見切り教育

ラッキーセヴァン

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9月2日

9月2日

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『9月2日午後10時を迎えました。ニュースをお知らせします。

東京都 良七市 良七区に設立されている柳田図書館の即興模試にバットを持った都内高校生の少年三人が乱入した事件について、この事件がネットに拡散されて以来、日本各地に少年三人と同じ様にバットなどの凶器を持った中高生が確認されています。これについて総理大臣は、「これは法律を検討し直す必要がある。」と意向を露わにしています。

次のニュースです。同図書館で一酸化炭素ガスが入ったタンクが見つかりました。これについて責任者は「図書館内を荒らされるのが嫌で取り付けておいた。」と供述しています。この事件を踏まえ、柳田図書館は明日の午前12時で閉鎖する事になりました。』

「へー怖いな!模倣犯ってやつか。」

タブレットでニュースを見ながら原が言う。多分作り笑いだろうな。

「しっかしなー、ここまで全国で騒ぎになってるのに政府は全然動かねえな!」

「うん、そうだね。」

「でも見切り教育、見直すかもしれないんだよな!」

「絶対口だけでしょ。」

「そうか?でも見直すのを実行に移す為にヤクザのお偉いさんであるこの俺がこの情報を届けに行くんだぜ。」

「・・・・・・。」

「まあ、ショックだったよな?酷い事ばっかりだったもんな?」

一番ショックだったのはあんただろ!!

「ほらぁー!イコーリーだぞー!綺麗だなー!移住したいなー!」

「・・・移住なんかしたくねえよ。それを私から遠ざけろ。」

「だよな。ごめんな。」

原は申し訳無さそうにタブレットをしまった。私達の雰囲気は最悪だ。しかし丁度その時、原のタブレットがピロンと鳴った。

「おっ!来た来た!」

「来たって何が?」

「闇野達からのSNS!!」

「は?SNS?」

「知らねえのかよ!最近流行ってる写真付きでメッセージが送れるアプリだよ!」

そんなの昔からあるでしょ。それなのに何をそんなにはしゃいでるの?

「随分楽しそうだねえ。」

「当たり前だろ!?だって闇野とかみんなからのメッセージだぜ!?闇野とかの」

「はいはい、分かったよ。」

・・・こいつ闇野に気があるのか。

「まあいいや!早速見てみよう!」

原は新着メッセージの欄をタップした。

『二人共、今どんな感じ?私は放課後に薬の研究をしました。だけど、色々いじくり回している内に爆発してしまいました!』

写真を見ると闇野が手に持っている三角フラスコの中から勢いよく気体が噴き出していて、闇野とその様子を見ていた女子がきゃあきゃあと騒いでいる様子が伺える。

「あーあー。」

「あっはは!やべえなこれ!」

『あとそれから、私達は近くの図書館で即興模試を受けました。因に私の偏差値は60です。70なんか足元にも及びませんでした(笑)でも二人が見切り教育を止めに行ってくれてるんだよね。だから私も二人に負けない様に未来に向けて頑張ります!』

ここでメッセージは終わっていた。

「チャンス、掴めてたみたいだね。」

「ああ、良かったー!!」

原が両手でガッツポーズを作り、大きく伸ばした。少なーい可能性が実ったのだ。

「じゃ、私は勉強するからあとは二人で楽しんで。」

「えー!まだやんのかよ!今日はもう休めよ!」

「いや、私は明日に結構かけてるから。」

「へー妙にやる気だねー。まあいいや!拝啓、闇野ちゃーん・・・」

ガリガリガリガリガリ・・・

楽しそうな原を横目に私は包帯やテープが所々巻かれた手指で勉強に取り組んでいく。

明日は絶対に偏差値70を超えなければ。

明日こそは。
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