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悪役令嬢が異世界に転生したら便器でした。
目覚め
しおりを挟むうん?ここは?
私はとても狭い空間で目を覚ました。目の前には片開きのドアがある。そして漂う香水をもう少し薄めた様な匂い。お花でも生けてあるのかしら。私は辺りを見渡そうとする。しかし、何故か一点を見つめたままで目を動かす事が出来ない。
申し遅れました。私の名前はミリヤーノ・レミリア。かの有名なブリリアーノ王国で悪役令嬢をやっていました。しかし、反乱軍に剣で襲われてから意識を失い、目を覚ましたらこんな状況になっていました。くそう!私は国の中でも一番偉いのに!何でこんな仕打ちを!こんな事をやっている場合じゃないわ!まずは声を出してみましょう!それで来た人全員打ち首よ!
「ゴボッ、ゴボボッ、ジャー」
どうして!?
何故か声を出そうとすると水が詰まった様な音に変換される。畜生!負けるものですか!
「ゴボッ、ゴボボボッ!バシャッ!」
すると誰かが気付いたのか、遠くから声が聞こえて来た。
「おーい!母さん、便所壊れてるんじゃないのか?」
「えー?前に買い換えたばかりでしょ?」
何ですって!?私に向かって便所呼ばわりするなんて!そう思っていたら、一人のおじさんが扉を開けて入って来た。
良かった!これでようやく助かるわ!
そう思った時、何故かそのおじさんはこちらにお尻を向けてズボンを脱ぎ始めた。
えっ!?ちょっと待って!?何してるの!?
私は嫌な予感がした。そこでおじさんに抵抗しようと必死に自分の声を上げた。
「ジャアアアアアア!!」
「うおっ、何だ!?勝手に水が!」
「ジャアアアアアア!!バシャバシャバシャ!!」
「うわっ!水が跳ねる!これじゃあ使えないな。」
そして一回ズボンを上げてくれた。良かった。私が安心しているとおじさんは少し考えた様な顔をした。そして・・・
(お前、もしかして意思があるのか?)
(あなた脳内に直接・・・)
分かったわ!このおじさんは超能力が使えるのね!
(私は一体どうなってしまったの!?)
(どうなってしまった?)
(鏡を見せて!)
(しょうがないな。ちょっと待っとれ。)
そしておじさんはわざわざ手鏡を取りに行ってくれた。
(それで私を写して!)
(ほれ。)
そして私は自分にに向けられた鏡を覗き込んだ。すると・・・
(い・・・いやあああああああ!!)
「ジャアアアアアア!!」
私は自分の姿を見て唖然とした。
私・・・私・・・便器になってる!?
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