見切り教育

ラッキーセヴァン

文字の大きさ
48 / 93
9月3日

全力

しおりを挟む

私と原は早速勉強に取り掛かった。

「しっかし山口!お前良くあんな方法思いついたな!」

「そりゃあね。同じ勉強に取り組んでる者同士気持ちは分かるよ。向こうなんか私よりもずーっと多くやってるんだよ?」

「でもさあ、負けたらどうすんだよ。」

「・・・まあ、そんときゃそんときでしょ。」

「何だそれ!!」

こんなやり取りをしながらも、その後、私達は何事も無くスラスラと勉強に取り組んでいた。

よし、これで模試でもいい結果を残せるかな。

「・・・山口危ねぇ!!」

「えっ!?」

急に原が私に覆い被さって来た。そして・・・

「うああああああっ!!」

「ちょっと原どうしたの!?」

原が苦しそうな叫び声を上げた。私は驚いて原の顔を見る。すると、原のほっぺに擦り傷の様なものが出来ていた。患部からは血が流れている。

「ねえ大丈夫!?誰!?こんな事したの!!」

「ふふふん!!こんな事出来るのは僕達だけでしょう!」

「頭悪過ぎるよぉ~。」

「あ・・・あんた達は・・・河野と澤田!!」

「あ、そっのとーりー!」

「だいせいかぁーい。」

「お前ら・・・ズルじゃねえか!!」

「何でこんな事するの!?」

「理由なんかどうでもいいだろう!!とにかく僕達は君達二人を全力で邪魔しに行く!!お前らの事は何が何でも勝たせないぞ!!」

「成績ボロボロにしてやるよぉ。」

「「それえっ!!!」」

すると突然、二人が走って追いかけて来た。

「きゃああっ!!」

「おいお前ら!!山口には手ェ出すんじゃねえ!!」

私と原は走って逃げるしかない。

「ふっふーん、問答無用!!」

「まてまてぇー。」

それでも二人は全力疾走でしつこく追いかけてくる。

必死に逃げている最中に原は私にこう提案した。

「おい山口、こうなったらあいつらから逃げながら勉強するしかない!」

「マジで!?大丈夫なの!?」

「大丈夫だ!この勉強部屋はめちゃくちゃ広い!しかもデカい本棚が数え切れない程並べてある!だから見つからない様な所に隠れて勉強するんだ!」

「もし見つかったら?」

「もう一回逃げる!」

何だこの恐ろしく体力を消耗しそうな作戦は。でも・・・私は後ろをちらっと振り向く。

「待てお前ら!!はぁ・・・はぁ・・・一旦止まれ!!」

「河野ちん体力なさ過ぎぃー。」

「うるさいぞ!!」

もうやるしかない。

「分かった!じゃあ今から二手に分かれよう。」

「うっし!そうと決まれば作戦決行だ!」

こうして私と原は別々に走った。










しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

それなりに怖い話。

只野誠
ホラー
これは創作です。 実際に起きた出来事はございません。創作です。事実ではございません。創作です創作です創作です。 本当に、実際に起きた話ではございません。 なので、安心して読むことができます。 オムニバス形式なので、どの章から読んでも問題ありません。 不定期に章を追加していきます。 2025/12/24:『おおみそか』の章を追加。2025/12/31の朝4時頃より公開開始予定。 2025/12/23:『みこし』の章を追加。2025/12/30の朝4時頃より公開開始予定。 2025/12/22:『かれんだー』の章を追加。2025/12/29の朝4時頃より公開開始予定。 2025/12/21:『おつきさまがみている』の章を追加。2025/12/28の朝8時頃より公開開始予定。 2025/12/20:『にんぎょう』の章を追加。2025/12/27の朝8時頃より公開開始予定。 2025/12/19:『ひるさがり』の章を追加。2025/12/26の朝4時頃より公開開始予定。 2025/12/18:『いるみねーしょん』の章を追加。2025/12/25の朝4時頃より公開開始予定。 ※こちらの作品は、小説家になろう、カクヨム、アルファポリスで同時に掲載しています。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

処理中です...