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番外編「とある狩人を愛した、横暴領主の話」
25 快楽に流されていった※
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――極上の獲物を寝台の上に横たえ、衣を全て剥ぎ取っていく。
自分は今まさに、獣と同じだった。貴族としての矜持も、人としての恥もない。ただただ、喰らいたいばかりの卑しい生き物となり果てている。腹が膨れるまで獲物の肉を食み、血潮をすすりたい。
体が熱くなり身に着けている物が煩わしいと感じた。衣を全て脱ぎ捨てて、素肌を晒す。
既に興奮でいきり立っていた一物を目にした獲物……いや、シタンが、「うわぁ」と、声を上げる。その瞳に怯えの色はなく、むしろ熱に浮かされているような表情だ。
「なんで、勃ってるんだよぉ……おかしいだろ。俺のどこが良いんだよ。男なんてつまんないだろ……」
「答える義理などない」
「なんだよそれぇ……っ」
声色には戸惑いばかりがあって、嫌悪の響きは感じられない。そんな彼の様子に、己の中の獣が少し落ち着きを取り戻したのを感じた。興奮はそのままに、少しばかり冷静さが頭の隅に顔を出す。
……シタンは獲物ではなく、ラズラウディアが唯一愛する存在だ。貪り尽くすのではなく、できるだけ快感だけを教え込み、苦しませないように味わうべきだ。
そういうふうに、囁かれた気がした。
――彼にとってはどちらにしても、喰われるのには変わりはないだろうが――。
「……あ、あんまり見るなよ……っ」
「恥じらう必要などない。貴様の体はもう、隅々まで見ている」
「関係あるかっ! 俺が恥ずかしいって思ったら恥ずかしいんだよ!」
顔を赤くして恥じらう姿が、愛らしく見える。
骨がそれほど太くはなく肉付きが悪いため、長躯であってもむさ苦しい雰囲気は薄い。優雅な草食の獣を思わせる細身だ。山野を歩き回っているであろう足腰はしなやかで、弓を引く腕とその周辺はしっかりと筋肉が付いていて盛り上がっている。
……やや不均衡ではある。だが、生きる為に自ずと鍛えられたことでのみ形作られる美しさだ。恥じらう必要などあるまいに。
ふっと笑って「……まあいい、恥じらっていろ。貴様のそういう顔は、悪くはない」と、意地の悪い返しをしてからかうと、「なっ! はっ、恥じらってなんか……!」と、苛立ちを見せた。
単純な煽りに反応して、素直に感情を出すところも愛らしいものだ。
眉尻を吊り上げて起き上がろうとした彼の体を押さえ込みながら、寝台へ上がって覆い被さる。いきり立つどころか濡れ始めている一物を彼のそれに擦り付けながら、深く唇を奪ってやった。
――甘い。
蜜酒の名残が熱い口内に残っている。そうでなくとも甘露のようなこの行為に、それは絶妙の隠し味のようだった。癖のある甘みを追って、舌先を伸ばして届くところを隅々まで味わう。
「ふ、あ、ん、ンんっ……んぁ!」
艶やかな声が合わさった唇の狭間から漏れ出してくる。擦り付けている下半身がいつの間にか驚くほど濡れていて、シタンの一物も硬く濡れそぼっているのを感じた。敷布を掴んでいた腕は背中に回ってきている上に、彼自身も腰を揺らして快楽を追い始めている。
「んぁ、はぁ……っ、くそっ……! こんな、こんな、の、……んっ、あっ! はぁ……っ」
快楽に流されまいと必死に抗い悪態をついているが、体はそれを裏切っていた。
「んあっ、はぁっ、はぁっ、……はっ……、あぁ……っ」
「熱いな。貴様の肌は心地良い」
「んぁ……、んん……っ、あ……っ」
……もっと、流されればいい。
全身を使って繊細に愛撫を施し、たどたどしい抵抗を続ける彼を淫らに染め上げていくと、仕舞いにはラズラウディアの頭を両手で引き寄せ、自分から深い口付けを返すまでになった。
「はふ……っ、んぁ、あ……ん」
「んっ……はぁっ……、ふ……っ」
こちらの息まで上がるほどの、激しく長い口付け。ただ与えるだけではなく、逆に与えられて貪られるその心地良さに捕らわれて、ラズラウディア自身も快楽に流されていった。
自分は今まさに、獣と同じだった。貴族としての矜持も、人としての恥もない。ただただ、喰らいたいばかりの卑しい生き物となり果てている。腹が膨れるまで獲物の肉を食み、血潮をすすりたい。
体が熱くなり身に着けている物が煩わしいと感じた。衣を全て脱ぎ捨てて、素肌を晒す。
既に興奮でいきり立っていた一物を目にした獲物……いや、シタンが、「うわぁ」と、声を上げる。その瞳に怯えの色はなく、むしろ熱に浮かされているような表情だ。
「なんで、勃ってるんだよぉ……おかしいだろ。俺のどこが良いんだよ。男なんてつまんないだろ……」
「答える義理などない」
「なんだよそれぇ……っ」
声色には戸惑いばかりがあって、嫌悪の響きは感じられない。そんな彼の様子に、己の中の獣が少し落ち着きを取り戻したのを感じた。興奮はそのままに、少しばかり冷静さが頭の隅に顔を出す。
……シタンは獲物ではなく、ラズラウディアが唯一愛する存在だ。貪り尽くすのではなく、できるだけ快感だけを教え込み、苦しませないように味わうべきだ。
そういうふうに、囁かれた気がした。
――彼にとってはどちらにしても、喰われるのには変わりはないだろうが――。
「……あ、あんまり見るなよ……っ」
「恥じらう必要などない。貴様の体はもう、隅々まで見ている」
「関係あるかっ! 俺が恥ずかしいって思ったら恥ずかしいんだよ!」
顔を赤くして恥じらう姿が、愛らしく見える。
骨がそれほど太くはなく肉付きが悪いため、長躯であってもむさ苦しい雰囲気は薄い。優雅な草食の獣を思わせる細身だ。山野を歩き回っているであろう足腰はしなやかで、弓を引く腕とその周辺はしっかりと筋肉が付いていて盛り上がっている。
……やや不均衡ではある。だが、生きる為に自ずと鍛えられたことでのみ形作られる美しさだ。恥じらう必要などあるまいに。
ふっと笑って「……まあいい、恥じらっていろ。貴様のそういう顔は、悪くはない」と、意地の悪い返しをしてからかうと、「なっ! はっ、恥じらってなんか……!」と、苛立ちを見せた。
単純な煽りに反応して、素直に感情を出すところも愛らしいものだ。
眉尻を吊り上げて起き上がろうとした彼の体を押さえ込みながら、寝台へ上がって覆い被さる。いきり立つどころか濡れ始めている一物を彼のそれに擦り付けながら、深く唇を奪ってやった。
――甘い。
蜜酒の名残が熱い口内に残っている。そうでなくとも甘露のようなこの行為に、それは絶妙の隠し味のようだった。癖のある甘みを追って、舌先を伸ばして届くところを隅々まで味わう。
「ふ、あ、ん、ンんっ……んぁ!」
艶やかな声が合わさった唇の狭間から漏れ出してくる。擦り付けている下半身がいつの間にか驚くほど濡れていて、シタンの一物も硬く濡れそぼっているのを感じた。敷布を掴んでいた腕は背中に回ってきている上に、彼自身も腰を揺らして快楽を追い始めている。
「んぁ、はぁ……っ、くそっ……! こんな、こんな、の、……んっ、あっ! はぁ……っ」
快楽に流されまいと必死に抗い悪態をついているが、体はそれを裏切っていた。
「んあっ、はぁっ、はぁっ、……はっ……、あぁ……っ」
「熱いな。貴様の肌は心地良い」
「んぁ……、んん……っ、あ……っ」
……もっと、流されればいい。
全身を使って繊細に愛撫を施し、たどたどしい抵抗を続ける彼を淫らに染め上げていくと、仕舞いにはラズラウディアの頭を両手で引き寄せ、自分から深い口付けを返すまでになった。
「はふ……っ、んぁ、あ……ん」
「んっ……はぁっ……、ふ……っ」
こちらの息まで上がるほどの、激しく長い口付け。ただ与えるだけではなく、逆に与えられて貪られるその心地良さに捕らわれて、ラズラウディア自身も快楽に流されていった。
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