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第七章 忙しいが、呆気なく都市ルーセントに向かう事になりました。
第六十六幕 手ぶらなバレルと海底遺跡内突入
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次の日になり千夜たちは海底遺跡の上に造られた人工島の上で自由に過ごす。と言ってもお店があるわけじゃない。あるとすれば小さな鍛冶屋ぐらいで武器などの修理ができるぐらいだ。
娯楽関係の物が少ないこの世界では持って移動する人は少ない。それに千夜たちはそこまで娯楽で遊んだりする方ではない。雑談したり、買い物に出かけたり、訓練をしたりするぐらいだ。
つまりこの人工島で出来る事となると限られてくる。結果的に千夜たちはいつも通り訓練をしていた。
家の訓練所ではなく人工島のため壊れる可能性もあるため本当に軽く汗を流す程度に力を抑えて模擬戦をして一日を終えた。
夕方になりバレルたちが戻ってきた。しかし荷物持ちとして同行した奴隷たちの手には何も無いことに気がついた千夜はバレルに話しかける。
「なにも見つからなかったのか?」
「そうだ。この海底遺跡の大きさを把握したわけじゃないからなんとも言えないが、間違いなく上層は取り尽くしただろう」
「なら、もっと深く下りて探索するしかないな」
そんな千夜の言葉に困った表情をになる。その事に気がついた千夜は話しかけた。
「どうしたんだ?」
「それがな無いんだ」
「なにがだ?」
「下に下りる入り口が見当たらないんだ」
「なに」
その言葉に目を見開ける。
「瓦礫に埋もれているとか浸水していて行けない場所とかないのか?」
「ない。この遺跡を見つけた時か破損しているところや浸水している所はなかった」
「そうか」
(それで無いとなると、魔法やスキルによる幻惑による隠蔽もしくは隠し通路があると考えるべきだな。だが、そういう時こそ最悪な事態になる事が多いからな)
千夜の脳裏にこれまで読んできた漫画やラノベでの展開。この世界に来て経験した出来事から難なくと推測できた。
(隠す理由としては大切な物がある場合と危険が潜んでいて封鎖している場合だ)
パンドラの箱を探している気分になる千夜だが、依頼を受けた以上は探さねばならない。
(依頼主であるベノワが決定権を有しているからなここでやめると言えばそれで済む話だが、それこそパンドラの箱を見つけるより低い可能性だな)
「はぁ……」
「いきなり溜め息なんかしてどうしたんだ?」
「いや、この先の展開がすぐに読めてしまったからな」
「ま、商売人はがめつい生き物だからな仕方が無い」
バレルもなんとなく察していたらしく千夜の溜め息に同情した。
その後、昨日と同じ場所で食事をしながら今日の探索報告を行った。
「あらかた調べたが宝石や武器関係の物がありそうな場所はもう無かった」
「だけど他下りれるような道も入り口も無かったんだろ。どうするんだ?」
「勿論探すに決まっています」
そんなベノワの言葉に落胆の声が漏れる。今回の冒険者の依頼は主に護衛だ。だけど依頼書には探索の手伝いの可能性もあると書かれていたためしなければならない。それにもしもこのまま行けば間違いなく赤字だ。そうなれば依頼金が支払われるの遅くなる可能性も出てくる。勿論そんな事になればグレムリン商会の名は落ちてしまう。しかしそれだけ切迫した状態であることを千夜はしっていた。
「ですので申し訳ありませんが、日程を変えて明日は人数を増やします。今日探索に参加された方は勿論ここで休息して貰います」
こうして千夜たちは大人数での隠し通路探索を行うことになった。
次の日千夜たちは海底遺跡に入る準備をして、ベノワたちと一緒に海底遺跡の中へと向かった。
海底遺跡に到着するまでは延々と螺旋階段を下りる。その事に初めてこの場所に来た冒険者たちは愚痴を漏らしたい気分に駆られるが、依頼主が居るためそれもできない。
二十分かけてようやく下りた千夜たちの前には大きな遺跡が佇んでいるかと思いきや小さな入り口があるだけだ。しかし千夜にはそれが前世で見たビルの屋上への入り口に酷似していることに内心驚きを隠せない。
(まったくこの世界はどうなってるんだ。太古の遺跡だとは聞いていたがこれはどうみてもコンクリートで出来た入り口だぞ)
この世界にコンクリートの概念は存在しない。出なければ未だに木やレンガを用いた建造物が立ち並ぶ筈がないのだ。
「それじゃ、行きますよ」
ベノワの言葉に千夜たちは真っ暗な遺跡の中へと足を踏み入れる。
魔法で照らされた遺跡の中は千夜が想像したモノとは似ているが違った。
(見た目は前世のビルみたいな内装だが、違うな。ライトがあるわけじゃなくて大きな大理石みたいなものが填められているだけだ。それに殆どがコンクリートで出来ていて正直殺風景だ)
そんな風に思った千夜だが、それは間違いではなかった。ガラスが填め込まれた窓なんかは一切なく、それどころか窓その物が存在して折らず、回線が垂れ下がっているわけでもない。一部の天井や壁が腐敗などで少し崩れている程度だ。
(でも一応ドアは鉄なんだな)
ドアに視線を向けながら通り過ぎて行くとその先には大きなホールのような場所に出た。
「それでは班行動で下に行ける場所を探してください」
ベノワの指示によって千夜たちは探索を開始した。
娯楽関係の物が少ないこの世界では持って移動する人は少ない。それに千夜たちはそこまで娯楽で遊んだりする方ではない。雑談したり、買い物に出かけたり、訓練をしたりするぐらいだ。
つまりこの人工島で出来る事となると限られてくる。結果的に千夜たちはいつも通り訓練をしていた。
家の訓練所ではなく人工島のため壊れる可能性もあるため本当に軽く汗を流す程度に力を抑えて模擬戦をして一日を終えた。
夕方になりバレルたちが戻ってきた。しかし荷物持ちとして同行した奴隷たちの手には何も無いことに気がついた千夜はバレルに話しかける。
「なにも見つからなかったのか?」
「そうだ。この海底遺跡の大きさを把握したわけじゃないからなんとも言えないが、間違いなく上層は取り尽くしただろう」
「なら、もっと深く下りて探索するしかないな」
そんな千夜の言葉に困った表情をになる。その事に気がついた千夜は話しかけた。
「どうしたんだ?」
「それがな無いんだ」
「なにがだ?」
「下に下りる入り口が見当たらないんだ」
「なに」
その言葉に目を見開ける。
「瓦礫に埋もれているとか浸水していて行けない場所とかないのか?」
「ない。この遺跡を見つけた時か破損しているところや浸水している所はなかった」
「そうか」
(それで無いとなると、魔法やスキルによる幻惑による隠蔽もしくは隠し通路があると考えるべきだな。だが、そういう時こそ最悪な事態になる事が多いからな)
千夜の脳裏にこれまで読んできた漫画やラノベでの展開。この世界に来て経験した出来事から難なくと推測できた。
(隠す理由としては大切な物がある場合と危険が潜んでいて封鎖している場合だ)
パンドラの箱を探している気分になる千夜だが、依頼を受けた以上は探さねばならない。
(依頼主であるベノワが決定権を有しているからなここでやめると言えばそれで済む話だが、それこそパンドラの箱を見つけるより低い可能性だな)
「はぁ……」
「いきなり溜め息なんかしてどうしたんだ?」
「いや、この先の展開がすぐに読めてしまったからな」
「ま、商売人はがめつい生き物だからな仕方が無い」
バレルもなんとなく察していたらしく千夜の溜め息に同情した。
その後、昨日と同じ場所で食事をしながら今日の探索報告を行った。
「あらかた調べたが宝石や武器関係の物がありそうな場所はもう無かった」
「だけど他下りれるような道も入り口も無かったんだろ。どうするんだ?」
「勿論探すに決まっています」
そんなベノワの言葉に落胆の声が漏れる。今回の冒険者の依頼は主に護衛だ。だけど依頼書には探索の手伝いの可能性もあると書かれていたためしなければならない。それにもしもこのまま行けば間違いなく赤字だ。そうなれば依頼金が支払われるの遅くなる可能性も出てくる。勿論そんな事になればグレムリン商会の名は落ちてしまう。しかしそれだけ切迫した状態であることを千夜はしっていた。
「ですので申し訳ありませんが、日程を変えて明日は人数を増やします。今日探索に参加された方は勿論ここで休息して貰います」
こうして千夜たちは大人数での隠し通路探索を行うことになった。
次の日千夜たちは海底遺跡に入る準備をして、ベノワたちと一緒に海底遺跡の中へと向かった。
海底遺跡に到着するまでは延々と螺旋階段を下りる。その事に初めてこの場所に来た冒険者たちは愚痴を漏らしたい気分に駆られるが、依頼主が居るためそれもできない。
二十分かけてようやく下りた千夜たちの前には大きな遺跡が佇んでいるかと思いきや小さな入り口があるだけだ。しかし千夜にはそれが前世で見たビルの屋上への入り口に酷似していることに内心驚きを隠せない。
(まったくこの世界はどうなってるんだ。太古の遺跡だとは聞いていたがこれはどうみてもコンクリートで出来た入り口だぞ)
この世界にコンクリートの概念は存在しない。出なければ未だに木やレンガを用いた建造物が立ち並ぶ筈がないのだ。
「それじゃ、行きますよ」
ベノワの言葉に千夜たちは真っ暗な遺跡の中へと足を踏み入れる。
魔法で照らされた遺跡の中は千夜が想像したモノとは似ているが違った。
(見た目は前世のビルみたいな内装だが、違うな。ライトがあるわけじゃなくて大きな大理石みたいなものが填められているだけだ。それに殆どがコンクリートで出来ていて正直殺風景だ)
そんな風に思った千夜だが、それは間違いではなかった。ガラスが填め込まれた窓なんかは一切なく、それどころか窓その物が存在して折らず、回線が垂れ下がっているわけでもない。一部の天井や壁が腐敗などで少し崩れている程度だ。
(でも一応ドアは鉄なんだな)
ドアに視線を向けながら通り過ぎて行くとその先には大きなホールのような場所に出た。
「それでは班行動で下に行ける場所を探してください」
ベノワの指示によって千夜たちは探索を開始した。
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