6 / 62
第6話 少しでもいい縁談を
しおりを挟む
「ねえ、ちょっと、昨日、ケネス・レミントンと二人きりで、お昼をしていたんですって?」
なんで知ってるんだろう。
ローザはうつろな目でキャサリンを見つめた。
「だって、一部始終を見ていた人がいるのよ。あなたが大勢の男子生徒を誘ってたって。そして、ケネス・レミントンの手を取って、一人だけ残したって言ってたわ」
そんなことはない。ものすごい曲解だ。
「そんなことないわ」
ローザは憤然として答えた。
「最初に声をかけてきたのは、名前の覚えられない3人組よ。(ローザはそのころまでには全員の名前をきれいに忘れていた)そして、どうしてだか、ケネス・レミントンだけを残して、みんな勝手に行ってしまったのよ」
どうしてだか、ではない。
ケネスは突然、訳の分からない嘘をついたのだ。約束なんかしていなかった。突然あんなことを言いだすなんて、意味が分からない。
だが、ケネスの訳の分からない嘘は説明すると、もっとややこしい誤解を呼びそうな気がした。
「あら」
ナタリーは面白そうに目を光らせた。
「じゃあ、ケネスがあなたのところに自主的に残ったってことかしら?」
「そりゃ……」
ケネスは一応婚約者だ。だが、家族間での単なる話し合いだけであって、正式と言うにはどうかと思う。
この辺の事情は、人にはなかなか説明しにくい。
そもそも、婚約者の地位は揺らいでいる。妹がケネスを気に入ったのだ。
「ケネスはレミントン伯爵の嫡子だもの。みんなが狙ってると思うわ。あなたもケネスを狙って、声をかけたと言われているのよ」
キャサリンが親切にも解説してくれた。
「この話の出どころはジョアンナよ。ずっと見てたそうよ」
「ジョアンナが?」
ローザは驚いた。いつも大勢の男子生徒を誘って、周りに侍らせているのは、ジョアンナの方だ。自分は、たまたま男子生徒に押しかけられていただけだ。
「ジョアンナらしいわね」
「どういうこと?」
「ジョアンナは貧乏男爵家の娘ですもの。少しでもいい縁談を探しにきてるのよ。必死なのよ」
ナタリーが解説した。
「だから伯爵家の嫡子とは、ぜひともお知り合いになりたいのよ」
「ケネスを好きだってこと?」
大変だ。ヴァイオレットに恋敵が現れた。
だが、ナタリーは首を振った。
「そりゃ、ケネスはかっこいいけど。でも、好きかどうかより、嫡子かどうかが大問題でしょ。嫡子なら、領地や財産があるもの。次男なら、自分で官僚になるなり、騎士になるなり、生活の道を考えなくてはいけないわ」
「何処かの伯爵家と同様の収入を得ようとするなら、それぞれ、かなり才能や努力が必要よ」
キャサリンも冷静に付け加えた。
その通りだ。ナタリーの解説はいつでも説得力があった。キャサリンも実際的な娘だ。
ジョアンナの行動の理由をしっかり説明してくれたのだ。
ローザはぐったりした。そう言うことかー。ジョアンナはケネスを狙っていたのか。
なんだか昼食の間中、ちらちらと不穏な視線を感じたのだ。
「私、知らなかった」
「ケネス・レミントンは伯爵家の嫡子、ルイ・ヘイワードは財務大臣の息子、オスカー・リーは騎士団長の息子で、フレッド・カールトンは国一番の大富豪の息子よ」
キャサリンは、すらすらと並べ立てた。
「よく知っているわね?」
ローザは仰天した。
「入学時に、同学年にどんな人がいるか調べておくことは当たり前でしょう」
ナタリーは厳しく指摘した。
「だって、王族だって混ざってるかもしれないのよ? さすがに偽名で入学してるらしいけど。1学年上のアレク様って知ってる?」
もちろんローザは知らなかった。同じクラスですでに手一杯だ。1学年上だなんて守備範囲外だ。
「エドワードって名前のどう見ても年上の人といつでも一緒なの。おかしいと思わない?」
「おかしいって何が?」
ナタリーは、察しの悪いローザにちょっとイラついたらしかった。
「だから、何時も一緒っておかしいでしょ? 側近兼護衛じゃないかって言われているのよ。王太子殿下が1歳年上だって知ってるでしょう?」
知らなかった。
「アレク様は黒い髪と青い目のイケメンで、エドワード様はたぶんずっと年上じゃないかしら。同じように黒髪だけどずっとがっちりしていてグレーの目をしているの。王太子殿下はさわやかな印象の方よ。でも、ガードが固くて、誰もまだ声をかけられないらしいわ」
キャサリンがうっとりしたように言いだした。
ふと、ローザは思い出した。そう言えば、そんなような二人組に覚えがある。
なんで知ってるんだろう。
ローザはうつろな目でキャサリンを見つめた。
「だって、一部始終を見ていた人がいるのよ。あなたが大勢の男子生徒を誘ってたって。そして、ケネス・レミントンの手を取って、一人だけ残したって言ってたわ」
そんなことはない。ものすごい曲解だ。
「そんなことないわ」
ローザは憤然として答えた。
「最初に声をかけてきたのは、名前の覚えられない3人組よ。(ローザはそのころまでには全員の名前をきれいに忘れていた)そして、どうしてだか、ケネス・レミントンだけを残して、みんな勝手に行ってしまったのよ」
どうしてだか、ではない。
ケネスは突然、訳の分からない嘘をついたのだ。約束なんかしていなかった。突然あんなことを言いだすなんて、意味が分からない。
だが、ケネスの訳の分からない嘘は説明すると、もっとややこしい誤解を呼びそうな気がした。
「あら」
ナタリーは面白そうに目を光らせた。
「じゃあ、ケネスがあなたのところに自主的に残ったってことかしら?」
「そりゃ……」
ケネスは一応婚約者だ。だが、家族間での単なる話し合いだけであって、正式と言うにはどうかと思う。
この辺の事情は、人にはなかなか説明しにくい。
そもそも、婚約者の地位は揺らいでいる。妹がケネスを気に入ったのだ。
「ケネスはレミントン伯爵の嫡子だもの。みんなが狙ってると思うわ。あなたもケネスを狙って、声をかけたと言われているのよ」
キャサリンが親切にも解説してくれた。
「この話の出どころはジョアンナよ。ずっと見てたそうよ」
「ジョアンナが?」
ローザは驚いた。いつも大勢の男子生徒を誘って、周りに侍らせているのは、ジョアンナの方だ。自分は、たまたま男子生徒に押しかけられていただけだ。
「ジョアンナらしいわね」
「どういうこと?」
「ジョアンナは貧乏男爵家の娘ですもの。少しでもいい縁談を探しにきてるのよ。必死なのよ」
ナタリーが解説した。
「だから伯爵家の嫡子とは、ぜひともお知り合いになりたいのよ」
「ケネスを好きだってこと?」
大変だ。ヴァイオレットに恋敵が現れた。
だが、ナタリーは首を振った。
「そりゃ、ケネスはかっこいいけど。でも、好きかどうかより、嫡子かどうかが大問題でしょ。嫡子なら、領地や財産があるもの。次男なら、自分で官僚になるなり、騎士になるなり、生活の道を考えなくてはいけないわ」
「何処かの伯爵家と同様の収入を得ようとするなら、それぞれ、かなり才能や努力が必要よ」
キャサリンも冷静に付け加えた。
その通りだ。ナタリーの解説はいつでも説得力があった。キャサリンも実際的な娘だ。
ジョアンナの行動の理由をしっかり説明してくれたのだ。
ローザはぐったりした。そう言うことかー。ジョアンナはケネスを狙っていたのか。
なんだか昼食の間中、ちらちらと不穏な視線を感じたのだ。
「私、知らなかった」
「ケネス・レミントンは伯爵家の嫡子、ルイ・ヘイワードは財務大臣の息子、オスカー・リーは騎士団長の息子で、フレッド・カールトンは国一番の大富豪の息子よ」
キャサリンは、すらすらと並べ立てた。
「よく知っているわね?」
ローザは仰天した。
「入学時に、同学年にどんな人がいるか調べておくことは当たり前でしょう」
ナタリーは厳しく指摘した。
「だって、王族だって混ざってるかもしれないのよ? さすがに偽名で入学してるらしいけど。1学年上のアレク様って知ってる?」
もちろんローザは知らなかった。同じクラスですでに手一杯だ。1学年上だなんて守備範囲外だ。
「エドワードって名前のどう見ても年上の人といつでも一緒なの。おかしいと思わない?」
「おかしいって何が?」
ナタリーは、察しの悪いローザにちょっとイラついたらしかった。
「だから、何時も一緒っておかしいでしょ? 側近兼護衛じゃないかって言われているのよ。王太子殿下が1歳年上だって知ってるでしょう?」
知らなかった。
「アレク様は黒い髪と青い目のイケメンで、エドワード様はたぶんずっと年上じゃないかしら。同じように黒髪だけどずっとがっちりしていてグレーの目をしているの。王太子殿下はさわやかな印象の方よ。でも、ガードが固くて、誰もまだ声をかけられないらしいわ」
キャサリンがうっとりしたように言いだした。
ふと、ローザは思い出した。そう言えば、そんなような二人組に覚えがある。
6
あなたにおすすめの小説
「地味で無能」と捨てられた令嬢は、冷酷な【年上イケオジ公爵】に嫁ぎました〜今更私の価値に気づいた元王太子が後悔で顔面蒼白になっても今更遅い
腐ったバナナ
恋愛
伯爵令嬢クラウディアは、婚約者のアルバート王太子と妹リリアンに「地味で無能」と断罪され、公衆の面前で婚約破棄される。
お飾りの厄介払いとして押し付けられた嫁ぎ先は、「氷壁公爵」と恐れられる年上の冷酷な辺境伯アレクシス・グレイヴナー公爵だった。
当初は冷徹だった公爵は、クラウディアの才能と、過去の傷を癒やす温もりに触れ、その愛を「二度と失わない」と固く誓う。
彼の愛は、包容力と同時に、狂気的な独占欲を伴った「大人の愛」へと昇華していく。
見た目は子供、頭脳は大人。 公爵令嬢セリカ
しおしお
恋愛
四歳で婚約破棄された“天才幼女”――
今や、彼女を妻にしたいと王子が三人。
そして隣国の国王まで参戦!?
史上最大の婿取り争奪戦が始まる。
リュミエール王国の公爵令嬢セリカ・ディオールは、幼い頃に王家から婚約破棄された。
理由はただひとつ。
> 「幼すぎて才能がない」
――だが、それは歴史に残る大失策となる。
成長したセリカは、領地を空前の繁栄へ導いた“天才”として王国中から称賛される存在に。
灌漑改革、交易路の再建、魔物被害の根絶……
彼女の功績は、王族すら遠く及ばないほど。
その名声を聞きつけ、王家はざわついた。
「セリカに婿を取らせる」
父であるディオール公爵がそう発表した瞬間――
なんと、三人の王子が同時に立候補。
・冷静沈着な第一王子アコード
・誠実温和な第二王子セドリック
・策略家で負けず嫌いの第三王子シビック
王宮は“セリカ争奪戦”の様相を呈し、
王子たちは互いの足を引っ張り合う始末。
しかし、混乱は国内だけでは終わらなかった。
セリカの名声は国境を越え、
ついには隣国の――
国王まで本人と結婚したいと求婚してくる。
「天才で可愛くて領地ごと嫁げる?
そんな逸材、逃す手はない!」
国家の威信を賭けた婿争奪戦は、ついに“国VS国”の大騒動へ。
当の本人であるセリカはというと――
「わたし、お嫁に行くより……お昼寝のほうが好きなんですの」
王家が焦り、隣国がざわめき、世界が動く。
しかしセリカだけはマイペースにスイーツを作り、お昼寝し、領地を救い続ける。
これは――
婚約破棄された天才令嬢が、
王国どころか国家間の争奪戦を巻き起こしながら
自由奔放に世界を変えてしまう物語。
まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?
せいめ
恋愛
政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。
喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。
そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。
その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。
閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。
でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。
家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。
その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。
まずは亡くなったはずの旦那様との話から。
ご都合主義です。
設定は緩いです。
誤字脱字申し訳ありません。
主人公の名前を途中から間違えていました。
アメリアです。すみません。
【完結】人生2回目の少女は、年上騎士団長から逃げられない
櫻野くるみ
恋愛
伯爵家の長女、エミリアは前世の記憶を持つ転生者だった。
手のかからない赤ちゃんとして可愛がられたが、前世の記憶を活かし類稀なる才能を見せ、まわりを驚かせていた。
大人びた子供だと思われていた5歳の時、18歳の騎士ダニエルと出会う。
成り行きで、父の死を悔やんでいる彼を慰めてみたら、うっかり気に入られてしまったようで?
歳の差13歳、未来の騎士団長候補は執着と溺愛が凄かった!
出世するたびにアプローチを繰り返す一途なダニエルと、年齢差を理由に断り続けながらも離れられないエミリア。
騎士団副団長になり、団長までもう少しのところで訪れる愛の試練。乗り越えたダニエルは、いよいよエミリアと結ばれる?
5歳で出会ってからエミリアが年頃になり、逃げられないまま騎士団長のお嫁さんになるお話。
ハッピーエンドです。
完結しています。
小説家になろう様にも投稿していて、そちらでは少し修正しています。
白い結婚の末、離婚を選んだ公爵夫人は二度と戻らない』
鍛高譚
恋愛
白い結婚の末、「白い結婚」の末、私は冷遇され、夫は愛人を溺愛していた――ならば、もう要らないわ」
公爵令嬢 ジェニファー・ランカスター は、王弟 エドワード・クラレンス公爵 のもとへ政略結婚として嫁ぐ。
だが、その結婚生活は冷たく空虚なものだった。夫は愛人 ローザ・フィッツジェラルド に夢中になり、公爵夫人であるジェニファーは侮辱され、無視され続ける日々。
――それでも、貴族の娘は耐えなければならないの?
何の愛もなく、ただ飾り物として扱われる結婚に見切りをつけたジェニファーは 「離婚」 を決意する。
しかし、王弟であるエドワードとの離婚は容易ではない。実家のランカスター家は猛反対し、王宮の重臣たちも彼女の決断を 「公爵家の恥」 と揶揄する。
それでも、ジェニファーは負けない。弁護士と協力し、着々と準備を進めていく。
そんな折、彼女は北方の大国 ヴォルフ公国の大公、アレクサンダー・ヴォルフ と出会う。
温かく誠実な彼との交流を通じて、ジェニファーは 「本当に大切にされること」 を知る。
そして、彼女の決断は、王都の社交界に大きな波紋を呼ぶこととなる――。
「公爵夫人を手放したことを、いつか後悔しても遅いわ」
「私はもう、あなたたちの飾り人形じゃない」
離婚を巡る策略、愛人の凋落、元夫の後悔――。
そして、新たな地で手にした 「愛される結婚」。
白い結婚のはずが、旦那様の溺愛が止まりません!――冷徹領主と政略令嬢の甘すぎる夫婦生活
しおしお
恋愛
政略結婚の末、侯爵家から「価値がない」と切り捨てられた令嬢リオラ。
新しい夫となったのは、噂で“冷徹”と囁かれる辺境領主ラディス。
二人は互いの自由のため――**干渉しない“白い結婚”**を結ぶことに。
ところが。
◆市場に行けばついてくる
◆荷物は全部持ちたがる
◆雨の日は仕事を早退して帰ってくる
◆ちょっと笑うだけで顔が真っ赤になる
……どう見ても、干渉しまくり。
「旦那様、これは白い結婚のはずでは……?」
「……君のことを、放っておけない」
距離はゆっくり縮まり、
優しすぎる態度にリオラの心も揺れ始める。
そんな時、彼女を利用しようと実家が再び手を伸ばす。
“冷徹”と呼ばれた旦那様の怒りが静かに燃え――
「二度と妻を侮辱するな」
守られ、支え合い、やがて惹かれ合う二人の想いは、
いつしか“形だけの夫婦”を超えていく。
【完結】転生したぐうたら令嬢は王太子妃になんかになりたくない
金峯蓮華
恋愛
子供の頃から休みなく忙しくしていた貴子は公認会計士として独立するために会社を辞めた日に事故に遭い、死の間際に生まれ変わったらぐうたらしたい!と願った。気がついたら中世ヨーロッパのような世界の子供、ヴィヴィアンヌになっていた。何もしないお姫様のようなぐうたらライフを満喫していたが、突然、王太子に求婚された。王太子妃になんかなったらぐうたらできないじゃない!!ヴィヴィアンヌピンチ!
小説家になろうにも書いてます。
婚約破棄された没落寸前の公爵令嬢ですが、なぜか隣国の最強皇帝陛下に溺愛されて、辺境領地で幸せなスローライフを始めることになりました
六角
恋愛
公爵令嬢アリアンナは、王立アカデミーの卒業パーティーで、長年の婚約者であった王太子から突然の婚約破棄を突きつけられる。
「アリアンナ! 貴様との婚約は、今この時をもって破棄させてもらう!」
彼の腕には、可憐な男爵令嬢が寄り添っていた。
アリアンナにありもしない罪を着せ、嘲笑う元婚約者と取り巻きたち。
時を同じくして、実家の公爵家にも謀反の嫌疑がかけられ、栄華を誇った家は没落寸前の危機に陥ってしまう。
すべてを失い、絶望の淵に立たされたアリアンナ。
そんな彼女の前に、一人の男が静かに歩み寄る。
その人物は、戦場では『鬼神』、政務では『氷帝』と国内外に恐れられる、隣国の若き最強皇帝――ゼオンハルト・フォン・アドラーだった。
誰もがアリアンナの終わりを確信し、固唾をのんで見守る中、絶対君主であるはずの皇帝が、おもむろに彼女の前に跪いた。
「――ようやくお会いできました、私の愛しい人。どうか、この私と結婚していただけませんか?」
「…………え?」
予想外すぎる言葉に、アリアンナは思考が停止する。
なぜ、落ちぶれた私を?
そもそも、お会いしたこともないはずでは……?
戸惑うアリアンナを意にも介さず、皇帝陛下の猛烈な求愛が始まる。
冷酷非情な仮面の下に隠された素顔は、アリアンナにだけは蜂蜜のように甘く、とろけるような眼差しを向けてくる独占欲の塊だった。
彼から与えられたのは、豊かな自然に囲まれた美しい辺境の領地。
美味しいものを食べ、可愛いもふもふに癒やされ、温かい領民たちと心を通わせる――。
そんな穏やかな日々の中で、アリアンナは凍てついていた心を少しずつ溶かしていく。
しかし、彼がひた隠す〝重大な秘密〟と、時折見せる切なげな表情の理由とは……?
これは、どん底から這い上がる令嬢が、最強皇帝の重すぎるほどの愛に包まれながら、自分だけの居場所を見つけ、幸せなスローライフを築き上げていく、逆転シンデレラストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる