43 / 97
第43話 世にも残虐なるルロード様登場
しおりを挟む
着いたところは、とても大きな屋敷の屋根裏部屋らしかった。
窓があったので、ちょっと覗いてみたのだが、他の家の屋根が見えるだけだった。
そしてその部屋は、他に家具はなく、絨毯が敷いてあるだけだった。移動専門の部屋なのだろう。
私はドアに走り寄って、開けようと試みた。
大事な魔法の絨毯の部屋だ。厳重に鍵がかかっているかもしれない。
だが、ドアは軽く開いた。
絨毯の利用には相当な魔力がいると言っていた。つまり、とても便利だけれど、誰でも使えるわけじゃないのだ。
大部分の人間にとって、この素晴らしい魔法の絨毯は、ただの埃まみれの敷物に過ぎないのだろう。
保護魔法とまではいかないものの、私だって、ちょっとした魔法くらいなら使える。
お手伝いするなら、せめて目の色髪の色くらいは変えた方がいいだろうと、茶色の髪と焦げ茶色の目に変えて来たし、服はありふれてくたびれた女中服。
目立つ格好ではない。
ドキドキしながら、狭い階段を伝って下に下りていく。
だが、途中で私はふと足を止めた。
おかしな音……声が聞こえる。
二階に着いた時、それは玄関ホールから響いてくる声なのだとわかった。
正面入り口の吹き抜けの大ホールには、鋳鉄とガラス細工の芸術品のような灯りがぶら下がっていた。
「ワーッハッハッハ!」
その灯りに捕まって、一人の大男が黒髪をなびかせながら、大声で嘲笑していた。
「そんな腕前か。そんな程度で、この俺様、漆黒の闇のルロード様に挑むとは命知らずな!」
床の上には三人の男が伸びていた。手には鎌やじょうろを持っている。
そして床中に球根が散らばっていた。
漆黒の髪のルロード様が指を上げると、球根が見事に一列になって空中に浮きあがり、倒れた三人の頭をボコボコと連打して砕け散った。
「さすがはルロード様。おみそれいたしました。どうかお許しを。そして、我らにわずかでも魔術をお教えくださいッ」
「金子が足りぬな」
ルロード様とやらは、それはそれは尊大な態度で答えた。
「そんなああ」
「さもなくば、料理しろ」
「だから、わしらは庭師だから、無理ですって」
「口答えは許さん。貴様らが無能なのはわかった。では、街へ行って肉買ってこい、肉。すぐ食えるやつ」
「庭師の仕事はどうなりますんで?」
「なんとかするのがプロの技」
「街の屋台で買い物するのは、庭師の技と縁もゆかりもありませんが」
「ええい。口の減らぬやつめ」
シャンデリアに留まっている男は口答えした男をピシリと指差した。途端に指先から真紅の光線が放たれ、男の頭に当たって、その男は脳天ハゲになってしまった。
「えええええ! イヤアアアア!」
玄関ホールに響き渡る絶叫。
「治して欲しくば、串焼き肉と、鶏の唐揚げと、揚げた肉団子と、とろとろ豚の煮込みを今すぐ買ってこい」
それから意地悪そうに付け加えた。
「言っとくがな。そのハゲは時間が経てば経つほど広がっていく。周りの毛根を侵食していくのだ。じわじわとな」
「ヒイイイイ」
脳天ハゲになった男は頭を抱えてまた叫んだ。
「さあ行け! ハゲなど、このルロード様の手にかかれば恐れることではない!」
三人の男は、強制的に立ち上がらされ、まるで背中から強い風で押されているかのように駆け足で正面玄関の扉に向かっていった。ぶつかる寸前で、扉が自動的に開き、三人は外に放り出された。出た途端に、扉は何事もなかったかのように音もなくすううと閉まり、後にはシャンデリアに捕まっているという間抜けな格好の男と、それから、階段の踊り場にもう一人、別な男が立っているのが見えた。
その男性はピシリと執事服を着込み、頭は白髪で、小柄だが非常に威厳があった。
「ルロード様」
まるで、北極の空気のように冷たい冷え冷えとした雰囲気でその男性は、シャンデリアに捕まっている若い男に声をかけた。
「女中を全員追い出すから、このような食糧難になったのですよ?」
長い黒髪の男は、知らんぷりをした。
「セバスティアン様!」
「その名を呼ぶな!」
シャンデリアの男はムキになって振り返った。
「いいから降りていらっしゃい。ベリー公爵夫人に言い付けますよ? 庭師を相手に遊ぶのはいい加減にしてください!」
シャンデリアの若い男は、本当に渋々、向きを変えたが、突然叫び出した。
「おおっ。臭わないか? カールソン?」
カールソンと呼ばれた白髪の紳士の方はうんざりしたらしかった。
「何がですか? 何も匂いませんよ」
シャンデリアの男が鼻をクンクンさせた。
「いるぞ、いる。わが同胞だ。それも相当のエネルギーの持ち主」
「早く降りてください。いい加減に、料理女と女中を決めないと、いつまで立ってもポーシャ様がお帰りになれないではありませんか」
「待て。まずはこの匂いの主の特定が先だろう」
「何も匂いませんてば。言い訳はやめてください。早く下働きの女どもを決めて欲しいもんですよ。どうして、そんなに女性恐怖症なんですか。子どもじゃありまいし」
「なんだとおお?」
大体事情はわかった。
シャンデリアに留まっているのは、セス様だ。
そう言えば、おばあさまがセス様の黒歴史を語っていらした。
現在進行形でこの有様か。やりたいことをやっているんだな。
私はため息をついた。
大魔術師なんて、変人のオンパレードだ。
おばあさま然り、セス様然り、大魔術師とまでは言わないが魔法力多めの殿下も女装癖がある。私は……多分、平民気質の抜けないポーション狂いとでも言ったところだろうか。
「セス様!」
私は大声で呼びかけた。
セス様の大きな黒い目が、こちらを向いて、私を見て、それから彼はシャンデリアから派手な音を立てて落っこちた。
「ルロード様?」
カールソン氏が慌てて走り寄ろうとしたが、私は押しとどめた。
「セス様なら、ご自分でどうにかなさいますわ」
その通り、セス様はものすごく恨みがましそうな、そして不安そうな顔をしながら自分で立ち上がった。
黒い上着には妙な訳のわからない動物が銀糸で刺繍され、銀色の止め金のついた黒マントと、同じく銀の飾りがついた黒のブーツを履いていた。そして黒地に銀の模様が描かれた眼帯をしていた。長い黒髪は、半分は顔にかかったままだ。
もう、何も言うまい。
「セス様」
「……ハイ」
「おばあさまに言いつけますわよ」
私は周りを見回した。
なんて汚い。
さっきぶつけて粉々にした球根からは汁がこぼれて、大理石の床と絨毯にシミを作っている。
階段には埃が溜まり、場所によってはくるくると埃が髪の毛かなんかと絡まってダマになっている。
「小汚いわね」
わたしは手を腰に当てて宣言した。
セス様は、床に手をついたまま、項垂れており、ものに動じなさそうなカールソン氏もびっくりした様子で私を見ていた。
「どなた様でございましょう?」
「ポーシャ・アランソンよ。この家の持ち主よ」
初めて名乗った。
カールソン氏は驚いて目を大きく見開いた。
「なんなの? この家」
私は、玄関ホールと階段をまず掃除した。
私は生活魔法の熟練者。私の手にかかれば、絨毯に染み付いた球根の汁のシミだろうがそんなの一瞬だ。
「セス様が生活魔法を使えないなんて信じられないわ」
「ええっと……」
「使えるんでしょう? 使いたくなかっただけでしょう? 興味がないから」
私は詰め寄った。
「うう。だって、ロマンがないので」
「何言ってんだか」
と言うことは、セス様がやってのけたのは、女中どもの一掃だけ?
「は……流石に大魔術師様。邪心のある女中や料理番をあっさり見抜いて解雇したまでは良かったのですが、残りの、昔からアランソン家にお仕えしておりました者のうち女どもを寄せ付けず……」
「なんで? 女手はいるでしょう?」
「なんでも、セス様は掃除のために、部屋をうろつかれたり、周りをゴソゴソする得体の知れない人間がいると気に触るとか、そう言うことをおっしゃられまして」
「完全な引きこもりのセリフじゃないの」
三人は、私がきれいに掃除した食堂で、私が洗ったお茶碗とポットで、私が沸かしたお湯と、私が泥棒魔法して取り寄せた茶葉と高級クッキーで、お茶をしていた。
事情聴取である。
事情聴取に至るまでが疲れたわ。とにかく、部屋はきれいになったし、これでゆっくりお茶くらい飲めるわ……
ごちゃごちゃ女性嫌いとかごねてる割には、おいしいお茶とお菓子には目がないらしく、セス様はせっせとお菓子を頬張っていた。
「それにルロード様が言うには……」
「セス様が言うには?」
私は続きを促した。一体、何の問題があったのだろう?
「言うなああ!」
突然、セス様がテーブルにドンと手をついて叫んだ。お茶碗がひっくり返って、お茶がこぼれ、真っ白なテーブルクロスにシミが広がっていく。
カールソン氏は、私の方に身を寄せて囁いた。
「ええとですね、ルロード様がおっしゃるには、全ての女性は自分に惚れ込んでしまう、そんなことになったら仕事にならないと」
私は素早くセス様……ルロード様がひっくり返したお茶の始末と、テーブルクロスにお茶の染みがつかないように始末をしながら、プッと笑った。
窓があったので、ちょっと覗いてみたのだが、他の家の屋根が見えるだけだった。
そしてその部屋は、他に家具はなく、絨毯が敷いてあるだけだった。移動専門の部屋なのだろう。
私はドアに走り寄って、開けようと試みた。
大事な魔法の絨毯の部屋だ。厳重に鍵がかかっているかもしれない。
だが、ドアは軽く開いた。
絨毯の利用には相当な魔力がいると言っていた。つまり、とても便利だけれど、誰でも使えるわけじゃないのだ。
大部分の人間にとって、この素晴らしい魔法の絨毯は、ただの埃まみれの敷物に過ぎないのだろう。
保護魔法とまではいかないものの、私だって、ちょっとした魔法くらいなら使える。
お手伝いするなら、せめて目の色髪の色くらいは変えた方がいいだろうと、茶色の髪と焦げ茶色の目に変えて来たし、服はありふれてくたびれた女中服。
目立つ格好ではない。
ドキドキしながら、狭い階段を伝って下に下りていく。
だが、途中で私はふと足を止めた。
おかしな音……声が聞こえる。
二階に着いた時、それは玄関ホールから響いてくる声なのだとわかった。
正面入り口の吹き抜けの大ホールには、鋳鉄とガラス細工の芸術品のような灯りがぶら下がっていた。
「ワーッハッハッハ!」
その灯りに捕まって、一人の大男が黒髪をなびかせながら、大声で嘲笑していた。
「そんな腕前か。そんな程度で、この俺様、漆黒の闇のルロード様に挑むとは命知らずな!」
床の上には三人の男が伸びていた。手には鎌やじょうろを持っている。
そして床中に球根が散らばっていた。
漆黒の髪のルロード様が指を上げると、球根が見事に一列になって空中に浮きあがり、倒れた三人の頭をボコボコと連打して砕け散った。
「さすがはルロード様。おみそれいたしました。どうかお許しを。そして、我らにわずかでも魔術をお教えくださいッ」
「金子が足りぬな」
ルロード様とやらは、それはそれは尊大な態度で答えた。
「そんなああ」
「さもなくば、料理しろ」
「だから、わしらは庭師だから、無理ですって」
「口答えは許さん。貴様らが無能なのはわかった。では、街へ行って肉買ってこい、肉。すぐ食えるやつ」
「庭師の仕事はどうなりますんで?」
「なんとかするのがプロの技」
「街の屋台で買い物するのは、庭師の技と縁もゆかりもありませんが」
「ええい。口の減らぬやつめ」
シャンデリアに留まっている男は口答えした男をピシリと指差した。途端に指先から真紅の光線が放たれ、男の頭に当たって、その男は脳天ハゲになってしまった。
「えええええ! イヤアアアア!」
玄関ホールに響き渡る絶叫。
「治して欲しくば、串焼き肉と、鶏の唐揚げと、揚げた肉団子と、とろとろ豚の煮込みを今すぐ買ってこい」
それから意地悪そうに付け加えた。
「言っとくがな。そのハゲは時間が経てば経つほど広がっていく。周りの毛根を侵食していくのだ。じわじわとな」
「ヒイイイイ」
脳天ハゲになった男は頭を抱えてまた叫んだ。
「さあ行け! ハゲなど、このルロード様の手にかかれば恐れることではない!」
三人の男は、強制的に立ち上がらされ、まるで背中から強い風で押されているかのように駆け足で正面玄関の扉に向かっていった。ぶつかる寸前で、扉が自動的に開き、三人は外に放り出された。出た途端に、扉は何事もなかったかのように音もなくすううと閉まり、後にはシャンデリアに捕まっているという間抜けな格好の男と、それから、階段の踊り場にもう一人、別な男が立っているのが見えた。
その男性はピシリと執事服を着込み、頭は白髪で、小柄だが非常に威厳があった。
「ルロード様」
まるで、北極の空気のように冷たい冷え冷えとした雰囲気でその男性は、シャンデリアに捕まっている若い男に声をかけた。
「女中を全員追い出すから、このような食糧難になったのですよ?」
長い黒髪の男は、知らんぷりをした。
「セバスティアン様!」
「その名を呼ぶな!」
シャンデリアの男はムキになって振り返った。
「いいから降りていらっしゃい。ベリー公爵夫人に言い付けますよ? 庭師を相手に遊ぶのはいい加減にしてください!」
シャンデリアの若い男は、本当に渋々、向きを変えたが、突然叫び出した。
「おおっ。臭わないか? カールソン?」
カールソンと呼ばれた白髪の紳士の方はうんざりしたらしかった。
「何がですか? 何も匂いませんよ」
シャンデリアの男が鼻をクンクンさせた。
「いるぞ、いる。わが同胞だ。それも相当のエネルギーの持ち主」
「早く降りてください。いい加減に、料理女と女中を決めないと、いつまで立ってもポーシャ様がお帰りになれないではありませんか」
「待て。まずはこの匂いの主の特定が先だろう」
「何も匂いませんてば。言い訳はやめてください。早く下働きの女どもを決めて欲しいもんですよ。どうして、そんなに女性恐怖症なんですか。子どもじゃありまいし」
「なんだとおお?」
大体事情はわかった。
シャンデリアに留まっているのは、セス様だ。
そう言えば、おばあさまがセス様の黒歴史を語っていらした。
現在進行形でこの有様か。やりたいことをやっているんだな。
私はため息をついた。
大魔術師なんて、変人のオンパレードだ。
おばあさま然り、セス様然り、大魔術師とまでは言わないが魔法力多めの殿下も女装癖がある。私は……多分、平民気質の抜けないポーション狂いとでも言ったところだろうか。
「セス様!」
私は大声で呼びかけた。
セス様の大きな黒い目が、こちらを向いて、私を見て、それから彼はシャンデリアから派手な音を立てて落っこちた。
「ルロード様?」
カールソン氏が慌てて走り寄ろうとしたが、私は押しとどめた。
「セス様なら、ご自分でどうにかなさいますわ」
その通り、セス様はものすごく恨みがましそうな、そして不安そうな顔をしながら自分で立ち上がった。
黒い上着には妙な訳のわからない動物が銀糸で刺繍され、銀色の止め金のついた黒マントと、同じく銀の飾りがついた黒のブーツを履いていた。そして黒地に銀の模様が描かれた眼帯をしていた。長い黒髪は、半分は顔にかかったままだ。
もう、何も言うまい。
「セス様」
「……ハイ」
「おばあさまに言いつけますわよ」
私は周りを見回した。
なんて汚い。
さっきぶつけて粉々にした球根からは汁がこぼれて、大理石の床と絨毯にシミを作っている。
階段には埃が溜まり、場所によってはくるくると埃が髪の毛かなんかと絡まってダマになっている。
「小汚いわね」
わたしは手を腰に当てて宣言した。
セス様は、床に手をついたまま、項垂れており、ものに動じなさそうなカールソン氏もびっくりした様子で私を見ていた。
「どなた様でございましょう?」
「ポーシャ・アランソンよ。この家の持ち主よ」
初めて名乗った。
カールソン氏は驚いて目を大きく見開いた。
「なんなの? この家」
私は、玄関ホールと階段をまず掃除した。
私は生活魔法の熟練者。私の手にかかれば、絨毯に染み付いた球根の汁のシミだろうがそんなの一瞬だ。
「セス様が生活魔法を使えないなんて信じられないわ」
「ええっと……」
「使えるんでしょう? 使いたくなかっただけでしょう? 興味がないから」
私は詰め寄った。
「うう。だって、ロマンがないので」
「何言ってんだか」
と言うことは、セス様がやってのけたのは、女中どもの一掃だけ?
「は……流石に大魔術師様。邪心のある女中や料理番をあっさり見抜いて解雇したまでは良かったのですが、残りの、昔からアランソン家にお仕えしておりました者のうち女どもを寄せ付けず……」
「なんで? 女手はいるでしょう?」
「なんでも、セス様は掃除のために、部屋をうろつかれたり、周りをゴソゴソする得体の知れない人間がいると気に触るとか、そう言うことをおっしゃられまして」
「完全な引きこもりのセリフじゃないの」
三人は、私がきれいに掃除した食堂で、私が洗ったお茶碗とポットで、私が沸かしたお湯と、私が泥棒魔法して取り寄せた茶葉と高級クッキーで、お茶をしていた。
事情聴取である。
事情聴取に至るまでが疲れたわ。とにかく、部屋はきれいになったし、これでゆっくりお茶くらい飲めるわ……
ごちゃごちゃ女性嫌いとかごねてる割には、おいしいお茶とお菓子には目がないらしく、セス様はせっせとお菓子を頬張っていた。
「それにルロード様が言うには……」
「セス様が言うには?」
私は続きを促した。一体、何の問題があったのだろう?
「言うなああ!」
突然、セス様がテーブルにドンと手をついて叫んだ。お茶碗がひっくり返って、お茶がこぼれ、真っ白なテーブルクロスにシミが広がっていく。
カールソン氏は、私の方に身を寄せて囁いた。
「ええとですね、ルロード様がおっしゃるには、全ての女性は自分に惚れ込んでしまう、そんなことになったら仕事にならないと」
私は素早くセス様……ルロード様がひっくり返したお茶の始末と、テーブルクロスにお茶の染みがつかないように始末をしながら、プッと笑った。
14
あなたにおすすめの小説
【12月末日公開終了】有能女官の赴任先は辺境伯領
たぬきち25番
恋愛
辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26)
ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。
そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。
そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。
だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。
仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!?
そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく……
※お待たせしました。
※他サイト様にも掲載中
ゲームには参加しません! ―悪役を回避して無事逃れたと思ったのに―
冬野月子
恋愛
侯爵令嬢クリスティナは、ここが前世で遊んだ学園ゲームの世界だと気づいた。そして自分がヒロインのライバルで悪役となる立場だと。
のんびり暮らしたいクリスティナはゲームとは関わらないことに決めた。設定通りに王太子の婚約者にはなってしまったけれど、ゲームを回避して婚約も解消。平穏な生活を手に入れたと思っていた。
けれど何故か義弟から求婚され、元婚約者もアプローチしてきて、さらに……。
※小説家になろう・カクヨムにも投稿しています。
「転生したら推しの悪役宰相と婚約してました!?」〜推しが今日も溺愛してきます〜 (旧題:転生したら報われない悪役夫を溺愛することになった件)
透子(とおるこ)
恋愛
読んでいた小説の中で一番好きだった“悪役宰相グラヴィス”。
有能で冷たく見えるけど、本当は一途で優しい――そんな彼が、報われずに処刑された。
「今度こそ、彼を幸せにしてあげたい」
そう願った瞬間、気づけば私は物語の姫ジェニエットに転生していて――
しかも、彼との“政略結婚”が目前!?
婚約から始まる、再構築系・年の差溺愛ラブ。
“報われない推し”が、今度こそ幸せになるお話。
婚約破棄を突き付けてきた貴方なんか助けたくないのですが
夢呼
恋愛
エリーゼ・ミレー侯爵令嬢はこの国の第三王子レオナルドと婚約関係にあったが、当の二人は犬猿の仲。
ある日、とうとうエリーゼはレオナルドから婚約破棄を突き付けられる。
「婚約破棄上等!」
エリーゼは喜んで受け入れるが、その翌日、レオナルドは行方をくらました!
殿下は一体どこに?!
・・・どういうわけか、レオナルドはエリーゼのもとにいた。なぜか二歳児の姿で。
王宮の権力争いに巻き込まれ、謎の薬を飲まされてしまい、幼児になってしまったレオナルドを、既に他人になったはずのエリーゼが保護する羽目になってしまった。
殿下、どうして私があなたなんか助けなきゃいけないんですか?
本当に迷惑なんですけど。
拗らせ王子と毒舌令嬢のお話です。
※世界観は非常×2にゆるいです。
文字数が多くなりましたので、短編から長編へ変更しました。申し訳ありません。
カクヨム様にも投稿しております。
レオナルド目線の回は*を付けました。
【完結】勤労令嬢、街へ行く〜令嬢なのに下働きさせられていた私を養女にしてくれた侯爵様が溺愛してくれるので、国いちばんのレディを目指します〜
鈴木 桜
恋愛
貧乏男爵の妾の子である8歳のジリアンは、使用人ゼロの家で勤労の日々を送っていた。
誰よりも早く起きて畑を耕し、家族の食事を準備し、屋敷を隅々まで掃除し……。
幸いジリアンは【魔法】が使えたので、一人でも仕事をこなすことができていた。
ある夏の日、彼女の運命を大きく変える出来事が起こる。
一人の客人をもてなしたのだ。
その客人は戦争の英雄クリフォード・マクリーン侯爵の使いであり、ジリアンが【魔法の天才】であることに気づくのだった。
【魔法】が『武器』ではなく『生活』のために使われるようになる時代の転換期に、ジリアンは戦争の英雄の養女として迎えられることになる。
彼女は「働かせてください」と訴え続けた。そうしなければ、追い出されると思ったから。
そんな彼女に、周囲の大人たちは目一杯の愛情を注ぎ続けた。
そして、ジリアンは少しずつ子供らしさを取り戻していく。
やがてジリアンは17歳に成長し、新しく設立された王立魔法学院に入学することに。
ところが、マクリーン侯爵は渋い顔で、
「男子生徒と目を合わせるな。微笑みかけるな」と言うのだった。
学院には幼馴染の謎の少年アレンや、かつてジリアンをこき使っていた腹違いの姉もいて──。
☆第2部完結しました☆
【受賞&書籍化】先視の王女の謀(さきみのおうじょのはかりごと)
神宮寺 あおい
恋愛
謎解き×恋愛
女神の愛し子は神託の謎を解き明かす。
月の女神に愛された国、フォルトゥーナの第二王女ディアナ。
ある日ディアナは女神の神託により隣国のウィクトル帝国皇帝イーサンの元へ嫁ぐことになった。
そして閉鎖的と言われるくらい国外との交流のないフォルトゥーナからウィクトル帝国へ行ってみれば、イーサンは男爵令嬢のフィリアを溺愛している。
さらにディアナは仮初の皇后であり、いずれ離縁してフィリアを皇后にすると言い出す始末。
味方の少ない中ディアナは女神の神託にそって行動を起こすが、それにより事態は思わぬ方向に転がっていく。
誰が敵で誰が味方なのか。
そして白日の下に晒された事実を前に、ディアナの取った行動はーー。
カクヨムコンテスト10 ファンタジー恋愛部門 特別賞受賞。
異世界に行った、そのあとで。
神宮寺 あおい
恋愛
新海なつめ三十五歳。
ある日見ず知らずの女子高校生の異世界転移に巻き込まれ、気づけばトルス国へ。
当然彼らが求めているのは聖女である女子高校生だけ。
おまけのような状態で現れたなつめに対しての扱いは散々な中、宰相の協力によって職と居場所を手に入れる。
いたって普通に過ごしていたら、いつのまにか聖女である女子高校生だけでなく王太子や高位貴族の子息たちがこぞって悩み相談をしにくるように。
『私はカウンセラーでも保健室の先生でもありません!』
そう思いつつも生来のお人好しの性格からみんなの悩みごとの相談にのっているうちに、いつの間にか年下の美丈夫に好かれるようになる。
そして、気づけば異世界で求婚されるという本人大混乱の事態に!
【完結】王位に拘る元婚約者様へ
凛 伊緒
恋愛
公爵令嬢ラリエット・ゼンキースア、18歳。
青みがかった銀の髪に、金の瞳を持っている。ラリエットは誰が見ても美しいと思える美貌の持ち主だが、『闇魔法使い』が故に酷い扱いを受けていた。
虐げられ、食事もろくに与えられない。
それらの行為の理由は、闇魔法に対する恐怖からか、或いは彼女に対する嫉妬か……。
ラリエットには、5歳の頃に婚約した婚約者がいた。
名はジルファー・アンドレイズ。このアンドレイズ王国の王太子だった。
しかし8歳の時、ラリエットの魔法適正が《闇》だということが発覚する。これが、全ての始まりだった──
婚約破棄された公爵令嬢ラリエットが名前を変え、とある事情から再び王城に戻り、王太子にざまぁするまでの物語──
※ご感想・ご指摘 等につきましては、近況ボードをご確認くださいませ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる