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うまなちゃんのチョコレート工場
うまなちゃんのチョコレート工場 第八話
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ちょっぴりビターなチョコは私には少しだけ早い気もしていたけれど、ほんの少しだけ大人になれたような気がして嬉しく思っていた。本当はもっともっと甘いチョコの方が好きなんだけど、この世界には甘いものなんてほどんどないんだからワガママは言っていられないよね。
「愛華ちゃんはこのチョコを食べてみてどう感じるかな。本物のチョコの味を知っているのは愛華ちゃんだけしかいないんで正直な感想を聞いてみたいんだけど、この味で大丈夫かな?」
私が普段食べているチョコよりもずっとビターな感じで大人な味だという事を伝えても良いとは思うんだけど、これはこれで美味しいチョコなんじゃないかなって思う。原材料が何かわからないんで正式にチョコと言っていいものなのかはわからないけど、風味や口の中で溶ける感じはかなりチョコっぽい気もしている。
「うん、美味しいと思うよ。私がよく食べていたのよりもちょっと大人っぽい味だと思うけど、こういうチョコもあるから良いと思うな。甘いものを食べなれていないこっちの世界の人にはちょうどいい感じだと思うし」
「そうなのか。確かに愛華ちゃんのいた世界で食べたものはもっと甘かったんだよね。ケーキも凄く甘くてびっくりしたりしちゃったし、どうにかしてこの世界でも甘くて脳が痺れるような食べ物を作れたりしないかな。イザーは何かいいアイデアないかしら。あなたならここにある装置をもっと発展させたりできるんじゃないかしら」
「アイデアを出すことはできると思うんですけど、これ以上絞るのは難しいんじゃないかな。あんまりやりすぎると酸っぱくなっちゃうような気もしてるし、うまなちゃんは手加減することが出来ないから他の人に任せた方が良いと思うよ」
「それは私もわかってるけどさ、やっぱりこの世界に関する事だったら私が主導してやりたいじゃない。イザーに全部任せた方が上手くいくってのはわかってるんだけど、そこだけは譲りたくないんだよね。イザーもそれはわかってくれるよね」
「その気持ちはわかりますよ。でも、あんまりうまなちゃんのワガママで引き延ばしたりしない方が良いと思うかも。上手くいってる時はそれでもいいと思うんだけど、今回はちょっと上手くいってないような気もするんだよね。愛華ちゃんがあんまり納得してない感じだし」
私が甘い方が良いって言っちゃったからこんな険悪な感じになっちゃったのかな。私も別にこのチョコが美味しくないって言ってるわけじゃないし、こういうのが好きな人もいるのは間違いないと思う。たぶん、偽福島君は甘いチョコよりもこういう大人な感じのチョコの方が好きだと思うんだよね。私だけの意見じゃなくて偽福島君の意見も聞いてみたら良いんじゃないかな。きっとその方がみんなにとっても良いと思うよね。私よりもずっと大人っぽい偽福島君ならこっちの方が好きだってきっと言うはずだよ。
「あの、私はもう少し甘い方が好きだってだけなんですけど、こっちの世界にいる福島君にも味見してもらったらどうかな。私の個人的な感想だけじゃなくて福島君の感想も聞いてみたらいいと思うんだけど」
「それは良いアイデアだと思うけど、福島君は甘いものはあまり食べてなかったみたいなんだよね。チョコレート工場も興味無いから描きたくないって言ってたんだけど、うまなちゃんが無理矢理描かせたんだよね。私もうまなちゃんも四天王のみんなももちろんチョコレート工場なんて知らないからどんな感じなのかわかってなかったんだけど、これって本当にチョコレート工場でいいのかな?」
正直に言ってしまえば私だってチョコレート工場がどんな感じなのか知らない。私が知っている食べ物系の工場はパン工場くらいなんだけど、きっとアレだって本当の工場とは違うんだってことくらいは知っている。日本で一番有名な食品工場だとは思うんだけど、あれはパン工場というよりもどこにでもある町のパン屋さんだとしか思えないのだ。
いや、今はそんなことを言っている場合ではないのだ。食品工場と言われて思い出したのはあのパン工場と某かまぼこ工場なのだが、どちらもこんなにけばけばしい作りはしていなかったと思う。いったいどんな思考回路になればこんな派手な外観の工場を作ることが出来るのだろうと思っていたのだけれど、偽福島君が派手好きで目立ちたがり屋だったとしたらこれも自己表現の一環だという事になるのではないだろうか。そんなはずはないという事は重々承知しているのだけれど、何かのタイミングでこんな派手な物しか想像出来なかったという可能性だってあるかもしれない。私だっていつも以上に難解で解読できないような文章になってしまう事もあるし、こればっかりは偽福島君を責める事は出来ないよね。
「うまなちゃんは聞いてないから知らないとは思うけどね、福島君はこの工場を描き終えた後に一瞬だけど何か“やっちゃったな”って顔してたよ。その時は何とも思わなかったけど、今にして思えばこのチョコレート工場の外観って普通じゃないのかもしれないなって思うよ。ほら、愛華ちゃんも最初にこの工場を見た時に一歩引いちゃってたからね」
「え、それって本当なの。本当だとしたら、なんで今まで言わなかったのよ。もっと早く言ってくれてたらどうにでも出来たのに」
恨めしそうな顔で見てくるうまなちゃんから視線を逸らした私は四天王の三人と一緒に残ったチョコを食べていた。甘味自体はほんのりと感じることが出来るのだけれど、それ以上に感じる苦みは私の心を表現しているみたいで少しだけ申し訳ない気持ちになっていた。
四天王の三人は私とうまなちゃんを交互に見て困っている様子なのだが、私はうまなちゃんの事を真っすぐ見ることが出来なかった。私は悪いことをしていないし、この工場に一切何も関わってなんてい内のはずなのに、なぜか胸が苦しくなってきていた。もしかしたら、胸が痛くなるのは成長期だからなのかなと思っていたけれど、そんなはずはないと心の中で一人寂しく突っ込んでしまっていたのだった。
「愛華ちゃんはこのチョコを食べてみてどう感じるかな。本物のチョコの味を知っているのは愛華ちゃんだけしかいないんで正直な感想を聞いてみたいんだけど、この味で大丈夫かな?」
私が普段食べているチョコよりもずっとビターな感じで大人な味だという事を伝えても良いとは思うんだけど、これはこれで美味しいチョコなんじゃないかなって思う。原材料が何かわからないんで正式にチョコと言っていいものなのかはわからないけど、風味や口の中で溶ける感じはかなりチョコっぽい気もしている。
「うん、美味しいと思うよ。私がよく食べていたのよりもちょっと大人っぽい味だと思うけど、こういうチョコもあるから良いと思うな。甘いものを食べなれていないこっちの世界の人にはちょうどいい感じだと思うし」
「そうなのか。確かに愛華ちゃんのいた世界で食べたものはもっと甘かったんだよね。ケーキも凄く甘くてびっくりしたりしちゃったし、どうにかしてこの世界でも甘くて脳が痺れるような食べ物を作れたりしないかな。イザーは何かいいアイデアないかしら。あなたならここにある装置をもっと発展させたりできるんじゃないかしら」
「アイデアを出すことはできると思うんですけど、これ以上絞るのは難しいんじゃないかな。あんまりやりすぎると酸っぱくなっちゃうような気もしてるし、うまなちゃんは手加減することが出来ないから他の人に任せた方が良いと思うよ」
「それは私もわかってるけどさ、やっぱりこの世界に関する事だったら私が主導してやりたいじゃない。イザーに全部任せた方が上手くいくってのはわかってるんだけど、そこだけは譲りたくないんだよね。イザーもそれはわかってくれるよね」
「その気持ちはわかりますよ。でも、あんまりうまなちゃんのワガママで引き延ばしたりしない方が良いと思うかも。上手くいってる時はそれでもいいと思うんだけど、今回はちょっと上手くいってないような気もするんだよね。愛華ちゃんがあんまり納得してない感じだし」
私が甘い方が良いって言っちゃったからこんな険悪な感じになっちゃったのかな。私も別にこのチョコが美味しくないって言ってるわけじゃないし、こういうのが好きな人もいるのは間違いないと思う。たぶん、偽福島君は甘いチョコよりもこういう大人な感じのチョコの方が好きだと思うんだよね。私だけの意見じゃなくて偽福島君の意見も聞いてみたら良いんじゃないかな。きっとその方がみんなにとっても良いと思うよね。私よりもずっと大人っぽい偽福島君ならこっちの方が好きだってきっと言うはずだよ。
「あの、私はもう少し甘い方が好きだってだけなんですけど、こっちの世界にいる福島君にも味見してもらったらどうかな。私の個人的な感想だけじゃなくて福島君の感想も聞いてみたらいいと思うんだけど」
「それは良いアイデアだと思うけど、福島君は甘いものはあまり食べてなかったみたいなんだよね。チョコレート工場も興味無いから描きたくないって言ってたんだけど、うまなちゃんが無理矢理描かせたんだよね。私もうまなちゃんも四天王のみんなももちろんチョコレート工場なんて知らないからどんな感じなのかわかってなかったんだけど、これって本当にチョコレート工場でいいのかな?」
正直に言ってしまえば私だってチョコレート工場がどんな感じなのか知らない。私が知っている食べ物系の工場はパン工場くらいなんだけど、きっとアレだって本当の工場とは違うんだってことくらいは知っている。日本で一番有名な食品工場だとは思うんだけど、あれはパン工場というよりもどこにでもある町のパン屋さんだとしか思えないのだ。
いや、今はそんなことを言っている場合ではないのだ。食品工場と言われて思い出したのはあのパン工場と某かまぼこ工場なのだが、どちらもこんなにけばけばしい作りはしていなかったと思う。いったいどんな思考回路になればこんな派手な外観の工場を作ることが出来るのだろうと思っていたのだけれど、偽福島君が派手好きで目立ちたがり屋だったとしたらこれも自己表現の一環だという事になるのではないだろうか。そんなはずはないという事は重々承知しているのだけれど、何かのタイミングでこんな派手な物しか想像出来なかったという可能性だってあるかもしれない。私だっていつも以上に難解で解読できないような文章になってしまう事もあるし、こればっかりは偽福島君を責める事は出来ないよね。
「うまなちゃんは聞いてないから知らないとは思うけどね、福島君はこの工場を描き終えた後に一瞬だけど何か“やっちゃったな”って顔してたよ。その時は何とも思わなかったけど、今にして思えばこのチョコレート工場の外観って普通じゃないのかもしれないなって思うよ。ほら、愛華ちゃんも最初にこの工場を見た時に一歩引いちゃってたからね」
「え、それって本当なの。本当だとしたら、なんで今まで言わなかったのよ。もっと早く言ってくれてたらどうにでも出来たのに」
恨めしそうな顔で見てくるうまなちゃんから視線を逸らした私は四天王の三人と一緒に残ったチョコを食べていた。甘味自体はほんのりと感じることが出来るのだけれど、それ以上に感じる苦みは私の心を表現しているみたいで少しだけ申し訳ない気持ちになっていた。
四天王の三人は私とうまなちゃんを交互に見て困っている様子なのだが、私はうまなちゃんの事を真っすぐ見ることが出来なかった。私は悪いことをしていないし、この工場に一切何も関わってなんてい内のはずなのに、なぜか胸が苦しくなってきていた。もしかしたら、胸が痛くなるのは成長期だからなのかなと思っていたけれど、そんなはずはないと心の中で一人寂しく突っ込んでしまっていたのだった。
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