【完結】薬草摘みのトトセは、狩人レンドが大嫌い?

ゆらり

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10 仲良くなれるといいね

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 ――お父さんが帰ってきてから、お母さんはとっても元気になったよ。

 お父さんはすっかりみんなと仲良しになってる。何年も村にいなかったなんてウソみたい。物知りでやさしいお父さんは、村のまとめ役のファスさんと一番の仲良し。

 よくいろんなことを二人でお話してるみたい。

 お父さん達は仲良しなのに、子どもの僕とレンドは仲良しじゃないのはちょっと残念だよね。僕がとっても怒ったあの日からしばらくして、口をきいてあげることにしたよ。

 いつまでも怒ってるのも疲れるよね。いいことないもん。

「おはようレンド」

 僕が挨拶をすると、レンドはちょっぴり顔を赤くして「お、おう。おはよう……」って、恥ずかしそうだけどちゃんと挨拶を返してれるよ。前みたいに後ろから小突いたりしなくなった。意地悪レンドが意地悪じゃなくなったんだよ。

 ……でもなんだか、レンドが意地悪じゃないと変な感じがするね。不思議だね。

「この頃は、僕に意地悪しないね」
「す、するかよ。お前に嫌われたくないし」

 近くに寄って「ほんとにしない?」って、聞くと「し、しないって」なんて言ってそっぽを向いちゃう。嘘じゃないならちゃんと僕の方を見て言えばいいのにね。

「そうしたらまた籠をぶつけるよ。僕だって怒るんだからね」
「本当に、もうしねぇよ……」

 レンドは大きいから、近くに寄ると目を合わせるのが少し大変。首が疲れちゃう。

「お前、いつまでもちっさいな。ちゃんと食べてるか?」
「食べてるよ。これでも大きくなったんだから」
「もうちょっと太らねぇと折れそうだぞ」
「折れないよ。僕、こう見えて丈夫だもの」

 意地悪しないレンドは、優しくてちょっぴりかっこいい。ファスさんに似てるからかな。なんだか仲良しになれそうな気がするよ。

「あっ、そろそろ行くね」

 薬草摘みにいかなくちゃ。

「気を付けてな」

 レンドがそおっと手を伸ばして、僕の頭を撫でてきた。お父さんの撫で方と違って、少しぎくしゃくしてるけれど、嫌じゃなかったよ。

「レンドも、気を付けて。じゃあね」
「ああ」

 僕が手を振ると、レンドが手を振ってくれた。手を振られたのなんて初めてだよ。びっくりしたけど、嬉しくて……ちょっとドキドキしたよ。

 今日のレンドは子供っぽくなくて、ちょっぴりお兄さんに見えた。レンドのお父さんのファスさんに、とても似てきた気がするね。僕もいつか、うちのお父さんみたいな綺麗でかっこいい大人になれるかな? 

 ――お父さん達みたいに、レンドと僕も仲良くなれるといいね。
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