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6 お帰りなさい
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「ただいま。お母さん」
ソソラさんと一緒にお家に帰ると、母さんは凄くびっくりした顔をして、縫い物を放り出してソソラさんをぎゅっと抱きしめたよ。
「あなた!」
「ただいま。やっと帰って来れたよ」
「お帰りなさい……」
……えっ? ソソラさんが僕のお父さん? ほんとにお父さんなのかな。
「お父さん」
声に出してソソラさんを呼んだら、ソソラさんとお母さんが二人で僕をぎゅっと抱きしめてくれたよ。
「大きくなったねトトセ。私をお父さんと呼んでくれてありがとう……」
お父さんもお母さんも嬉しそうな顔で泣いてるから、僕も泣いちゃったよ。嬉しいときにも、涙って出るんだね。
「お帰りなさい、お父さん!」
僕はお父さんをぎゅっと抱きしめて、大きな声せわんわん泣いちゃった。母さんと二人で頑張ってきたけど、ちょっぴり寂しかったんだ。お父さんが帰って来てくれて、凄く嬉しい!
三人でくっついて泣いてたら、「トトセ! おい! 出て来いよ!」って声が外から聞こえて来たよ。うわぁ、レンドだ。なんでこんなときに来るの。来なくていいのに。嬉しい気持ちが減っちゃうよ。
「レンド君、さっきも謝りに来ていたわよ。籠を届けてくれたわ」
お母さんがクスッて笑って言った。僕は笑えないよ。だって、父さんをろくでなしとか言ってばかにしたの、許してないもん。
「知らないよ。意地悪ばっかりするレンドなんて、もう口きいてあげないんだから」
むーって怒った顔をしたら、「どうして意地悪するのか聞いてみた? レンド君、トトセが嫌いじゃないみたいよ」と、母さんが僕の頭をなでながら言った。
「聞いた事ないけど……」
「聞いてみるといいわよ」
出て行きたくないよ。どうせ意地悪するんでしょ。今日はお父さんともっとお話しして、晩ごはんだって三人で食べるんだから。レンドと話すなんて嫌だよ。
「トトセ! 俺が悪かったって! トトセ! 出てき来てくれよぉトトセ―!」
もう、なんなの。なんで泣きそうな声なの。家の前で大声で僕のこと呼ばないでよ。なんだか恥ずかしいし、近所のみんなの迷惑だよ……。
「行っておいで。きっと意地悪はしてこないだろうから」
「晩ごはん作っておくから、早く行ってらっしゃい」
父さんと母さんが、ニコニコしながら僕の背中を押してきたよ。もう、しょうがないなぁ。ちょっとだけ、レンドと会ってくるよ。
――ドンドン!
うわぁ! 扉を叩かないで欲しいよ。乱暴にしたら壊れちゃうよ!
「レンド、今、出ていくから扉を叩かないで!」
ちょっと怒った声できつくいったら、叩く音が止まったよ。そーっと扉を開けたら、レンドが凄い泣きべそ顔で立ってた。ほっぺたには朝に僕がぶん殴って付けた籠の網目がまだ残ってるし、とっても酷い顔。ちょっぴりかわいそうな気がしてきたよ。
「トトセぇ……ごめん、ごめん……。俺が、俺が悪かったから……」
口をきいてあげた方がいいのかな。どうしようかなって考えてたら、レンドがすごく悲しそうな顔になってきた。
「なんか言ってくれよ」
「……」
なにを言えばいいの? 言うことなんてないよ。でも、かわいそうだし、なにか言ってあげなくちゃね。ええっと、母さんは「どうして意地悪するのかきいてみたら」って言ってたね。ちょっと聞いてみよう。
「……なんで僕に意地悪するの? 僕が嫌いなの?」
「き、嫌いじゃ、嫌いじゃない」
「だったらなんで意地悪するのか教えてよ」
「こっ、こんなとこで言えるかよ……。ちょっとこっちに来てくれ」
そおっと僕の服を引っ張ってきたよ。あれ? いつもみたいに乱暴じゃないね。おでこを弾いたり頭を小突いたりしないのは、いいことだよ。
「わかったよ。服は引っ張らないでね」
僕が言うと、レンドは「ごめん」って言って服から手を離して、村のはずれの方に歩いて行ったから、ついて行くことにしたよ。
ソソラさんと一緒にお家に帰ると、母さんは凄くびっくりした顔をして、縫い物を放り出してソソラさんをぎゅっと抱きしめたよ。
「あなた!」
「ただいま。やっと帰って来れたよ」
「お帰りなさい……」
……えっ? ソソラさんが僕のお父さん? ほんとにお父さんなのかな。
「お父さん」
声に出してソソラさんを呼んだら、ソソラさんとお母さんが二人で僕をぎゅっと抱きしめてくれたよ。
「大きくなったねトトセ。私をお父さんと呼んでくれてありがとう……」
お父さんもお母さんも嬉しそうな顔で泣いてるから、僕も泣いちゃったよ。嬉しいときにも、涙って出るんだね。
「お帰りなさい、お父さん!」
僕はお父さんをぎゅっと抱きしめて、大きな声せわんわん泣いちゃった。母さんと二人で頑張ってきたけど、ちょっぴり寂しかったんだ。お父さんが帰って来てくれて、凄く嬉しい!
三人でくっついて泣いてたら、「トトセ! おい! 出て来いよ!」って声が外から聞こえて来たよ。うわぁ、レンドだ。なんでこんなときに来るの。来なくていいのに。嬉しい気持ちが減っちゃうよ。
「レンド君、さっきも謝りに来ていたわよ。籠を届けてくれたわ」
お母さんがクスッて笑って言った。僕は笑えないよ。だって、父さんをろくでなしとか言ってばかにしたの、許してないもん。
「知らないよ。意地悪ばっかりするレンドなんて、もう口きいてあげないんだから」
むーって怒った顔をしたら、「どうして意地悪するのか聞いてみた? レンド君、トトセが嫌いじゃないみたいよ」と、母さんが僕の頭をなでながら言った。
「聞いた事ないけど……」
「聞いてみるといいわよ」
出て行きたくないよ。どうせ意地悪するんでしょ。今日はお父さんともっとお話しして、晩ごはんだって三人で食べるんだから。レンドと話すなんて嫌だよ。
「トトセ! 俺が悪かったって! トトセ! 出てき来てくれよぉトトセ―!」
もう、なんなの。なんで泣きそうな声なの。家の前で大声で僕のこと呼ばないでよ。なんだか恥ずかしいし、近所のみんなの迷惑だよ……。
「行っておいで。きっと意地悪はしてこないだろうから」
「晩ごはん作っておくから、早く行ってらっしゃい」
父さんと母さんが、ニコニコしながら僕の背中を押してきたよ。もう、しょうがないなぁ。ちょっとだけ、レンドと会ってくるよ。
――ドンドン!
うわぁ! 扉を叩かないで欲しいよ。乱暴にしたら壊れちゃうよ!
「レンド、今、出ていくから扉を叩かないで!」
ちょっと怒った声できつくいったら、叩く音が止まったよ。そーっと扉を開けたら、レンドが凄い泣きべそ顔で立ってた。ほっぺたには朝に僕がぶん殴って付けた籠の網目がまだ残ってるし、とっても酷い顔。ちょっぴりかわいそうな気がしてきたよ。
「トトセぇ……ごめん、ごめん……。俺が、俺が悪かったから……」
口をきいてあげた方がいいのかな。どうしようかなって考えてたら、レンドがすごく悲しそうな顔になってきた。
「なんか言ってくれよ」
「……」
なにを言えばいいの? 言うことなんてないよ。でも、かわいそうだし、なにか言ってあげなくちゃね。ええっと、母さんは「どうして意地悪するのかきいてみたら」って言ってたね。ちょっと聞いてみよう。
「……なんで僕に意地悪するの? 僕が嫌いなの?」
「き、嫌いじゃ、嫌いじゃない」
「だったらなんで意地悪するのか教えてよ」
「こっ、こんなとこで言えるかよ……。ちょっとこっちに来てくれ」
そおっと僕の服を引っ張ってきたよ。あれ? いつもみたいに乱暴じゃないね。おでこを弾いたり頭を小突いたりしないのは、いいことだよ。
「わかったよ。服は引っ張らないでね」
僕が言うと、レンドは「ごめん」って言って服から手を離して、村のはずれの方に歩いて行ったから、ついて行くことにしたよ。
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