89 / 93
9月5日
本当に伝えたい事。
しおりを挟む「あはははは!!あんたらみたいな馬鹿に何が出来るって言うの!?」
「ああ!?何が言いたい!」
「何ってそのままの意味に決まってるでしょ!?努力しない。かと言って何かが出来るって訳でも無いのに自分が気に入らない事があったらすぐブチキレて!私の話聞いて分かったでしょ!?やっぱり馬鹿なんてこの世に要らない」
「それは違うぜ山口!!」
原が山口の言葉を遮った。そしてこちらに目を向けて薬を作れと口パクで伝えて来た。
それに応える様に私は薬の調合を始める。
「山口、お前さあ、苦手な事ってある?」
「苦手な事?スポーツとか?」
「そうか!じゃあ、今からすーっごく努力してオリンピック出ろって言われたら、お前出来る?」
「そんなの無理に決まってるでしょ!?」
「だよなぁ。俺も無理だぜ。」
「はあ!?だから何なの!?離してよ!」
山口はまたウイルスを悪用して原の事を傷付けた。それでも原は離さない。
「離せ!離してよ!ぎゃあああああ!!」
山口が叫び声を上げる中で、
原はこう言った。
「いいか?お前が大人になる前に教えておくけれど、お前が馬鹿馬鹿って言ってる奴らは、山口がスポーツが苦手だっていうのと同じ理由で、ただ勉強が苦手ってだけなんだよ。中には努力しても出来ない事がある。でも山口が勉強が得意なのとおんなじでそいつらにだって得意な事が沢山あるんだよ。でもな山口、この世界で生きていく上での優劣を決める為の基準が、たまたま、そいつらの苦手な勉強だったってだけなんだ。」
「何!?賢さを基準にしたこの世界が悪いっていうの!?じゃあ賢さ以外でどう世界を動かすの!?腕力?テレビゲーム?それとも喧嘩の強さ?そんなので世界を決めてみろよ!
ぶち壊れるぞ!!」
「・・・うん。お前の言う通りだな。
でも!
自分がどれだけ勉強出来るかで振り分けられた人生のレールの中で、勉強以外に残された沢山の得意な事をどれだけ活かせるか。すっくない給料を貰ってる中で、どれだけ人生の数え切れない程の喜びを見つけられるかが、大事なんだ!
頭が全てじゃないんだよ!だから自暴自棄にならないで!自分を嫌いにならないで!」
「原・・・」
私は薬を作りながら彼の名前を呟いていた。
気が付くと、山口は目からぼろぼろと涙を零していた。
「原・・・原ぁ・・・」
「おっ?分かってくれたか?山口。」
「原ぁ・・・」
ザシュ
「・・・え?」
私は今の一瞬で何が起こったのか理解出来なかった。
原の首が
一気に
千切れた。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし
かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし
長屋シリーズ一作目。
第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。
十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。
頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。
一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる