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8 お父さんが居る暮らし
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――楽しい楽しい夜が過ぎて、朝が来たよ。
お父さんが帰ってきてくれて、今までの寝床は狭くなった。藁と布で大きな寝床をお父さんが作ってくれて、家族三人で一緒に眠ったよ。
お父さんとお母さんの真ん中に僕が入って寝たら、とっても温かくて幸せだったよ!
朝起きたら二人とも寝床に居なくて、昨日の事が夢だったのかなって思っちゃった。
ぱっと起きて外を見たら、父さんが畑の水やりをしてた。夢じゃないね。お父さんがちゃんといる! よかった!
母さんはいつも通りに、美味しい朝ごはんを作っていたよ。スープのいい匂いがする! お母さんのスープの匂いがすると、とってもお腹が空いちゃう。
お鍋のスープを大きなスプーンでぐるぐるしていた母さんにおはようを言ってから、父さんの所に行ったよ。
「おはよう父さん!」
「おはようトトセ。よく眠れたかい?」
「うん。ぐっすりだよ」
「それは良いことだ。トトセ、今日から私も頑張るからね。畑仕事は任せて欲しい」
「うん! 僕は薬草摘みを頑張るよ」
朝起きたら、畑の野菜に水を撒いたり草を抜いたりするのは僕の仕事だったんだよね。朝ごはんを食べたらすぐに森に行って、薬草摘みをしてたんだよ。お母さんはお洗濯をしたりごはんを作ったり、縫物をしたりしてるよ。
「ここの畑の具合が分かってきたら、私も一緒に森に行くからね。トトセが知らなくて、私が知っている事があれば、それを教えようと思うのだけれど、どうかな」
「うん。たくさん知らないから、たくさん教えて欲しいです。お願いします! お父さん」
僕はちょっぴりの薬草と木の実のことくらいしか知らないよ。お父さんは森の神様だから、僕より物知りなんだろうね。たくさんたくさん教えてもらって、お母さんに美味しくて体にいい物をいっぱい食べてもらいたいからね。
たくさん覚えるのは大変そうだけど、頑張って覚えるよ。今から教えてもらうのが楽しみだね。
「トトセは勉強熱心な子だね。教えるのが楽しみだ」
「僕も楽しみだよ」
ニコニコ笑顔のお父さんが、頭を撫でてくれる。青い目と髪が今日も綺麗だよ。お母さんが青が好きなのは、お父さんの色だからだね。晴れた空よりももっと濃くて、つやつやキラキラ。こんな綺麗な青色は、見たことがないよ。
「あなた、トトセ、朝ごはんにしましょう」
窓からお母さんが呼んでくれたよ。
「はーい!」
晩ごはんも楽しくて美味しかったけど、朝ごはんもきっとそうだよね。これからは父さんもいるから、僕もお母さんも今までよりもっと幸せになれるね。
うん、今日もごはんが美味しいよ。
美味しい朝ごはんを楽しく食べて、お腹いっぱい。さあ、今日も薬草摘みに行ってきます。
昨日は籠を持って行けなかったし、薬草摘みができなかったけれど、お父さんに会えて良かった。今日は籠を投げたりしないよ。レンドに会っても口をきかないからね。お話しなければ怒ったりもしないよ。きっとね。
美味しい朝ごはんのお陰で元気いっぱい!
「トトセ!」
あっ、レンドだ。でも、挨拶なんてしないからね。ぷいっとそっぽを向いて、僕はたたっと森に走ったよ。しばらく口をきかないって決めたんだから。
でも、「しばらく」だからね、もうちょっとしたら挨拶はするよ。いつまでもじゃないよ。
もうレンドが意地悪しなければだけど。それに、なんだか色々言いたそうな顔をしてるレンドになんか構っていたら日が暮れちゃうよ。急いで薬草摘みを終わらせて、早くお家に帰りたいから。僕は忙しいんだよ。
「待てよぉ……!」
レンドがなにか言ってるけど、知らないよ!
お父さんが帰ってきてくれて、今までの寝床は狭くなった。藁と布で大きな寝床をお父さんが作ってくれて、家族三人で一緒に眠ったよ。
お父さんとお母さんの真ん中に僕が入って寝たら、とっても温かくて幸せだったよ!
朝起きたら二人とも寝床に居なくて、昨日の事が夢だったのかなって思っちゃった。
ぱっと起きて外を見たら、父さんが畑の水やりをしてた。夢じゃないね。お父さんがちゃんといる! よかった!
母さんはいつも通りに、美味しい朝ごはんを作っていたよ。スープのいい匂いがする! お母さんのスープの匂いがすると、とってもお腹が空いちゃう。
お鍋のスープを大きなスプーンでぐるぐるしていた母さんにおはようを言ってから、父さんの所に行ったよ。
「おはよう父さん!」
「おはようトトセ。よく眠れたかい?」
「うん。ぐっすりだよ」
「それは良いことだ。トトセ、今日から私も頑張るからね。畑仕事は任せて欲しい」
「うん! 僕は薬草摘みを頑張るよ」
朝起きたら、畑の野菜に水を撒いたり草を抜いたりするのは僕の仕事だったんだよね。朝ごはんを食べたらすぐに森に行って、薬草摘みをしてたんだよ。お母さんはお洗濯をしたりごはんを作ったり、縫物をしたりしてるよ。
「ここの畑の具合が分かってきたら、私も一緒に森に行くからね。トトセが知らなくて、私が知っている事があれば、それを教えようと思うのだけれど、どうかな」
「うん。たくさん知らないから、たくさん教えて欲しいです。お願いします! お父さん」
僕はちょっぴりの薬草と木の実のことくらいしか知らないよ。お父さんは森の神様だから、僕より物知りなんだろうね。たくさんたくさん教えてもらって、お母さんに美味しくて体にいい物をいっぱい食べてもらいたいからね。
たくさん覚えるのは大変そうだけど、頑張って覚えるよ。今から教えてもらうのが楽しみだね。
「トトセは勉強熱心な子だね。教えるのが楽しみだ」
「僕も楽しみだよ」
ニコニコ笑顔のお父さんが、頭を撫でてくれる。青い目と髪が今日も綺麗だよ。お母さんが青が好きなのは、お父さんの色だからだね。晴れた空よりももっと濃くて、つやつやキラキラ。こんな綺麗な青色は、見たことがないよ。
「あなた、トトセ、朝ごはんにしましょう」
窓からお母さんが呼んでくれたよ。
「はーい!」
晩ごはんも楽しくて美味しかったけど、朝ごはんもきっとそうだよね。これからは父さんもいるから、僕もお母さんも今までよりもっと幸せになれるね。
うん、今日もごはんが美味しいよ。
美味しい朝ごはんを楽しく食べて、お腹いっぱい。さあ、今日も薬草摘みに行ってきます。
昨日は籠を持って行けなかったし、薬草摘みができなかったけれど、お父さんに会えて良かった。今日は籠を投げたりしないよ。レンドに会っても口をきかないからね。お話しなければ怒ったりもしないよ。きっとね。
美味しい朝ごはんのお陰で元気いっぱい!
「トトセ!」
あっ、レンドだ。でも、挨拶なんてしないからね。ぷいっとそっぽを向いて、僕はたたっと森に走ったよ。しばらく口をきかないって決めたんだから。
でも、「しばらく」だからね、もうちょっとしたら挨拶はするよ。いつまでもじゃないよ。
もうレンドが意地悪しなければだけど。それに、なんだか色々言いたそうな顔をしてるレンドになんか構っていたら日が暮れちゃうよ。急いで薬草摘みを終わらせて、早くお家に帰りたいから。僕は忙しいんだよ。
「待てよぉ……!」
レンドがなにか言ってるけど、知らないよ!
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