7 / 8
7 奇跡のスタート、種は撒かれた
しおりを挟む
【12月25日】
レイはいつものように起き上がるとベッドサイドに腰を掛けゆっくり辺りを見回した。ほとんど日の入らない窓辺に向かい、一歩脚を踏み出すと地下シェルターとは思えないフワフワの絨毯に脚をつつまれる。サイドテーブルの横を通り過ぎようとしたその時、足元に落ちていた小さな長方形の袋を発見した。
レイはしゃがむとその包み紙を手に取った。
表を返し宛名を確認する。
「どうしたというのだ?」
ベッドの中からひときわ低い声がした。
「シロエ……起きていたの?」
「俺より先に起きるなと言っているのに、わからない子だな。お前の寝顔を見るのが俺の唯一の楽しみなんだ、勝手にいなくならないでくれないか」
ベッドの中から俺を睨みながら、シロエはそう言った。
ボクサーパンツ一枚の出で立ちでレイのもとへ歩きだし、手に持っていたぺらぺらの紙を奪い取る。
「これは?」
「さっきここに落ちていたんだ」
レイはシロエにそれを渡した。
「種だな」
シロエはレイにそういうと「お前のものだぞ」と誇らしげに言った。
「ホントに?俺の?」
中身を空けると確かに俺の名前がかいてあった。
「本当だ……」
俺は無言でシロエの首に抱きついた。喉から手が出るほどに欲しかった奇跡の種……それが今ここにある。
「こらこらどうした。痛いじゃないか、レイ」
「抱き締めて……」
抱きついていた首から手を離すと、からだの震えを取るように俺はシロエの胸に顔を埋め直すと力任せに再度抱き付いた。
「こうか」
シロエはお姫様だっこでレイを抱き抱えると、ベッドの中へ連れ帰り、胡座をかいたそのスポットへ、レイをストンと落とし、腕の中で大人しくなっているレイの頬にキスをした。ゆうに30分はシロエの腕の中にいたレイは、落ち着いたのかモゾモゾとそこから抜け出すと徐に着替え始めた。
「ヨハスに知らせてくる」
「なんだ一番は俺ではなくヨハスなのか?」
憮然とするシロエを見て、俺はあまりの可愛さに声をあげて笑った。
「一番は既にあなただったじゃないか、貴方でも焼きもち焼いたりするんだね」
「人をロボットみたいに言わないでくれないか。するに決まっているではないか」
サテンのシャツを羽織りコーヒーを落としながらタバコに火をつけた。
俺はシロエに行ってきますのキスをすると、種を手に
部屋をあとにした。
【種は撒かれた】
レイに種が届くこと。これが最初の奇跡のスタートだった。
レイはいつものように起き上がるとベッドサイドに腰を掛けゆっくり辺りを見回した。ほとんど日の入らない窓辺に向かい、一歩脚を踏み出すと地下シェルターとは思えないフワフワの絨毯に脚をつつまれる。サイドテーブルの横を通り過ぎようとしたその時、足元に落ちていた小さな長方形の袋を発見した。
レイはしゃがむとその包み紙を手に取った。
表を返し宛名を確認する。
「どうしたというのだ?」
ベッドの中からひときわ低い声がした。
「シロエ……起きていたの?」
「俺より先に起きるなと言っているのに、わからない子だな。お前の寝顔を見るのが俺の唯一の楽しみなんだ、勝手にいなくならないでくれないか」
ベッドの中から俺を睨みながら、シロエはそう言った。
ボクサーパンツ一枚の出で立ちでレイのもとへ歩きだし、手に持っていたぺらぺらの紙を奪い取る。
「これは?」
「さっきここに落ちていたんだ」
レイはシロエにそれを渡した。
「種だな」
シロエはレイにそういうと「お前のものだぞ」と誇らしげに言った。
「ホントに?俺の?」
中身を空けると確かに俺の名前がかいてあった。
「本当だ……」
俺は無言でシロエの首に抱きついた。喉から手が出るほどに欲しかった奇跡の種……それが今ここにある。
「こらこらどうした。痛いじゃないか、レイ」
「抱き締めて……」
抱きついていた首から手を離すと、からだの震えを取るように俺はシロエの胸に顔を埋め直すと力任せに再度抱き付いた。
「こうか」
シロエはお姫様だっこでレイを抱き抱えると、ベッドの中へ連れ帰り、胡座をかいたそのスポットへ、レイをストンと落とし、腕の中で大人しくなっているレイの頬にキスをした。ゆうに30分はシロエの腕の中にいたレイは、落ち着いたのかモゾモゾとそこから抜け出すと徐に着替え始めた。
「ヨハスに知らせてくる」
「なんだ一番は俺ではなくヨハスなのか?」
憮然とするシロエを見て、俺はあまりの可愛さに声をあげて笑った。
「一番は既にあなただったじゃないか、貴方でも焼きもち焼いたりするんだね」
「人をロボットみたいに言わないでくれないか。するに決まっているではないか」
サテンのシャツを羽織りコーヒーを落としながらタバコに火をつけた。
俺はシロエに行ってきますのキスをすると、種を手に
部屋をあとにした。
【種は撒かれた】
レイに種が届くこと。これが最初の奇跡のスタートだった。
0
あなたにおすすめの小説
俺の居場所を探して
夜野
BL
小林響也は炎天下の中辿り着き、自宅のドアを開けた瞬間眩しい光に包まれお約束的に異世界にたどり着いてしまう。
そこには怪しい人達と自分と犬猿の仲の弟の姿があった。
そこで弟は聖女、自分は弟の付き人と決められ、、、
このお話しは響也と弟が対立し、こじれて決別してそれぞれお互い的に幸せを探す話しです。
シリアスで暗めなので読み手を選ぶかもしれません。
遅筆なので不定期に投稿します。
初投稿です。
2度目の恋 ~忘れられない1度目の恋~
青ムギ
BL
「俺は、生涯お前しか愛さない。」
その言葉を言われたのが社会人2年目の春。
あの時は、確かに俺達には愛が存在していた。
だが、今はー
「仕事が忙しいから先に寝ててくれ。」
「今忙しいんだ。お前に構ってられない。」
冷たく突き放すような言葉ばかりを言って家を空ける日が多くなる。
貴方の視界に、俺は映らないー。
2人の記念日もずっと1人で祝っている。
あの人を想う一方通行の「愛」は苦しく、俺の心を蝕んでいく。
そんなある日、体の不調で病院を受診した際医者から余命宣告を受ける。
あの人の電話はいつも着信拒否。診断結果を伝えようにも伝えられない。
ーもういっそ秘密にしたまま、過ごそうかな。ー
※主人公が悲しい目にあいます。素敵な人に出会わせたいです。
表紙のイラストは、Picrew様の[君の世界メーカー]マサキ様からお借りしました。
拗らせ問題児は癒しの君を独占したい
結衣可
BL
前世で限界社畜として心をすり減らした青年は、異世界の貧乏子爵家三男・セナとして転生する。王立貴族学院に奨学生として通う彼は、座学で首席の成績を持ちながらも、目立つことを徹底的に避けて生きていた。期待されることは、壊れる前触れだと知っているからだ。
一方、公爵家次男のアレクシスは、魔法も剣術も学年トップの才能を持ちながら、「何も期待されていない」立場に嫌気がさし、問題児として学院で浮いた存在になっていた。
補習課題のペアとして出会った二人。
セナはアレクシスを特別視せず、恐れも媚びも見せない。その静かな態度と、美しい瞳に、アレクシスは強く惹かれていく。放課後を共に過ごすうち、アレクシスはセナを守りたいと思い始める。
身分差と噂、そしてセナが隠す“癒やしの光魔法”。
期待されることを恐れるセナと、期待されないことに傷つくアレクシスは、すれ違いながらも互いを唯一の居場所として見つけていく。
これは、静かに生きたい少年と、選ばれたかった少年が出会った物語。
【16話完結】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている
キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。
今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。
魔法と剣が支配するリオセルト大陸。
平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。
過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。
すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。
――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。
切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。
お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /チャッピー
AI比較企画作品
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
聖者の愛はお前だけのもの
いちみりヒビキ
BL
スパダリ聖者とツンデレ王子の王道イチャラブファンタジー。
<あらすじ>
ツンデレ王子”ユリウス”の元に、希少な男性聖者”レオンハルト”がやってきた。
ユリウスは、魔法が使えないレオンハルトを偽聖者と罵るが、心の中ではレオンハルトのことが気になって仕方ない。
意地悪なのにとても優しいレオンハルト。そして、圧倒的な拳の破壊力で、数々の難題を解決していく姿に、ユリウスは惹かれ、次第に心を許していく……。
全年齢対象。
偽りの聖者と泥の国
篠雨
BL
「感謝すら忘れた者たちに、明日を語る資格はない」
自らの都合で聖王セシルを追放し、異世界から新たな「勇者」を召喚したアドレアン聖王国。
しかし、その身勝手な選択が、国を、大地を、そして人々の心を根底から腐らせていく。
壊れゆく少年勇者と、彼を歪に愛した騎士。
二人の執着が交わったとき、聖王国は二度と再生不能な終焉へと突き進む。
裏切り者たちには、因果応報という名の、容赦なき報いが下る。
これは、傲慢な国が崩壊するまでの、無慈悲な記録。
-----------------------------------------
『嘘つき王と影の騎士』から引き続き読んでくださる皆様へ
この物語は、セシルを虐げた者たちが、ただただ因果応報の末路を辿るだけの物語です。
本編に救いはありません。
セシルたちのその後が気になるという方は、本編は飛ばして、最終話の後に掲載する「閑話」のみをお読みいただくことをお勧めいたします。
本作は『嘘つき王と影の騎士』の続編となりますが、前作をお読みでない方でも一つの物語としてお楽しみいただけます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる