正妃(男)の転生 ー2度目の人生は愛に振り回されない!ー

きたおろし

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プロローグ

昔の話

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「陛下……!!信じてくださいっ!私はそのようなことをしておりません!」

 ありったけの声を張り上げて主張する俺を、この世で1番愛している人は冷たい視線で見下ろす。

「……………黙れ。お前がラルフの紅茶に毒を入れたことは証拠が上がっている。……ラルフの腹には子がいる。王である私との子だ………。母体と共に王家の血筋を引く者を害をなそうとしたことは、いくらお前が王妃であろうが許されない。」

  「違う!私じゃない!そのようなことは決して……………!」 

 言い募る俺の腕を衛兵が抑える。
王の子を俺が殺そうとした?
なんの話だ。

王妃として教育を受けてきた俺は自分の子じゃなくても愛するあんたの子供なら我が子のように愛する。
側室のラルフだってそうだ。子供を産めない俺の代わりにあんたの跡継ぎを産んでくれると大切にしていた。

毒を盛るなんて、するわけないだろう……!

しかし俺の主張を聞いてくれる人はいない。


「……地下牢に連れて行け。沙汰は追って出そう。」


王に言われた衛兵は俺を地下牢に連れて行こうと腕を掴む手に力を入れた。

愛する人に信じてもらえなかったことに俺は目の前が真っ黒になった。








暗い地下牢に入れられた俺の前にことり、と小さな小瓶が置かれる。


目の前のフードを被った男が囁くように言う。


  あなたの処分が決まりました、と。





「おかわいそうに……………。誰もあなたを信じてくれない。愛する人も、あなたが信じていた人も………。あなたは側室様と、王の血を引いている御子を殺そうとした罪で処刑されます……。」




フードを深く被った男の声が頭に響く。その通りだ。惨めで悲しくて、裏切られ、罵られ、心はボロボロだった。



「このままではあなたは、大勢の前で首を切られ処刑されます……………。見苦しい姿を晒して死ぬくらいなら、いっそこのまま静かにお眠りになられては…?」

フードの男が先ほど目前に出した小瓶を再度進める。

毒だ。

確かにこれ以上惨めな姿を見られ、軽蔑の視線をまたあの人から浴びるくらいなら、ここで……………。

牢の隙間から細い小瓶が差し出される。
開けると少しの刺激臭と甘ったるい匂い。

飲むことに躊躇いはなかった。














ここで俺の昔話しはおしまい。



だからここから先何があったのか、あの人は本当はどう思っていたのかは俺は知らないのだ。
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