高度10キロメートルの告白・完全版

赤井ちひろ

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第一章・イージスの盾・

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「悠……煽ったこと後悔させてやるよ」  
「はっっ誰がするかよっ」
 涼の指が五本、丸ごと奥に捩じ込まれてきた。
「ンンン————」
 失神寸前の俺に冷たい水がかけられた。
 優しい涼も嫌いじゃない。むしろ愛されてるんだろうって理解は出来る。
 でもやっぱり俺は灼熱の炎の様なお前が好きだ。
「クハッンハッ……本来のお前は……自分の物にはすげー執着すんしぃ、しかも……扱いは雑じゃねーか……。今さら……スパダリなんか目指し……てんじゃ、ねー……よ!」
「悠、メリメリって切れそうだよ。入って行くぞ。このままだとガバガバになんじゃねーの?」
「うっせー、お前以外はいらない。お前サイズにしかならない。お前のための受け皿だ」
 痛みと歓喜との狭間に身をおき、自分を襲うその生きてる証と戦いながら、俺は本音を涼にぶつけた。
「なあ、涼、俺は今まで、お前が幸せ……なら、俺の幸せなんか、どうでも……良か……っ……た」
 ペニスがヌルンと抜かれると、今度は拳が入ってきた。
「ンハ——痛(いて)————」
 涼が動くのを止めた。
「あぁー? 何……日和ってん……だよ! 今さら、痛(いて)ーとか、ンハ、言われた……くら……いで、やめてんじゃ、ねーぞ! そんなもん入ってんだ。痛(いて)ぇのはしょうがねーだろぅが……。でも……」
 肩で小さく小刻みに息をしながら話を続けた。
「いつ止めろっつったよ。頼んでねーだろ!」
「悠……煽るなよ」
 涼のデカイ拳が俺の中に入ってきた。
 顔が苦痛に歪み、涙が自然に流れだす。
 顔をあげると心配そうな顔が俺を覗きこんできた。
 拳が身体になじみ、少しキツいのがキモチイイにかわってきたころ、僅かに動く振動からくる痛みと快楽は、必死に抑え込んだ見えない恐怖に敏感に反応をするようになった。
「んな顔、してんじゃねーよ」
 俺は尻に入っている涼の手首を掴み、動かせってば……と無理矢理力を込めた。
「しんどくないのか?」
「はぁ? ……しんどいに……決まってんだ……ろ。んな……デカ……イ拳が腹の中かき……回して……んだ。でも……それがいい……んだよ。だって俺だけだろ? 違うのかよ」 
「違わない! お前だけだ。愛している」
「なら……本当に……欲し……も……のはきっちり捕食者……の……目をして、喰ってくれ」
「動かすぞ、力を抜いてしがみつけ」
「ああ、涼」
 一気に内壁を擦りあげる涼の拳が、中で手を拡げながら動かすもんだから、いままでにないエクスタシーが俺を襲った。
「いや————、もうだめ。止めて」
「今更聞けないよ」
 もう片方の手は俺のペニスの鈴口を爪で引っかき、小さな穴からは透明の汁が漏れていた。
「イヤ、だめ、だめってば――――」
 身体をよじって鈴口の爪から逃れようとする俺を、涼は無理矢理押さえこみ力強くペニスを握る手を上下にスライドさせた。
「だめ、いやいや――」
「いや? 逝きてーくせに、嘘ついてんじゃねーって」
 さらに摩擦を繰り返すもんだから、そこは熱をもち、中の拳が腹の中に当たるのとあわさって感覚が鋭敏になった。 
「そんなスピードで扱いたら、出る、出る。出ちゃう————、出ちゃうってば————」
「すげー、ケツの締まりやべーって。何度でも逝かせてやる! ほら出していいよ」
 さらにスピードの上がる扱く手は、一際強く掴んだ。
 空に飛ぶ白濁とした物体は俺の顔まで飛んできて、いやらしい匂いに薔薇の香りが入り交じっていた。
「……い………してる」   
 意識を飛ばしていたのか、苦しくて目が覚めた!
 顔に水をかけられ続け、息が苦しくて、もがきあがいた。
「起きたか! だれの許可をとって寝てるんだ」
 ケツを何発も掌で揉みしだかれる。
「うっせー、絶倫すぎんだよ!」
「まだまだ元気じゃないか、口答えの罰だな!」
 咥えろとあり得ない大きさのペニスが、口にグリグリ押し付けられた。
 少し匂いがする……。
 眉を潜めると、「ん? さっき出したんだ。俺のだ。舐められるだろう? お掃除フェラ位きちんとしろよ!」
 涼の命令通り、俺は夢中でペニスを喉奥まで飲みこんだ。
 冷えた身体を震わせながら涼のペニスに食いつき、一気にピストン運動をくりかえした。
 何度となくピストンをすると、逝きそうになったのか涼がペニスを握り俺の口の中に放出した。
「ここじゃ身体が冷える、続きをベッドですることにしようか。今度はお前の腹の奥に出してやる。まだまだ朝まで何発飲めるかな?」
「絶倫すぎだろ!」
「それは、誉めているのか? ならベッドでフィストファックの続きからだな」
 冷凍庫から涼は氷を持ってきた。
「なにする気だよ……」
 腰を掴むと胡座をかいた涼の前に、開ききった穴を晒すように身体を丸められ、1つ氷を入れられた。
「ひ————」
 冷たさで尻の穴が無意識に閉じる。
 無理矢理叩かれ……赤く腫れた尻はヒリヒリとした。
 お前は夏はモヒートが好きだよなー。
 まだ残暑も厳しいしモヒート飲もうな。
「どう……やって……」
 穴に神経が集中する……。
「こうやってだよ……」
 ほーら、五つ数えてごらん。
 数を数える度にお尻の穴に神経が集中しているのが分かる。
 ぱっくりと開いた穴に溶けた氷が動くのが分かる。
「ほら沢山入ったよ」
「何いれてんだよ」
「モヒートの材料知らないのか?」
 その間も、俺のペニスは奴の手で扱かれて息が間からぬけていく。
「知ってんに決まってるだろう? リストランテのサービスマン馬鹿にしてんじゃねぇよ」
 イキガル俺に涼はクスクスと笑うと、ならこの葉っぱは何かわかるだろ?
「ミントかよ」
「そうだ。ミントはどうしたらモヒートに代わる? まずは何をするんだ?」
 俺は涼を睨み無視をした。通用しないってわかっちゃいるのに悪あがきってやつだな。
「言わないつもりなのか?」
 涼は扱いている手を更に強くして根元まで大きくピストン運動を繰り返す。
「お前のは、あんまりデカクないから疲れないな」
「言っ……てろ!」
 実際に涼のものよりは遥かに小さいけど、俺だって言う程小さくはない。むしろ一応コンドームLサイズなんですけどぉ……。
「てめぇが……デカすぎるだけ……だって―の」
 やべー我慢が出来ない。逝っちまいそう。
「なんだ? さっき出したばかりだろう? 淫乱だなぁ、悠。我慢しよ」
「うっせーし。お前が上手だからだろ。俺のせいじゃない」
「可愛い事をいう……。そんなに褒められたらもっとしてやりたくなるじゃないか」
「遠慮するから」
「それは失礼した。でミント……」
「かき混ぜんだよ、つぶす……ようにグラスの中で。涼は今そのまま……入れたじゃな……いか。あれじゃー……モヒートに……は……なんねーよ……」
 喋んの一杯一杯。何度も唾を飲み込みそんなことも知らね―のかよって顔してやったの、あいつ葉巻に火なんかつけやがった。
「お前、葉巻なんか呑まないだろ」
「ああこれは葉巻じゃない、日本で買ってきたお香というやつだ。しかも形状が普通ではなくて葉巻の様に太いんだそうだ」
 このにおい……やべー、尻がうずく。
 ミントでガサガサ言っているのが凄く気になって、半分意識を持っていかれているから、香りの入り込む隙が有り過ぎなんだ。
「ああ、つぶすんだったね」
「そうだよ。だから……出してつぶ……してから入れなきゃ……モヒートには……なんね……よ」
 涼がペニスから手を離した。
 大きく胸で息を吸う。
 すると両手は俺の腰を鷲掴みにして自分の腰の前に持ってきた。
「まて。待てってば、ちょっ、何考えて……」
「お前が考えてんのと同じことだ」
 涼は焦る俺を見て鼻で笑うと、あいつのマグナムで俺の尻に一気に奥まで突っ込んだ。
「ンンンンンンンンンンンンンン」
「かっわいいぜ。やっべー、逝き声だけでデカくなる」
「それ以上……おっきくすんな」
「無理言うなよ。悠」
 そのまま覆いかぶさると耳元にキスをして言った。
「モヒート作ってやるな」
 そんなぁ……
 サイドテーブルにあるカクテルにはブラウンシュガーとライムが既に入り、ラムが注がれた。
奥にミントが押しやられ、執拗に突きまくる涼のペニスを感じながら、中でも俺の内壁とミントが擦りあい、グチョグチョとした音が尻の中からひびきわたった。
「ミント潰れてるかなー」
 卑猥な声色をさせながら、わざわざんなこと聞いているあいつは、本当に意地悪だ。
「なあ、悠……どう思う?」
「知らねーよ!」
 ならもう少し頑張って潰さないとな!
「耳元で喋んな!」
 腰の動きがえげつない……。
 ンハ、ン――。
 ヒィ。
「可愛い声を出す。もっと鳴けよ。俺のメス猫だろ? ニャーニャーいってみろ!」
「うっ……せ……」
「発情期のメス猫みてーに、鳴けっていってんだよ! ほら」
 アイツの目の色がかわり、さらに細められた。
 喰われる! 俺がそう思うのと同じタイミングで尻が持ち上げられ浅いとこを執拗に擦られた。
 涎がもれて、舌が犬のように身体の温度を逃がしにかかる。
 浅いとこは感覚がすぐに伝わる。
 しかもずっと逝けなくて……逝きたい逝きたいってそんなモードになっちまう。
 涼は俺をよく知っているから、泣いておねだりさせたいと、絶対に浅い所からやめてくれない……。
「深いとこ……きてってばー」
「ここに付いてるミント潰してんだ。ほらここから爽やかなミントの香りがするだろ……」
 ペニスを突っ込んですでにパンパンのあそこに無理矢理指を突っ込みやがった。しかも前立腺あたりに織り込まれたミントを指で潰してる。
 ンハン
 アン アン……アー
 腰を逃がしたくて無意識に左右に揺れた……。
 逝きたいのに逝けない中途半端な苛めから、なんとか解放されたくて、早くアイツを逝かせたいとアヌスをしめた。
「ほらほら、悠。良い匂いがぐちゅぐちゅした音と一緒に漏れてるきがしないか。メスの匂いがさー。ん……やっぱ、漏れてんよ……」
「恥ずかしいんだから……やめろっていってんだろ!」
「何が恥ずかしいの? 言ってくれないと鈍いからわかんねーよ」
「うるさい」
 首まで真っ赤になり目をつむり、涎を吸い上げたあいつの顔が最高にそそる。
「やべーお前の顔が凄いエロい。毎日他人におかず提供してんじゃねーだろうな」
 顔があげられない……。
 涼のくそが!
「ほら目を開けて、ここをしめたまま、ニャーっていってよ」
「言わない!」
 耳元でなんども囁く。
「俺を逝かしてくれないの? ひでーなぁ悠」
「勝手に逝けよ!」
 チュッと首にキスが降ると、そのねっとりしたキスは徐々に下がり鎖骨を執拗に舐めあげる。
「ねえ、逝きたいんだ。ニャーって鳴いて」
 ————くそー。
 俺は目を見開き、あいつを睨んだ。
 とたんに涼の腰が派手なグラウンドとピストンを繰り返す。
「いえ!」
 バリトンボイスの命令に俺は逆らえなかった。
「ニャー、お願い……中に頂戴」
 ドクドク、これでもかと出される夥(おびただ)しい量の精液。
 なかに入り込む精液の暖かさに俺は脚を絡めた。
「抜かないで……」 
「逝く————」
「うん、ン————……来て、来て————」
 涼が静かになった? 
 俺は痙攣する身体をなんとか揺り動かし、目を開けた。
 上から涼がまっすぐに見つめている。
「鳥が鳴いてる……」
 鳥が鳴いている? 
「なんの鳥か分かるか?」
「いや鳥は詳しく……ないから」
「お前……どうしたの?」
「復活を待ってる」
 は————————?
 素っ頓狂な声を出してしまって、瞬時に自分の顔を覆う。 
「抜けよ、さっさと、絶倫やろう!」
 涼は抱きついて俺の中に突っ込んだままゆっくりと腰を振りだした。
 チュクチュク、ピチャピチャ音がして穴の中で精液が泡立ってる……。
 恥ずかし過ぎるだろ……。
 俺は顔だけじゃなく鎖骨や胸まで赤くなる気がした。
「鳥の鳴き声とかポエムな事を言っといて、スペルマ泡立てんじゃねーよ」
「だな」
「だな、じゃねーだろ。止めてないから! だからぁ、止めろって」
「可愛いから抜きたくない」
 そう言うと、ぐっと質量を増したペニスが中で揺れる。
「嘘だろ? あんだけ出してまだやれんのかよ。だめだって。逝っちゃった後は無理なんだって、頼むから」
「んな可愛い顔をされてやめられる訳がないだろう」
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