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白ギャル黒ギャル戦争
新しい日常
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休みの日に何度か遊んでみて分かったのだけど、私以外の三人はみんな彼氏がいるみたいだ。
高校生ともなれば恋人がいてもおかしいことではないと思う。でも、私は青木さんたちと仲良くなるまで異性の友達なんて誰もいなかったし、同性の友達もいなかったのだから恋人がいなくて当然だと思ってはいた。
彼氏がいる生活がどんな感じなのか興味が無いわけではない。私だって年頃の女の子なんだから色々と興味はあるんだ。でも、私の場合は両親の事もあってそういったことになかなか踏み込むことが出来ずにいた。それは弱くて臆病な私が恋愛から逃げているだけだってのもわかってはいるんだけど、どうしてもその一歩を踏み出す勇気が持てなかった。
それだけの話だと、私は思っていたのだった。
青木さんたちと遊ぶときは帰りにハンバーガーを食べるのがお約束のようになっていた。親から渡されるアルバイトのお給料が無ければそんなに頻繁に通うことが出来ないと思っていたので、零楼館で働かせてもらっていることに感謝をしていた。私はそんな感じで大丈夫なんだけど、青木さんたちは私と違ってアルバイトはしていないようなんだよね。お小遣いをもらってるから大丈夫だって言ってはいるんだけど、毎週のように遊べるくらいお小遣いをもらっているなんて少し羨ましいなと思ってしまった。
「なんか、定番のって美味しいんだけど、さすがに毎回だと飽きちゃうよね。栗宮院さんは好きなの見つかった?」
「どれも美味しいんで迷ってるかも。私の家って基本的に和食ばかりだからこういう味付けが珍しくて色々と気になっちゃうんだ。でも、お魚のやつは結構好きかもしれない」
「そうなんだ。なんか渋いね。ハンバーガーじゃないけどさ、これも美味しいから一つ食べてみてよ。ね、美味しいでしょ?」
赤井さんが私に一つお裾分けしてくれたチキンナゲットも初めて食べたのだ。ソースにつけて食べてみたところ、生まれて初めて食べる味に驚いてしまって。とても美味しい。
「ね、美味しいよね。詩織も友紀もマスタードしか食わないって言うんだけどさ、バーベキューソースも美味しいんだよ。栗宮院さんもバーベキュー派で二人に負けないようにしようね」
「何勝手なこと言ってるのよ。あんたが辛いの食べられないってだけの話でしょ。ほら、そんなに辛くないからこのマスタードも食べてみてよ。辛いの苦手じゃなかったらだけどさ」
青木さんがお裾分けしてくれたチキンナゲットは赤井さんの時とは違って黄色いマスタードソースだった。私はそこまで辛いものが得意ではないので勇気を出して食べてみることにした。とても美味しい。
思っていたよりも辛さはおさえられている事もあって食べやすい感じになっている。ちょっとした刺激と酸味がお肉の味を引き立てているように感じられた。
「うん、その反応だと栗宮院さんもマスタード派になったみたいだね。残念だけど茉子だけ一人バーベキュー派って事だね」
「三対一だから勝負にもならないね。私のも一つ栗宮院さんにあげるよ」
「ありがとう。でも、私はみんなにあげられるもの買ってないや。何かみんなで食べられるもの買ってこようかな」
「そんなの気にしなくていいよ。私たちが栗宮院さんに食べてもらいたくてあげてるだけなんだからね。栗宮院さんって美味しいもの食べる時の反応が可愛いからついつい何かあげたくなっちゃうんだよね」
「わかる。私も美味しいものあったらあげたくなっちゃうもん」
「茉子がそんなこと言うの珍しいよね。茉子って意地汚いから食べ物誰にもあげたりしないのに。今までお菓子だってくれたことないんじゃないかな?」
「そんなことないよ。私だって二人にお菓子あげたことあるし。それに、何でもかんでも独り占めしたいってわけでもないから。だから、そんなに私の事を悪く言わないでよ。特に友紀は私の事悪く言い過ぎだからね」
「私は別にそんなつもりじゃないんだけど。茉子の事を素直に表現したらそうなっちゃうだけの話だよ。私たちが悪いんじゃなくて、茉子が悪いってだけの話じゃないかな」
「そうだよね。私たちは悪くないよ。茉子が悪いんだよ」
最初は赤井さんが二人から責められているように見えて私もどうしていいのかわからなくなってしまったけれど、これが三人の中でのスキンシップの取り方なんだという事を初めて知ったときは妙に納得してしまった。私はさすがに赤井さんの事を責めたりなんてすることは出来ないのだけれど、赤井さん自身は私にも何か辛辣なことを言ってほしそうな表情を見せてきてはいるんだよね。
「あれ、今日遊ぼうって誘って断った詩織じゃん。彼氏と遊ぶよりも女子会の方が楽しいって感じかな?」
「そうだよ。あんたと一緒に過ごすのも楽しいんだけど、今な女子会なんだからあっち行ってよ」
「そんな冷たいこと言うなって。挨拶くらいさせておくれよ。茉子ちゃんに友紀ちゃんと知らない子、ちわっす」
「こんにちは。相変わらず浩二君はイケメンだね。詩織とお似合いだよ」
「そういう茉子ちゃんだってちょっとは可愛いじゃない」
「ちょっとって何だよ。私の事も可愛いって言ってくれていいのに」
「茉子ちゃんの可愛いは小動物とか子供に対する可愛いと一緒だからな。それでもいいって言うんだったら可愛いって言うけど。友紀ちゃんともう一人の子は普通に可愛いって思うけどね」
「ホントそういうの良いから。また後で遊んであげるからあっち行ってなって。ほら、友達も待ってるみたいだから」
「冷たいな。じゃあ、またね。初めて会った子もまたね」
私もみんなと同じように手を振って見送っていたんだけど、いったい誰だったんだろ。みんなが話していたことを考えると青木さんの彼氏なんだろうなとは思う。青木さんとお似合いなような気もしていたけれど、もう少し落ちつた感じの人の方が青木さんには似合っているように思ってしまった。あの人がどんな人なのかわからないので見た目だけで判断したんだけど、そういうのってあんまりよくないとは思うよね。
高校生ともなれば恋人がいてもおかしいことではないと思う。でも、私は青木さんたちと仲良くなるまで異性の友達なんて誰もいなかったし、同性の友達もいなかったのだから恋人がいなくて当然だと思ってはいた。
彼氏がいる生活がどんな感じなのか興味が無いわけではない。私だって年頃の女の子なんだから色々と興味はあるんだ。でも、私の場合は両親の事もあってそういったことになかなか踏み込むことが出来ずにいた。それは弱くて臆病な私が恋愛から逃げているだけだってのもわかってはいるんだけど、どうしてもその一歩を踏み出す勇気が持てなかった。
それだけの話だと、私は思っていたのだった。
青木さんたちと遊ぶときは帰りにハンバーガーを食べるのがお約束のようになっていた。親から渡されるアルバイトのお給料が無ければそんなに頻繁に通うことが出来ないと思っていたので、零楼館で働かせてもらっていることに感謝をしていた。私はそんな感じで大丈夫なんだけど、青木さんたちは私と違ってアルバイトはしていないようなんだよね。お小遣いをもらってるから大丈夫だって言ってはいるんだけど、毎週のように遊べるくらいお小遣いをもらっているなんて少し羨ましいなと思ってしまった。
「なんか、定番のって美味しいんだけど、さすがに毎回だと飽きちゃうよね。栗宮院さんは好きなの見つかった?」
「どれも美味しいんで迷ってるかも。私の家って基本的に和食ばかりだからこういう味付けが珍しくて色々と気になっちゃうんだ。でも、お魚のやつは結構好きかもしれない」
「そうなんだ。なんか渋いね。ハンバーガーじゃないけどさ、これも美味しいから一つ食べてみてよ。ね、美味しいでしょ?」
赤井さんが私に一つお裾分けしてくれたチキンナゲットも初めて食べたのだ。ソースにつけて食べてみたところ、生まれて初めて食べる味に驚いてしまって。とても美味しい。
「ね、美味しいよね。詩織も友紀もマスタードしか食わないって言うんだけどさ、バーベキューソースも美味しいんだよ。栗宮院さんもバーベキュー派で二人に負けないようにしようね」
「何勝手なこと言ってるのよ。あんたが辛いの食べられないってだけの話でしょ。ほら、そんなに辛くないからこのマスタードも食べてみてよ。辛いの苦手じゃなかったらだけどさ」
青木さんがお裾分けしてくれたチキンナゲットは赤井さんの時とは違って黄色いマスタードソースだった。私はそこまで辛いものが得意ではないので勇気を出して食べてみることにした。とても美味しい。
思っていたよりも辛さはおさえられている事もあって食べやすい感じになっている。ちょっとした刺激と酸味がお肉の味を引き立てているように感じられた。
「うん、その反応だと栗宮院さんもマスタード派になったみたいだね。残念だけど茉子だけ一人バーベキュー派って事だね」
「三対一だから勝負にもならないね。私のも一つ栗宮院さんにあげるよ」
「ありがとう。でも、私はみんなにあげられるもの買ってないや。何かみんなで食べられるもの買ってこようかな」
「そんなの気にしなくていいよ。私たちが栗宮院さんに食べてもらいたくてあげてるだけなんだからね。栗宮院さんって美味しいもの食べる時の反応が可愛いからついつい何かあげたくなっちゃうんだよね」
「わかる。私も美味しいものあったらあげたくなっちゃうもん」
「茉子がそんなこと言うの珍しいよね。茉子って意地汚いから食べ物誰にもあげたりしないのに。今までお菓子だってくれたことないんじゃないかな?」
「そんなことないよ。私だって二人にお菓子あげたことあるし。それに、何でもかんでも独り占めしたいってわけでもないから。だから、そんなに私の事を悪く言わないでよ。特に友紀は私の事悪く言い過ぎだからね」
「私は別にそんなつもりじゃないんだけど。茉子の事を素直に表現したらそうなっちゃうだけの話だよ。私たちが悪いんじゃなくて、茉子が悪いってだけの話じゃないかな」
「そうだよね。私たちは悪くないよ。茉子が悪いんだよ」
最初は赤井さんが二人から責められているように見えて私もどうしていいのかわからなくなってしまったけれど、これが三人の中でのスキンシップの取り方なんだという事を初めて知ったときは妙に納得してしまった。私はさすがに赤井さんの事を責めたりなんてすることは出来ないのだけれど、赤井さん自身は私にも何か辛辣なことを言ってほしそうな表情を見せてきてはいるんだよね。
「あれ、今日遊ぼうって誘って断った詩織じゃん。彼氏と遊ぶよりも女子会の方が楽しいって感じかな?」
「そうだよ。あんたと一緒に過ごすのも楽しいんだけど、今な女子会なんだからあっち行ってよ」
「そんな冷たいこと言うなって。挨拶くらいさせておくれよ。茉子ちゃんに友紀ちゃんと知らない子、ちわっす」
「こんにちは。相変わらず浩二君はイケメンだね。詩織とお似合いだよ」
「そういう茉子ちゃんだってちょっとは可愛いじゃない」
「ちょっとって何だよ。私の事も可愛いって言ってくれていいのに」
「茉子ちゃんの可愛いは小動物とか子供に対する可愛いと一緒だからな。それでもいいって言うんだったら可愛いって言うけど。友紀ちゃんともう一人の子は普通に可愛いって思うけどね」
「ホントそういうの良いから。また後で遊んであげるからあっち行ってなって。ほら、友達も待ってるみたいだから」
「冷たいな。じゃあ、またね。初めて会った子もまたね」
私もみんなと同じように手を振って見送っていたんだけど、いったい誰だったんだろ。みんなが話していたことを考えると青木さんの彼氏なんだろうなとは思う。青木さんとお似合いなような気もしていたけれど、もう少し落ちつた感じの人の方が青木さんには似合っているように思ってしまった。あの人がどんな人なのかわからないので見た目だけで判断したんだけど、そういうのってあんまりよくないとは思うよね。
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