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第30話 アーネスト・グレイのための特別仕様地獄お茶会
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そのお茶会の出席者は、見るも無惨に打ち萎れたアーネスト・グレイと、何となく不思議そうな表情のアリス嬢と無表情のアラン様、それからとても愛想が良くて朗らかなシエナ嬢の四人だった。
「グレイ様は、アラン様に謝罪なさりたいことがありますのよね?」
「ああ。申し訳なかった」
「まあ、もっと真摯に謝罪をおっしゃってくださいませな。アリス様、グレイ様ったら、留学生のアラン様に果し状をお送りになったんですのよ?」
「果し状?」
アリス嬢の灰色の目が大きく見開かれた。
そしてその目がアーネスト・グレイを見つめた。
「どうしてまた?」
…………答えられない。
アーネストは脂汗をかき始めた。
「まだ、告白していなかったのか?」
セドナ語でアランがシエナに尋ねた。
「どうやらそのようですわね」
「へえ……」
アランは思わずニヤリと口元が緩んだ。
あの果し状を受け取ってから、シエナに相談するまで、アランは相応に悩んだのである。仕返しにはいいチャンスだ。
シエナが、何が何だかわからず困惑しているアリス嬢に解説した。
「意中の女性がいるそうですの。その方にアラン様が話しかけたというのが理由なんですって」
「まああ」
アリス嬢の絹のような眉がしかめられた。
「グレイ様に恋人がいらっしゃるだなんて、ちっとも存じませんでした」
「いえっ、あのっ、そんな……」
「でも、その女性も問題がありますわ。グレイ様の恋人だというなら、アラン様と距離を置くようにしなくてはいけません」
正論。しかし、この場合、グレイ様の脳内恋人はアリス嬢なので、話がねじくれ始めた。
アリス嬢が、気がついたらしかった。
「わたくしも知らぬこととはいえ、ずいぶんグレイ様と親しくお話ししていましたわね。今後は改めないといけませんわね」
「ア、アリス嬢!」
アーネスト・グレイは絶体絶命の危機に陥った。このままでは、アリス嬢と会話する機会が減ってしまう。
親切なシエナ嬢が助けに来てくれた。
「それが、実は完全な片思いで、ちっとも相手に伝わっていませんでしたの」
「なぜ?」
「告白していないからですわ。頭に血が昇って、果し状を書き上げて血判まで押すくらいですのに」
「血判?」
アリス嬢もそこに引っかかるのか。アランはちょっと感慨深かった。
それはとにかく、情け容赦ないシエナ嬢は続けた。
「アラン様がお気の毒ですわ。ですから謝罪をなさってくださいと申し上げましたのに、それがさっきのすまなかったの一言ですのよ」
「それはいけませんわ、グレイ様」
アリス嬢が身を乗り出して説教にかかった。
「誤解で決闘を申し込む男なんか、アリス嬢は、お嫌いですわよね?」
「もちろんですわ。まあ、そんなに思われてみたいのものですけど」
アリス嬢が柔らかく微笑んだので、アーネスト・グレイは息をのんだ。
なんて美しい。今、うっかり何かの波に飲まれてしまった。
思われてみたい……だなんて。この僕でよければ、この身の全てを賭けて、あなたに捧げたい……あなたの足に踏まれたい。
脈はあるのか、ないのか?
「でも、グレイ様の思いびとが誰だかわかりませんから」
シエナ嬢が口を挟んだ。
「そうですわね。でも、グレイ様、私も陰ながら応援しますわ。あ、でも、今後はキチンとグレイ様とは距離を取りますわね。申し訳なかったわ」
満身創痍のグレイを打ちすえる言葉の数々。
「アリス様、お優しいですわあ。でも、これまでもお友達でそれ以上ではなかったのですから、今後も同じ距離でいいではありませんか。良い友を失うのは、残念ですもの」
ただの友達って、言葉がこんなに残酷だったなんて。
シエナのせめてもの救いの言葉が、アーネスト・グレイを打ちすえる。
お茶会は、表面上は終始穏やかに進み、アリス嬢はアーネスト・グレイの恋を応援してくれるそうだ。ちょっとした誤解含みではあるが、これも一種の進展かも知れない。
「こんなところでお許しいただけませんかしら?」
「いやー、女性の怖さを思い知ったよ」
アランは散々なお茶会から無事脱出して感想を述べた。
会場は厚かましくもダーンリー侯爵家だった。
いかなる事態が待っていようとも、ダーンリー侯爵邸の中に入れて、アリス嬢が主催するお茶会を、アーネスト・グレイが欠席するわけがなかったからである。
「まるでアリ地獄……」
好きな人の呼びかけには、ワナがあるとわかっていても、まんまとハマってしまう。恋の吸引力?
恋心って怖いなとアランは思った。
「謝罪は受けてくださいますか?」
「考えておくよ」
横目でシエナを見ながら、アランは答えた。
いつもの真面目そうで控えめなシエナに戻ってしまった。
会話をリードしたり、笑わせたり、相手を追い詰めたりできるのに。
「では、私はこれで……」
シエナはいつもどおり帰って行こうとした。
学園が終わる時間になると、彼女は離れていく。
セドナから付いてきた側近や、ゴートの外交官に囲まれる、セドナの王太子に戻る時間だ。
そしてシエナの仕事が終わる時間。
「帰ったら、何をしているんだろうな」
アランは少し気になった。
今日は面白かった。
ちょっとアーネスト・グレイが気の毒になった。
果し状の件は、シエナが言っていた通り、アリス嬢のごく普通の常識に論破されて、グレイは反省していた。
もっとも決定打は、「アラン様に特別な感情はありませんわ」と言う、これまたアランにとって失礼なのじゃないかと言う一言だった。
「女も怖いが、嫉妬にトチ狂った男も怖い」
宿舎に戻ると、セドナから付いてきた護衛や侍女、侍官たちが声をかけてくる。
「おかえりなさいませ。何事もございませんでしたか? ことと次第によっては、本国に……」
アランは手を振った。
「単なる誤解だよ。シエナ嬢は優秀だな。見事に相手を謝罪に追い込んだよ」
「ほう? 本当に大丈夫なのですか?」
「こちらの身分を明かさずとも乗り切ったよ。完膚なきまでに、相手を打ちのめしていた」
「……何したんですか……?」
護衛という名の監視役は、相談役でもある。王太子に万一のことがあってはならないからだ。
護衛は話を聞いて、今にも吹き出しそうに口元をピクつかせていたが、そう言うことならと引き下がった。
自分の寝室に戻りようやく一人になって、アランはもう一通の手紙を引っ張り出した。
果し状ほど物騒ではないが、実は同じような案件を、もう一通受け取っている。
女性陣からはとにかく、自分は男性からはいい男だとみなされてるんだろうな。
これだけ手紙が来るということは、そういうことだ。
非モテから妬まれる。
アランは、ちょっといい気になった。
下世話な話だが、下世話な思いなど一度もしたことのないアランはかなり満足した。コレよコレコレ、と言った気分だった。
王宮では、いつだって上品に構え、上っ面だけを滑るような聞こえのいい言葉だけを見聞きする。
王太子として、その地位にふさわしい返事が求められる。穏やかで上品で問題のないことが一番だ。
面白くもなんともない。
「世の中、それだけではないよね」
アランはもっと生き生きとしたぶつかり合いを味わいたかった。
その意味で、今日の出来事は、アランにとっては愉快だった。
「果し状の方は期限を切られていたし、内容が内容だったから、とりあえず護衛も目の色を変えていたけど、こっちの方は穏やかだから、フツーなんだろな。でも、やっぱり誤解に基づく嫉妬だよね」
落としたりしないように注意しながら、アランは紙を広げて、次のネタを再読した。
一度、お目にかかりたいと丁重だ。
「丁重な方が怖いよね? 真剣な怒りが伝わってくる」
フフッと笑って、アランは署名を眺めた。
今度は誰だろう。シエナに聞かなくては。
署名は、アッシュフォード子爵となっていた。
「グレイ様は、アラン様に謝罪なさりたいことがありますのよね?」
「ああ。申し訳なかった」
「まあ、もっと真摯に謝罪をおっしゃってくださいませな。アリス様、グレイ様ったら、留学生のアラン様に果し状をお送りになったんですのよ?」
「果し状?」
アリス嬢の灰色の目が大きく見開かれた。
そしてその目がアーネスト・グレイを見つめた。
「どうしてまた?」
…………答えられない。
アーネストは脂汗をかき始めた。
「まだ、告白していなかったのか?」
セドナ語でアランがシエナに尋ねた。
「どうやらそのようですわね」
「へえ……」
アランは思わずニヤリと口元が緩んだ。
あの果し状を受け取ってから、シエナに相談するまで、アランは相応に悩んだのである。仕返しにはいいチャンスだ。
シエナが、何が何だかわからず困惑しているアリス嬢に解説した。
「意中の女性がいるそうですの。その方にアラン様が話しかけたというのが理由なんですって」
「まああ」
アリス嬢の絹のような眉がしかめられた。
「グレイ様に恋人がいらっしゃるだなんて、ちっとも存じませんでした」
「いえっ、あのっ、そんな……」
「でも、その女性も問題がありますわ。グレイ様の恋人だというなら、アラン様と距離を置くようにしなくてはいけません」
正論。しかし、この場合、グレイ様の脳内恋人はアリス嬢なので、話がねじくれ始めた。
アリス嬢が、気がついたらしかった。
「わたくしも知らぬこととはいえ、ずいぶんグレイ様と親しくお話ししていましたわね。今後は改めないといけませんわね」
「ア、アリス嬢!」
アーネスト・グレイは絶体絶命の危機に陥った。このままでは、アリス嬢と会話する機会が減ってしまう。
親切なシエナ嬢が助けに来てくれた。
「それが、実は完全な片思いで、ちっとも相手に伝わっていませんでしたの」
「なぜ?」
「告白していないからですわ。頭に血が昇って、果し状を書き上げて血判まで押すくらいですのに」
「血判?」
アリス嬢もそこに引っかかるのか。アランはちょっと感慨深かった。
それはとにかく、情け容赦ないシエナ嬢は続けた。
「アラン様がお気の毒ですわ。ですから謝罪をなさってくださいと申し上げましたのに、それがさっきのすまなかったの一言ですのよ」
「それはいけませんわ、グレイ様」
アリス嬢が身を乗り出して説教にかかった。
「誤解で決闘を申し込む男なんか、アリス嬢は、お嫌いですわよね?」
「もちろんですわ。まあ、そんなに思われてみたいのものですけど」
アリス嬢が柔らかく微笑んだので、アーネスト・グレイは息をのんだ。
なんて美しい。今、うっかり何かの波に飲まれてしまった。
思われてみたい……だなんて。この僕でよければ、この身の全てを賭けて、あなたに捧げたい……あなたの足に踏まれたい。
脈はあるのか、ないのか?
「でも、グレイ様の思いびとが誰だかわかりませんから」
シエナ嬢が口を挟んだ。
「そうですわね。でも、グレイ様、私も陰ながら応援しますわ。あ、でも、今後はキチンとグレイ様とは距離を取りますわね。申し訳なかったわ」
満身創痍のグレイを打ちすえる言葉の数々。
「アリス様、お優しいですわあ。でも、これまでもお友達でそれ以上ではなかったのですから、今後も同じ距離でいいではありませんか。良い友を失うのは、残念ですもの」
ただの友達って、言葉がこんなに残酷だったなんて。
シエナのせめてもの救いの言葉が、アーネスト・グレイを打ちすえる。
お茶会は、表面上は終始穏やかに進み、アリス嬢はアーネスト・グレイの恋を応援してくれるそうだ。ちょっとした誤解含みではあるが、これも一種の進展かも知れない。
「こんなところでお許しいただけませんかしら?」
「いやー、女性の怖さを思い知ったよ」
アランは散々なお茶会から無事脱出して感想を述べた。
会場は厚かましくもダーンリー侯爵家だった。
いかなる事態が待っていようとも、ダーンリー侯爵邸の中に入れて、アリス嬢が主催するお茶会を、アーネスト・グレイが欠席するわけがなかったからである。
「まるでアリ地獄……」
好きな人の呼びかけには、ワナがあるとわかっていても、まんまとハマってしまう。恋の吸引力?
恋心って怖いなとアランは思った。
「謝罪は受けてくださいますか?」
「考えておくよ」
横目でシエナを見ながら、アランは答えた。
いつもの真面目そうで控えめなシエナに戻ってしまった。
会話をリードしたり、笑わせたり、相手を追い詰めたりできるのに。
「では、私はこれで……」
シエナはいつもどおり帰って行こうとした。
学園が終わる時間になると、彼女は離れていく。
セドナから付いてきた側近や、ゴートの外交官に囲まれる、セドナの王太子に戻る時間だ。
そしてシエナの仕事が終わる時間。
「帰ったら、何をしているんだろうな」
アランは少し気になった。
今日は面白かった。
ちょっとアーネスト・グレイが気の毒になった。
果し状の件は、シエナが言っていた通り、アリス嬢のごく普通の常識に論破されて、グレイは反省していた。
もっとも決定打は、「アラン様に特別な感情はありませんわ」と言う、これまたアランにとって失礼なのじゃないかと言う一言だった。
「女も怖いが、嫉妬にトチ狂った男も怖い」
宿舎に戻ると、セドナから付いてきた護衛や侍女、侍官たちが声をかけてくる。
「おかえりなさいませ。何事もございませんでしたか? ことと次第によっては、本国に……」
アランは手を振った。
「単なる誤解だよ。シエナ嬢は優秀だな。見事に相手を謝罪に追い込んだよ」
「ほう? 本当に大丈夫なのですか?」
「こちらの身分を明かさずとも乗り切ったよ。完膚なきまでに、相手を打ちのめしていた」
「……何したんですか……?」
護衛という名の監視役は、相談役でもある。王太子に万一のことがあってはならないからだ。
護衛は話を聞いて、今にも吹き出しそうに口元をピクつかせていたが、そう言うことならと引き下がった。
自分の寝室に戻りようやく一人になって、アランはもう一通の手紙を引っ張り出した。
果し状ほど物騒ではないが、実は同じような案件を、もう一通受け取っている。
女性陣からはとにかく、自分は男性からはいい男だとみなされてるんだろうな。
これだけ手紙が来るということは、そういうことだ。
非モテから妬まれる。
アランは、ちょっといい気になった。
下世話な話だが、下世話な思いなど一度もしたことのないアランはかなり満足した。コレよコレコレ、と言った気分だった。
王宮では、いつだって上品に構え、上っ面だけを滑るような聞こえのいい言葉だけを見聞きする。
王太子として、その地位にふさわしい返事が求められる。穏やかで上品で問題のないことが一番だ。
面白くもなんともない。
「世の中、それだけではないよね」
アランはもっと生き生きとしたぶつかり合いを味わいたかった。
その意味で、今日の出来事は、アランにとっては愉快だった。
「果し状の方は期限を切られていたし、内容が内容だったから、とりあえず護衛も目の色を変えていたけど、こっちの方は穏やかだから、フツーなんだろな。でも、やっぱり誤解に基づく嫉妬だよね」
落としたりしないように注意しながら、アランは紙を広げて、次のネタを再読した。
一度、お目にかかりたいと丁重だ。
「丁重な方が怖いよね? 真剣な怒りが伝わってくる」
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