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第七章 忙しいが、呆気なく都市ルーセントに向かう事になりました。
第六十七幕 二階層へと続く隠し扉
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「最初は何処を探そうかしら」
「そうだな先ずは適当に見て回るか」
「そうね」
千夜たちは怪しそうな場所を探すべく適当に歩き回る。
右に左にと曲がりながら進むこと数分。
「それにしてもまるで迷路ね」
「こんな造りの建物は初めてです」
「でもなんじゃか温もりが感じられぬ場所じゃな」
「まるで牢屋に入っている気分です」
(牢屋……そう言えばこの建物に窓は無かった。まるで最初から海の底に沈むと分かっていたような。もしかして非難シェルターなのか。だとしても窓の一つや二つはあるはず。となるともともとこの建物は海底ではなくて地下に造られた建物……駄目だ。材料がなにも無さ過ぎる。だけどこういう建物の場合は間違いなく避難通路があるはずだ。見たところエレベーターがあるわけでもない。となると)
「この建物の端に向かうぞ。どれだけ広いのか把握しないと探すことも出来ないから」
「それもそうね」
こうして千夜たちは移動を開始した。と言ってもまっすぐ進むだけだったので道に迷う事はない。
「ここで端のようだな」
壁に触れながら千夜は呟く。
「それでどの部屋から調べましょうか?」
「いや、部屋じゃなくて通路の壁や床を調べる」
「どうしてですか?」
「この遺跡が本当に下にもあるのなら移動しやすくする筈だ。なら一々部屋の中に入り口は作ったりしないだろうからな」
「確かにそうですね」
「まずはこの壁にそってこの通路を調べる。何か違和感を感じたら教えてくれ」
「分かったわ」
こうして千夜たちは隠し通路を探す。
(こういう時オートマッピングだと駄目だな。役に立たない。探索スキルで調べても居るがそれらしい場所もない。となると探索より強いスキルによる隠蔽が行われている可能性があるな。いったいなんのためにそこまでする)
そんな事を思いながら千夜は壁を触りながら調べていく。
調べること約2時間が経過した。しかしそれと言った場所は何も見つからない。
「ここは外れなのかしら」
「その可能性はあるな」
(だけど、非難通路となると最低二箇所はあるものだこの通路になくても次の通路には間違いなくあるはずだ)
「ん?なんだ?」
「どうしたの旦那様?」
「いや、ちょっと違和感を覚えてな」
「違和感ですか?」
「すまないがミーネここらへん全体を照らしてくれ」
「分かりました」
千夜の指示でミレーネは壁を照らす。
「やはりおかしい。壁の色が少し違う」
「違うかしら?私には区別がつかないけど。皆は分かる?」
エリーゼの言葉に全員が首を横に振る。
「ま、俺の勘違いかもしれないが、念のために調べてみるか」
そう呟いた千夜は壁に向かって超解析スキルを使用した。
─────────────────────
二階層への隠し通路
製作者のスキルによって通路が隠蔽されています。
使用スキル
超隠蔽、物理強化
─────────────────────
「見つけた」
「本当に!」
「ああ」
(だけど、二階層ってまるでダンジョンだな)
内心そんな事を思いながら千夜は口を開いた。
「ベノワに伝えてきてくれ」
「では、行ってきます」
「まって僕も行きます」
エルザとウィルは一緒にベノワの許へ向かった。
数分してエルザがベノワたちと一緒に戻ってきた。
「見つけたようですね」
「ああ、ここの壁の向こうだ」
「なるほど、隠し通路というわけですね」
「と、いうよりかはただ単に隠していたって感じるけどな」
「と言いますと?」
「隠し通路にしては開閉するためのスイッチやレバーが見当たらない。ただ下へ下りる通路を塞いだだけだ。でも魔法によって気づかないようにされている。そうとう下に下りて欲しくないらしい」
「それはつまり下に凄い物があるということですね」
「もしくは危険が待っている可能性もある」
「センさんはこの壁を壊すのは反対なのかしら?」
「いや、可能性を言っただけだ」
「そうですか。では壊しましょう」
ベノワの指示で奴隷たちが壁を破壊しようとする。が、壊れる気配がまったくなかった。
(だろうなスキルによる物理強化だ。奴隷程度で壊せるものじゃない)
そんな事を内心思っていると、
「センさんこの壁を壊せますか?」
「たぶんな」
「ではお願いします」
内心嘆息しながら千夜は鬼椿を抜刀して壁を斬った。
斬られると同時に上半分が通路側へと倒れる。
『おおおおおおおぉぉぉぉ!!』
その光景に冒険者たちが驚きと歓喜を含んだ声を漏らす。
「それじゃ、向かいましょう。念のために全員警戒を忘れないように」
その言葉に冒険者たちの武器を握る手が強くなる。
「なら、俺が先頭を歩く」
「お願いします」
未知な場所のため実力のある先頭を千夜が歩く。
こうして千夜たちは二階層へと進んで行く。しかし千夜の中にはある確信があった。
(間違いなくこの先に魔物がいる)
気配は察知していない千夜だが超解析スキルで表示された二階層という文字に千夜は警戒心を高めるのであった。
─────────────────────
どうも月見酒です。
更新が遅れて申し訳ありません。
理由としましては完全に煮詰まっていました。
それに新作の執筆に没頭していました。また新作に関しては公開する予定はありません。プロローグを含めて平均5000文字の話が23話分出来上がっているのですが。
今回はそんな告知ではありません。
いよいよ今日、「鬼神転生記~勇者として異世界転移したのに、呆気なく死にました。」が発売されます。
都内の方では既に発売されているかと思われますが、書店などに行かれた際は是非手に取って貰えると嬉しいです。
勿論書籍の方の意見、感想もお待ちしております。
「そうだな先ずは適当に見て回るか」
「そうね」
千夜たちは怪しそうな場所を探すべく適当に歩き回る。
右に左にと曲がりながら進むこと数分。
「それにしてもまるで迷路ね」
「こんな造りの建物は初めてです」
「でもなんじゃか温もりが感じられぬ場所じゃな」
「まるで牢屋に入っている気分です」
(牢屋……そう言えばこの建物に窓は無かった。まるで最初から海の底に沈むと分かっていたような。もしかして非難シェルターなのか。だとしても窓の一つや二つはあるはず。となるともともとこの建物は海底ではなくて地下に造られた建物……駄目だ。材料がなにも無さ過ぎる。だけどこういう建物の場合は間違いなく避難通路があるはずだ。見たところエレベーターがあるわけでもない。となると)
「この建物の端に向かうぞ。どれだけ広いのか把握しないと探すことも出来ないから」
「それもそうね」
こうして千夜たちは移動を開始した。と言ってもまっすぐ進むだけだったので道に迷う事はない。
「ここで端のようだな」
壁に触れながら千夜は呟く。
「それでどの部屋から調べましょうか?」
「いや、部屋じゃなくて通路の壁や床を調べる」
「どうしてですか?」
「この遺跡が本当に下にもあるのなら移動しやすくする筈だ。なら一々部屋の中に入り口は作ったりしないだろうからな」
「確かにそうですね」
「まずはこの壁にそってこの通路を調べる。何か違和感を感じたら教えてくれ」
「分かったわ」
こうして千夜たちは隠し通路を探す。
(こういう時オートマッピングだと駄目だな。役に立たない。探索スキルで調べても居るがそれらしい場所もない。となると探索より強いスキルによる隠蔽が行われている可能性があるな。いったいなんのためにそこまでする)
そんな事を思いながら千夜は壁を触りながら調べていく。
調べること約2時間が経過した。しかしそれと言った場所は何も見つからない。
「ここは外れなのかしら」
「その可能性はあるな」
(だけど、非難通路となると最低二箇所はあるものだこの通路になくても次の通路には間違いなくあるはずだ)
「ん?なんだ?」
「どうしたの旦那様?」
「いや、ちょっと違和感を覚えてな」
「違和感ですか?」
「すまないがミーネここらへん全体を照らしてくれ」
「分かりました」
千夜の指示でミレーネは壁を照らす。
「やはりおかしい。壁の色が少し違う」
「違うかしら?私には区別がつかないけど。皆は分かる?」
エリーゼの言葉に全員が首を横に振る。
「ま、俺の勘違いかもしれないが、念のために調べてみるか」
そう呟いた千夜は壁に向かって超解析スキルを使用した。
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二階層への隠し通路
製作者のスキルによって通路が隠蔽されています。
使用スキル
超隠蔽、物理強化
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「見つけた」
「本当に!」
「ああ」
(だけど、二階層ってまるでダンジョンだな)
内心そんな事を思いながら千夜は口を開いた。
「ベノワに伝えてきてくれ」
「では、行ってきます」
「まって僕も行きます」
エルザとウィルは一緒にベノワの許へ向かった。
数分してエルザがベノワたちと一緒に戻ってきた。
「見つけたようですね」
「ああ、ここの壁の向こうだ」
「なるほど、隠し通路というわけですね」
「と、いうよりかはただ単に隠していたって感じるけどな」
「と言いますと?」
「隠し通路にしては開閉するためのスイッチやレバーが見当たらない。ただ下へ下りる通路を塞いだだけだ。でも魔法によって気づかないようにされている。そうとう下に下りて欲しくないらしい」
「それはつまり下に凄い物があるということですね」
「もしくは危険が待っている可能性もある」
「センさんはこの壁を壊すのは反対なのかしら?」
「いや、可能性を言っただけだ」
「そうですか。では壊しましょう」
ベノワの指示で奴隷たちが壁を破壊しようとする。が、壊れる気配がまったくなかった。
(だろうなスキルによる物理強化だ。奴隷程度で壊せるものじゃない)
そんな事を内心思っていると、
「センさんこの壁を壊せますか?」
「たぶんな」
「ではお願いします」
内心嘆息しながら千夜は鬼椿を抜刀して壁を斬った。
斬られると同時に上半分が通路側へと倒れる。
『おおおおおおおぉぉぉぉ!!』
その光景に冒険者たちが驚きと歓喜を含んだ声を漏らす。
「それじゃ、向かいましょう。念のために全員警戒を忘れないように」
その言葉に冒険者たちの武器を握る手が強くなる。
「なら、俺が先頭を歩く」
「お願いします」
未知な場所のため実力のある先頭を千夜が歩く。
こうして千夜たちは二階層へと進んで行く。しかし千夜の中にはある確信があった。
(間違いなくこの先に魔物がいる)
気配は察知していない千夜だが超解析スキルで表示された二階層という文字に千夜は警戒心を高めるのであった。
─────────────────────
どうも月見酒です。
更新が遅れて申し訳ありません。
理由としましては完全に煮詰まっていました。
それに新作の執筆に没頭していました。また新作に関しては公開する予定はありません。プロローグを含めて平均5000文字の話が23話分出来上がっているのですが。
今回はそんな告知ではありません。
いよいよ今日、「鬼神転生記~勇者として異世界転移したのに、呆気なく死にました。」が発売されます。
都内の方では既に発売されているかと思われますが、書店などに行かれた際は是非手に取って貰えると嬉しいです。
勿論書籍の方の意見、感想もお待ちしております。
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