなかったのかもな。勇者が倒すのは魔王であってこの国の闇に潜む存在たちではないからな」
「元領主としては頭に響く言葉ね」
実際勇者とはこの世で最も悪の存在に立ち向かう存在とされている。つまり魔王を倒す以外の事には目も向けないのだ。だからこそ平然と裏社会で犯罪を犯す犯罪者たちにとって気にする存在ではないのだ。
「いや、それは分からない」
ミレーネの言葉に千夜はキッパリと否定する。
「今回はあそこがダンジョンあることは分かったが、全ての場所に行ったわけじゃない。それにダンジョンには必ず居るフィールドボスやダンジョンボスも見ていない。となると」
「まだあそこは序盤と言う事ですか?」
「そういう事になるだろう。あのレベルのモンスターが平然と出てくるとなるとダンジョンレベルは煉獄の宝物庫と同じもしくはそれ以上だろう」
「そんなにですか……」
「となると最低でもBランク冒険者のパーティーでないと攻略は厳しいね。もしも一般開放するならBランク未満の冒険者は禁止にしないと」
「それじゃ完全に高ランク冒険者の稼ぎ場になりますね」
「仕方が無いじゃない。そうでもしないと大量に死者が出るわよ」
「そうですね」
高レベルダンジョンとなるとどうしてもランク制限をしなければ死者が出てしまう。そうなれば勿論制限に達していない冒険者から不満が出るだろうが、それならさっさと制限をクリアすれば良いだろとギルド側は言い返すだろう。
冒険者ギルドは冒険者の命の保障は一切しない。依頼で失敗して死ねばそれは力不足、自業自得と言われるだけだが、最初から死ぬと分かっている冒険者たちを行かせるほど冒険者ギルドは鬼でも悪魔でもない。
「ま、俺たちが考えていてもそれは冒険者ギルドや国、そしてあの遺跡の所有者であるベノワの商会がすることだ」
「それもそうね」
(俺としてはそんな事より船の中で見つけた暗霧の十月リーダーの名前の方が気になる。ギルガメッシュ。確かメソポタミア神話に出てくる英雄だよな)
前世で好きなアニメを見ていた時、偶然に気になり調べた内容を思い出す。
(森の神フンババを倒した事で神殺しとなった男。神殺し……たしか十月って言い換えれば神無月って言うよな。諸説の大半は神様を祭り上げる月だったが、一部では神が居なくなる日って書いてあったはず。まさか暗霧の十月のリーダーは神を憎んでいる?だがこの世界に神と言われる存在が本当に存在するかどうかも分からない。前世では色々な神話があったがそれが本当かどうかも分かりはしない。実際に神様に会ったわけじゃないからな。だが、もしもこの世界に神様が存在するとしたらどうして憎む?リーダーが転生者であることは間違いない。新たな人生を与えてくれた存在にどうして憎しみを覚える?何か呪いでも与えられたのか?それとも前世と同じで神様は1人ではないとするなら分かる。魔神や邪神と言った神様に呪いを貰ったのなら誰だって憎しみを覚えても仕方が無い。だがどうやって神を殺す?)
「旦那様どうかしたの?」
「ん?いや、少し考えていただけだ」
「旦那様が考え込む時はあまり良いことじゃないって私たちは知っているんだから。教えてくれないかしら?」
エリーゼの言葉に一瞬迷うが千夜は隠し事をするべきじゃないと思い正直に話すことにした。
「暗霧の十月のリーダーの事を少し考えていたんだ」
「確かギル……」
「ギルガメッシュです」
思い出せないエリーゼに代わってエルザが答える。
「そうだ。ギルガメッシュとは俺が元居た世界に出てくる英雄なんだ」
「平和な世界にも英雄って居るんじゃの」
「最初から平和だったわけじゃない。それにギルガメッシュが英雄と言われていた時代は俺が居た時代から2000年以上前の話だからな」
「それでそのギルガメッシュは一体何をしたのじゃ?」
「神殺しさ」
千夜の口から呟かれた言葉にエリーゼたちは絶句する。
「これまた大それた事をしもんじゃのぉ」
「神殺しってよく教会が黙っていなかったわね」
「あの時代に神を信仰する教会があったかは知らないが、ギルガメッシュ自信も偉大な神々が姿を造ったと言われるほど神々しいしく偉大な存在だったみたいだからな。それにギルガメッシュ自身はよく神に祈りを捧げていたとも諸説が残っているから強ち神を嫌っていたわけではないと思う。ま、祈る神の種類も沢山いたからな。それに神と言えど人間にとって都合が悪ければ悪神や邪神と変わりはない。その証拠にギルガメッシュが倒した森の神様は森の番人と言われていた神様だからな。どうして森の神フンババを殺さなければならなかったのかは分からないが」
「なるほどね。でもどうして暗霧の十月のリーダーはギルガメッシュって名乗っているのかしら?旦那様みたいに前世の世界から転生した人や勇者たちみたいな人が居る事は知らなかったわけないし」
「理由としては本当に知らなかったのか、または自分が生きる世界は闇の世界だから気にしなかったのかもな。勇者が倒すのは魔王であってこの国の闇に潜む存在たちではないからな」
「元領主としては頭に響く言葉ね」
実際勇者とはこの世で最も悪の存在に立ち向かう存在とされている。つまり魔王を倒す以外の事には目も向けないのだ。だからこそ平然と裏社会で犯罪を犯す犯罪者たちにとって気にする存在ではないのだ。
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