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碧はいつも通り離れに帰ってきた。
スマホも買って貰えず、働き先を見つける手段も中々なく、この間ハローワークに行ってきてもらってきた資料をただ見ていた。
ガラガラガラ
日頃誰も来ることのないこの部屋の扉が急にあき、碧は驚いた。
久しぶりに両親の顔を見た。
「碧、貴方が役に立つ時が来たわよ。今まで念の為にスペアとして残しておいてほんとに良かったわ。敦が学校の階段から落ちて意識不明なの。敦が元に戻るまでの間、貴方が敦のふりをして星華学園に通いなさい。」
「え...」
突然言われた内容に理解が追いつかない。
お兄ちゃんが意識不明?
僕が星華学園に通う?お兄ちゃんのふりをして?
「敦は頭を打って記憶喪失ってことにするから大丈夫よ。今まで育ててあげたんだからこういう時くらい役に立ちなさい。
貴方は敦と違って可愛らしさなんてなくて辛気臭い顔をしてるけど一応双子なんだし。その目だけコンタクトでも入れればいいわよ。」
「敦が戻らなかったらお前が敦として西園寺家の跡を継ぐんだ。碧の存在など親族は誰も知らないからな。いいか、これは命令だ。高校からは寮に入ることになっているからお前の顔を見なくて済む。入学式までに準備しとけ。」
それだけ言って両親は本宅に戻って行った。
どう考えても無理だ。でも逆らうのも怖い。
それに高校に行ってみたい。
碧は敦の代わりとして星華学園高等部に行くことを決意した。
スマホも買って貰えず、働き先を見つける手段も中々なく、この間ハローワークに行ってきてもらってきた資料をただ見ていた。
ガラガラガラ
日頃誰も来ることのないこの部屋の扉が急にあき、碧は驚いた。
久しぶりに両親の顔を見た。
「碧、貴方が役に立つ時が来たわよ。今まで念の為にスペアとして残しておいてほんとに良かったわ。敦が学校の階段から落ちて意識不明なの。敦が元に戻るまでの間、貴方が敦のふりをして星華学園に通いなさい。」
「え...」
突然言われた内容に理解が追いつかない。
お兄ちゃんが意識不明?
僕が星華学園に通う?お兄ちゃんのふりをして?
「敦は頭を打って記憶喪失ってことにするから大丈夫よ。今まで育ててあげたんだからこういう時くらい役に立ちなさい。
貴方は敦と違って可愛らしさなんてなくて辛気臭い顔をしてるけど一応双子なんだし。その目だけコンタクトでも入れればいいわよ。」
「敦が戻らなかったらお前が敦として西園寺家の跡を継ぐんだ。碧の存在など親族は誰も知らないからな。いいか、これは命令だ。高校からは寮に入ることになっているからお前の顔を見なくて済む。入学式までに準備しとけ。」
それだけ言って両親は本宅に戻って行った。
どう考えても無理だ。でも逆らうのも怖い。
それに高校に行ってみたい。
碧は敦の代わりとして星華学園高等部に行くことを決意した。
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