(超)自然科学部にようこそ!

稲葉海三

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7.新しい能力

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「超能力だ! コマを超能力でさがそうぜ!」
「あの……イタいよ。落ちついて」
「うわっ、ごめん」

 オレはあわてて、水瀬の肩から手をはなす。
 知らずのうちに、かなりの力がこもっていた。

「それで、コマをさがすのに役立つ超能力って知らないか?」

 水瀬はもうしわけなさそうに首をふった。

「……ごめんなさい。わたしの知っているかぎりでは、心あたりがないかな。テレポーテーションでも、居場所がわからなければ、さがしようがないし」
「そっか」

 水瀬の返答に少しばかりガックリしたが、オレはこの程度であきらめるつもりはない。

「なら、専門家に聞いてみるか」
「専門家って?」
「長谷川先生のことだ!」
「長谷川先生……たしかに、ずっと超能力について勉強してたのなら、わたしよりもくわしいかもしれない」
「うん。あの人、メチャクチャくわしいぞ。コマをさがせるような超能力についても、きっと知ってるんじゃないかな。サイキックストーンを使えば、オレが使えるかもしれない。この時間なら、まだ理科準備室にいるはずだし、すぐに聞きにいこうぜ!」

 理科準備室に住んでいるとまで言われた長谷川先生だ。
 日が沈んでもいないのに、帰るわけがない。

「うん。じゃあさっそく、朝丘くんのテレポーテーションで移動しようか」

 そう言うと、水瀬は首からペンダントを外して、わたしてくる。。

「オレのテレポーテーションで、学校まで移動できるのか?」
「そのくらいの距離なら、絶対に大丈夫。理科準備室の場所をよく頭に思い浮かべながら能力を使ってみて」
「マジか! すげー! なら、ちょっとだけ借りるな。すぐにいってくる!」

 水瀬から受け取ったペンダントを、首につける。
 今度は一人でつけられた。

「待って! わたしも連れてって!」
「そんなことできるのか?」
「うん、手をにぎってれば」
「そんなんでいいのかよ、かんたんだな」

 普段は五十センチしか移動できないテレポーテーション。
 それが、遠い距離にみんなで移動できるなんて……。
 サイキックストーンの力に、感心するばかりだ。
 オレは、水瀬の手をにぎった。  

「今日デートしただけで、そんなに仲よくなったの? でも、イチャイチャするなら、コマを見つけてからにしてよ!」

 コマをさっさとさがしにいこうとしていたタマキだったが、オレたちが話していてまったく動こうとしないので、ダッシュでもどってきたようだ。
 緊急事態なのに、手をつないでいるオレたちを見て、声がかなり不機嫌になっている。

「よし、タマキ。おまえの手もかせ」
「わわっ、なにすんの!」
「説明はあとでしてやるから、大人しくしとけ」

 説明している時間がもったいない。
 ちょうどいいので、左手でタマキの手をにぎった。

「よし、行くぜ!」

 オレは頭の中に理科準備室を思い浮かべ、テレポーテーションを発動させる。
  あたりの景色がぼやけ、一瞬だけ、真っ暗になった。

「キ……キミたち……どこから来たんだ……?」

 目の前には、よれよれの白衣を着た長谷川先生が、ふるえる手でオレたちのことを指さす。
 まわりを見わたすと、いつもの理科準備室。

「よっしゃぁああ、成功だ!」
「ね、できたでしょ」
「えっ! えっ! どこ? 長谷川先生?」

 オレと水瀬はうれしそうに顔を見合わせ、長谷川先生とタマキはパニックになっていた。


 テレポーテーションしてから数分後。
 オレたちは、長谷川先生とタマキに、これまでの事情を説明した。

「……なるほど。このサイキックストーンが、朝丘くんの超能力を増幅させているのか。そんな物質が存在するなんて……」
「まだ信じられないよ」

 長谷川先生は目をしばたかせ、なんども首をふった。
 タマキも呆然としている。

「水瀬さん。よかったら、もっと超能力について教えてもらえないかね?」
「ええ、時間のあるときでしたら……今はちょっと。コマちゃんのことがありますし」
「そうですよ、先生! そんなのはあと! 超能力でコマをさがす方法って、ありますか? ちょっぱやで!」

 オレがせかすように言った。
 長谷川先生が超能力の話をしていたら、すぐに日がくれてしまう。

「わかった、時間がないようだしね。準備するから、少しだけ待ってほしい。ためしてみたい方法がある」

 そう言うと、長谷川先生は準備室の奥にあるロッカーをごそごそとあさりだした。
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