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第2話 波乱の飲み会。誘う相手間違ってますよね?
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「あ、おはようございます……」
バイトの初日、修平はおそるおそるドアを開けた。
梅田のはずれの、雑居ビルが彼のバイト先だった。
印刷会社と言う触れ込みだったが、修平には、その会社が何をしているところなのか、まだ良く分かっていなかった。
「ウチはエージェンシーよ」
社長の説明を聞いてもやっぱり分からなかった。
「わかんなくたっていいのよ。事務って言ったけど、ほんとは配達係だから、免許がある方がいいのよ」
例の男は葉山という名前で、社長は川端と言った。
「ヤスナリって呼んで頂戴」
「どういう字を書くんですか?」
最近、漢字に不安を感じるようになった修平は尋ねた。
「それ、あだ名よ。名前なんてどうでもいいのよ」
葉山とは意外に簡単に仲良くなった。
彼は無口な男だった。
お茶を出すのや、事務所の掃除は修平の役目になった。葉山がお茶碗の場所や掃除機の格納場所を教えてくれるのだが、大体、指で指すか、連れて行くかした。
この男は、まったくしゃべらなかった。しゃべるときは、恐ろしく詰まっていた。したがって電話は、当然、修平の役目になった。
葉山の仕事は、パソコンの前に座っている仕事だった。何をしているのか、さっぱりわからない。
最初は配達先や、商品の納入先を覚えたり調べたりで、慣れるまで結構忙しく、佐名木から問い合わせが来るまで、社長と葉山の関係の調査についてまで気が回らなかった。
『怪しいとか言うレベルじゃないでしょう。絶対そうでしょう』
佐名木からのラインは、単なる好奇心からだった。ただし、修平に好奇心が働いたわけではない。気になったのは葉山のことなんだそうだ。
もしかしたら、彼女はBLファンだったのかもしれない。
二人とも男前だと言うなら、わからなくもなかったが、葉山はとにかく、社長は、(ゲイ的にはマッチョでイケてるのかもしれなかったが)あまり男前の部類には入らないんじゃなかろうか。
『でも葉山はちょっと気に入った! 写メしてよ』
職場でこれを見て、修平はむっとした。
『男を撮る趣味はない』
速攻、返した。
「なにしてんの?」
葉山がだらしなく話しかけてきた。
この男はいつもなんだかだらしない。そして、確かに顔はよかった。
色が白く、大きな目は茶色だった。細く鼻筋が通り、謎のような美貌だった。
だが、人間は別に悪くなかった。
「わあ、ごめん。ライン。友達から。ちょっと見ただけなんだ」
「仕事は?」
「もう、配達は済んだよ。あと、郵便物のチェックだけ。あんたこそ、何してんの」
「飽きた」
彼はニッと笑った。歯並びのいい白い歯がきれいだった。
「あんたの仕事は何してるの?」
好奇心を起こして、修平は尋ねた。
「いろいろ」
全然わからんわ。この説明。
「外へ出ようよ」
「え? 社長に怒られない?」
「大丈夫」
大丈夫なわけないだろう。
しかし、葉山は、手まねで今日の分は済んだと言いたげだった。
結局、彼らは出かけて行って、近場の公園で遊ぶことになった。いい年の男二人が、やることなさそうにブランコに座っているのは、どうかと思ったが、葉山はまるで気にしていなかった。
最近、梅田に増えた高級マンションの住人らしい子連れの奥様方が何組か来ていて、特に葉山の様子を猛烈に怪しげに見ていた。
葉山はいつもの社長のお古を着ていたのだ。
だが、彼はそんな奥様方の視線など、全然気が付いていなかった。
彼は大学には行かなかったと言って、修平のキャンパスライフに関心があるらしかった。
「別に何もそんないいことなんかないよ。今からでも行けばいいじゃん、大学」
「そんな年じゃないよ」
彼は首を振った。
「美大の友達とか」
いないのかと聞きたそうだった。あいにく美大の友達はいなかったが、修平はひらめいた。そうだ、佐名木がいるじゃないか!
この際、会わせておけば、写メが欲しければ自分で直接頼めばいい。今後の面倒も省けるわけだ。
何か、逆に葉山に申し訳ない気がしたが、佐名木さんにラインすればいいわけだ。だが、途中で思いついた。
『葉山を誘うから、そっちも女子大の友達、何人か一緒にこない? 葉山以外の男友達連れて来るから。人数多い方が盛り下がらなくない?』
これでよし! 4年生になっても、彼女なし歴がここまで続くとは思っていなかったが、努力はしよう!
早速、返信があった。
『全員、彼氏いるけどいい?』
今更、ダメとは言いにくいものがあった。
「女はいらないんだけど」
セッティングした大学生だらけの飲み会を提案すると、葉山は言った。
女は不用!
まさか、こんな展開になるとは……さすが、あの社長の彼氏だけある。筋金入りか。
「俺の友達も来る」
「男か」
修平に、彼女や女の友達はいない。だが、説明する必要はないだろう。
「全員、男だ」
簡潔に答えた。
「彼女はいるの?」
痛いとこを聞いてくるな……
「全員、いない」
これまた、潔く答えた。
「オッケー」
承諾してもらえた。これでいいんだろうか。何か収穫はあるのだろうか。
飲み会は、案の定、葬式のようだった。
佐名木は、友達を二人連れてきた。
「こっちが香で、こっちが里奈。私のことは佐名木でいいよ?」
香は背が低くてがっちりタイプで、里奈は色白でぽっちゃりしていた。
この二人と比べてみると、佐名木は、背が低くも高くもなければ、色白でも地黒でもなかった。さらに、この中で誰が一番美人なのかと言う、最初の疑問については、論評のしようがなかった。一長一短があって……というより、そんなこと、考えるのが面倒になるような三つ並びだった。
ただ、三人は、なかなかおしゃれらしく、お化粧もきっちり決まっていた。
対する男性側は、松木は薄いブルーのシャツとチノパンで、修平はただの紺のジーパンにユニクロの白シャツだった。
なんの特徴もない。
ただし、松木と修平はどこまでも普通である。普通が一番じゃないかと、この際、修平は言いたかった。
かっこいい方にカテゴライズされるのかと問い詰められれば、おそらく女子的には空気かも知れない可能性は、完全否定できないかもしれない。しかし、葉山のようなことだけは絶対にないと、それだけは断言できる。
葉山は、女子大生三人と共に開催されるこの機会に、社長のお古のまま、乗り込んできたのである。
社長の趣味のTシャツは、オレンジと黒の唐草模様で、本来なら強烈なインパクトがあったはずだが、なにせ、お古なので、かなり色がさめていた。
そして、だぶだぶだった。
だぶだぶなのは、変わった色合いの茶の綿パンもそうで、元々そんな色合いだったのか、洗いざらしでそうなったのか、修平には、何とも判じかねた。
くるぶしが丸見えなのは、社長の身長に変化がない以上、毎度この長さになる。今日は、修平が初めて見るビーチサンダルを履いていた。
妙だった。
が、この異様な風体にもかかわらず、彼女たちの関心は葉山に集中していた。
生まれつきの茶色の髪、茶色の目、色白の肌、物憂げな美貌は女子大生の興味を猛烈に惹いた。
彼女たちはそれとなく、ではなく、あからさまに社長との関係を聞いてきた。
しかし、葉山はおそろしく口下手で、時々どダイレクトな返しをして、女子大生ではなくて修平と彼の友達の松木の度肝を抜いた。そんなモノの説明なんかいらない。
この男はしゃべらせてはいけない。
連れてきた松木は、ものすごくつまらなさそうだった。
すまん。松木。
俺がまずった。
元々、この女子大生チームは、どうも合わない匂いがしたんだ……そして葉山はああいうやつなんだ。悪気はないけど、なんかどこかオカシイ……
しかし、長かった飲み会がやっと終わった時、ラインの交換をしてくれと葉山が頼んだ相手は、松木だった。
女子大生も、修平も、松木本人もドン引きだった。
断ってくれていい。松木。本当に俺が悪かった。
店を出たところで、少し酔ったのか、酔ったふりをしているだけなのか、葉山は松木の肩に腕を回した。ニコニコしながら、耳元で何かささやいている。
松木。どうする松木。
女子大生は、見物に回り、固唾をのんでいた。
結局、松木は気まずそうに笑って、ラインを交換していた。大人らしく、適当にお茶を濁そうということだろうか。まあ、スルーするか、後で削除するか。男同士だから、たいしたことにはならないだろう。葉山は割と優男だった。松木の方がよほど力がありそうだった。嫌なら断れば済むだろう。
松木、申し訳ない! 修正は冷や汗をかいた。この調子で行くと、修平は、葉山のせいで友達なくすかもしれなかった。
バイトの初日、修平はおそるおそるドアを開けた。
梅田のはずれの、雑居ビルが彼のバイト先だった。
印刷会社と言う触れ込みだったが、修平には、その会社が何をしているところなのか、まだ良く分かっていなかった。
「ウチはエージェンシーよ」
社長の説明を聞いてもやっぱり分からなかった。
「わかんなくたっていいのよ。事務って言ったけど、ほんとは配達係だから、免許がある方がいいのよ」
例の男は葉山という名前で、社長は川端と言った。
「ヤスナリって呼んで頂戴」
「どういう字を書くんですか?」
最近、漢字に不安を感じるようになった修平は尋ねた。
「それ、あだ名よ。名前なんてどうでもいいのよ」
葉山とは意外に簡単に仲良くなった。
彼は無口な男だった。
お茶を出すのや、事務所の掃除は修平の役目になった。葉山がお茶碗の場所や掃除機の格納場所を教えてくれるのだが、大体、指で指すか、連れて行くかした。
この男は、まったくしゃべらなかった。しゃべるときは、恐ろしく詰まっていた。したがって電話は、当然、修平の役目になった。
葉山の仕事は、パソコンの前に座っている仕事だった。何をしているのか、さっぱりわからない。
最初は配達先や、商品の納入先を覚えたり調べたりで、慣れるまで結構忙しく、佐名木から問い合わせが来るまで、社長と葉山の関係の調査についてまで気が回らなかった。
『怪しいとか言うレベルじゃないでしょう。絶対そうでしょう』
佐名木からのラインは、単なる好奇心からだった。ただし、修平に好奇心が働いたわけではない。気になったのは葉山のことなんだそうだ。
もしかしたら、彼女はBLファンだったのかもしれない。
二人とも男前だと言うなら、わからなくもなかったが、葉山はとにかく、社長は、(ゲイ的にはマッチョでイケてるのかもしれなかったが)あまり男前の部類には入らないんじゃなかろうか。
『でも葉山はちょっと気に入った! 写メしてよ』
職場でこれを見て、修平はむっとした。
『男を撮る趣味はない』
速攻、返した。
「なにしてんの?」
葉山がだらしなく話しかけてきた。
この男はいつもなんだかだらしない。そして、確かに顔はよかった。
色が白く、大きな目は茶色だった。細く鼻筋が通り、謎のような美貌だった。
だが、人間は別に悪くなかった。
「わあ、ごめん。ライン。友達から。ちょっと見ただけなんだ」
「仕事は?」
「もう、配達は済んだよ。あと、郵便物のチェックだけ。あんたこそ、何してんの」
「飽きた」
彼はニッと笑った。歯並びのいい白い歯がきれいだった。
「あんたの仕事は何してるの?」
好奇心を起こして、修平は尋ねた。
「いろいろ」
全然わからんわ。この説明。
「外へ出ようよ」
「え? 社長に怒られない?」
「大丈夫」
大丈夫なわけないだろう。
しかし、葉山は、手まねで今日の分は済んだと言いたげだった。
結局、彼らは出かけて行って、近場の公園で遊ぶことになった。いい年の男二人が、やることなさそうにブランコに座っているのは、どうかと思ったが、葉山はまるで気にしていなかった。
最近、梅田に増えた高級マンションの住人らしい子連れの奥様方が何組か来ていて、特に葉山の様子を猛烈に怪しげに見ていた。
葉山はいつもの社長のお古を着ていたのだ。
だが、彼はそんな奥様方の視線など、全然気が付いていなかった。
彼は大学には行かなかったと言って、修平のキャンパスライフに関心があるらしかった。
「別に何もそんないいことなんかないよ。今からでも行けばいいじゃん、大学」
「そんな年じゃないよ」
彼は首を振った。
「美大の友達とか」
いないのかと聞きたそうだった。あいにく美大の友達はいなかったが、修平はひらめいた。そうだ、佐名木がいるじゃないか!
この際、会わせておけば、写メが欲しければ自分で直接頼めばいい。今後の面倒も省けるわけだ。
何か、逆に葉山に申し訳ない気がしたが、佐名木さんにラインすればいいわけだ。だが、途中で思いついた。
『葉山を誘うから、そっちも女子大の友達、何人か一緒にこない? 葉山以外の男友達連れて来るから。人数多い方が盛り下がらなくない?』
これでよし! 4年生になっても、彼女なし歴がここまで続くとは思っていなかったが、努力はしよう!
早速、返信があった。
『全員、彼氏いるけどいい?』
今更、ダメとは言いにくいものがあった。
「女はいらないんだけど」
セッティングした大学生だらけの飲み会を提案すると、葉山は言った。
女は不用!
まさか、こんな展開になるとは……さすが、あの社長の彼氏だけある。筋金入りか。
「俺の友達も来る」
「男か」
修平に、彼女や女の友達はいない。だが、説明する必要はないだろう。
「全員、男だ」
簡潔に答えた。
「彼女はいるの?」
痛いとこを聞いてくるな……
「全員、いない」
これまた、潔く答えた。
「オッケー」
承諾してもらえた。これでいいんだろうか。何か収穫はあるのだろうか。
飲み会は、案の定、葬式のようだった。
佐名木は、友達を二人連れてきた。
「こっちが香で、こっちが里奈。私のことは佐名木でいいよ?」
香は背が低くてがっちりタイプで、里奈は色白でぽっちゃりしていた。
この二人と比べてみると、佐名木は、背が低くも高くもなければ、色白でも地黒でもなかった。さらに、この中で誰が一番美人なのかと言う、最初の疑問については、論評のしようがなかった。一長一短があって……というより、そんなこと、考えるのが面倒になるような三つ並びだった。
ただ、三人は、なかなかおしゃれらしく、お化粧もきっちり決まっていた。
対する男性側は、松木は薄いブルーのシャツとチノパンで、修平はただの紺のジーパンにユニクロの白シャツだった。
なんの特徴もない。
ただし、松木と修平はどこまでも普通である。普通が一番じゃないかと、この際、修平は言いたかった。
かっこいい方にカテゴライズされるのかと問い詰められれば、おそらく女子的には空気かも知れない可能性は、完全否定できないかもしれない。しかし、葉山のようなことだけは絶対にないと、それだけは断言できる。
葉山は、女子大生三人と共に開催されるこの機会に、社長のお古のまま、乗り込んできたのである。
社長の趣味のTシャツは、オレンジと黒の唐草模様で、本来なら強烈なインパクトがあったはずだが、なにせ、お古なので、かなり色がさめていた。
そして、だぶだぶだった。
だぶだぶなのは、変わった色合いの茶の綿パンもそうで、元々そんな色合いだったのか、洗いざらしでそうなったのか、修平には、何とも判じかねた。
くるぶしが丸見えなのは、社長の身長に変化がない以上、毎度この長さになる。今日は、修平が初めて見るビーチサンダルを履いていた。
妙だった。
が、この異様な風体にもかかわらず、彼女たちの関心は葉山に集中していた。
生まれつきの茶色の髪、茶色の目、色白の肌、物憂げな美貌は女子大生の興味を猛烈に惹いた。
彼女たちはそれとなく、ではなく、あからさまに社長との関係を聞いてきた。
しかし、葉山はおそろしく口下手で、時々どダイレクトな返しをして、女子大生ではなくて修平と彼の友達の松木の度肝を抜いた。そんなモノの説明なんかいらない。
この男はしゃべらせてはいけない。
連れてきた松木は、ものすごくつまらなさそうだった。
すまん。松木。
俺がまずった。
元々、この女子大生チームは、どうも合わない匂いがしたんだ……そして葉山はああいうやつなんだ。悪気はないけど、なんかどこかオカシイ……
しかし、長かった飲み会がやっと終わった時、ラインの交換をしてくれと葉山が頼んだ相手は、松木だった。
女子大生も、修平も、松木本人もドン引きだった。
断ってくれていい。松木。本当に俺が悪かった。
店を出たところで、少し酔ったのか、酔ったふりをしているだけなのか、葉山は松木の肩に腕を回した。ニコニコしながら、耳元で何かささやいている。
松木。どうする松木。
女子大生は、見物に回り、固唾をのんでいた。
結局、松木は気まずそうに笑って、ラインを交換していた。大人らしく、適当にお茶を濁そうということだろうか。まあ、スルーするか、後で削除するか。男同士だから、たいしたことにはならないだろう。葉山は割と優男だった。松木の方がよほど力がありそうだった。嫌なら断れば済むだろう。
松木、申し訳ない! 修正は冷や汗をかいた。この調子で行くと、修平は、葉山のせいで友達なくすかもしれなかった。
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