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うまなちゃんと愛玩機械人形
うまなちゃんと愛玩機械人形 第三話
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このお姉さんに逆らってはいけない。私の本能がそう告げていたのだが、その直感はあてにならないだろう。お姉さんは栗鳥院燦の字に殴らせるだけ殴らせていたのに何も抵抗していなかったし、一線を越えなければこちらに何かしてくることなんて無いと思う。そんな私はこのお姉さんのいう事なんて聞く義理はないのである。ついてきて欲しいと頼まれたから取ってついて行く必要なんて無いし、そのお願いを聞く必要も無いのだ。私は他人に流されたりすることなんて絶対にしないで一人で趣味に生きていくと決めているのだ。
「素直について来てくれて良かったです。うまなちゃんからはどんなことをしても良いから先生を連れてきてくれって言われてたんだよね」
このお姉さんは何かわけのわからないことを言っている。私はお姉さんについてきて欲しいと言われてついてきてるのではない。たまたま私が行こうと思ってた方向がお姉さんのいく方向と一緒だっただけの話なのだ。時々こんな事もあると思うのだけど、私はそんな偶然としか思えない体験をよくしているのだ。
「あの、別に私はお姉さんについてきてるわけじゃないです。それに、先生じゃないですし」
「え、そうなの。てっきり素直について来てくれてるのかと思ってたよ。でもさ、この道ってうまなちゃんの家に通じる一本道なんだけど、先生もうまなちゃんの家に用事があるって事なの?」
「そうそう、うまなちゃんの家がこの辺にあるって聞いてたからどんな場所にあるのかなって思って見に来ただけなんだ。お姉さんに言われたからついてきたってわけじゃないから。あと、私は先生じゃないし」
「その辺のニュアンスの違いって私にはよくわからないんだけどさ、それって私に従いたくなって良いわけかせめてもの抵抗ってやつじゃないのかな。別に私は先生が付いて来てくれてるって事実があるからどっちでもいいとは思うんだけどね。あ、ちょっと待っててもらっていいかな。うまなちゃんの事を暗殺しようとしてる刺客がいるみたいだからちょっとだけ相手してくるね」
私に向かって小さく手を振りながら笑顔を見せてきたお姉さんはゆっくりと森の中へと消えていった。街中に比べれば木が多いのは認めるのだけど、人を見失うほど生えているわけではないし森の奥に誰かの畑があるのだってわかる。鬱蒼としているという言葉は絶対に当てはまらない、むしろ木漏れ日が降り注ぐような爽やかの森の中に入って行ったお姉さんの姿を私は見失っていた。瞬きをした一瞬の間に消えたとしか思えないような感じだったし、森の中を見ても隠れるような場所なんて無いし落とし穴とかそういうトラップも見当たらない。もちろん、空間転移装置なんてものも無いわけだし、お姉さんがいったいどこに行ったのかわからなかった。
こんな事ならお姉さんに触れてどんな機械で体が構成されているのか見ておけば良かったなと思っていた。物音を立てずに一瞬で消えたところを見ると静音性というか遮音性能が物凄くすぐれた機械を使っているとしか思えないのだけど、そんなものをこんな障害物が多い場所で使うなんて自殺行為だと思うんだよな。乱雑に生えた木を物音もたてずに避けるなんて不可能だと思うし、どんな機械なのか俄然興味がわいてきた。ただ、お姉さんが戻ってくるとは限らないんだよな。もしかしたら、私をここに連れ出すのが目的で用が済んだから後は他の者に任せる的な展開があるのかもしれない。
「私になんて何の価値も無いと思うのに、殺されちゃうのかな」
「先生を殺したりなんてしないよ。うまなちゃんにも無事に先生を連れてきてねって言われてるからね」
ここで殺されてしまうかもしれないと本気で思っていたタイミングで後ろから話しかけられた私は悲鳴を出すことが出来ずに息を思いっ切り飲み込んでいた。本気で驚いた時って声も出せずに息を飲み込んでしまうというのは私だけの癖なのかな。こんなんじゃ仲間がいたとしても助けてもらえないな。殺されると思っていたのに殺されていない私は急に冷静になってそんな事を考えてしまっていた。
「驚いた顔をしているのに声を出さないなんてさすがだね。私を倒しても声を出しちゃってたら他の敵に自分の居場所を知らせちゃうかもしれないって事だもんね。でも、私は先生の敵じゃないからさ。ほら、こいつらはうまなちゃんの敵でもあるんだけど、先生の事も殺そうとしてたみたいだよ」
お姉さんはまるで宝物を自慢してくる子供のような純粋な目で私に向かって手に持っている物を見せてくれていた。差し出してきた右手は一本なのにどうやって持っているんだろうと不思議に思っていたのだけど、見せてきてくれた物とちゃんと見た私はもう一度思いっきり息を飲み込んでしまった。
「ね、こいつらが先生の事も殺そうとしてたんだよ。まだ少し聞きたいことがあるんで生かしてはいるんだけどさ、三人も必要無いと思うんだよね。話を聞いた後にうまなちゃんが一人殺すとして、残ってる二人は私と先生でやっちゃおうか。このまま三人とも連れて行くのはちょっと面倒だし」
私はお姉さんの言っている事は何一つ理解出来なかった。そもそも、うまなちゃんって知り合いみたいに何度も言ってくるんだけど、私にはそんな知り合いはいない。私とお姉さんも知り合いではないし、私の事を先生と呼んでくることも謎なのだ。何から聞けばいいのかわからないし、ここで選択を間違えてしまうと私もこの人達みたいな目に遭ってしまうかもしれない。
短い時間ではあるが、私はどうしても聞いておかないといけないことを聞くべきだと思って勇気を振り絞ってお姉さんに尋ねてみた。
「その細い腕でどうやってこの三人を持ってるんですか?」
たぶん、私は選択をミスしてしまった。
「素直について来てくれて良かったです。うまなちゃんからはどんなことをしても良いから先生を連れてきてくれって言われてたんだよね」
このお姉さんは何かわけのわからないことを言っている。私はお姉さんについてきて欲しいと言われてついてきてるのではない。たまたま私が行こうと思ってた方向がお姉さんのいく方向と一緒だっただけの話なのだ。時々こんな事もあると思うのだけど、私はそんな偶然としか思えない体験をよくしているのだ。
「あの、別に私はお姉さんについてきてるわけじゃないです。それに、先生じゃないですし」
「え、そうなの。てっきり素直について来てくれてるのかと思ってたよ。でもさ、この道ってうまなちゃんの家に通じる一本道なんだけど、先生もうまなちゃんの家に用事があるって事なの?」
「そうそう、うまなちゃんの家がこの辺にあるって聞いてたからどんな場所にあるのかなって思って見に来ただけなんだ。お姉さんに言われたからついてきたってわけじゃないから。あと、私は先生じゃないし」
「その辺のニュアンスの違いって私にはよくわからないんだけどさ、それって私に従いたくなって良いわけかせめてもの抵抗ってやつじゃないのかな。別に私は先生が付いて来てくれてるって事実があるからどっちでもいいとは思うんだけどね。あ、ちょっと待っててもらっていいかな。うまなちゃんの事を暗殺しようとしてる刺客がいるみたいだからちょっとだけ相手してくるね」
私に向かって小さく手を振りながら笑顔を見せてきたお姉さんはゆっくりと森の中へと消えていった。街中に比べれば木が多いのは認めるのだけど、人を見失うほど生えているわけではないし森の奥に誰かの畑があるのだってわかる。鬱蒼としているという言葉は絶対に当てはまらない、むしろ木漏れ日が降り注ぐような爽やかの森の中に入って行ったお姉さんの姿を私は見失っていた。瞬きをした一瞬の間に消えたとしか思えないような感じだったし、森の中を見ても隠れるような場所なんて無いし落とし穴とかそういうトラップも見当たらない。もちろん、空間転移装置なんてものも無いわけだし、お姉さんがいったいどこに行ったのかわからなかった。
こんな事ならお姉さんに触れてどんな機械で体が構成されているのか見ておけば良かったなと思っていた。物音を立てずに一瞬で消えたところを見ると静音性というか遮音性能が物凄くすぐれた機械を使っているとしか思えないのだけど、そんなものをこんな障害物が多い場所で使うなんて自殺行為だと思うんだよな。乱雑に生えた木を物音もたてずに避けるなんて不可能だと思うし、どんな機械なのか俄然興味がわいてきた。ただ、お姉さんが戻ってくるとは限らないんだよな。もしかしたら、私をここに連れ出すのが目的で用が済んだから後は他の者に任せる的な展開があるのかもしれない。
「私になんて何の価値も無いと思うのに、殺されちゃうのかな」
「先生を殺したりなんてしないよ。うまなちゃんにも無事に先生を連れてきてねって言われてるからね」
ここで殺されてしまうかもしれないと本気で思っていたタイミングで後ろから話しかけられた私は悲鳴を出すことが出来ずに息を思いっ切り飲み込んでいた。本気で驚いた時って声も出せずに息を飲み込んでしまうというのは私だけの癖なのかな。こんなんじゃ仲間がいたとしても助けてもらえないな。殺されると思っていたのに殺されていない私は急に冷静になってそんな事を考えてしまっていた。
「驚いた顔をしているのに声を出さないなんてさすがだね。私を倒しても声を出しちゃってたら他の敵に自分の居場所を知らせちゃうかもしれないって事だもんね。でも、私は先生の敵じゃないからさ。ほら、こいつらはうまなちゃんの敵でもあるんだけど、先生の事も殺そうとしてたみたいだよ」
お姉さんはまるで宝物を自慢してくる子供のような純粋な目で私に向かって手に持っている物を見せてくれていた。差し出してきた右手は一本なのにどうやって持っているんだろうと不思議に思っていたのだけど、見せてきてくれた物とちゃんと見た私はもう一度思いっきり息を飲み込んでしまった。
「ね、こいつらが先生の事も殺そうとしてたんだよ。まだ少し聞きたいことがあるんで生かしてはいるんだけどさ、三人も必要無いと思うんだよね。話を聞いた後にうまなちゃんが一人殺すとして、残ってる二人は私と先生でやっちゃおうか。このまま三人とも連れて行くのはちょっと面倒だし」
私はお姉さんの言っている事は何一つ理解出来なかった。そもそも、うまなちゃんって知り合いみたいに何度も言ってくるんだけど、私にはそんな知り合いはいない。私とお姉さんも知り合いではないし、私の事を先生と呼んでくることも謎なのだ。何から聞けばいいのかわからないし、ここで選択を間違えてしまうと私もこの人達みたいな目に遭ってしまうかもしれない。
短い時間ではあるが、私はどうしても聞いておかないといけないことを聞くべきだと思って勇気を振り絞ってお姉さんに尋ねてみた。
「その細い腕でどうやってこの三人を持ってるんですか?」
たぶん、私は選択をミスしてしまった。
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