DRAGONS

ぜろせろり

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第4章

48話 夢?

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「産まれましたよ。元気な男の子です!」

その声が聞こえ興奮し、すぐさま女性のもとへ駆けつける男性。

「...あなた。」

安堵の表情で男性を見つめる女性。

「...この子は可愛いお姉ちゃん2人に囲まれて育つんだなぁ、このぉ!」

産まれたての赤ちゃんの肌はとてもみずみずしかった。

「...元気な子に育つといいね。」







「...残念なことですが。この子は特殊な体をしていて龍を受け付けてくれないのです。今後龍との契約無しで育てられるのもいいとは思いますが...普通の子と同じような生活をするにはかなりの費用がかかります。...そういった子の家庭にはこちらから生活費の支給をさせていただくのですが...最近は不景気なもので、支給できたとして3ヵ月が限界と思われます...。」

「そう...ですか。」

告げられた医師の言葉にうなだれる男性と女性。

「...しかし、1つ方法があります。」









「親子としての縁を切る代わりに、お子様に生涯支援をしてくれる保護施設がございます。」






 


「ふざけんなあっ!!」

家に帰り、なおも悩み、怒り、悲しむ2人。

「...もし、家で育てるとしても私達の収入じゃ支援が終わった途端に何もかも追いつかなくなる。」

「...」

「だったらもういっそのこと...」

「...」

「...」

「...なんで。なんでだよ。」

男性は机を叩き涙を流す。






数日後2人は答えを出した。






「────保護施設にお願いします。」









「それじゃあ...手続きは以上です。...託された以上大切にお育てします。」

「...よろしく...お願いします。」

涙がこぼれ、顔を赤くする女性。
涙を堪え、硬い表情の男性。

2人の手から赤ちゃんが保護施設のスタッフに手渡される。





「説明した通り、親子の縁を切ることが条件ですので...どうかこの子のことは忘れてください。」


「...はい。」

それでは、と保護施設の中へと入っていくスタッフ。





「...ごめんなぁ...。本当にごめんなぁ。一生恨んでくれ...」
















「...椿。」




















「つばき、つばきぃー?」

「おーい?皆もう食堂行っちゃったよ?」

ホテルの個室。揺れるカーテンの隙間から日の光が差す。

「...あぁ。おはよ。先行ってて良かったのに。」

「先に行ったら椿ずーっと起きないでしょー?」

「そんなこともねぇよ。」



苦笑いで布団から飛び起き、食堂へいく支度をする。







────先ほど見ていた夢は何だったのだろうか。
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