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第一章・イージスの盾・
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ンハ……ンンン————アア。
無意識にキュッと締まる。さらに気持ち良くなりたいと身体が勝手に望む。
「エッロ」
俺の唇めがけて涼の口から唾液がしたたり落ちてきた。
「口の中に溜められるか」
俺の心はあいつの命令に勝手に反応して口をあけ、涼の口から垂らされる唾液を飲み込まない様に溜めた。
沢山溜まるのを嬉しそうに見たアイツは、見た事もないような甘いふにゃっとした顔でそっと首すじにキスをした。
「そのまま飲み込むな。口を開けたままにして」
「ん————」
唾液を溜められた俺は、上を向けば自然に嚥下してしまうからあまり顔の位置も変えられず、されるがままだ。
「いい子。ゴックンしていいよ」
「最低」
涼は俺のそんな、なけなしの口答えも気にせず言った。
「お前本当にかわいいな。ニャーニャーいって腰を振ってみ。ご主人様の命令だ」
言い出したら止まらない、涼は基本俺様主義だ。
俺で遊び始めたら泣いても許してくれないし、それなら猫らしく爪でもたててやる。
「ニャー」あまーく、あまーく、鳴いた俺は涼の背中に爪をたてた。
血が滲む背中に眉を寄せたアイツは、耳の中に声を吹き込んだ。
「好きなだけやれよ。出すぞ」
あっ、あ————。
ドクドクと出されたミルクを穴でシェイクしたアイツは近くに用意されていたシェーカーを股間に寄せた。羞恥で死ねるってきっとこういう事を言うんだろうか。そんなことを考えていたら、甘くていらしい声が耳元で囁いた。
「ほら、悠。穴を広げて掻き出して。出来ないならやってあげようか」
「うるせー、出きるし」
俺は震える指を自分の穴に指を突っ込み、グジュグジュになったミントと涼の精液を、必死にシェーカーにかきだしベッドに倒れこんだ。
あの馬鹿は何を思ったか、エロイ匂いしかしないそのシェーカーにラムをいれ、シェイクし、グラスに氷をいれてそこに炭酸水で割った。
「飲めよ。自家製モヒートだよ」
「サイテーだな」
頭の中はふざけんじゃねーって思っているのに……
俺の手はそれをしっかり受け取っていた。
「まずいよ……涼」
「全部きちんと飲めよ。薄くならないように極力炭酸水は控えてあるからな」
アイツが俺にだけ見せる特別な顔に、俺は精液を出さずにアヌスで逝った。
「メスイキしたのか。これ飲んで逝くとかどんだけだよ」
いやらしい笑いと裏腹に、額に降るキスは、存外優しかった。
「こんな事をしても、お前は俺を愛してくれるのか。どこまでお前は許してくれる」
倒れ込む俺の髪を優しく撫でながら、聞こえない位の声で捨てないでという。
————捨てる訳ないのに。
アイツのえげつないモヒートは俺にだけ向ける特別な顔。
あのあとモヒートを飲んだ俺が可愛かったのか、なんども弄られ……結局意識を飛ばすまで抱き潰され、朝日の光で目を覚ました俺は、横にアイツがいなくて泣きそうになった。
「起きたのか?」
バスルームから顔を出した涼は何も着けずに歩いてくる。
そこに居た安心からホッとした顔をすると、何かを察した涼が、罰が悪そうにポリポリと頭を掻いた。
「パンツ位穿けよ!」
「どうせまた脱ぐだろ?」
「脱がねーよ、折角綺麗に……して……くれ……」
言っていて恥ずかしくなった俺は、ぽふっと枕に顔を埋める。
「ん、綺麗にしてあげたよ。当たり前だ」
べとべとになった身体もシーツも涼によって全部綺麗になっていて、本当に愛されているとおもう。
「飯、どうする? 食いにいくか?」
涼が俺に聞いてくる。
————こいつ、頭沸いてんのか?
「起きあがれる訳ないだろう? どんだけ無茶苦茶してると思ってんだよ」
「ああ、そうだな。がんばっていたもんなぁ。それなら俺が何か作ろうか。コンシェルジュに相談してくるから、少し寝とけよ」
涼は窓を少し開け爽やかな風に乗るように流れるチュンチュンという音を聴いていた。
「鳥が鳴いているな。こういう囀りを聴いていると、何故か気持ちが優しくなれる気がするよな」
「涼?」
「いや、俺らしくないな……。忘れてくれ」
さっきと同じセリフをベッドサイドに腰掛け、俺の腰を無意識に擦りながら照れるように言っていた。
「別に涼らしくないとか、そんなことは無いと思うよ。基本的にはポエミーじゃん」
ベッドから起きあがれない悠は、俺にされるがままやらせて、嬉しそうに微笑んだ。
「ポエミーってなんだ、また人を小馬鹿にしたような事を言う」
不貞腐れた涼はすこぶる面倒くさいけど、地味に可愛かったりもする。誰も知らない俺だけの秘密。
「バカになんかしてないさ。可愛いよ」
「うるせーよ!」
そういうと、「ほらまた」と人が動けないのを良い事にキスの嵐だ。
————しんどくたって乳首位たつんだよ。やめてくれ……。
「腹減った、なんか作れよ! 涼」
「とりあえずこれを飲んでおけ、声やばいぞ……」
がらがらの声を心配して水をくれた。
「スープ飲みたいな」
ん? ミルクスープにするか?
つい口にふくんだ水を吹き出した。
「きったねーな! 悠」
「うるさいよ。誰のせいだと思ってんだ。涼のせいだろ。ミルクは当分いらない!」
ざーんねん、とクスクス笑うアイツは本当に質(たち)が悪い。
「ミルクとか、ホワイトソースとか、お前のスペルマを連想させるやつは、今はいりません」
「んな毛嫌いすんなって。大好きベスト三のくせしやがって」
「大嫌いベスト三の間違いだろ」
「へー」
「うるさいよ」
「はいはい。まぁ待ってろ。なんか旨いもの作ってやるから」
サイテー野郎は、それでも真面目にコンシェルジュに電話をかけ小さなコンロを二つ貸してもらい、野菜を小さく切ってベーコンと豆をコトコト煮てくれた。
優しい味のスープに、バターが抱き込まれたパン、アイツが作るフワフワのオムレツと温かいミルクティ。
「ミルクティは色が茶色いからいいだろ?」
【ぼっっっ】
火が着いたかと思った。
「顔赤いぞ? 熱でもあるのか?」
クスクス笑いながら髪を鋤(す)く手が優しくてほんわかした気分になる。
俺のおでこにおでこを合わせ、人差し指で胸元を広げ……ここもピンク……
とか言いやがった。
「黙れ」
「そうだ、涼つめやすりくれよ」
「爪やすり?」
爪やすりに基本的に用がないアイツはどうやら形状が理解出来ないらしい。
「バスルームの右の引き出しの透明なケースに入ってたのを、昨日、お前になぶられる前にみた」
「言い方……」
「はぁ? 人の十八番(おはこ)とってんじゃねーよ」
「たまにはお前の口癖、俺にも使わせろ」
「賃料、高かいよ」
そんな下らないやり取りをしながら、涼は起きあがれなくて横になっている悠の近くにゴロンと寝っ転がると、天井に広がる白い空を見ながら、首だけ悠の方を向いて話し始めた。
「久しぶりだな。こんなのんびり過ごすの。お前が孤児院に来たばかりの頃良く二階建てベッドでこうやって日がな一日語り合った」
「思い出話か? じじぃだな、涼は」
「そう言うな。ちょっと付き合えよ」
まっいいけどねって、もとより身体の動かせない俺は涼の思い出話に付き合った。
あれはまだ夏の真っ盛りだった。俺達の住む孤児院はアマルフィの断崖にあり、孤児院とはいえ……かなりのすぐれものだったと思う。
「覚えているか? 夏の浜辺でコニー達とスイカ割りしたよな」
「覚えている。十歳位だった。あの時、焼きパスタ食べるってきかないミンクを、金がねーからってお前が一生懸命説得してさ。それなのにミンクったらお前の気持ちも知らねーで、どっかのじじぃに焼きそば買って貰って、お前……あれ今思い出しても過去一キレていたぜ。乞食みたいな真似してんじゃねーってさ」
「おい、悠……思い出して貰いたいのはそっちのネタじゃねーんだよ!」
「あはははははははは」
こんな馬鹿笑いしたのはいつぶりだろう。
「なに? 何を思い出して欲しいんだよ、お前はさ」
すごく不穏な空気を感じ、なるたけ確信に迫らないように願う。
「スイカ割りしようって言った時、お前スイカに興味ねーって言ったじゃん」
ちょっと悠の頬がピンクに染まる。
「俺はスイカ割りめちゃくちゃしたくて、折角肉屋のじいさんにスイカ貰ったんだからやろうぜ、スイカ最高じゃん。でかくて丸くてそのままむしゃぶりつくしてーって言ってさ。そしたらお前、そんなにスイカがいいのかよ! って、帰っちまったんだよ」
————覚えているに決まっている。
————あの頃にはもうお前に恋していたから……。
「何黙ってるんだよ」
「別に黙ってる訳じゃないけど」
「けど?」
「何でもないよ」
「いやいや不貞腐れているだろ? なぁ、もしかして……お前」
「なにを勘違いしいてるか知らないけど、スイカはきちんと切って食べなきゃ……スイカを作った人に悪いだろ? だから嫌だって言ったんだよ」
「悠……嘘だ。お前は嘘をつくと俺と目を合わさなくなる」
見たこともないくらい、まじめで穏やかな顔だった。
「死んでも言わね―」
「じゃあ俺が代わりに言っていいか」
「何を言う気だよ」
◆◆
——追憶——
時は二十年前に遡る。
無意識にキュッと締まる。さらに気持ち良くなりたいと身体が勝手に望む。
「エッロ」
俺の唇めがけて涼の口から唾液がしたたり落ちてきた。
「口の中に溜められるか」
俺の心はあいつの命令に勝手に反応して口をあけ、涼の口から垂らされる唾液を飲み込まない様に溜めた。
沢山溜まるのを嬉しそうに見たアイツは、見た事もないような甘いふにゃっとした顔でそっと首すじにキスをした。
「そのまま飲み込むな。口を開けたままにして」
「ん————」
唾液を溜められた俺は、上を向けば自然に嚥下してしまうからあまり顔の位置も変えられず、されるがままだ。
「いい子。ゴックンしていいよ」
「最低」
涼は俺のそんな、なけなしの口答えも気にせず言った。
「お前本当にかわいいな。ニャーニャーいって腰を振ってみ。ご主人様の命令だ」
言い出したら止まらない、涼は基本俺様主義だ。
俺で遊び始めたら泣いても許してくれないし、それなら猫らしく爪でもたててやる。
「ニャー」あまーく、あまーく、鳴いた俺は涼の背中に爪をたてた。
血が滲む背中に眉を寄せたアイツは、耳の中に声を吹き込んだ。
「好きなだけやれよ。出すぞ」
あっ、あ————。
ドクドクと出されたミルクを穴でシェイクしたアイツは近くに用意されていたシェーカーを股間に寄せた。羞恥で死ねるってきっとこういう事を言うんだろうか。そんなことを考えていたら、甘くていらしい声が耳元で囁いた。
「ほら、悠。穴を広げて掻き出して。出来ないならやってあげようか」
「うるせー、出きるし」
俺は震える指を自分の穴に指を突っ込み、グジュグジュになったミントと涼の精液を、必死にシェーカーにかきだしベッドに倒れこんだ。
あの馬鹿は何を思ったか、エロイ匂いしかしないそのシェーカーにラムをいれ、シェイクし、グラスに氷をいれてそこに炭酸水で割った。
「飲めよ。自家製モヒートだよ」
「サイテーだな」
頭の中はふざけんじゃねーって思っているのに……
俺の手はそれをしっかり受け取っていた。
「まずいよ……涼」
「全部きちんと飲めよ。薄くならないように極力炭酸水は控えてあるからな」
アイツが俺にだけ見せる特別な顔に、俺は精液を出さずにアヌスで逝った。
「メスイキしたのか。これ飲んで逝くとかどんだけだよ」
いやらしい笑いと裏腹に、額に降るキスは、存外優しかった。
「こんな事をしても、お前は俺を愛してくれるのか。どこまでお前は許してくれる」
倒れ込む俺の髪を優しく撫でながら、聞こえない位の声で捨てないでという。
————捨てる訳ないのに。
アイツのえげつないモヒートは俺にだけ向ける特別な顔。
あのあとモヒートを飲んだ俺が可愛かったのか、なんども弄られ……結局意識を飛ばすまで抱き潰され、朝日の光で目を覚ました俺は、横にアイツがいなくて泣きそうになった。
「起きたのか?」
バスルームから顔を出した涼は何も着けずに歩いてくる。
そこに居た安心からホッとした顔をすると、何かを察した涼が、罰が悪そうにポリポリと頭を掻いた。
「パンツ位穿けよ!」
「どうせまた脱ぐだろ?」
「脱がねーよ、折角綺麗に……して……くれ……」
言っていて恥ずかしくなった俺は、ぽふっと枕に顔を埋める。
「ん、綺麗にしてあげたよ。当たり前だ」
べとべとになった身体もシーツも涼によって全部綺麗になっていて、本当に愛されているとおもう。
「飯、どうする? 食いにいくか?」
涼が俺に聞いてくる。
————こいつ、頭沸いてんのか?
「起きあがれる訳ないだろう? どんだけ無茶苦茶してると思ってんだよ」
「ああ、そうだな。がんばっていたもんなぁ。それなら俺が何か作ろうか。コンシェルジュに相談してくるから、少し寝とけよ」
涼は窓を少し開け爽やかな風に乗るように流れるチュンチュンという音を聴いていた。
「鳥が鳴いているな。こういう囀りを聴いていると、何故か気持ちが優しくなれる気がするよな」
「涼?」
「いや、俺らしくないな……。忘れてくれ」
さっきと同じセリフをベッドサイドに腰掛け、俺の腰を無意識に擦りながら照れるように言っていた。
「別に涼らしくないとか、そんなことは無いと思うよ。基本的にはポエミーじゃん」
ベッドから起きあがれない悠は、俺にされるがままやらせて、嬉しそうに微笑んだ。
「ポエミーってなんだ、また人を小馬鹿にしたような事を言う」
不貞腐れた涼はすこぶる面倒くさいけど、地味に可愛かったりもする。誰も知らない俺だけの秘密。
「バカになんかしてないさ。可愛いよ」
「うるせーよ!」
そういうと、「ほらまた」と人が動けないのを良い事にキスの嵐だ。
————しんどくたって乳首位たつんだよ。やめてくれ……。
「腹減った、なんか作れよ! 涼」
「とりあえずこれを飲んでおけ、声やばいぞ……」
がらがらの声を心配して水をくれた。
「スープ飲みたいな」
ん? ミルクスープにするか?
つい口にふくんだ水を吹き出した。
「きったねーな! 悠」
「うるさいよ。誰のせいだと思ってんだ。涼のせいだろ。ミルクは当分いらない!」
ざーんねん、とクスクス笑うアイツは本当に質(たち)が悪い。
「ミルクとか、ホワイトソースとか、お前のスペルマを連想させるやつは、今はいりません」
「んな毛嫌いすんなって。大好きベスト三のくせしやがって」
「大嫌いベスト三の間違いだろ」
「へー」
「うるさいよ」
「はいはい。まぁ待ってろ。なんか旨いもの作ってやるから」
サイテー野郎は、それでも真面目にコンシェルジュに電話をかけ小さなコンロを二つ貸してもらい、野菜を小さく切ってベーコンと豆をコトコト煮てくれた。
優しい味のスープに、バターが抱き込まれたパン、アイツが作るフワフワのオムレツと温かいミルクティ。
「ミルクティは色が茶色いからいいだろ?」
【ぼっっっ】
火が着いたかと思った。
「顔赤いぞ? 熱でもあるのか?」
クスクス笑いながら髪を鋤(す)く手が優しくてほんわかした気分になる。
俺のおでこにおでこを合わせ、人差し指で胸元を広げ……ここもピンク……
とか言いやがった。
「黙れ」
「そうだ、涼つめやすりくれよ」
「爪やすり?」
爪やすりに基本的に用がないアイツはどうやら形状が理解出来ないらしい。
「バスルームの右の引き出しの透明なケースに入ってたのを、昨日、お前になぶられる前にみた」
「言い方……」
「はぁ? 人の十八番(おはこ)とってんじゃねーよ」
「たまにはお前の口癖、俺にも使わせろ」
「賃料、高かいよ」
そんな下らないやり取りをしながら、涼は起きあがれなくて横になっている悠の近くにゴロンと寝っ転がると、天井に広がる白い空を見ながら、首だけ悠の方を向いて話し始めた。
「久しぶりだな。こんなのんびり過ごすの。お前が孤児院に来たばかりの頃良く二階建てベッドでこうやって日がな一日語り合った」
「思い出話か? じじぃだな、涼は」
「そう言うな。ちょっと付き合えよ」
まっいいけどねって、もとより身体の動かせない俺は涼の思い出話に付き合った。
あれはまだ夏の真っ盛りだった。俺達の住む孤児院はアマルフィの断崖にあり、孤児院とはいえ……かなりのすぐれものだったと思う。
「覚えているか? 夏の浜辺でコニー達とスイカ割りしたよな」
「覚えている。十歳位だった。あの時、焼きパスタ食べるってきかないミンクを、金がねーからってお前が一生懸命説得してさ。それなのにミンクったらお前の気持ちも知らねーで、どっかのじじぃに焼きそば買って貰って、お前……あれ今思い出しても過去一キレていたぜ。乞食みたいな真似してんじゃねーってさ」
「おい、悠……思い出して貰いたいのはそっちのネタじゃねーんだよ!」
「あはははははははは」
こんな馬鹿笑いしたのはいつぶりだろう。
「なに? 何を思い出して欲しいんだよ、お前はさ」
すごく不穏な空気を感じ、なるたけ確信に迫らないように願う。
「スイカ割りしようって言った時、お前スイカに興味ねーって言ったじゃん」
ちょっと悠の頬がピンクに染まる。
「俺はスイカ割りめちゃくちゃしたくて、折角肉屋のじいさんにスイカ貰ったんだからやろうぜ、スイカ最高じゃん。でかくて丸くてそのままむしゃぶりつくしてーって言ってさ。そしたらお前、そんなにスイカがいいのかよ! って、帰っちまったんだよ」
————覚えているに決まっている。
————あの頃にはもうお前に恋していたから……。
「何黙ってるんだよ」
「別に黙ってる訳じゃないけど」
「けど?」
「何でもないよ」
「いやいや不貞腐れているだろ? なぁ、もしかして……お前」
「なにを勘違いしいてるか知らないけど、スイカはきちんと切って食べなきゃ……スイカを作った人に悪いだろ? だから嫌だって言ったんだよ」
「悠……嘘だ。お前は嘘をつくと俺と目を合わさなくなる」
見たこともないくらい、まじめで穏やかな顔だった。
「死んでも言わね―」
「じゃあ俺が代わりに言っていいか」
「何を言う気だよ」
◆◆
——追憶——
時は二十年前に遡る。
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