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第七章 忙しいが、呆気なく都市ルーセントに向かう事になりました。
第六十五幕 掃除と海底遺跡探索前夜
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あれから数日が過ぎ、目的地の海底遺跡に到着した。
探索が行いやすいように、遺跡の真上には人工島が建造されていた。
その風景に千夜は内心驚いていた。重機も無いこの世界で人工の島を造るのは簡単な事ではない。いったいどのように作ったのか好奇心を擽られた。
「あの島を作るのに5年時間を費やしました」
そんな千夜の考えを察したのかべノワが答えながら甲板に出てきた。
「いったいどうやって作ったんだ?」
「土魔法で大量のブロックを作りだし、それを海底遺跡の周囲に積み上げ、海水を抜いてその上に簡単な村を作っただけですわ」
「なるほどそう言うことか」
納得した千夜だが、どれだけの人員と費用が掛かったのか想像もつかなかった。
「あの遺跡は我が商会偶然見つけ出し、我が商会の費用でけで作りあげたものですので他の商会は手出しすることができません」
「だとしても、それは大丈夫なのか?一つの商会が海底遺跡を独占れば間違いなく、反感を買う。費用を全て自分の所で出したのなれば他の商会は何も言ってこないかもしれないが、国が許すとは思えない」
「確かに何度も国とは話し合いをしました。でも結果、年に一度探索班を国が出すのと、遺跡の税金を払うことで解決しました」
(いったいどれだけの税金を払っているのやら)
そんな事を思いながら千夜はまもなく到着する人工島に視線を向けるのであった。
十分ほどして上陸した千夜は辺りを見渡す。幾つかの家があるものの、そこに人の温もりは感じられない。
(船の上からの時に確認したが人が住んでる気配はない。建物が傷んでいたないことか考えても探索を行う際の宿代わりなんだろう)
そう推測した千夜はエリーゼたちと一緒に決められた建物に向かう。
ドアを開けると、二段ベッドが三つと机が一つ備えられただけの部屋だった。
「本当に必要最低限のモノしか無いようじゃな」
「一生ここで暮らすわけでもないですから、当たり前ですよね」
そんな事をクロエとミレーネがそんな事を口にする。
「でもま、最初は掃除だな」
「そうね。こんな埃塗れの部屋で寝たら病気になるわ」
今にもくしゃみがでそうなほど埃が充満する部屋にエリーゼたちは眉を顰める。
その後は手分けして掃除を行うのだった。
マリンに鍛えられたエルザの指示に従いながら、窓を開け、埃を落とし、床を掃き、ベッドや机を拭く。
「ま、こんなモノですね」
完全に納得したわけではないエルザだが、数日生活するには問題ないと判断した。
掃除を終えて外に出てみると、空の一部が茜色に染まっていた。
「そろそろ、夕食の時間だな。少し休憩したら、広場に行くぞ」
「ええ、分かったわ」
「私はその間に、掃除用具の片付けをしておきます」
「なら、私とクロエでベッドシーツを敷いておきますね」
「あ、僕も手伝います」
「なら、俺とエリーゼで少し見回ってくる」
結局休むことなく各々が個人の判断で役割分担を果たすのだった。
空が完全に茜色に染まるごろ千夜たちは広場に向かった。
広場と言っても、小屋と小屋の間に偶然出来た空き地と言った方が正しいだろう。
歩いて数分の距離だが、すでに大半の冒険者と依頼主であるベノワとその秘書が集まっていた。
「よ、ご両人遅かったな」
「噂になるような事はしてないと思うが?それと俺たちは二人じゃないぞ」
「はは、そんな真面目に返答するなよ。言葉の綾だよ」
「そうか」
バレルは楽しそうにエールの入っていたジョッキを豪快に傾ける。
「お前さんたちも飲むだろ?」
「ああ、貰おう」
ジョッキを受け取った千夜はバレルと乾杯してエールを流し込む。
「美味い」
「だよな。でも本当ならもっと強い酒で乾杯したいところだ」
「ま、それは港に戻ってからだな」
「そうだな。そん時は奢ってくれよ」
「考えておくよ」
「はは、そうか」
知り合ってまだ一週間だが、やはり男同士だ直ぐに仲良くなり、酒を飲み交わす。
他の冒険者たちが酔いつぶれる前にベノワが口を開いた。
「それでは、明日から六日間海底遺跡探索を始めます。冒険者の皆様には二組交代制で海底遺跡に入って貰います。組み合わせは私とバレルさんの二人で話し合って決めました。意見などがある場合は全て話した後でお願いします」
誰も返事をしようとしないが、意見や批判を口するものがいない。それを肯定と受け取ったベノワは明日からの班分けを発表していく。
「では二日目、センさん、リーゼさん、ミーナさん、クーエさん、ルーザさん、ウィル君でお願いします。バレルさんの方は一人たりませんが、構いませんね?」
「ああ、問題ない。それに酔いつぶれて船に落ちるような奴に背中は預けられなかっただろうしな」
そんなバレルの皮肉に笑いが起こる。冒険者として紛れ込んでいた海賊は酔いつぶれて船から落ちたということになっている。運が良い事に仲がよかった人物はおらず、最近知り合った人物は先日のイカサマ事件の一人だったが、そいつも船に乗る直前に知り合い親しくなったに過ぎなかったようだ。そのため誰も心配する奴はいなかった。
「それでは、明日からお願いします。明日休みのセンさんたちは自由に過ごして貰って構いませんが、船には近づかないようにお願いします」
「分かった」
こうして話し合いが終了した。
探索が行いやすいように、遺跡の真上には人工島が建造されていた。
その風景に千夜は内心驚いていた。重機も無いこの世界で人工の島を造るのは簡単な事ではない。いったいどのように作ったのか好奇心を擽られた。
「あの島を作るのに5年時間を費やしました」
そんな千夜の考えを察したのかべノワが答えながら甲板に出てきた。
「いったいどうやって作ったんだ?」
「土魔法で大量のブロックを作りだし、それを海底遺跡の周囲に積み上げ、海水を抜いてその上に簡単な村を作っただけですわ」
「なるほどそう言うことか」
納得した千夜だが、どれだけの人員と費用が掛かったのか想像もつかなかった。
「あの遺跡は我が商会偶然見つけ出し、我が商会の費用でけで作りあげたものですので他の商会は手出しすることができません」
「だとしても、それは大丈夫なのか?一つの商会が海底遺跡を独占れば間違いなく、反感を買う。費用を全て自分の所で出したのなれば他の商会は何も言ってこないかもしれないが、国が許すとは思えない」
「確かに何度も国とは話し合いをしました。でも結果、年に一度探索班を国が出すのと、遺跡の税金を払うことで解決しました」
(いったいどれだけの税金を払っているのやら)
そんな事を思いながら千夜はまもなく到着する人工島に視線を向けるのであった。
十分ほどして上陸した千夜は辺りを見渡す。幾つかの家があるものの、そこに人の温もりは感じられない。
(船の上からの時に確認したが人が住んでる気配はない。建物が傷んでいたないことか考えても探索を行う際の宿代わりなんだろう)
そう推測した千夜はエリーゼたちと一緒に決められた建物に向かう。
ドアを開けると、二段ベッドが三つと机が一つ備えられただけの部屋だった。
「本当に必要最低限のモノしか無いようじゃな」
「一生ここで暮らすわけでもないですから、当たり前ですよね」
そんな事をクロエとミレーネがそんな事を口にする。
「でもま、最初は掃除だな」
「そうね。こんな埃塗れの部屋で寝たら病気になるわ」
今にもくしゃみがでそうなほど埃が充満する部屋にエリーゼたちは眉を顰める。
その後は手分けして掃除を行うのだった。
マリンに鍛えられたエルザの指示に従いながら、窓を開け、埃を落とし、床を掃き、ベッドや机を拭く。
「ま、こんなモノですね」
完全に納得したわけではないエルザだが、数日生活するには問題ないと判断した。
掃除を終えて外に出てみると、空の一部が茜色に染まっていた。
「そろそろ、夕食の時間だな。少し休憩したら、広場に行くぞ」
「ええ、分かったわ」
「私はその間に、掃除用具の片付けをしておきます」
「なら、私とクロエでベッドシーツを敷いておきますね」
「あ、僕も手伝います」
「なら、俺とエリーゼで少し見回ってくる」
結局休むことなく各々が個人の判断で役割分担を果たすのだった。
空が完全に茜色に染まるごろ千夜たちは広場に向かった。
広場と言っても、小屋と小屋の間に偶然出来た空き地と言った方が正しいだろう。
歩いて数分の距離だが、すでに大半の冒険者と依頼主であるベノワとその秘書が集まっていた。
「よ、ご両人遅かったな」
「噂になるような事はしてないと思うが?それと俺たちは二人じゃないぞ」
「はは、そんな真面目に返答するなよ。言葉の綾だよ」
「そうか」
バレルは楽しそうにエールの入っていたジョッキを豪快に傾ける。
「お前さんたちも飲むだろ?」
「ああ、貰おう」
ジョッキを受け取った千夜はバレルと乾杯してエールを流し込む。
「美味い」
「だよな。でも本当ならもっと強い酒で乾杯したいところだ」
「ま、それは港に戻ってからだな」
「そうだな。そん時は奢ってくれよ」
「考えておくよ」
「はは、そうか」
知り合ってまだ一週間だが、やはり男同士だ直ぐに仲良くなり、酒を飲み交わす。
他の冒険者たちが酔いつぶれる前にベノワが口を開いた。
「それでは、明日から六日間海底遺跡探索を始めます。冒険者の皆様には二組交代制で海底遺跡に入って貰います。組み合わせは私とバレルさんの二人で話し合って決めました。意見などがある場合は全て話した後でお願いします」
誰も返事をしようとしないが、意見や批判を口するものがいない。それを肯定と受け取ったベノワは明日からの班分けを発表していく。
「では二日目、センさん、リーゼさん、ミーナさん、クーエさん、ルーザさん、ウィル君でお願いします。バレルさんの方は一人たりませんが、構いませんね?」
「ああ、問題ない。それに酔いつぶれて船に落ちるような奴に背中は預けられなかっただろうしな」
そんなバレルの皮肉に笑いが起こる。冒険者として紛れ込んでいた海賊は酔いつぶれて船から落ちたということになっている。運が良い事に仲がよかった人物はおらず、最近知り合った人物は先日のイカサマ事件の一人だったが、そいつも船に乗る直前に知り合い親しくなったに過ぎなかったようだ。そのため誰も心配する奴はいなかった。
「それでは、明日からお願いします。明日休みのセンさんたちは自由に過ごして貰って構いませんが、船には近づかないようにお願いします」
「分かった」
こうして話し合いが終了した。
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