DRAGONS

ぜろせろり

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第5章

62話 届かないものだとしても

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「...アグリ・ローザン。」

「はぁ...ミルヘスの子孫はまだ生き延びていたか。」

「...ミルヘス邸はどうしたの。宙は、ガイアは!!」

「...九神龍の遣いといえど王はこの我だ。」

「...」

「...さゆ...ねぇ。」

紗由里の表情が曇る。

「...アグリ・ローザン、あなたは何が目的かね。」

「破壊。ただそれだけだ。」

「だいぶ物騒な目的だねぇ...それで、あなたは私の屋敷に次いでここも破壊しようと?」

「そうだ。簡単なことだろう?」

肩を回したり首を回したりして余裕を見せながら話すアグリ。

「...でも、そんなことはさせないわ。ここは私と...婆様と...皆の思い出の場所なんだから。」

「くだらない。そんなもので我に抗えるとでも思うのか。」

「...抗えるか抗えないかじゃない。」

















「たとえ私の力があなたに届かないものだとしても...あなたに抗わないと何も始まらないから。」

紗由里はメルトとミカヅキの前に立ち、

「メルト様。ミカヅキをどうかお願いします。」

「紗由里ちゃんは...どうするの?」

「.........早くしてください。」

紗由里は振り向かず、背後のメルトにただそう告げた。

「そうは...させるか!!」

アグリが床に手をつけようとしたその時。
その手元でクリスタルが爆発した。

「急いで!!」

メルトはミカヅキを連れて走り抜けた。

「はぁ...まぁ、いい。あとでまとめて潰せばいいだけの話だ。我にとってそのくらいのこと。」

「独り言も程々にしたらどうかしら。あなたの相手はこの私よ。」

「レイストンの子孫。奴は素晴らしい人間だった。普通の人間に対しては、な。」

「...」

「滅龍の遣いである我を奴は王の権力で散々な目に合わせてくれた。我は奴も、奴の子孫の全て...許す気はない!!」

今度はしっかりと床に手をつき、
衝撃波を生み出す。

「クリアライト...!!」

それに紗由里は光の結界で対抗しようとするも、
衝撃波はそれを突き抜け紗由里を吹き飛ばす。

壁や天井も抉られ、明かりを失ったレイストン邸は暗闇に包まれる。

そして、

「ゴライア。」

滅龍が放ったのは地龍の能力。

迫る岩柱をなんとか避け、紗由里は再び立ち上がるも、

「イル」

今度は氷龍の能力。

紗由里の足が凍り、動けなくなる。

「宙は...ガイアはどうしたの。」

「奴らはしぶとかったがな。既にあの力の全ては我が手の内にある。」













「────次は神龍の力だ。その力、頂くぞ。」

ゆっくりとアグリが紗由里に近付いていくと、
突如、屋敷の扉が開かれ、一筋の光が走る。


























「俺らを...なめんなよ。滅龍。」

そこにはボロボロになった宙とガイアがいた。
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