見切り教育

ラッキーセヴァン

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答え合わせ

山口 翠2

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やがて、山口は小学校を卒業して中学に上がった。

(よし、いよいよ中学生だ。県内で一番頭が良い高校に向けて三年間頑張ろう・・・!)

彼女はこの様な大きな野望を胸に秘めて有意義な中学校生活を歩む・・・

はずだった。

中学校に入学してから一週間後、自分の机を見て山口は絶句した。

『貧乏』

『死ね』

『学校来んな』

『税金泥棒』

「・・・えっ?何これ。」

山口はその光景に思わず自分の思っている事をそのまま口に出した。それはそうだろう。自分の机に酷い暴言や罵倒が油性ペンで書かれているんだから。すると数人の女子生徒が彼女の目の前にやって来た。

「・・・え?何」

「「「せーの!!」」」

ばしゃああああああん!

「・・・え?」

「あっははは!くっさーい!」

「それトイレのモップの水ー!!」

「貧乏人にはこれがお似合いよ!」

(そんな。またいじめられた?)

山口は呆然と立ち尽くす。

「ねえねえ!写真撮ってSNSにアップしようよ!」パシャパシャ

「お・・・お願い!それだけは止めて!?」

SNS・・・山口はその言葉に焦りを感じた。

普通にいじめられるのは慣れているけれど世界中にこんな顔を晒されるのは流石に勘弁だと思ったらしい。私もそんなの嫌だ。

「え?底辺の癖にそんな口叩いちゃうんだ?分かってないねー!

ねえ!みんなやっちゃって!」

えっ?みんなって?

ズラッ・・・

山口は周りを見回した。すると、モップやほうきを持ったクラスの半数の生徒が自分の事を取り囲んでいた。

「えっ!?やだ!助けて!ねえ嫌だ!助けてよ!どうして誰も助けてくれないの!?」

「よーし!タブレットしっかり構えててね!

じゃあいくよ!せーの!」

「い・・・嫌だ!

い゛や゛あ゛あああああああああああ!!」

この日以来、山口はあまり学校に行かなくなり、口に出して助けを求めなくなった。














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