28 / 42
うまなちゃんのチョコレート工場
うまなちゃんのチョコレート工場 第七話
しおりを挟む
話を遮って私は工場の中へと進んでいったのだ。うまなちゃんもイザーさんも四天王のみんなも私を止めるような事が無かったのでそのまますんなりと中へ入ることが出来たのだが、三か所ある除菌室を通ってたどり着いた加工場は絡みつくような湿度でむせ返りそうになるくらいに甘い匂いが漂っていた。
あまりにも濃い匂いが私の鼻を強烈に襲ってきているのだ。異常に高い湿度と甘い匂いで頭もクラクラしてきたのだけれど、不思議とこの場から立ち去りたいとは思わなかった。むしろ、もう少しここに居て甘い香りに包まれていたいと思いながらも、私は両腕が自分の汗でしっとりとしてきている事を意識し始めていた。もちろん汗をかいているのは腕だけではないのだけれど、そこはうら若き乙女という事もあって明言しないことにしよう。
私の後から入ってきたうまなちゃんは何事もないかのように私の前をスタスタと歩いて行ったいるのだけれど、少し遅れて入ってきたイザーさんや四天王の三人は加工場へ入ることをためらっているのか扉を開けてもそこを通ろうとはしていなかった。
「あの子たちは耐性が無いからここに入ってくることは出来ないかもね。愛華ちゃんも耐性があるわけじゃないと思うけどさ、この世界に来てまだそんなに時間が経ってないから平気なのかもしれないね。でも、あんまり長い時間ここに居るのはおススメ出来ないかも」
「それってどういうことなの?」
「奥を見ればわかるよ」
うまなちゃんが指さした先には濃い霧に覆われていたのだ。その霧の中から聞こえてくる機械的な音に混ざって時々超えてくる水滴が落ちる音は何か嫌な感じに思えてしまっていた。
少しだけ近くに行って音の正体を確かめたいという気持ちもあるのだけれど、これ以上近付いてはいけないと私の本能が訴えかけてきている。私は前に進みたい気持ちとこれ以上は近付きたくないという気持ちがせめぎ合い、これ以上は自分でも答えを出すことが出来ない。そんな私の事をうまなちゃんは心配する様子もなく笑顔で見守ってくれていた。
「あんまり気が進まないようだったらここで引き返しても良いからね。みんなも向こうで待ってくれているし、あんまりここに長居しない方が良いとも思うけどね。それにさ、いったん戻って紅茶でも飲みながら昨日できた新作のチョコレートでも食べてみないかな?」
私は力なく頷くと、うまなちゃんはそっと私の腰に手をまわしてみんなのもとへと連れて行ってくれた。甘い匂いに負けないくらい爽やかな香りを纏っているうまなちゃんがそばに居てくれるという事もあって、いく分体は楽になってはいるのだけれどなぜかうまなちゃんに支えられているという事を思うと体の芯から熱くなっていっているような気がしていた。
うまなちゃんがすぐそばに居るという緊張からなのかただただ湿度が高いからなのか、私は自分の脇から汗が垂れてしまっているという事を感じてしまった。この距離で汗なんて書いてしまうのは申し訳ないという気持ちもあるのだけれど、私の汗は緊張すれば緊張するほど滴っているように感じていた。幸いなことに、汗が滴り落ちているのはうまなちゃんが支えてくれている方ではないので大丈夫だと思ったのだけれど、うまなちゃんの手が腰にあるという事を思い出して余計に焦ってしまっていた。
「この部屋に入って辛いのはわかるけどさ、あんまりここに長居はしない方が良いと思うよ。私は平気だけど愛華ちゃんにはちょっと刺激が強すぎると思うからね。人体に影響がないくらいに濃度は薄めているんだけど、さすがにちょっと霧を吸い過ぎているかもしれないからな。人体に影響はないと言っても、過剰に摂取するのは良くないってね」
私はうまなちゃんの言葉をちゃんと理解しようとはしていなかった。ただ隣にいてくれるうまなちゃんの事を優しいなとか良い人だなと思ってこの身をゆだねていたのだ。甘える子供のように完全に信頼して寄り添っていたのだ。
心配してくれているイザーさんや四天王のみんなと近付くにつれて体が楽になっているような感じもするのだけれど、それは四人に対して安心感や信頼感があるからと言うわけではない。どちらからと言うと、イザーさんはあまり深くかかわらない方が良いような気がしているし、四天王のみんなの事は全く知らないので当然信用なんて出来るはずも無かった。なので、私はこうしてうまなちゃんに対して全幅の信頼を寄せるのは仕方ない事なのだと言えるのだ。
体も心も落ち着いてきた私は一人で歩くことも出来るようになっていた。しかし、もう少しうまなちゃんのそばに居たいと思って支えてもらうことにしたのだ。
「愛華ちゃんもみんなもだいぶ落ち着いたみたいだし、さっきの部屋に戻って休憩しようか。その前に、愛華ちゃんはシャワー浴びてきてもらっても良いかな。そのままだったら辛いと思うし」
もしかして、私がさっき汗をかいていた事がバレていたのかな。あれだけ私の近くにいたんだから気付かない方が変だよね。でも、シャワーを浴びなきゃいけない程汗臭かったのかな。自分では気づかなかったけど、結構汗もかいてしまっていたし仕方ないかもね。
「ごめんなさい。汗を止めることが出来なくてごめんなさい。次から気を付けます」
「ん、愛華ちゃんはそんなに汗かいてたの?」
「湿度の高さと熱気と緊張で汗をかいてたと思うんだけど、隣にいて汗臭かったですか?」
「全然そんな事なかったと思うけど。私の方が臭かったらどうしようかなって思ってたくらいだし」
「うまなちゃんは全然臭くなんかないです。甘くていい匂いがしてました。ちょっとドキドキしちゃうくらいいい匂いでした」
ちょっとだけ驚いた表情を見せてくれたうまなちゃんに少しだけ私もドキッとしてしまったけれど、そんな事を自然に言ってしまえるくらいうまなちゃんは甘くていい匂いがしていた。
私もうまなちゃんみたいに甘くていい匂いになれたらいいな。
あまりにも濃い匂いが私の鼻を強烈に襲ってきているのだ。異常に高い湿度と甘い匂いで頭もクラクラしてきたのだけれど、不思議とこの場から立ち去りたいとは思わなかった。むしろ、もう少しここに居て甘い香りに包まれていたいと思いながらも、私は両腕が自分の汗でしっとりとしてきている事を意識し始めていた。もちろん汗をかいているのは腕だけではないのだけれど、そこはうら若き乙女という事もあって明言しないことにしよう。
私の後から入ってきたうまなちゃんは何事もないかのように私の前をスタスタと歩いて行ったいるのだけれど、少し遅れて入ってきたイザーさんや四天王の三人は加工場へ入ることをためらっているのか扉を開けてもそこを通ろうとはしていなかった。
「あの子たちは耐性が無いからここに入ってくることは出来ないかもね。愛華ちゃんも耐性があるわけじゃないと思うけどさ、この世界に来てまだそんなに時間が経ってないから平気なのかもしれないね。でも、あんまり長い時間ここに居るのはおススメ出来ないかも」
「それってどういうことなの?」
「奥を見ればわかるよ」
うまなちゃんが指さした先には濃い霧に覆われていたのだ。その霧の中から聞こえてくる機械的な音に混ざって時々超えてくる水滴が落ちる音は何か嫌な感じに思えてしまっていた。
少しだけ近くに行って音の正体を確かめたいという気持ちもあるのだけれど、これ以上近付いてはいけないと私の本能が訴えかけてきている。私は前に進みたい気持ちとこれ以上は近付きたくないという気持ちがせめぎ合い、これ以上は自分でも答えを出すことが出来ない。そんな私の事をうまなちゃんは心配する様子もなく笑顔で見守ってくれていた。
「あんまり気が進まないようだったらここで引き返しても良いからね。みんなも向こうで待ってくれているし、あんまりここに長居しない方が良いとも思うけどね。それにさ、いったん戻って紅茶でも飲みながら昨日できた新作のチョコレートでも食べてみないかな?」
私は力なく頷くと、うまなちゃんはそっと私の腰に手をまわしてみんなのもとへと連れて行ってくれた。甘い匂いに負けないくらい爽やかな香りを纏っているうまなちゃんがそばに居てくれるという事もあって、いく分体は楽になってはいるのだけれどなぜかうまなちゃんに支えられているという事を思うと体の芯から熱くなっていっているような気がしていた。
うまなちゃんがすぐそばに居るという緊張からなのかただただ湿度が高いからなのか、私は自分の脇から汗が垂れてしまっているという事を感じてしまった。この距離で汗なんて書いてしまうのは申し訳ないという気持ちもあるのだけれど、私の汗は緊張すれば緊張するほど滴っているように感じていた。幸いなことに、汗が滴り落ちているのはうまなちゃんが支えてくれている方ではないので大丈夫だと思ったのだけれど、うまなちゃんの手が腰にあるという事を思い出して余計に焦ってしまっていた。
「この部屋に入って辛いのはわかるけどさ、あんまりここに長居はしない方が良いと思うよ。私は平気だけど愛華ちゃんにはちょっと刺激が強すぎると思うからね。人体に影響がないくらいに濃度は薄めているんだけど、さすがにちょっと霧を吸い過ぎているかもしれないからな。人体に影響はないと言っても、過剰に摂取するのは良くないってね」
私はうまなちゃんの言葉をちゃんと理解しようとはしていなかった。ただ隣にいてくれるうまなちゃんの事を優しいなとか良い人だなと思ってこの身をゆだねていたのだ。甘える子供のように完全に信頼して寄り添っていたのだ。
心配してくれているイザーさんや四天王のみんなと近付くにつれて体が楽になっているような感じもするのだけれど、それは四人に対して安心感や信頼感があるからと言うわけではない。どちらからと言うと、イザーさんはあまり深くかかわらない方が良いような気がしているし、四天王のみんなの事は全く知らないので当然信用なんて出来るはずも無かった。なので、私はこうしてうまなちゃんに対して全幅の信頼を寄せるのは仕方ない事なのだと言えるのだ。
体も心も落ち着いてきた私は一人で歩くことも出来るようになっていた。しかし、もう少しうまなちゃんのそばに居たいと思って支えてもらうことにしたのだ。
「愛華ちゃんもみんなもだいぶ落ち着いたみたいだし、さっきの部屋に戻って休憩しようか。その前に、愛華ちゃんはシャワー浴びてきてもらっても良いかな。そのままだったら辛いと思うし」
もしかして、私がさっき汗をかいていた事がバレていたのかな。あれだけ私の近くにいたんだから気付かない方が変だよね。でも、シャワーを浴びなきゃいけない程汗臭かったのかな。自分では気づかなかったけど、結構汗もかいてしまっていたし仕方ないかもね。
「ごめんなさい。汗を止めることが出来なくてごめんなさい。次から気を付けます」
「ん、愛華ちゃんはそんなに汗かいてたの?」
「湿度の高さと熱気と緊張で汗をかいてたと思うんだけど、隣にいて汗臭かったですか?」
「全然そんな事なかったと思うけど。私の方が臭かったらどうしようかなって思ってたくらいだし」
「うまなちゃんは全然臭くなんかないです。甘くていい匂いがしてました。ちょっとドキドキしちゃうくらいいい匂いでした」
ちょっとだけ驚いた表情を見せてくれたうまなちゃんに少しだけ私もドキッとしてしまったけれど、そんな事を自然に言ってしまえるくらいうまなちゃんは甘くていい匂いがしていた。
私もうまなちゃんみたいに甘くていい匂いになれたらいいな。
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
転生したら世界一の御曹司だった〜巨乳エルフメイド10人と美少女騎士に溺愛されています〜
まさき
青春
異世界転生した最強の金持ち嫡男、
専属エルフメイドと美少女騎士に囲まれて至福のハーレム生活
現代日本で「地味だが実は超大富豪」という特殊な人生を送っていた青年は、ある日事故で命を落とす。
しかし目を覚ますと、そこは魔法と様々な種族が存在する異世界だった。
彼は大陸一の富を誇る名門貴族――
ヴァン・バレンティン家の嫡男カイルとして転生していたのだ。
カイルに与えられたのは
・世界一とも言える圧倒的な財力
・財力に比例して増大する規格外の魔力
そして何より彼を驚かせたのは――
彼に仕える十人の専属メイド全員が、巨乳美少女だったことである。
献身的なエルフのメイド長リリア。
護衛騎士でありながら隙あらば誘惑してくる女騎士シルヴィア。
さらに個性豊かな巨乳メイドたち。
カイルは持ち前の財力で彼女たちの願いを叶え、最高級の装備や生活を与えていく。
すると彼女たちの忠誠心と愛情はどんどん加速していき――
「カイル様……今日は私が、お世話をさせてください」
領地を狙う貴族を金と魔力で圧倒し、
時にはメイドたちの愛が暴走して甘すぎる時間に巻き込まれながらも、
最強の御曹司カイルは
世界一幸せなハーレムを築いていく。
最後までお読みいただきありがとうございました。よろしければ応援をお願いいたします。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる