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終わらせない
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しおりを挟む私と原は国会の中を歩く。暫く黙って歩いていたが・・・
「山口いいいいいいいい!!」
うおっ!肩に手を!
「俺多分お前が居なかったらここまで来れなかったよ!!ありがとな!!やっぱお前はこの国の“救い”だな!」
「えっ!?大袈裟だよ!」
「へへっ!全然そんな事無いぜ!!救い救い!!」
ははは・・・救い・・・か。
「あっ、もうすぐ総理大臣の部屋に着くぜ!ここにこのイコーリーの情報を提出すれば任務完了だ。」
任務完了。この言葉を聞いて私は今までの事が走馬灯の様に蘇ってきた。
辛かった事。
苦しかった事。
でもその中でも起こった楽しかった事。
「山口、何ぼーっとしてるんだ?」
はっ。
「大丈夫か?もう部屋に入るぜ!」
「・・・分かった。」
そして原は扉を開け、部屋の中に入って行った。私も原の後に続く。
すると、夏休み中にテレビで見た髭を生やしたおじさんが大きな机と椅子に腰掛けていた。総理大臣だ。
「どうも、こんにちは。龍頭組の原です。」
原は丁寧にお辞儀をした。
「原くん・・・。イコーリーの事だけど、あの科学者がいるから」
「もう倒して来ました。」
「・・・何だって?」
「だから、この人質と引き換えに、国を僕達、龍頭組に譲って下さい。」
「あ・・・あ・・・」
国を譲るなんて・・・やっぱり嫌かな?
「ありがとう!!」
えっ?
総理大臣は泣きながら原の手を握り、お礼を言った。
「ありがとう私達の事を止めてくれて!これで我が内閣は総辞職だ。これからは人の痛みも喜びも両方知っている君達が、この日本を引っ張っていってくれ!!よーし!早速イコーリーの事をみんなに伝えて来るぞ!ちょっと待っていてくれたまえ!!」
バタバタバタ・・・
総理大臣は走ってこの部屋を出て行った。
「山口。これで任務は完了だ!今まで俺に着いて来てくれてありがとう!」
「うん!原、こっちこそ最高のチャンスをくれてありがとう!」
私は原の肩に手を置いた。原の肩がただれていく。
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2025/12/22:『かれんだー』の章を追加。2025/12/29の朝4時頃より公開開始予定。
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