DRAGONS

ぜろせろり

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第2章

25話 不動の龍と龍騎兵団

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3色の煙は1つに固まり、何かを形作っていく。
「椿!!そいつを連れて早くこっちにこい!!」
言われた通り椿は宙に肩を貸し、必死にガイアの元へと向かう。
煙は徐々に1匹の龍の形へと変化する。
ガイアはもともとザードに使うはずだったウォーナを腕に集め始める。
龍の体が完全に作り上がると同時にガイアは技を繰り出す。
「ゴライア!!」
岩柱が龍に直撃する。
微かに怯むが龍は雄叫びをあげる。
「...攻撃が効いてる気がしねぇ。」
ガイアの言う通り、龍には傷一つついていない。
龍の鋭い瞳が3人を睨む。
この状況であの龍とまともに戦えるはずはなかったが。

「騎龍兵団...突撃!!」
聞き覚えのある声とともに龍に乗った騎士が20人程度の隊列を組んで屋敷へ入ってきた。
そして、
「「「エルナ!!」」」
その騎士らが一斉に龍へ向け火龍の中級能力を放つ。
そのうちの1人が椿たちのもとへと近づいてきた。
「やぁ、また会ったね。茅崎 椿くん。」
「ライト...さん?」
元氷龍の遣い、メルト・ミルヘス邸の騎龍士として働いていた騎龍兵ライトだ。
「遅くなってすまないね。メルトさんの指示が遅れたもので。」
「え...サユリがさっき言ってましたけど...メルトさんってザードに殺されたんじゃ...」
「まぁ、あの人じゃなきゃ確実に死んでいただろうね。」
「...というと?」
「どうもあの人は一瞬で体内に流れた毒を凍結させて、その後に受けた攻撃の傷を血液を凍らせて塞いだみたいでね。それも奴に力を奪われる寸前で。九神龍の遣いってのはほんとに恐ろしいものだよ。」
メルトは生きている。
それを知れただけで椿の肩の荷が少し降りた。
だが、再び椿らは龍へ視線を向ける。
前線にいる騎龍兵らは全て火龍の遣いのようで龍の動きを止めている。
そしていつの間にか参戦していた後続の騎龍兵は風龍や治癒龍などで後方支援をする。
だがそれでも龍は食い下がらず反撃にかかる。
前線にいた4、5人の騎士が龍によって飛ばされる。
「まぁ、見ての通りこのままじゃ押される一方だと思う。君たちにも手伝ってもらいたいんだ。」
「おうよ。でも何すりゃいいんだぁ?」
「僕はここの生まれじゃないから龍の力は無いんだ。だけどそれはそれで特殊な力を持ってるんでね。それを使う準備をさせてほしい。だからあの龍の注意をできるだけ僕に向けないようにしてほしい。」
「でも、1人で倒せるような敵じゃ...」
「僕は別の世界ではもっと期待されていたのだけどね。まぁ僕に任せてみてはくれないかな?」
「よくわかんねぇけどよぉ。とにかくやるならさっさとやろうぜ!!」
「あぁ、頼むよ、椿くん。ガイアくん。」
そう告げるとライトは風龍と治癒龍隊列の後ろに立つ。
「いくぜ。ガイア。」
「おうよ。」
短く会話を終え、2人は別々に動き出す。


────龍狩りが始まる。
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