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第11話 デートに向けて水着を買おう
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一人一人丁寧に説得することによって栗宮院うまなが工藤珠希とデートをすることに異論を唱える者はいなくなった。
イザーが異世界に旅立ったという事もあるのだが、話し合いではなく実力行使に出た場合に栗宮院うまなに対抗できるものがいないというのもあるけれど、みんなの中でも工藤珠希と最初にデートをするのは栗宮院うまなが相応しいと思っているという事も関係していると思われる。
「イザーちゃんが異世界に行って太郎君のお手伝いをする事の許可が下りるなんて意外だよね。うまなちゃんから何かお願いとかしたの?」
「私は特に何もしてないよ。イザーちゃんが助けに行く理由を言ったらみんな納得してくれたってだけの話だからね。ヒナちゃんも不審に思ってたみたいだけど、イザーちゃんが太郎ちゃんを助けに行く理由を聞いたら納得したでしょ?」
「あのイザーちゃんが呪われてて大変だったって聞いて、その呪いを解いたのがレジスタンスの人達でそのお礼に太郎君を助けに行くって事なんだもんね。イザーちゃんって義理堅いところがあるからさ、その話を聞いたら納得しちゃうよね」
「それについてみんなと話をしてたんだけど、その流れで私がどれだけ珠希ちゃんとのデートを楽しみにしているかってのもプレゼンしたりしたけどね」
「そうなんだ。それって、うまなちゃんが他のサキュバスの人に対して一対一でプレッシャーをかけて、どっちが珠希ちゃんとデートをするのにふさわしいか聞いて回ってたのと同じって事?」
「え、そんなことしてないよ。私はただみんなに珠希ちゃんとのデートについてのアンケートをとっただけだからね。どんな意見を持っているのか気になっていたから一人ずつ聞いてみたけど、プレッシャーなんてかけてないし」
「まあ、そういう事なんだろうね。でもさ、みんな辞退してくれたからうまなちゃんが珠希ちゃんとのデートを楽しめるって事だもんね。今週末って話だったけど、来週の方が良かったんじゃないの?」
「来週でも良かったと言えばそうだったのかもしれないけれど、今週の方が天気も崩れなさそうだし気温もそこまで上がらなさそうだからいいかなって思ったんだよ」
「海でのデートってどんな事をするんだろうね。海岸とか歩いたり海水浴とかしちゃうって事なのかな。でも、海に入るのはまだちょっと早い気もしてるんだよね」
「まだまだ肌寒いもんね。昼間は流石に過ごしやすい気候だけどさ、朝晩は寒くて1枚余計にはおっちゃおうかなって思っちゃうもんね」
「ところで、今日は何を買いに来たのかな?」
「それはね、盛れる水着を買いに来たんだよ。海に入るかどうかはわからないけど、盛れる水着を買っておけば上に何か着てても目立つんじゃないかなって思うからね」
「この時期にはまだ水着は売ってないんじゃないかな。夏でもあんまり見かけないような気もするけど」
「そんなことないよ。探せば見つかるはずだって。そのためにヒナちゃんを連れてきたんだからね。ヒナちゃんがいれば目的のお店も見つかると思うし」
「私には目当ての店を探す機能なんて備わってないから見つかるかわからないよ。それでも、うまなちゃんが見つけるより早く見つける自信はあるけどね。でも、水着を取り扱っているお店がこの時期にあるのかは疑問だけどね」
地元で一番大きなショッピングモールについた二人は歩き疲れて喉も乾いたので何か飲み物を買うことにしたのだ。
ちょっと離れたスーパーで買うか、すぐ目の前にある自動販売機で買うのか。底が悩みどころではあったけれど、栗宮院うまなは何のためらいもなく自動販売機に小銭を入れてお茶を二本購入していた。
「お茶で大丈夫だったっけ?」
「うん、ちょうどお茶が飲みたいなって思ってたところだったよ」
「それは良かったよ。それで、盛れる水着を売ってる店って見つかりそうかな?」
「ちょっと焦り過ぎだよ。うまなちゃんの気持ちはわかるんだけどさ、もっとじっくり見ていった方が見逃しが無くなっていいんじゃないかな」
水着を選ぶのには早すぎる季節かもしれないが、根気よく探せば売っている店くらいは見つかるだろう。そう思っている栗宮院うまな。
栗宮院うまなとは反対にこの季節に選べるほど水着が売っている店があるわけないと思っているのはヒナであった。サキュバスの代表でもある栗宮院うまなの頼みごとなので断る選択肢自体はなかったのだけれど、この時期に盛れる水着を買うために店を探すというのを聞いていたとしたのならば、ヒナはその誘いを丁寧に断ることも出来ただろう。
「さすがにこの時期だと水着を売ってる店すらないのかもしれないね。盛れる水着があればいいなって思ってたんだけど、そこまで贅沢を言っていられるような状況じゃないかもしれないね」
「そうだよね。一通りグルって見てみたけど、水着を売ってる店って今の時期じゃスポーツ用品店くらいだよね。競泳用の水着しか売ってなかったからうまなちゃんの目当ての物と違うかもしれない。でも、世の中には競泳水着が好きな人もいるって話を聞いたことがあるから大丈夫だよ」
「珠希ちゃんがその趣味があるのかは聞いたことが無いんだけど、確かに一般受けよりも一部に深く刺さるってのは理解出来るかも。もしも、見つからなかったとしたら、去年着たやつで妥協しちゃおうかな。でも、あの水着は上手く盛れないっていう弱点もあるくらいだからね」
「いや、水着を持ってるんだったらわざわざ探しに行かなくてもいいんじゃないですか?」
栗宮院うまなは途中からその事に気が付いていたのだけれど、なかなかタイミングを掴みきれなくてヒナに伝えることが出来なかったのだ。
ヒナは少し怒っている感じではあったけれど、クレープを買ってあげると喜ぶという女の子らしい一面も見せていたのだった。
イザーが異世界に旅立ったという事もあるのだが、話し合いではなく実力行使に出た場合に栗宮院うまなに対抗できるものがいないというのもあるけれど、みんなの中でも工藤珠希と最初にデートをするのは栗宮院うまなが相応しいと思っているという事も関係していると思われる。
「イザーちゃんが異世界に行って太郎君のお手伝いをする事の許可が下りるなんて意外だよね。うまなちゃんから何かお願いとかしたの?」
「私は特に何もしてないよ。イザーちゃんが助けに行く理由を言ったらみんな納得してくれたってだけの話だからね。ヒナちゃんも不審に思ってたみたいだけど、イザーちゃんが太郎ちゃんを助けに行く理由を聞いたら納得したでしょ?」
「あのイザーちゃんが呪われてて大変だったって聞いて、その呪いを解いたのがレジスタンスの人達でそのお礼に太郎君を助けに行くって事なんだもんね。イザーちゃんって義理堅いところがあるからさ、その話を聞いたら納得しちゃうよね」
「それについてみんなと話をしてたんだけど、その流れで私がどれだけ珠希ちゃんとのデートを楽しみにしているかってのもプレゼンしたりしたけどね」
「そうなんだ。それって、うまなちゃんが他のサキュバスの人に対して一対一でプレッシャーをかけて、どっちが珠希ちゃんとデートをするのにふさわしいか聞いて回ってたのと同じって事?」
「え、そんなことしてないよ。私はただみんなに珠希ちゃんとのデートについてのアンケートをとっただけだからね。どんな意見を持っているのか気になっていたから一人ずつ聞いてみたけど、プレッシャーなんてかけてないし」
「まあ、そういう事なんだろうね。でもさ、みんな辞退してくれたからうまなちゃんが珠希ちゃんとのデートを楽しめるって事だもんね。今週末って話だったけど、来週の方が良かったんじゃないの?」
「来週でも良かったと言えばそうだったのかもしれないけれど、今週の方が天気も崩れなさそうだし気温もそこまで上がらなさそうだからいいかなって思ったんだよ」
「海でのデートってどんな事をするんだろうね。海岸とか歩いたり海水浴とかしちゃうって事なのかな。でも、海に入るのはまだちょっと早い気もしてるんだよね」
「まだまだ肌寒いもんね。昼間は流石に過ごしやすい気候だけどさ、朝晩は寒くて1枚余計にはおっちゃおうかなって思っちゃうもんね」
「ところで、今日は何を買いに来たのかな?」
「それはね、盛れる水着を買いに来たんだよ。海に入るかどうかはわからないけど、盛れる水着を買っておけば上に何か着てても目立つんじゃないかなって思うからね」
「この時期にはまだ水着は売ってないんじゃないかな。夏でもあんまり見かけないような気もするけど」
「そんなことないよ。探せば見つかるはずだって。そのためにヒナちゃんを連れてきたんだからね。ヒナちゃんがいれば目的のお店も見つかると思うし」
「私には目当ての店を探す機能なんて備わってないから見つかるかわからないよ。それでも、うまなちゃんが見つけるより早く見つける自信はあるけどね。でも、水着を取り扱っているお店がこの時期にあるのかは疑問だけどね」
地元で一番大きなショッピングモールについた二人は歩き疲れて喉も乾いたので何か飲み物を買うことにしたのだ。
ちょっと離れたスーパーで買うか、すぐ目の前にある自動販売機で買うのか。底が悩みどころではあったけれど、栗宮院うまなは何のためらいもなく自動販売機に小銭を入れてお茶を二本購入していた。
「お茶で大丈夫だったっけ?」
「うん、ちょうどお茶が飲みたいなって思ってたところだったよ」
「それは良かったよ。それで、盛れる水着を売ってる店って見つかりそうかな?」
「ちょっと焦り過ぎだよ。うまなちゃんの気持ちはわかるんだけどさ、もっとじっくり見ていった方が見逃しが無くなっていいんじゃないかな」
水着を選ぶのには早すぎる季節かもしれないが、根気よく探せば売っている店くらいは見つかるだろう。そう思っている栗宮院うまな。
栗宮院うまなとは反対にこの季節に選べるほど水着が売っている店があるわけないと思っているのはヒナであった。サキュバスの代表でもある栗宮院うまなの頼みごとなので断る選択肢自体はなかったのだけれど、この時期に盛れる水着を買うために店を探すというのを聞いていたとしたのならば、ヒナはその誘いを丁寧に断ることも出来ただろう。
「さすがにこの時期だと水着を売ってる店すらないのかもしれないね。盛れる水着があればいいなって思ってたんだけど、そこまで贅沢を言っていられるような状況じゃないかもしれないね」
「そうだよね。一通りグルって見てみたけど、水着を売ってる店って今の時期じゃスポーツ用品店くらいだよね。競泳用の水着しか売ってなかったからうまなちゃんの目当ての物と違うかもしれない。でも、世の中には競泳水着が好きな人もいるって話を聞いたことがあるから大丈夫だよ」
「珠希ちゃんがその趣味があるのかは聞いたことが無いんだけど、確かに一般受けよりも一部に深く刺さるってのは理解出来るかも。もしも、見つからなかったとしたら、去年着たやつで妥協しちゃおうかな。でも、あの水着は上手く盛れないっていう弱点もあるくらいだからね」
「いや、水着を持ってるんだったらわざわざ探しに行かなくてもいいんじゃないですか?」
栗宮院うまなは途中からその事に気が付いていたのだけれど、なかなかタイミングを掴みきれなくてヒナに伝えることが出来なかったのだ。
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