(超)自然科学部にようこそ!

稲葉海三

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7.新しい能力

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「大丈夫かな?」

 タマキの目が不安そうにゆれていた。

「……ごめん、タマキ。オレのせいで……」

 さっきまでなにも知らずに、水瀬と楽しく遊んでいたのだ。
 タマキへの罪悪感でいっぱいである。
 タマキの服が汚れていたのは、コマのことを一生懸命さがしていたからだ。
 猫は小さなすきまや草むらにかくれてしまうから、人間がさがすのは大変なのである。

「しょうがないよ。あの子、外にキョーミ持っていたから、いつかは脱走すると思ってたし。だけど、次は気をつけるんだよ。コマはあたしにとっても、大事な家族なんだから」

 タマキはオレをせめなかった。
 こいつは、オレが本当に反省しているとわかっているときは、いつも優しい。
 少しだけ涙が出そうになってしまった。

「おまたせ。こいつをためしてみよう」

 長谷川先生が、本ぐらいの大きさのタブレットを持ってきた。
 オレは目をゴシゴシッとこすると気持ちを切り替える。

「タブレットでなにをするんです?」

 オレの家にもタブレットはあるので、かんたんな使い方は知っている。
 インターネットにつないで動画を見たり、本を読んだりなど、色んなことのできる便利な機械だ。
 母さんには禁止されているが、ゲームをすることもできる。

「これから『ダウジング』で、コマくんをさがそうと思う」
「ダウジングって?」

 聞いたことがない言葉である。
 タマキと水瀬を見るが、二人とも、首をふった。
 知らないようである。

「ダウジングってのはね。人間の潜在能力を使った占いみたいなものだよ。超能力者の朝丘くんなら、やってみる価値はあると思うんだ。まずは、そのペンダントのチェーンの部分をつかんで、サイキックストーンが自由に動けるように持ってごらん」

 オレは長谷川先生に言われたとおり、ペンダントを持ってみる。

「こうですか?」
「そう。次は『イエス』と『ノー』のサインを決めるんだ。『イエス』の動きをしてほしいと、サイキックストーンに念じてごらん」

 よくわからないけど、長谷川先生の言うとおりにしてみた。

(『イエス』の動きをしてくれ!)

 すると、サイキックストーンが右回りに一回転をして、ピタッととまった。

「おおっ、いい感じだ! 今度は『ノー』の動きをしてほしいと念じてごらん」
「わかりました」

 同じように、念じてみる。

(『ノー』の動きをしてくれ!)

 今度は、サイキックストーンが左右に二回ふれて、ピタッととまった。

「うん、カンペキだよ。『イエス』なら右に一回転、『ノー』なら左右に二回ふれる。こんなにはっきりとサインが出るなら、きっと成功するはず!」

 長谷川先生はニコニコしながら、タブレットの電源を入れる。
 そして、タブレットの画面に、この町の地図を表示させた。

「この地図の中に、コマくんがいるかどうか、サイキックストーンにたずねるんだ。きっとこたえてくれるはず」
「マジですか! すげー能力じゃないですか!」

 オレはさっきからなにをやらされてるのかわからなかったが、ようやく、ダウジングについて理解した。
 成功すれば、コマをかんたんにさがせるじゃないか。

「コマはここにいるか? 頼む、こたえてくれ!」

 オレはサイキックストーンに向かって、必死にたずねた。
 すると、サイキックストーンは、右に一回転した。
 イエスのサインである。

「よし、この町にはいるみたいだね。なら、地図を拡大していこう」

 長谷川先生が拡大した地図を表示させるたびに、オレはサイキックストーンに質問をくりかえす。
 サイキックストーンが右に一回転したら場所を拡大し、左右に二回ふれたら、ちがう場所を表示させる。
 なんどもくりかえしていくうちに、ついにコマのいる場所がしぼれてきた。

「……ここに、コマがいるの? すぐにいこうよ!」

 じっと見ていたタマキが、もう待ちきれないとばかりに声を出した。

「うん。どうやらコマくんは、この畑にいるみたいだね」 

 タブレットに表示されていたのは、オレの家から徒歩十分くらいのところにある畑であった。
 あまり、人通りのない場所である。
 外の世界が怖くなって、人気のない場所にかくれていたのだろう。

「あたし、このあたりもさがしたんだけどな……」
「怖がって、ジーッとかくれてるんだろ」

 怖がっているときは、コマは呼んでもくることはない。
 むしろ、大きな声で呼んでしまうと、さらに怖がってしまう可能性が高い。

「場所はわかったことだし、すぐに、いった方がいいよ。また移動したら大変だからね」
「はい、わかりました。ありがとうございます」
「先生、ありがとう」
「ありがとうございました」

 オレたちは口々に礼をいうと、また手をつないでテレポーテーションを発動させた。
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