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本編
39 な、何とか収拾がついてよかったあああ! 危機は去ったぞ!
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――クラさん、どうやら俺達がすっかり出来上がった仲だって勘違いしてたみたいだ。
いや、今はそういう仲ですよ。でも、2週間前はまだくっついてもなかったぞ!
「えと、籍? 籍って」
質問が上手いこと呑み込めなくて、思わず聞き返した俺の反応に、クラさんの眉間に皺が寄った! チョイ強面系美形の険しい顔はすんごい怖い! ひぃぃ!
「お前の指のソレは、そういうことではないのか」
「指の……ああ! これですか」
うわぁ! さすがに気付いておられましたか伯父上ぇぇ! いや確かに、こんなイチャついてて、指輪まで嵌めてたらそりゃあそう思うのも無理ないですね! そうですよね! でも違うんだなコレが!
「この指輪はちょっと訳ありのブツなんで見なかったことにしてください。あと、まだ籍とかそういうのは考えてなくて、あの、ええっと、お付き合い? してる感じになったのも、クラさんがこの前来た後だから」
「ふむ。ではようやく交際まで進んだ段階ということか」
「……はい」
「ハス、お前の指にあるそれは、恐らく死ぬまで外れぬぞ」
「へっ?」
「合意があってのものであればいいが、そうでなければ私に相談するといい」
えっちょっとまって。外れないにしても、そんなすんごい縛りのある指輪なんですかこれ! 俺にはびっちり刻印されてあってすごいね! みたいな感じにしか見えなくて、よく分からんのですが!
「私は魔術技師ではない。であるからして刻印に関しては判別がつかないが、ソレからは強い気配を感じる。ディザート殿の魔力が化身したような……、禍々しいまでの気配をな」
「えぇ……」
そんなにですか。こわあああああ!
バッ! って感じで勢いよくカムロさんの方を見ると「盛り過ぎた自覚はあります」とか言ってくれちゃって、目を逸らしやがりましたよ! 刻印びっちりだとは思ったけど、なんてもんを人の指にはめてくれちゃってるんですかねこの人! するっと無許可で嵌めてくださりやがりましたからね! 合意なんてしてねぇでございますよ!
……あれ? ってことは、あの頃からカムロさんは俺のこと大好きだったのか?
ははは! いやー照れるな!
って、照れてる場合じゃねぇよ! あっ! クラさんの視線が鋭くなってる! そしてその視線は俺じゃなくて、カムロさんの方に突き刺さってるっぽい! えっ、またバトル勃発するのかな? 駄目ですよ!
「あ、あの、クラさん! 2人でよーく話し合うから! 深く追及しないで欲しいですっ!」
きゅっとカムロさんの頭を抱えるようにして庇いながら、必死に言い募る。
「お前が、何ひとつとして煩わされていないのならばいい。だが……万が一にでも、お前の意思を無視し、あまつさえ己が欲望のままに扱うというのならば……私は全身全霊をもって、お前を不届きな輩から引き離す」
重低音のいい声! すごく響く! 腰に来るとかじゃなく、本能的な部分でやばいこれ! ってなる方のだ! ひぃぃぃぃぃ! 震えがくる!
煩わされてないでっす! イチャイチャできて幸せですから!
「そのようなことには、絶対になりませんし、させませんよ」
ブルっちゃった俺とは違って、カムロさんは堂々とした口調でクラさんに言い返した。おおう、カッコいい! 俺にキュッと頭を抱えられたままじゃなければだけどな! ははは!
「その言葉、違えないことを願おう。ハスよ、お前が幸せならば、私は何も言わぬ」
俺がきっぱりはっきり「はっ、はい! 俺、幸せですから問題ないですっ!」って、言い切ると「そうか。ならばよし」と言って、ふっと視線を緩めてくれた。
心配してくれてありがとう! 怖かったけど! クラさん大好き!
「それで、騎士団には復帰するのか」
「うん。落ち着いたら復帰するよ。俺の夢は、この人がいれば大丈夫だって思えるような……クラさんみたいな立派な騎士になることだから」
「うむ。それでこそ我が甥だ。お前は、私の誇りだ」
目尻に皺を作って笑うクラさんは、やっぱり渋くてかっこいい。
……この人は、いつまでも俺の憧れで目標だ!
思わずジーンときちゃって、ちょっと涙が出そうになってたところで腹に圧迫感を感じて下を向くと、カムロさんがいつの間にかぎゅうぎゅうと俺の腰にしがみ付いてた。
ちょっとなんでこのタイミングでがっつり甘えてんですか! この魔術師様は! 今、俺とクラさんにとって割と感動的なシーンだったんですよ! いい感じにまとまったのに、絵的にダメダメですよこれじゃあああ!
「カムロさん、ちょっと離れてください」
ポスポスと軽く頭を叩いてみたけど、無言でしがみついたまま離れてくれない。出て行っちゃイヤだ! ……ってことなんだろうなぁ。きれいさっぱりさようなら! なんてしないから大丈夫ですよ……。
なんかやっぱり可愛いから、とりあえずナデナデしちゃおう!
――何とか収拾がついてよかったあああ! 危機は去ったぞ!
※カムロ氏がすっかり甘えん坊魔術師様になってしまいました。あれー? おかしいな? こんなはずでは。ハスの甘やかしスキルが強力すぎるのかもしれません。愛情たっぷり!
いや、今はそういう仲ですよ。でも、2週間前はまだくっついてもなかったぞ!
「えと、籍? 籍って」
質問が上手いこと呑み込めなくて、思わず聞き返した俺の反応に、クラさんの眉間に皺が寄った! チョイ強面系美形の険しい顔はすんごい怖い! ひぃぃ!
「お前の指のソレは、そういうことではないのか」
「指の……ああ! これですか」
うわぁ! さすがに気付いておられましたか伯父上ぇぇ! いや確かに、こんなイチャついてて、指輪まで嵌めてたらそりゃあそう思うのも無理ないですね! そうですよね! でも違うんだなコレが!
「この指輪はちょっと訳ありのブツなんで見なかったことにしてください。あと、まだ籍とかそういうのは考えてなくて、あの、ええっと、お付き合い? してる感じになったのも、クラさんがこの前来た後だから」
「ふむ。ではようやく交際まで進んだ段階ということか」
「……はい」
「ハス、お前の指にあるそれは、恐らく死ぬまで外れぬぞ」
「へっ?」
「合意があってのものであればいいが、そうでなければ私に相談するといい」
えっちょっとまって。外れないにしても、そんなすんごい縛りのある指輪なんですかこれ! 俺にはびっちり刻印されてあってすごいね! みたいな感じにしか見えなくて、よく分からんのですが!
「私は魔術技師ではない。であるからして刻印に関しては判別がつかないが、ソレからは強い気配を感じる。ディザート殿の魔力が化身したような……、禍々しいまでの気配をな」
「えぇ……」
そんなにですか。こわあああああ!
バッ! って感じで勢いよくカムロさんの方を見ると「盛り過ぎた自覚はあります」とか言ってくれちゃって、目を逸らしやがりましたよ! 刻印びっちりだとは思ったけど、なんてもんを人の指にはめてくれちゃってるんですかねこの人! するっと無許可で嵌めてくださりやがりましたからね! 合意なんてしてねぇでございますよ!
……あれ? ってことは、あの頃からカムロさんは俺のこと大好きだったのか?
ははは! いやー照れるな!
って、照れてる場合じゃねぇよ! あっ! クラさんの視線が鋭くなってる! そしてその視線は俺じゃなくて、カムロさんの方に突き刺さってるっぽい! えっ、またバトル勃発するのかな? 駄目ですよ!
「あ、あの、クラさん! 2人でよーく話し合うから! 深く追及しないで欲しいですっ!」
きゅっとカムロさんの頭を抱えるようにして庇いながら、必死に言い募る。
「お前が、何ひとつとして煩わされていないのならばいい。だが……万が一にでも、お前の意思を無視し、あまつさえ己が欲望のままに扱うというのならば……私は全身全霊をもって、お前を不届きな輩から引き離す」
重低音のいい声! すごく響く! 腰に来るとかじゃなく、本能的な部分でやばいこれ! ってなる方のだ! ひぃぃぃぃぃ! 震えがくる!
煩わされてないでっす! イチャイチャできて幸せですから!
「そのようなことには、絶対になりませんし、させませんよ」
ブルっちゃった俺とは違って、カムロさんは堂々とした口調でクラさんに言い返した。おおう、カッコいい! 俺にキュッと頭を抱えられたままじゃなければだけどな! ははは!
「その言葉、違えないことを願おう。ハスよ、お前が幸せならば、私は何も言わぬ」
俺がきっぱりはっきり「はっ、はい! 俺、幸せですから問題ないですっ!」って、言い切ると「そうか。ならばよし」と言って、ふっと視線を緩めてくれた。
心配してくれてありがとう! 怖かったけど! クラさん大好き!
「それで、騎士団には復帰するのか」
「うん。落ち着いたら復帰するよ。俺の夢は、この人がいれば大丈夫だって思えるような……クラさんみたいな立派な騎士になることだから」
「うむ。それでこそ我が甥だ。お前は、私の誇りだ」
目尻に皺を作って笑うクラさんは、やっぱり渋くてかっこいい。
……この人は、いつまでも俺の憧れで目標だ!
思わずジーンときちゃって、ちょっと涙が出そうになってたところで腹に圧迫感を感じて下を向くと、カムロさんがいつの間にかぎゅうぎゅうと俺の腰にしがみ付いてた。
ちょっとなんでこのタイミングでがっつり甘えてんですか! この魔術師様は! 今、俺とクラさんにとって割と感動的なシーンだったんですよ! いい感じにまとまったのに、絵的にダメダメですよこれじゃあああ!
「カムロさん、ちょっと離れてください」
ポスポスと軽く頭を叩いてみたけど、無言でしがみついたまま離れてくれない。出て行っちゃイヤだ! ……ってことなんだろうなぁ。きれいさっぱりさようなら! なんてしないから大丈夫ですよ……。
なんかやっぱり可愛いから、とりあえずナデナデしちゃおう!
――何とか収拾がついてよかったあああ! 危機は去ったぞ!
※カムロ氏がすっかり甘えん坊魔術師様になってしまいました。あれー? おかしいな? こんなはずでは。ハスの甘やかしスキルが強力すぎるのかもしれません。愛情たっぷり!
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