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第七章 忙しいが、呆気なく都市ルーセントに向かう事になりました。
第六十三幕 拷問とどっちが悪役?
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「さて、これでお前たちの金は戻ってきたわけだが、気が治まるわけもなよな?」
「当たり前だ!」
「殴られねぇと気が治まらねぇよ!」
全員一致で声を荒げる。
「現況であるこの男は好きにしな。だが、こっちの男は悪いが少し用事がある」
そう言って千夜サドという名の冒険者を指差した。
「別に構わないか?」
「旦那には感謝してるから構わねぇよ」
「そうか。ならお前は俺について来い」
「おい、どうして俺が――」
「なら、ここで殴られるか?」
「………分かったよ」
渋々従うサドは千夜の後に続いて外に出る。
「エリーゼたちはこいつらがやり過ぎないように見張っておいてくれ」
「分かったわ」
こうして船内から出た二人。
「おい、どこに向かってるんだよ」
「ついてくれば分かる」
そっけない返答にサドの警戒心が上昇するが、あの騒ぎを解決し、一気にリーダー的存在へと成り上がり、尚且つ先ほどの一睨みが千夜という男が危険だと判断したサドは従うしかなかった。
一度甲板に出て反対側の船内に入って数分、一つの扉のお前に辿り着いた。
軽くノックする千夜。
「誰かしら?」
「俺だ」
「入って頂戴」
扉を開け中に入るとそこには、今回の依頼主であり、グレムリン紹介副店長も務めるベノワがいた。その事にサドは驚きを隠せなかった。
しかし名前も名乗らず簡素な返答をした千夜という人物は既にベノワの信頼を得ていると判断したサドの警戒心はますます高くなる。
「それで、今回はどうしたのから?」
「つれて来たぞ」
「それじゃあ」
「ああ、この男が海賊の仲間だ」
「っ!」
千夜から吐かれた言葉と同時にサドは隠し持っていたナイフでベノワを殺そうとしたが、すぐ傍にいた千夜がそんな事をさせるはずもなく、一瞬で床の上に押さえ込まれるのだった。
「クソッ!なんでバレた!」
サドは理解出来ないと言わんばかりに声を上げ千夜を睨む。
「それは言えないな。ただ俺にはその力があるとだけ言っておこう」
「チッそうかよ!」
「さて、これからどうする?」
千夜は視線をベノワに向けて問いかける。
「そうね。まずはこの男が本当に海賊なのか知る必要があるわね」
「信用されていないな」
「あら、私のモットーは確実によ」
「そうか」
そう言いながら千夜は関節キメている反対の手で懐から水晶玉を取り出す。
それをサドの左手に持たせると犯罪履歴が表示された。
─────────────────────
犯罪歴
殺人 強盗 強姦 誘拐 海賊行為
─────────────────────
「どうやら本当のようね」
「これまた綺麗なロイヤルストレートフラッシュだな」
「ろいやるすと……なにかしらその言葉?」
「今のはただの綾だ。気にしないでくれ」
「そう。なら悪いけど知っている情報を吐かせて貰えるかしら?」
「俺に拷問しろと?」
ベノワに視線を向けると今にもこの男を殺しそうなほど憤りが滲みでていた。
「……はぁ、分かった」
嘆息し了承した千夜だが、千夜に拷問のスキルなどない。あるとしても調教のスキルだけだ。
(心眼スキルを使っても構わないが、それじゃベノワが納得しないだろう)
「この部屋が汚れるが構わないか?」
「ええ、良いわよ」
了承を得た千夜は懐からナイフを取り出す。
「正直に答えた方が身のためだ」
「へっ、誰が答えるかよ」
「そうか」
「ぎゃあああああああぁぁぁ!!!」
簡素に答えた千夜はサドの小指を切り落とす。
「まだ9本もある。好きなだけ我慢するといい」
「分かった!何を答えればいい!」
サドの言葉に千夜はベノワに視線を向けた。
「そうね。まずはあなたたちの規模を教えて貰いましょうか?」
「俺たち海賊の規模はだいたい700人だ」
(700人、随分と多いな)
海賊と言えば大抵20人~40人だ。それが700人。大船団を作れる人数だ。
「全員が戦闘員じゃないんでしょう」
「なるほどな。だが、それだけの人数となるとあの都市に全員が居るとは考えにくいな」
「そうね。あなた達の本拠地はどこ?」
「それは……」
「セン」
「ぎゃああああああああああぁぁぁ!!!」
ベノワの一言と同時にサドの薬指が床に転げ落ちる。
「エフィレ島だ!」
「エフィレ島?」
「隣の領地の海域にある無人島よ。まさかあなた達海賊の後ろに居るのは隣の領主なの?」
「確かにその可能性は否定できないが違うだろうな」
「どうしてそう言い切れるのかしら?」
「それに関しては後で話す」
「………分かったわ」
千夜に視線を向けるがこれ以上口を開かないと判断したベノワは視線をサドに向けなおした。
「それじゃあ、次にこの船に乗り込んでいる貴方のお仲間は何人居るのかしら?」
「知らない……」
「セン」
「ぎゃあああああああぁぁぁ!」
今度は中指が床に転がる。
「本当に知らねぇんだ!俺が知っているのは毎回必ず一隻には一人は居るって事だけだ!」
「つまり最低でもあと4人は居るって事だな。だが、仲間同士ですら分からないようにしてるとは随分と秘密主義のようだな」
「頭の命令だよ」
「海賊の頭か?」
「そうだよ!」
(たぶん、それもフランケンシュタインの指示だろう。徹底した秘密主義の事を考えるなら間違いない)
「それで、他に知っていることはあるのかしら?」
「あ、あと俺が知っているのは港に到着する二日前に襲うってことぐらいだ」
「本当だろうな?」
「本当だ!」
(嘘は言っていないようだな)
心眼スキルを使用して確かめた千夜はナイフを懐にしまう。
その光景にサドは安堵する。
「もうこいつに聞くことはないよな?」
「ええ。そうね!」
そう言うとベノワはサドの顔面を蹴り飛ばす。
「これは貴方たちに殺された私の息子の分よ」
意外な過去を知った千夜だったが表情を変える事無くベノワを見上げるのだった。
「こいつはもう必要ないな?」
「ええ、後は好きにして良いわ」
「そうか。なら」
「た、頼む!たすk――」
命乞い中に千夜はサドの首をへし折り殺すのだった。
「死体処理はどうすれば良い?」
「夜にでも海に捨てておけば良いわ」
「分かった」
どっちが悪役なのか分からない会話が平然と行われてたが、二人は気にする様子もなく、ベノワはオフィスチェアに座り、千夜は死体をアイテムボックスにしまうのだった。
「当たり前だ!」
「殴られねぇと気が治まらねぇよ!」
全員一致で声を荒げる。
「現況であるこの男は好きにしな。だが、こっちの男は悪いが少し用事がある」
そう言って千夜サドという名の冒険者を指差した。
「別に構わないか?」
「旦那には感謝してるから構わねぇよ」
「そうか。ならお前は俺について来い」
「おい、どうして俺が――」
「なら、ここで殴られるか?」
「………分かったよ」
渋々従うサドは千夜の後に続いて外に出る。
「エリーゼたちはこいつらがやり過ぎないように見張っておいてくれ」
「分かったわ」
こうして船内から出た二人。
「おい、どこに向かってるんだよ」
「ついてくれば分かる」
そっけない返答にサドの警戒心が上昇するが、あの騒ぎを解決し、一気にリーダー的存在へと成り上がり、尚且つ先ほどの一睨みが千夜という男が危険だと判断したサドは従うしかなかった。
一度甲板に出て反対側の船内に入って数分、一つの扉のお前に辿り着いた。
軽くノックする千夜。
「誰かしら?」
「俺だ」
「入って頂戴」
扉を開け中に入るとそこには、今回の依頼主であり、グレムリン紹介副店長も務めるベノワがいた。その事にサドは驚きを隠せなかった。
しかし名前も名乗らず簡素な返答をした千夜という人物は既にベノワの信頼を得ていると判断したサドの警戒心はますます高くなる。
「それで、今回はどうしたのから?」
「つれて来たぞ」
「それじゃあ」
「ああ、この男が海賊の仲間だ」
「っ!」
千夜から吐かれた言葉と同時にサドは隠し持っていたナイフでベノワを殺そうとしたが、すぐ傍にいた千夜がそんな事をさせるはずもなく、一瞬で床の上に押さえ込まれるのだった。
「クソッ!なんでバレた!」
サドは理解出来ないと言わんばかりに声を上げ千夜を睨む。
「それは言えないな。ただ俺にはその力があるとだけ言っておこう」
「チッそうかよ!」
「さて、これからどうする?」
千夜は視線をベノワに向けて問いかける。
「そうね。まずはこの男が本当に海賊なのか知る必要があるわね」
「信用されていないな」
「あら、私のモットーは確実によ」
「そうか」
そう言いながら千夜は関節キメている反対の手で懐から水晶玉を取り出す。
それをサドの左手に持たせると犯罪履歴が表示された。
─────────────────────
犯罪歴
殺人 強盗 強姦 誘拐 海賊行為
─────────────────────
「どうやら本当のようね」
「これまた綺麗なロイヤルストレートフラッシュだな」
「ろいやるすと……なにかしらその言葉?」
「今のはただの綾だ。気にしないでくれ」
「そう。なら悪いけど知っている情報を吐かせて貰えるかしら?」
「俺に拷問しろと?」
ベノワに視線を向けると今にもこの男を殺しそうなほど憤りが滲みでていた。
「……はぁ、分かった」
嘆息し了承した千夜だが、千夜に拷問のスキルなどない。あるとしても調教のスキルだけだ。
(心眼スキルを使っても構わないが、それじゃベノワが納得しないだろう)
「この部屋が汚れるが構わないか?」
「ええ、良いわよ」
了承を得た千夜は懐からナイフを取り出す。
「正直に答えた方が身のためだ」
「へっ、誰が答えるかよ」
「そうか」
「ぎゃあああああああぁぁぁ!!!」
簡素に答えた千夜はサドの小指を切り落とす。
「まだ9本もある。好きなだけ我慢するといい」
「分かった!何を答えればいい!」
サドの言葉に千夜はベノワに視線を向けた。
「そうね。まずはあなたたちの規模を教えて貰いましょうか?」
「俺たち海賊の規模はだいたい700人だ」
(700人、随分と多いな)
海賊と言えば大抵20人~40人だ。それが700人。大船団を作れる人数だ。
「全員が戦闘員じゃないんでしょう」
「なるほどな。だが、それだけの人数となるとあの都市に全員が居るとは考えにくいな」
「そうね。あなた達の本拠地はどこ?」
「それは……」
「セン」
「ぎゃああああああああああぁぁぁ!!!」
ベノワの一言と同時にサドの薬指が床に転げ落ちる。
「エフィレ島だ!」
「エフィレ島?」
「隣の領地の海域にある無人島よ。まさかあなた達海賊の後ろに居るのは隣の領主なの?」
「確かにその可能性は否定できないが違うだろうな」
「どうしてそう言い切れるのかしら?」
「それに関しては後で話す」
「………分かったわ」
千夜に視線を向けるがこれ以上口を開かないと判断したベノワは視線をサドに向けなおした。
「それじゃあ、次にこの船に乗り込んでいる貴方のお仲間は何人居るのかしら?」
「知らない……」
「セン」
「ぎゃあああああああぁぁぁ!」
今度は中指が床に転がる。
「本当に知らねぇんだ!俺が知っているのは毎回必ず一隻には一人は居るって事だけだ!」
「つまり最低でもあと4人は居るって事だな。だが、仲間同士ですら分からないようにしてるとは随分と秘密主義のようだな」
「頭の命令だよ」
「海賊の頭か?」
「そうだよ!」
(たぶん、それもフランケンシュタインの指示だろう。徹底した秘密主義の事を考えるなら間違いない)
「それで、他に知っていることはあるのかしら?」
「あ、あと俺が知っているのは港に到着する二日前に襲うってことぐらいだ」
「本当だろうな?」
「本当だ!」
(嘘は言っていないようだな)
心眼スキルを使用して確かめた千夜はナイフを懐にしまう。
その光景にサドは安堵する。
「もうこいつに聞くことはないよな?」
「ええ。そうね!」
そう言うとベノワはサドの顔面を蹴り飛ばす。
「これは貴方たちに殺された私の息子の分よ」
意外な過去を知った千夜だったが表情を変える事無くベノワを見上げるのだった。
「こいつはもう必要ないな?」
「ええ、後は好きにして良いわ」
「そうか。なら」
「た、頼む!たすk――」
命乞い中に千夜はサドの首をへし折り殺すのだった。
「死体処理はどうすれば良い?」
「夜にでも海に捨てておけば良いわ」
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